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#title(10 YEARS AFTER) [#h77dd765]
藁う戌2008、復活オメ!照と退蔵の再会記念。
本編で飲みこぼしたコーヒーは、無かったこととしてお送りし...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「照さん、そりゃないですよー!」
新人は泣き言を言いながら、照の腕を掴もうとした。
「いいから、おまえは一人で帰れよ!」
照はその手を邪険に振り払った。
「ひどいじゃないですか!今までそんなこと言った事ないのに…」
「うるさいな、ダメなもんはダメなんだよっ」
退蔵は2人から少し離れて、携帯で通話していた。相手の言葉に...
電話を切り、携帯をしまった後も、しばらく近づかずに眺め続...
「3人だっていいじゃないですかあ」
新人はごね続けている。このまま照が根負けするのを狙ってい...
「結構しつこいよな、おまえも…」
照は呆れたように溜息をついたが、少し押されているように見...
退蔵が近づいていくと、それに気付いた新人が、突然ガッチリ...
「?」
退蔵は口角だけ上げて笑顔を作って、新人を見返した。新人は...
「この際正直に言いますけど、オレ今、照さんと退蔵さんを2人...
照はうろたえて、おたおたと新人と退蔵の顔を交互に見た。
「おまえ、な、何言ってんの…」
言いかける照の肩に、退蔵がぽんと手を置いた。退蔵はゆった...
「十年ぶりだから。邪魔しないで。」
「……………………」
新人は気圧されたように、退蔵の顔を見たままぽかんと口を開...
同時に照は、肩に手を置かれたまま、チラッと退蔵の顔を見上...
その照の表情を見て、新人はむくれたように口を尖らせていた...
「…十年ぶりですもんね。…わかりました」
そして今まであれだけごねていたくせに、急にあっさり雑踏の...
見届けて、照はハーッと息を吐いた。
「…あいつ…やっと行った…」
退蔵は、新人が消えて行った方に目をやったまま、照の顔を見...
「仲良さそうじゃないですか?」
「え?」
きょとんとして子供のように振り向く照に、退蔵は黙って、新...
照は、はじかれたように笑った。
「あいつは手がかかるだけだ」
久し振りに見る笑顔に、一瞬自分を取り巻く時間が止まったよ...
変わらない。この人は何も変わってない。あの頃のままだ。
照も、口元に笑いを残したまま、懐かしそうな目をして退蔵を...
「退蔵…。少し、変わったな」
「…そうですか?」
「ん。…なんか、落ち着いたな。」
そう言って照は小さく笑った。
十年間、ずっと間近で見たいと願っていた笑顔だ。
「照さん。オレの家来ませんか?」
退蔵が言うと、照は何故かたじろいだように、そわそわと視線...
「いいのか?いや、でも、奥さんや子供は寝てるだろうし」
「オレ一人ですよ」
車道を窺いながら退蔵は答えた。照が視線を上げる。
「そうなのか?」
「いつ死ぬかわからないような男と、結婚する女はいませんで...
退蔵は通りがかったタクシーに手を挙げた。
立地が良く、14階建ての大きなマンションだったが、どこか殺...
「物が無いでしょ?ここには寝に帰るだけなんで」
退蔵が冷蔵庫を開けた。ダイニングのテーブルには椅子が2脚だ...
「ビールでいいですか?」
2缶取り出したうち、1缶を照に渡した。
「…ああ」
照はそれを受け取り、両手で持つと、何故か急に固まったよう...
「…?」
退蔵は、照の顔を見ながら自分のビールをテーブルに置いた。...
缶ビールを持つ手が、かすかに震えていた。
退蔵は照の前に回り込むと、そっと手から缶ビールを取って自...
「…どうかしたんですか?」
「ごめ…、なんか、急に…」
照は笑おうとしたが、その唇も震えていた。
「…なんだろ……なんか、…まだ、信じられなくて…」
退蔵は、肩に置いた両手をそのまま腕へ滑らせた。そのままゆ...
「大丈夫ですよ」
「……」
「大丈夫ですから」
それから背中にまわした腕に、ぎゅっと力を込めた。
「……」
照がくぐもった声で何か呟いた。「退蔵」と呼んだのか「痛い...
「照さん。十年前、オレに言った言葉、憶えてますか?」
「…え?」
「オレが『殉職』した日に照さんが言った言葉」
照の顔を覗き込むと、耳までカーッと赤くなっていた。
「…おまえ…憶えてたのか」
「忘れようとしても忘れられません」
退蔵はあの日と同じように笑顔になった。
「照さん、オレね」
「…うん」
「あの日、照さんがオレに言うよりずっと前から、オレは照さ...
「……えっ」
照が顔を上げた。
「…いつから?」
「照さんがCDショップでバイトしてた頃から」
「…バイト…」
「オレはその時高校生でした」
何かの記憶が光ったかのように、照の目の中で、薄暗い照明の...
「店で万引きしようとした高校生を、捕まえたことがあるでし...
「…あっ」
突然、照の耳の中で、その時店内にかかった音楽が流れ出した。
『あの日あの時あの場所で君に逢えなかったら
僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま』
「…憶えてました?」
「…思い出した。今、わかった」
照は退蔵の顔を見上げた。退蔵は照の顔をじっと見つめていた。
「オレはあの時からずっとすきだったんです。だから、あなた...
「…そんなに前から」
「照さん、自己紹介の時オレのこと覚えてなかったでしょ。オ...
「…思ってもみなかった」
照は何度か瞬きをして視線を揺らせた。
「それと、オレが十年前に、返した言葉って憶えてます?」
「…それは、はっきり憶えてる」
それこそ、忘れようとしても忘れられなかった。
『わかってました。…なんとなく、わかってました。
オレ、なんて言ったらいいのかわからないけど、…すごく、嬉...
「オレね、あの後ずっと後悔してたんです。…ただ素直にすきだ...
「…退蔵」
「すきです。ずっとすきだった」
嬉しいのか泣きたいのかわからないような表情で、退蔵は言っ...
「最初に逢った時より、ずっと一緒にいた時より、昨日より、...
「……」
もう、これ以上何が必要なんだろう。
照は、淋しかった猫みたいに、退蔵の胸に頭を擦り付けた。
「…照さん…」
「…だけどな、退蔵」
「はい」
照は顔を赤くして、一瞬言いよどんだが、目を伏せて言った。
「…たぶん、それでも、おれのほうがおまえのこと、すきだ」
聞いたとたん退蔵はくしゃっと笑った。
「違います。オレの方がすきです」
「いや絶対おれの方がすきだから」
「オレです!!」
退蔵は笑いながら、大きな腕でガバッと抱き寄せた。
「なんだよそれ…」
照はくすぐったそうに笑いながら、少しもがいて、グーで退蔵...
それから真顔で、改めて言う。
「退蔵」
「はい」
「…すきだっ…」
両腕を退蔵の首に巻きつけて、ぎゅっと自分に引き寄せた。
「…わかってます」
退蔵は、自分の頬を照の頬に滑らせた。
もう二度と離れたくなかった。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
私的解釈で願望が多めになったけどキニシナーイ
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藁う戌2008、復活オメ!照と退蔵の再会記念。
本編で飲みこぼしたコーヒーは、無かったこととしてお送りし...
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「照さん、そりゃないですよー!」
新人は泣き言を言いながら、照の腕を掴もうとした。
「いいから、おまえは一人で帰れよ!」
照はその手を邪険に振り払った。
「ひどいじゃないですか!今までそんなこと言った事ないのに…」
「うるさいな、ダメなもんはダメなんだよっ」
退蔵は2人から少し離れて、携帯で通話していた。相手の言葉に...
電話を切り、携帯をしまった後も、しばらく近づかずに眺め続...
「3人だっていいじゃないですかあ」
新人はごね続けている。このまま照が根負けするのを狙ってい...
「結構しつこいよな、おまえも…」
照は呆れたように溜息をついたが、少し押されているように見...
退蔵が近づいていくと、それに気付いた新人が、突然ガッチリ...
「?」
退蔵は口角だけ上げて笑顔を作って、新人を見返した。新人は...
「この際正直に言いますけど、オレ今、照さんと退蔵さんを2人...
照はうろたえて、おたおたと新人と退蔵の顔を交互に見た。
「おまえ、な、何言ってんの…」
言いかける照の肩に、退蔵がぽんと手を置いた。退蔵はゆった...
「十年ぶりだから。邪魔しないで。」
「……………………」
新人は気圧されたように、退蔵の顔を見たままぽかんと口を開...
同時に照は、肩に手を置かれたまま、チラッと退蔵の顔を見上...
その照の表情を見て、新人はむくれたように口を尖らせていた...
「…十年ぶりですもんね。…わかりました」
そして今まであれだけごねていたくせに、急にあっさり雑踏の...
見届けて、照はハーッと息を吐いた。
「…あいつ…やっと行った…」
退蔵は、新人が消えて行った方に目をやったまま、照の顔を見...
「仲良さそうじゃないですか?」
「え?」
きょとんとして子供のように振り向く照に、退蔵は黙って、新...
照は、はじかれたように笑った。
「あいつは手がかかるだけだ」
久し振りに見る笑顔に、一瞬自分を取り巻く時間が止まったよ...
変わらない。この人は何も変わってない。あの頃のままだ。
照も、口元に笑いを残したまま、懐かしそうな目をして退蔵を...
「退蔵…。少し、変わったな」
「…そうですか?」
「ん。…なんか、落ち着いたな。」
そう言って照は小さく笑った。
十年間、ずっと間近で見たいと願っていた笑顔だ。
「照さん。オレの家来ませんか?」
退蔵が言うと、照は何故かたじろいだように、そわそわと視線...
「いいのか?いや、でも、奥さんや子供は寝てるだろうし」
「オレ一人ですよ」
車道を窺いながら退蔵は答えた。照が視線を上げる。
「そうなのか?」
「いつ死ぬかわからないような男と、結婚する女はいませんで...
退蔵は通りがかったタクシーに手を挙げた。
立地が良く、14階建ての大きなマンションだったが、どこか殺...
「物が無いでしょ?ここには寝に帰るだけなんで」
退蔵が冷蔵庫を開けた。ダイニングのテーブルには椅子が2脚だ...
「ビールでいいですか?」
2缶取り出したうち、1缶を照に渡した。
「…ああ」
照はそれを受け取り、両手で持つと、何故か急に固まったよう...
「…?」
退蔵は、照の顔を見ながら自分のビールをテーブルに置いた。...
缶ビールを持つ手が、かすかに震えていた。
退蔵は照の前に回り込むと、そっと手から缶ビールを取って自...
「…どうかしたんですか?」
「ごめ…、なんか、急に…」
照は笑おうとしたが、その唇も震えていた。
「…なんだろ……なんか、…まだ、信じられなくて…」
退蔵は、肩に置いた両手をそのまま腕へ滑らせた。そのままゆ...
「大丈夫ですよ」
「……」
「大丈夫ですから」
それから背中にまわした腕に、ぎゅっと力を込めた。
「……」
照がくぐもった声で何か呟いた。「退蔵」と呼んだのか「痛い...
「照さん。十年前、オレに言った言葉、憶えてますか?」
「…え?」
「オレが『殉職』した日に照さんが言った言葉」
照の顔を覗き込むと、耳までカーッと赤くなっていた。
「…おまえ…憶えてたのか」
「忘れようとしても忘れられません」
退蔵はあの日と同じように笑顔になった。
「照さん、オレね」
「…うん」
「あの日、照さんがオレに言うよりずっと前から、オレは照さ...
「……えっ」
照が顔を上げた。
「…いつから?」
「照さんがCDショップでバイトしてた頃から」
「…バイト…」
「オレはその時高校生でした」
何かの記憶が光ったかのように、照の目の中で、薄暗い照明の...
「店で万引きしようとした高校生を、捕まえたことがあるでし...
「…あっ」
突然、照の耳の中で、その時店内にかかった音楽が流れ出した。
『あの日あの時あの場所で君に逢えなかったら
僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま』
「…憶えてました?」
「…思い出した。今、わかった」
照は退蔵の顔を見上げた。退蔵は照の顔をじっと見つめていた。
「オレはあの時からずっとすきだったんです。だから、あなた...
「…そんなに前から」
「照さん、自己紹介の時オレのこと覚えてなかったでしょ。オ...
「…思ってもみなかった」
照は何度か瞬きをして視線を揺らせた。
「それと、オレが十年前に、返した言葉って憶えてます?」
「…それは、はっきり憶えてる」
それこそ、忘れようとしても忘れられなかった。
『わかってました。…なんとなく、わかってました。
オレ、なんて言ったらいいのかわからないけど、…すごく、嬉...
「オレね、あの後ずっと後悔してたんです。…ただ素直にすきだ...
「…退蔵」
「すきです。ずっとすきだった」
嬉しいのか泣きたいのかわからないような表情で、退蔵は言っ...
「最初に逢った時より、ずっと一緒にいた時より、昨日より、...
「……」
もう、これ以上何が必要なんだろう。
照は、淋しかった猫みたいに、退蔵の胸に頭を擦り付けた。
「…照さん…」
「…だけどな、退蔵」
「はい」
照は顔を赤くして、一瞬言いよどんだが、目を伏せて言った。
「…たぶん、それでも、おれのほうがおまえのこと、すきだ」
聞いたとたん退蔵はくしゃっと笑った。
「違います。オレの方がすきです」
「いや絶対おれの方がすきだから」
「オレです!!」
退蔵は笑いながら、大きな腕でガバッと抱き寄せた。
「なんだよそれ…」
照はくすぐったそうに笑いながら、少しもがいて、グーで退蔵...
それから真顔で、改めて言う。
「退蔵」
「はい」
「…すきだっ…」
両腕を退蔵の首に巻きつけて、ぎゅっと自分に引き寄せた。
「…わかってます」
退蔵は、自分の頬を照の頬に滑らせた。
もう二度と離れたくなかった。
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