ページ内容へ
ナビゲーションへ
当サイトをご覧いただくにはブラウザの設定で
JavaScriptを有効に設定
する必要がございます。
ページの一覧
最終更新一覧
ヘルプ
ホーム
使い方
文字サイズ:小
文字サイズ:中
文字サイズ:大
1つ前のページに戻る
35-402
をテンプレートにして作成
開始行:
#title(天使の卵)
明かりを点けましょ雪洞に~♪
映画スレ14の441です。
女の子のお節句&「猫の恋」の季節なので、投下~。
映画 キ○☆キ○☆バン☆バン
フィリックス×ジミー
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
*天使の卵 [#hcbea38b]
怪しむべし。
玄関の鍵が開いている。居間に明かりが点いている。
敵かも知れない。口の中が渇くのを覚える。差し当たって心...
銃を抜き、壁を背にして、用心深く部屋の様子を窺った。確...
コンマ一秒の間に扉を開け放ち、中に向かって銃を構えた。
「お帰り!フィリックス」
私の愛弟子が、部屋の中央で私を迎えた。銃を向けられても...
全身から力が抜け、銃を降ろした。
「危うく撃ち殺す所だっただろうが」
「あんたが間違って俺を撃つようなヘマをするかよ」
確信に満ちた口調でそんなことを言うので、ついくすぐった...
「だいたい、なんでおまえがここにいるんだ」
「玄関開いてたから、勝手に入っちゃった」
嘘つくな。ちゃんと戸締まりはして出かけた。もうすぐ引退...
しかし、それ以上追及するのが面倒になったので、溜め息だ...
「どうしたんだこれ」
「作ったんだ。俺、料理得意なんだぜ」
それと、ざっと見ただけで七、八種類はある、籠いっぱいの...
「焼きたての美味しい店見つけたんだ」
サラダも。
「ドレッシングも作った。自分で言うのも何だけど、絶品だ...
更に、ワインも冷えている。
「ディスカウントの酒屋で買ったんで安物だけどね」
抜け目ない。
「どうしたの?なんで黙ってるの?食べようよ」
ジミー―やがて私の守護天使となる男―は、澄みきった湖のよ...
私は仕方なく、ナイフとフォークを手に取った。肉を切って...
テーブルの向こうから、ジミーが時々、上目遣いにこっちを...
「フィリックス、俺にももっとワインくれよ」
食事が終わって、ジミーのグラスが空になっているのに気づ...
「そっちじゃない」
喉に絡むような掠れ声で、彼が呟くように言う。頬が薔薇色...
「しょうがない奴だな」
席を立ってそちらへ行った。自分のグラスに口をつけ、彼の...
彼のセーターのタートルネックを引き下ろした。露になった...
セーターの中に手を差し入れ、胸をまさぐった。後に血溜ま...
やれやれ。暫く絆創膏が必要だな。シェリーに見つかったら...
「早く・・・・ベッドに連れてってくれよ、フィリックス」
そんな私の心は露知らず。私の胸に頭をもたせかけ、空色の...
安酒のせいだけじゃない。抱きしめられると、いつもこんな...
いや、女を口説く時も多分、その優雅で洗練された物腰は崩...
言われた通り、ぐったりと弛緩した体を横抱きにして、寝室...
予め、ジミーがベッドメイクしておいてくれたらしい。清潔...
黒いセーターをたくし上げる。ナイトスタンドの淡いオレン...
音を立てて強く吸い上げ、ふと目を上げると、彼が聖母のよ...
「フィリックス、赤ちゃんみたいでかわいい」
「五十のオッサンを捕まえて、気持ち悪いこと言うな。かわ...
もう片方の乳首をちょっと乱暴に、指先で弾く。ジミーは身...
「ごめんごめん。あんたはやさしくて面倒見がいいから、引...
「この酔っ払いが」
豹のような身のこなしで、彼は突然、私の下から抜け出した...
「俺が将来、結婚して赤ちゃんできたらさ、フィリックスっ...
「何だそりゃ」
「ちょっと思っただけ。っていうのは嘘で、わかってるくせ...
率直に歓びを表現する愛らしい顔を見上げて、私は思う。こ...
いや、たとえ今のような形では続かなかったとしても、私と...
そのような奥深い人間どうしの結びつきを表す言葉は、まだ...
枕元に本が置いてある。私を待っている間、ここで横になっ...
「この人の文章、好きなんだ。子供の時から何度も読んでる...
