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#title(戦国BASARA 紫×緑)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某スタイリッシュ戦国ゲェムの紫×緑でつ。...
昨日の雨が嘘みたいに秋麗らかな昼下がり。
無造作に目の前に出されたのは菊の花。
そして次の瞬間にはぴしゃりと言い切られた。
「飲め。」
何をいきなり言い出すのか。俺には全くわからない。
お宝目当てに他所の国で暴れて、結局帰ってきたのは一週間前。
今回の遠征は予想外の嵐に遭ったこともあり、こっちの完敗。...
国の取った取られたもなく、うやむやの内に事は済んだ。ただ...
大きな怪我をした。今すぐ命かどうこうという代物ではないが...
それに無理して後遺症なんて話になれば、それこそ厄介だ。
俺は大人しく包帯でぐるぐる巻きにされ、布団に潜り込んでい...
そんなある日の朝一に、お客がやってきた。
「……貴様、何をしておる。」
海を挟んだ、中国の雄。深草色の衣を纏った男は、渋いくて渋...
元々そう表情が変わらない奴が、こんな顔をするなんて珍しい。
「何だよ、何かマズイもんでも喰ったか?」
「質問に答えよ。」
偉く機嫌が悪いそいつは敷居を跨ぐことなく、縁側に立ったま...
「んだよ、寝てるだけだろ。いいじゃねえか。」
俺がひらひらと手を振ると、渋い顔へ更に皺を寄せる。その眉...
そして一通り俺を眺めると、すたすたとどこかに行ってしまっ...
「何なんだよ、一体…」
訳もわからず布団に潜り込んだまま、ブツブツと文句をいう。
俺は何も悪くないはず。何もしない内にアイツが勝手に臍曲げ...
ん?そういや何でアイツは四国になんかいるんだ?手紙も使者...
アイツらしくはない。
そんなことを考えていたら、二刻なんてあっという間に過ぎた。
小鳥の囀りが聞こえるなか、また静かな足音が聞こえてきた。
足音の主はやっぱりアイツで、そしていきなり出されたのだ。...
「飲めって…何だよコレ。」
「黙れ。賊ごときが我に口答えするな。」
あんまりにも不条理な命令に、思わず眉をしかめる。いつも無...
知ってたし、そんなとこも可愛いなんて思っていたが、ここま...
くるなんて流石に一言二言言いたくなる。
「いやいや、訳わかんねえよ。こりゃ花だぞ。飲めとか何の冗...
理由を言えよ、理由を。」
「うるさい。いいから飲め。貴様ごとき間抜けが故を知る必要...
「ひでぇ言い種だな、おい。こちとら手負いなんだ。労れよ。」
その一言がよくなかったらしい。俺はいきなり菊を投げつけら...
花は雨に降られていたせいか、花弁は露をたっぷり含ませてい...
べしゃっという音とともに俺の額に叩き付けられると、頭に巻...
「死に損ないが。」
散々暴言を吐いて、深草の男は帰っていった。
何でこんな目に遭わなくてはならないのか。
俺にはちっともわからない。仕方無いので投げ付けられた菊を...
別に熱はないが、「何となくそれっぽいじゃないっすか。」と...
いきなり訳のわからない男に手折られて、いい加減な理由で置...
この花も俺と同じく、熟運がないと、俺はちょっぴり同情した。
その後来た野郎共に聞くと、勝手にやって来て、勝手に不機嫌...
これまた勝手に海の向こうに帰ったらしい。
まあ礼儀を尽くせなんていう気は更々ないが、せめて帰るとき...
罰は当たらないんじゃないか。一応それなりに深い仲なんだし...
頭の包帯を巻き直しつつ考えた。
結局アレはなんだったのか。一人で考えても埒があかなかった...
勿論具体的に話せばアイツの逆鱗に触れるのは目に見えている...
野郎共の話は論点すらあっちこっちに飛んでいき、埒があくど...
三人よれば文殊の知恵というが、アレは嘘だったか。それとも...
救いようのない馬鹿なのか。そこまで考えると少しへこんだ。
もう考えるのはやめよう。今日は考え過ぎて頭が痛い。俺は布...
あれから半月。
傷は随分良くなったが、床についていると周りが政務を殆どこ...
まだ傷が痛むと積極的に病床に臥せっていた。そのせいか、家...
何でも京のさる高貴な家の出の人物らしい。正直興味はあまり...
その法師の語りを聞くことにした。
琵琶法師はなるほど確かに上品な雰囲気で、閉じられた瞼に傷...
高貴な家の出というのは本当かもしれない。曲目は何だかわか...
命を持った物の怪になって、羅城門を彷徨いていてもおかしく...
まあ、羅城門なんて見たことないんだが。
弾き語りが終わり、法師と話す席が設けられた。といっても適...
しかも俺は布団に入ったままで、非常に砕けた場だった。いく...
聞いたら京も諍が絶えませんのでとだけ言って微笑んでいた。
ただそれだけだったが、俺はこの法師はそれなりに色々あった...
そうこうしている内にふと、俺はこの前のことを思い出した。...
どうも野郎共と俺では知恵が足りないらしい。ならば他力本願...
知恵を借りるが吉だ。
例によって子細は暈して話をした。こういう諸国を回る人間相...
わかったもんじゃない。
万が一俺が相談なんてしたとアイツの耳に入れば、もう二度と...
それは絶対だめだ。俺の心が折れちまう。
細心の注意を払い、どういうことかと法師に尋ねてみた。する...
クスクス笑いだした。
「その方は、風流というか、素直でないというか…」
やはり意味がわからない。
「笑うなよ。こっちは真剣に悩んでるんだ。」
「これは失礼いたしました。しかしそう怒られますな。彼の御...
貴方様を御気遣いなされたのでしょうから。」
法師は微笑んだまま、淀みなく話してくれた。俺はそれを口を...
一通り話を終えると、法師はきれいに剃り上げた頭を下げる。
「夜も随分と更けてございます。その御方の御心遣い、努々無...
召さますよう。」
それだけ言うと、法師は上臈に添われて客間へと下がって行っ...
一人残された俺は灯明の火を暫く眺めていたが、さっき聞かさ...
早速火を落として布団に潜り込んだ。
また雨が降った。
怪我はほぼ治り、錨槍もいつも通り振るえるようになった。
俺は雨が止むのを待って、庭先に出てみた。
そこにはいくつか花が咲いていて、やっぱり菊の花も咲いてい...
飲めと差し出されたものと少し形が違う気もしたが、菊は菊な...
俺はその内一本をぽきりと折った。が、折れはしたが茎は繋が...
何とかしようと難儀しながら、アイツもこんな風に骨を折って...
自然と胸が温かくなった。
手こずりながらも漸く手に収まった一輪の菊。あの時みたいに...
俺は徐にそれに口を近付けた。
――菊の露は、不老長寿の妙薬にございます。
法師の言葉を思い出しながら、俺は露を啜った。
――歌など嗜まれる方なのでしょう。
冷たい露が唇を濡らす。
――貴方様の御怪我を御覧になって、いてもたってもいられなか...
露は甘くも辛くもなく、妙薬にしては味気なかった。
そうなると何となく口寂しくなり、今度は花弁を一枚唇で千切...
今度は苦い。ということは良薬なのかもしれない。自分でも馬...
俺は菊の花弁を噛み続けた。
(アイツ、渋い顔してたなあ。)
あれ以来使者も文も届かない。こっちからも出しそびれたまま...
アイツはまだ眉間に渋皮を貼り付けたままなんだろうか。
(一応、心配してくれたんだよな。)
回りくどくて、一方的で、恐ろしいほど理不尽な心配の仕方だ...
けどあの不器用で、臆病で、素直じゃない男が見せてくれた精...
苦笑もただのでれでれした笑顔に変わっていった。
「…会いてぇなあ。」
会って抱き締めたい。多分怒鳴られるけど。
それで出来たら口付けたい。多分殴られるけど。
それからありがとうって言いたい。多分顔を真っ赤にするだろ...
「……会いに行くか。」
もう味なんてしなくなった菊の花弁を飲み込むと、俺は文を書...
使いを立てないとアイツがまた怒るから、適当でも知らせをや...
内容なんて会いに行くの一言でいい。
差し当たっての懸案事項はどんな土産でご機嫌をとるかだ。
「どうすっかなぁ~。」
空高い秋晴れの日。俺は空を仰ぎながらひとりごちた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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#title(戦国BASARA 紫×緑)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )某スタイリッシュ戦国ゲェムの紫×緑でつ。...
昨日の雨が嘘みたいに秋麗らかな昼下がり。
無造作に目の前に出されたのは菊の花。
そして次の瞬間にはぴしゃりと言い切られた。
「飲め。」
何をいきなり言い出すのか。俺には全くわからない。
お宝目当てに他所の国で暴れて、結局帰ってきたのは一週間前。
今回の遠征は予想外の嵐に遭ったこともあり、こっちの完敗。...
国の取った取られたもなく、うやむやの内に事は済んだ。ただ...
大きな怪我をした。今すぐ命かどうこうという代物ではないが...
それに無理して後遺症なんて話になれば、それこそ厄介だ。
俺は大人しく包帯でぐるぐる巻きにされ、布団に潜り込んでい...
そんなある日の朝一に、お客がやってきた。
「……貴様、何をしておる。」
海を挟んだ、中国の雄。深草色の衣を纏った男は、渋いくて渋...
元々そう表情が変わらない奴が、こんな顔をするなんて珍しい。
「何だよ、何かマズイもんでも喰ったか?」
「質問に答えよ。」
偉く機嫌が悪いそいつは敷居を跨ぐことなく、縁側に立ったま...
「んだよ、寝てるだけだろ。いいじゃねえか。」
俺がひらひらと手を振ると、渋い顔へ更に皺を寄せる。その眉...
そして一通り俺を眺めると、すたすたとどこかに行ってしまっ...
「何なんだよ、一体…」
訳もわからず布団に潜り込んだまま、ブツブツと文句をいう。
俺は何も悪くないはず。何もしない内にアイツが勝手に臍曲げ...
ん?そういや何でアイツは四国になんかいるんだ?手紙も使者...
アイツらしくはない。
そんなことを考えていたら、二刻なんてあっという間に過ぎた。
小鳥の囀りが聞こえるなか、また静かな足音が聞こえてきた。
足音の主はやっぱりアイツで、そしていきなり出されたのだ。...
「飲めって…何だよコレ。」
「黙れ。賊ごときが我に口答えするな。」
あんまりにも不条理な命令に、思わず眉をしかめる。いつも無...
知ってたし、そんなとこも可愛いなんて思っていたが、ここま...
くるなんて流石に一言二言言いたくなる。
「いやいや、訳わかんねえよ。こりゃ花だぞ。飲めとか何の冗...
理由を言えよ、理由を。」
「うるさい。いいから飲め。貴様ごとき間抜けが故を知る必要...
「ひでぇ言い種だな、おい。こちとら手負いなんだ。労れよ。」
その一言がよくなかったらしい。俺はいきなり菊を投げつけら...
花は雨に降られていたせいか、花弁は露をたっぷり含ませてい...
べしゃっという音とともに俺の額に叩き付けられると、頭に巻...
「死に損ないが。」
散々暴言を吐いて、深草の男は帰っていった。
何でこんな目に遭わなくてはならないのか。
俺にはちっともわからない。仕方無いので投げ付けられた菊を...
別に熱はないが、「何となくそれっぽいじゃないっすか。」と...
いきなり訳のわからない男に手折られて、いい加減な理由で置...
この花も俺と同じく、熟運がないと、俺はちょっぴり同情した。
その後来た野郎共に聞くと、勝手にやって来て、勝手に不機嫌...
これまた勝手に海の向こうに帰ったらしい。
まあ礼儀を尽くせなんていう気は更々ないが、せめて帰るとき...
罰は当たらないんじゃないか。一応それなりに深い仲なんだし...
頭の包帯を巻き直しつつ考えた。
結局アレはなんだったのか。一人で考えても埒があかなかった...
勿論具体的に話せばアイツの逆鱗に触れるのは目に見えている...
野郎共の話は論点すらあっちこっちに飛んでいき、埒があくど...
三人よれば文殊の知恵というが、アレは嘘だったか。それとも...
救いようのない馬鹿なのか。そこまで考えると少しへこんだ。
もう考えるのはやめよう。今日は考え過ぎて頭が痛い。俺は布...
あれから半月。
傷は随分良くなったが、床についていると周りが政務を殆どこ...