私の腕を枕に、ジミーは熱心な国語の先生みたいな口調で語...
尤も、どんな話でも、ジミーの話で聞きたくないことなど何...
「ふーん。それは不思議だね」
相槌を打って、ちらっと本の表紙にあるタイトルを見る。「...
この文学好きな、根っこの所ではやさしく愛情深い青年が、...
だからこそお互い、様々な意味で惹かれあったのだろうか。...
更に、この年になるまでそっちのケはないと思っていたのだ...
いや、そんなことはどうでもいい。金の為に人を殺すことに...
だからこそ、本当は彼に同じ道を歩んでほしくはないのだが...
何ともはや、こういう技術や哲学まで教えるハメになるとは...
「フィリックス・・・・」
彼が長い、しなやかな腕を私の首に巻きつけてくる。妖しい...
「あんたのブルーグリーンの目が好きだ。人の魂まで見透か...
私は彼の唇に軽く口づけて、答える。
「そう。見られるより見る方が得意な目なんだ。意外とな」
「それ何の引用?カッコつけすぎだよ」
ジミーは笑って、身を沈ませる。私は心の中で、照れくさく...
私もジミーの目が好きだ。標的を見据える時の、猛禽のよう...
そして今、私の猛り立った部分を吸っている時の、熱を帯び...
私の指に乳首を弄ばれ、呼吸を乱しながら、ジミーは健気な...
私が注ぎこんだ幾億といういのちの素を、彼は寸毫の躊躇も...
彼の汗ばんだ体を抱えるようにして、自分の脇へと戻してや...
「ありがとう」
「礼なんかいいよ。代わりにさ、俺が眠るまで、何か暗誦し...
私にぴったりと身を擦り寄せて、愛しい後継者は無邪気に言...
「お安いご用だが・・・・」
これじゃあまるで子守だ。そういえば子供の頃、眠れない夜...
そんなことを思った瞬間、何かとてつもなくいや~な予感が...
Fin.
* [#n1094292]
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
タイトルどうしようか悩んだ。「天使」はシラスと被るねんな...
フィリックスも「私」か「俺」かで迷いました。
地の文「私」で台詞「俺」かと思ったのですが、一回も言って...
#comment
終了行:
#title(天使の卵)
明かりを点けましょ雪洞に~♪
映画スレ14の441です。
女の子のお節句&「猫の恋」の季節なので、投下~。
映画 キ○☆キ○☆バン☆バン
フィリックス×ジミー
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
*天使の卵 [#hcbea38b]
怪しむべし。
玄関の鍵が開いている。居間に明かりが点いている。
敵かも知れない。口の中が渇くのを覚える。差し当たって心...
銃を抜き、壁を背にして、用心深く部屋の様子を窺った。確...
コンマ一秒の間に扉を開け放ち、中に向かって銃を構えた。
「お帰り!フィリックス」
私の愛弟子が、部屋の中央で私を迎えた。銃を向けられても...
全身から力が抜け、銃を降ろした。
「危うく撃ち殺す所だっただろうが」
「あんたが間違って俺を撃つようなヘマをするかよ」
確信に満ちた口調でそんなことを言うので、ついくすぐった...
「だいたい、なんでおまえがここにいるんだ」
「玄関開いてたから、勝手に入っちゃった」
嘘つくな。ちゃんと戸締まりはして出かけた。もうすぐ引退...
しかし、それ以上追及するのが面倒になったので、溜め息だ...
「どうしたんだこれ」
「作ったんだ。俺、料理得意なんだぜ」
それと、ざっと見ただけで七、八種類はある、籠いっぱいの...
「焼きたての美味しい店見つけたんだ」
サラダも。
「ドレッシングも作った。自分で言うのも何だけど、絶品だ...
更に、ワインも冷えている。
「ディスカウントの酒屋で買ったんで安物だけどね」
抜け目ない。
「どうしたの?なんで黙ってるの?食べようよ」
ジミー―やがて私の守護天使となる男―は、澄みきった湖のよ...
私は仕方なく、ナイフとフォークを手に取った。肉を切って...
テーブルの向こうから、ジミーが時々、上目遣いにこっちを...
「フィリックス、俺にももっとワインくれよ」
食事が終わって、ジミーのグラスが空になっているのに気づ...
「そっちじゃない」
喉に絡むような掠れ声で、彼が呟くように言う。頬が薔薇色...
「しょうがない奴だな」
席を立ってそちらへ行った。自分のグラスに口をつけ、彼の...