まだ傷が痛むと積極的に病床に臥せっていた。そのせいか、家...
何でも京のさる高貴な家の出の人物らしい。正直興味はあまり...
その法師の語りを聞くことにした。
琵琶法師はなるほど確かに上品な雰囲気で、閉じられた瞼に傷...
高貴な家の出というのは本当かもしれない。曲目は何だかわか...
命を持った物の怪になって、羅城門を彷徨いていてもおかしく...
まあ、羅城門なんて見たことないんだが。
弾き語りが終わり、法師と話す席が設けられた。といっても適...
しかも俺は布団に入ったままで、非常に砕けた場だった。いく...
聞いたら京も諍が絶えませんのでとだけ言って微笑んでいた。
ただそれだけだったが、俺はこの法師はそれなりに色々あった...
そうこうしている内にふと、俺はこの前のことを思い出した。...
どうも野郎共と俺では知恵が足りないらしい。ならば他力本願...
知恵を借りるが吉だ。
例によって子細は暈して話をした。こういう諸国を回る人間相...
わかったもんじゃない。
万が一俺が相談なんてしたとアイツの耳に入れば、もう二度と...
それは絶対だめだ。俺の心が折れちまう。
細心の注意を払い、どういうことかと法師に尋ねてみた。する...
クスクス笑いだした。
「その方は、風流というか、素直でないというか…」
やはり意味がわからない。
「笑うなよ。こっちは真剣に悩んでるんだ。」
「これは失礼いたしました。しかしそう怒られますな。彼の御...
貴方様を御気遣いなされたのでしょうから。」
法師は微笑んだまま、淀みなく話してくれた。俺はそれを口を...
一通り話を終えると、法師はきれいに剃り上げた頭を下げる。
「夜も随分と更けてございます。その御方の御心遣い、努々無...
召さますよう。」
それだけ言うと、法師は上臈に添われて客間へと下がって行っ...
一人残された俺は灯明の火を暫く眺めていたが、さっき聞かさ...
早速火を落として布団に潜り込んだ。
また雨が降った。
怪我はほぼ治り、錨槍もいつも通り振るえるようになった。
俺は雨が止むのを待って、庭先に出てみた。
そこにはいくつか花が咲いていて、やっぱり菊の花も咲いてい...
飲めと差し出されたものと少し形が違う気もしたが、菊は菊な...
俺はその内一本をぽきりと折った。が、折れはしたが茎は繋が...
何とかしようと難儀しながら、アイツもこんな風に骨を折って...
自然と胸が温かくなった。
手こずりながらも漸く手に収まった一輪の菊。あの時みたいに...
俺は徐にそれに口を近付けた。
――菊の露は、不老長寿の妙薬にございます。
法師の言葉を思い出しながら、俺は露を啜った。
――歌など嗜まれる方なのでしょう。
冷たい露が唇を濡らす。
――貴方様の御怪我を御覧になって、いてもたってもいられなか...
露は甘くも辛くもなく、妙薬にしては味気なかった。
そうなると何となく口寂しくなり、今度は花弁を一枚唇で千切...
今度は苦い。ということは良薬なのかもしれない。自分でも馬...
俺は菊の花弁を噛み続けた。
(アイツ、渋い顔してたなあ。)
あれ以来使者も文も届かない。こっちからも出しそびれたまま...
アイツはまだ眉間に渋皮を貼り付けたままなんだろうか。
(一応、心配してくれたんだよな。)
回りくどくて、一方的で、恐ろしいほど理不尽な心配の仕方だ...
けどあの不器用で、臆病で、素直じゃない男が見せてくれた精...
苦笑もただのでれでれした笑顔に変わっていった。
「…会いてぇなあ。」
会って抱き締めたい。多分怒鳴られるけど。
それで出来たら口付けたい。多分殴られるけど。
それからありがとうって言いたい。多分顔を真っ赤にするだろ...
「……会いに行くか。」
もう味なんてしなくなった菊の花弁を飲み込むと、俺は文を書...
使いを立てないとアイツがまた怒るから、適当でも知らせをや...
内容なんて会いに行くの一言でいい。
差し当たっての懸案事項はどんな土産でご機嫌をとるかだ。
「どうすっかなぁ~。」
空高い秋晴れの日。俺は空を仰ぎながらひとりごちた。
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