彼のセーターのタートルネックを引き下ろした。露になった...
セーターの中に手を差し入れ、胸をまさぐった。後に血溜ま...
やれやれ。暫く絆創膏が必要だな。シェリーに見つかったら...
「早く・・・・ベッドに連れてってくれよ、フィリックス」
そんな私の心は露知らず。私の胸に頭をもたせかけ、空色の...
安酒のせいだけじゃない。抱きしめられると、いつもこんな...
いや、女を口説く時も多分、その優雅で洗練された物腰は崩...
言われた通り、ぐったりと弛緩した体を横抱きにして、寝室...
予め、ジミーがベッドメイクしておいてくれたらしい。清潔...
黒いセーターをたくし上げる。ナイトスタンドの淡いオレン...
音を立てて強く吸い上げ、ふと目を上げると、彼が聖母のよ...
「フィリックス、赤ちゃんみたいでかわいい」
「五十のオッサンを捕まえて、気持ち悪いこと言うな。かわ...
もう片方の乳首をちょっと乱暴に、指先で弾く。ジミーは身...
「ごめんごめん。あんたはやさしくて面倒見がいいから、引...
「この酔っ払いが」
豹のような身のこなしで、彼は突然、私の下から抜け出した...
「俺が将来、結婚して赤ちゃんできたらさ、フィリックスっ...
「何だそりゃ」
「ちょっと思っただけ。っていうのは嘘で、わかってるくせ...
率直に歓びを表現する愛らしい顔を見上げて、私は思う。こ...
いや、たとえ今のような形では続かなかったとしても、私と...
そのような奥深い人間どうしの結びつきを表す言葉は、まだ...
枕元に本が置いてある。私を待っている間、ここで横になっ...
「この人の文章、好きなんだ。子供の時から何度も読んでる...
私の腕を枕に、ジミーは熱心な国語の先生みたいな口調で語...
尤も、どんな話でも、ジミーの話で聞きたくないことなど何...
「ふーん。それは不思議だね」
相槌を打って、ちらっと本の表紙にあるタイトルを見る。「...
この文学好きな、根っこの所ではやさしく愛情深い青年が、...
だからこそお互い、様々な意味で惹かれあったのだろうか。...
更に、この年になるまでそっちのケはないと思っていたのだ...
いや、そんなことはどうでもいい。金の為に人を殺すことに...
だからこそ、本当は彼に同じ道を歩んでほしくはないのだが...
何ともはや、こういう技術や哲学まで教えるハメになるとは...
「フィリックス・・・・」
彼が長い、しなやかな腕を私の首に巻きつけてくる。妖しい...
「あんたのブルーグリーンの目が好きだ。人の魂まで見透か...
私は彼の唇に軽く口づけて、答える。
「そう。見られるより見る方が得意な目なんだ。意外とな」
「それ何の引用?カッコつけすぎだよ」
ジミーは笑って、身を沈ませる。私は心の中で、照れくさく...
私もジミーの目が好きだ。標的を見据える時の、猛禽のよう...
そして今、私の猛り立った部分を吸っている時の、熱を帯び...
私の指に乳首を弄ばれ、呼吸を乱しながら、ジミーは健気な...
私が注ぎこんだ幾億といういのちの素を、彼は寸毫の躊躇も...
彼の汗ばんだ体を抱えるようにして、自分の脇へと戻してや...
「ありがとう」
「礼なんかいいよ。代わりにさ、俺が眠るまで、何か暗誦し...
私にぴったりと身を擦り寄せて、愛しい後継者は無邪気に言...
「お安いご用だが・・・・」
これじゃあまるで子守だ。そういえば子供の頃、眠れない夜...
そんなことを思った瞬間、何かとてつもなくいや~な予感が...
Fin.
* [#n1094292]
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
タイトルどうしようか悩んだ。「天使」はシラスと被るねんな...
フィリックスも「私」か「俺」かで迷いました。
地の文「私」で台詞「俺」かと思ったのですが、一回も言って...
#comment
ページ名:
ページ新規作成
新しいページはこちらから投稿できます。
作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
第57巻
第56巻
第55巻
第54巻
第53巻
第52巻
第51巻
第50巻
第49巻
第48巻
第47巻
第46巻
第45巻
第44巻
第43巻
第42巻
第41巻
第40巻
第39巻
第38巻
第37巻
第36巻
第35巻
第34巻
第33巻
第32巻
第31巻
第30巻
第29巻
第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
ページ新規作成: