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#title(キム空) [#g935c437]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| キム/タクと唐...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 勝手に...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
認めたくないが
認めざるを得ないかもしれない
俺が、あの男を少し意識しているという事を
たとえばそう、こんな階段であいつと二人きりになると―――――
会社にある階段は、どこか不思議な雰囲気を持っている。
フロアを出た廊下の途中に扉がある。そこが階段への入口だ。
扉は分厚く、一歩その中へ入ると外の音はほぼ遮断される。
騒がしい社内のざわめきも、電話の呼び出し音も、キーボード...
まるで、密室に入ったような、シンとした静けさがそこにある。
このビルにおいて階段を使う者は、1、2階程度を移動したい...
外からの客はまずエレベーターを使うし、階段入口の扉には「...
分厚いその扉はどこか入りにくい雰囲気を持っていて、慣れて...
また階ごとに別の会社が入っているこのようなビルで、1、2...
つまり、階段にはあまり人が来ないのだ。
「…空沢さん、俺、この階段てなんかいいなってずっと思ってた...
一階下にうちの会社の資料室兼物置として使っている部屋があ...
俺と木村はその部屋へ行くためにこの階段を使う事になったの...
扉が閉まったその瞬間、俺達は異世界にいた。
扉が閉まった途端、辺りは静寂に包まれたのだ。
その瞬間ほんの少しだけ感じる違和感は、俺に木村の言葉の意...
――とか、言ってる場合か。ここってこんなに静かだったか?妙...
「へぇ。そうか?どんな所が?」
この妙な静けさが嫌だったので俺はわざと茶化すように喋った。
静かな事の何がいけない。いや、なにも悪いことなどない。わ...
わかっているんだ。静かな事、ただそんな単純な事が気になっ...
一緒にいるこの男のせいなんだろう。…最近、こうなんだよな、...
「いい感じじゃないすか?」
だから何が。と言おうと思ったが、次のセリフが透けて見える...
以前の俺なら気付かなかったのかもしれないが。
いや、このアホの考えそうな事だくらいは思っただろうか。
突然、後ろに引っ張られる感覚に俺は階段を踏み外した。幸い...
何事かと思いきや、後ろを歩いていた木村が俺の右腕を掴んで...
あまりに突然で、何も構えていなかった俺は思いっ切り体勢を...
何の冗談かと振り返って二段上に居る木村を見上げると、薄茶...
「…そんなに急いだら危ないですよ。」
「お前がこういう事する方が危ないだろうが!」
木村が笑う。笑ってる場合か。ドキドキしたじゃないか。お前...
しかし言われて気付いたのだが、俺は知らず足早になっていた...
だってここなんか居心地悪いんだもん。お前と居ると。
まぁでもここは会社だ、何も考える事は無いはずだ。なんだっ...
「もっとゆっくり行きましょうよ。」
嫌だね。俺は早くここを出たいんだ。なんとなく嫌だから。
お前は俺を引き留められるけど、俺は足早になるしかないんだ...
「何言ってるんだ。木村、仕事は機敏にな。」
そして腕を離せ、と俺は腕を振ったが木村はしっかり掴んでい...
「おい、木村。」
木村がニヤリと笑う。ムカツク。
二段下に居た俺に近付く為に木村が一段降りてくる、から、俺...
また木村が一段降りてくるから俺も一段降りる。何笑ってんだ...
また一段降りてくるから、一段降りようとしたらそこは踊り場...
その隙をついて木村が俺の腰を掬うように持ち勢いに乗せて後...
そして俺はまんまとヤツに踊り場の壁の角まで追いつめられて...
木村はニヤついたまま慌てふためく俺の顔の横に手を付いて通...
腕の下をくぐり抜けて出ようとしたら腕を下に下げて来て出さ...
なんだ、なんだこの状況は有り得ん。ここ、会社だよな?なの...
「あのなぁ…」
と言ったところで素早く顔を近付けられたので一瞬息を飲んだ。
木村が吹き出す。殺すぞお前。
「やっぱいいわコレ。…あ、顔、赤くなってますよ?」
木村は腕を俺の両サイドの高い位置につき直し、顔を目の前に...
誰だこの男をこんな風に育てたのは。
ていうかお前、性格変わってないか?家と違わないか?俺、今...
それに顔が赤いのはお前のせいだろうが。意識してなくたって...
俺がおかしいんじゃない、お前がおかしいんだ。なんなんだ突...
「これな、どう考えてもおかしいだろうが。いいからやめろよ...
クッククック笑いやがって。お前は青い鳥か。
落ち着け俺。ここは会社だ家じゃない。そうだ会社だ、だから...
もう充分すごい事の域に入っているがな。だってここ会社だぞ...
こんな場面を他の社員に見られたら…ていうかこういう場所って...
そもそもこの男何してる?ここは家じゃない会社だ!いや家で...
「早くどけ!」
「静かにしてくださいね…誰か来ちゃいますから。」
静かにしてなくたって誰か来る可能性は充分にあるんだよ。こ...
何をするかと思えば壁についた手を軸に少し離れていた木村が...
「お前っ何考えてるんだ?」
「この階段使う度に思ってたんですよねぇ。」
顔が近い。身体が近い。こんな場所で、こんな時間に、何やっ...
「な、何を」
木村が本当にくっつくほどにグッと顔を近付けてきた。横を向...
「『あー、ここで空沢さんと二人きりになれたらなー』って。」
「…馬鹿な事するんじゃない。ここは会社だぞ木村、早くどけよ...
「いい雰囲気でしょ、この階段。誰も居ない、二人だけの空間...
聞いてるのかこの男は。
「早くどけよ。」
近いんだよ。顔も、身体も。何もかも!
「俺、ずっと思ってたんです。ずーーっと。」
「…変態だろ。」
綺麗な顔して。卑怯だ、なんだその顔は。
「俺が変態なのは空沢さんに対してだけですよ。」
そういう事はな、本人には言わないんだよ。恐いだろうが。し...
必死にあごをひいてるから俺はぶさいくだろうが。どけよ、ど...
「あっおまっ」
頬にキスしてきやがった。…正直こんなのは慣れてきていたはず...
「ちょっと…やめてくださいよ…」
「それは俺のセリフだろうが!!」
本当にやめてくれ。いい加減恥ずかしいし、誰か来るんじゃな...
「スゲェいい反応してくれますね。」
「お前馬鹿だろう」
「ハイ。いつか空沢さんをこの階段でこういう風に壁に追いつ...
なんか思ったより空沢さんが可愛すぎるんで結構ヤバイっす。」
だからそういう事は本人には言わないんだよ!!他人にも言う...
「ほんっとうに変態だな?」
「だからそう言ってるでしょう。」
木村はそのまま何か考えあぐねているようだ。だからお前殺す...
「おい、本当にいい加減…」
途端、木村が視線をあげ、俺をジッと見つめてきた。まだ何か...
またお前そんな真剣な顔すんなよ状況わかってんのか。ものす...
しばらくチラチラ見たがずっと俺を見ている。もうやめてくれ...
いたたまれなくなり木村の背中を引っ張る。本当は胸を押して...
引っ張っても背広はボタンがとまっていないのであまり効力が...
「木む」
俺が何か言うのを待っていたかのように、木村がキスをしてき...
俺が口を開けていたのを利用して舌が入ってきた。こいつ、噛...
木村の舌が俺の口内をまさぐる。こいつ、いつも思うが息をす...
だけどキスすると思ってなかった俺の息はだんだん苦しくなっ...
俺をどんだけ羞恥に晒せば気が済むんだこの男は。冗談じゃな...
木村、許さん。
「…もっと抵抗して下さい。」
やっと口を離したと思ったらそんな冗談を言う。抵抗なんかさ...
俺は息が苦しくて肩で息をしていて何も言えなかったので、き...
木村の目はそんなものじゃ効かないとばかりにニヤニヤ見つめ...
「ハァ…ハァ…やめてくれ」
「はいダメーそれ逆効果。」
「…嫌いになるぞ」
木村は目を見開くとパチパチとまばたきをした。あ、効いた。
「嫌われたくねー…!」
渋い顔。ほんとに馬鹿だな。なんでここに拘ってるんだ。…家で...
だからといって家でならなんでもいいわけじゃないがな。ここ...
木村はまたしばらく唸りながら考えていた。俺はその間も誰か...
この男、どうでもいいのかそんな事はすっかり頭に無いのか。
男に壁に追いつめられ通せんぼされて密着状態で待たされる俺...
「わかりました。…でも一つだけお願い聞いてもらっていいです...
「嫌だね」
「嫌って言ってもやるつもりですけどね」
「なんだ!」
「…あの。背中なら触ってもいいですかね?」
はぁ????
通せんぼの手がズズズズと下に降りてきたと思ったら俺の背広...
良いとも言ってないのに。本当に答えを聞くつもりは無いらし...
背広を着ているのに、背広の中に手を入れられてシャツの上か...
「うわっ…お前、いい加減にしろ!」
自然と背中が浮き、のけぞってしまう。木村の手が背中を縦横...
されど背中なのか?これは結構厳しい。シャツ越しだから木村...
木村の肩に必死にしがみつく。まるで抱き締め合っているみた...
あーなんだか変な気分になるなぁ。俺が流されてどうする。気...
「…俺、新人の頃からあなたの事ずっと好きでした。」
耳元で木村の声がする。俺は目をギュッと瞑っていたからか、...
「…すっげぇ、好き。」
そう言って木村は俺の頭に自分の頭をぐりぐりと押しつけてき...
俺にはなんて言って良いのかわからず、だから何も言わなかっ...
ずるいか?木村。でも俺にはまだ木村に応える勇気は無いんだ。
木村はまた俺の頬にキスをしてきた。そのキスはそのままだん...
これやったらもう終わりだぞ、もう絶対離れさすぞ、と、思っ...
不思議に思って目を開けると目を丸くした木村が俺を見ていた。
「…なんだ」
「…指。」
「なんだ。」
「噛んでた」
「だからなんだ」
それでキスできなかったと。知るか。
「…まぁもういいだろ」
「普通噛むかぁ?!」
「な、」
「色っぽいでしょ?!そういう事したら。俺の事誘ってるとし...
「誘ってないっ!」
またこの男はおかしいことを言い始める…
「あと一回キスしたらやめようと思ってたのにさぁ!」
「俺もそう思ってたよ!!知るか!もう終わりだ終わりだどけ...
木村の顔が赤く染まる。なんだよ、色魔だろうが。…言い方が古...
「わーーーあーーーもう!!信じらんねえこの人!」
木村が勢いよく俺から離れた。あー終わったよよかった。色魔...
俺は安堵の溜息をついて、気を取り直しまた階段を降りようと...
のに、また木村に引き寄せられて、チュという音と共に素早く...
そして木村はそのまま俺の横をすり抜け、先に階段を駆け降り...
階下のドアの前で木村が振り向く。
「空沢さんもあと一回キスしようと思ってたって言うからしま...
木村は捨てゼリフのようにそう呟くと、すかさずドアを開けて...
俺は呆然とした。
自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
- 素晴らしい -- &new{2012-03-07 (水) 17:08:33};
- 素晴らしい -- &new{2012-03-07 (水) 17:08:39};
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| キム/タクと唐...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 勝手に...
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
認めたくないが
認めざるを得ないかもしれない
俺が、あの男を少し意識しているという事を
たとえばそう、こんな階段であいつと二人きりになると―――――
会社にある階段は、どこか不思議な雰囲気を持っている。
フロアを出た廊下の途中に扉がある。そこが階段への入口だ。
扉は分厚く、一歩その中へ入ると外の音はほぼ遮断される。
騒がしい社内のざわめきも、電話の呼び出し音も、キーボード...
まるで、密室に入ったような、シンとした静けさがそこにある。
このビルにおいて階段を使う者は、1、2階程度を移動したい...
外からの客はまずエレベーターを使うし、階段入口の扉には「...
分厚いその扉はどこか入りにくい雰囲気を持っていて、慣れて...
また階ごとに別の会社が入っているこのようなビルで、1、2...
つまり、階段にはあまり人が来ないのだ。
「…空沢さん、俺、この階段てなんかいいなってずっと思ってた...
一階下にうちの会社の資料室兼物置として使っている部屋があ...
俺と木村はその部屋へ行くためにこの階段を使う事になったの...
扉が閉まったその瞬間、俺達は異世界にいた。
扉が閉まった途端、辺りは静寂に包まれたのだ。
その瞬間ほんの少しだけ感じる違和感は、俺に木村の言葉の意...
――とか、言ってる場合か。ここってこんなに静かだったか?妙...
「へぇ。そうか?どんな所が?」
この妙な静けさが嫌だったので俺はわざと茶化すように喋った。
静かな事の何がいけない。いや、なにも悪いことなどない。わ...
わかっているんだ。静かな事、ただそんな単純な事が気になっ...
一緒にいるこの男のせいなんだろう。…最近、こうなんだよな、...
「いい感じじゃないすか?」
だから何が。と言おうと思ったが、次のセリフが透けて見える...
以前の俺なら気付かなかったのかもしれないが。
いや、このアホの考えそうな事だくらいは思っただろうか。
突然、後ろに引っ張られる感覚に俺は階段を踏み外した。幸い...
何事かと思いきや、後ろを歩いていた木村が俺の右腕を掴んで...
あまりに突然で、何も構えていなかった俺は思いっ切り体勢を...
何の冗談かと振り返って二段上に居る木村を見上げると、薄茶...
「…そんなに急いだら危ないですよ。」
「お前がこういう事する方が危ないだろうが!」
木村が笑う。笑ってる場合か。ドキドキしたじゃないか。お前...
しかし言われて気付いたのだが、俺は知らず足早になっていた...
だってここなんか居心地悪いんだもん。お前と居ると。
まぁでもここは会社だ、何も考える事は無いはずだ。なんだっ...
「もっとゆっくり行きましょうよ。」
嫌だね。俺は早くここを出たいんだ。なんとなく嫌だから。
お前は俺を引き留められるけど、俺は足早になるしかないんだ...
「何言ってるんだ。木村、仕事は機敏にな。」
そして腕を離せ、と俺は腕を振ったが木村はしっかり掴んでい...
「おい、木村。」
木村がニヤリと笑う。ムカツク。
二段下に居た俺に近付く為に木村が一段降りてくる、から、俺...
また木村が一段降りてくるから俺も一段降りる。何笑ってんだ...
また一段降りてくるから、一段降りようとしたらそこは踊り場...
その隙をついて木村が俺の腰を掬うように持ち勢いに乗せて後...
そして俺はまんまとヤツに踊り場の壁の角まで追いつめられて...
木村はニヤついたまま慌てふためく俺の顔の横に手を付いて通...
腕の下をくぐり抜けて出ようとしたら腕を下に下げて来て出さ...
なんだ、なんだこの状況は有り得ん。ここ、会社だよな?なの...
「あのなぁ…」
と言ったところで素早く顔を近付けられたので一瞬息を飲んだ。
木村が吹き出す。殺すぞお前。
「やっぱいいわコレ。…あ、顔、赤くなってますよ?」
木村は腕を俺の両サイドの高い位置につき直し、顔を目の前に...
誰だこの男をこんな風に育てたのは。
ていうかお前、性格変わってないか?家と違わないか?俺、今...
それに顔が赤いのはお前のせいだろうが。意識してなくたって...
俺がおかしいんじゃない、お前がおかしいんだ。なんなんだ突...
「これな、どう考えてもおかしいだろうが。いいからやめろよ...
クッククック笑いやがって。お前は青い鳥か。
落ち着け俺。ここは会社だ家じゃない。そうだ会社だ、だから...
もう充分すごい事の域に入っているがな。だってここ会社だぞ...
こんな場面を他の社員に見られたら…ていうかこういう場所って...
そもそもこの男何してる?ここは家じゃない会社だ!いや家で...
「早くどけ!」
「静かにしてくださいね…誰か来ちゃいますから。」
静かにしてなくたって誰か来る可能性は充分にあるんだよ。こ...
何をするかと思えば壁についた手を軸に少し離れていた木村が...
「お前っ何考えてるんだ?」
「この階段使う度に思ってたんですよねぇ。」
顔が近い。身体が近い。こんな場所で、こんな時間に、何やっ...
「な、何を」
木村が本当にくっつくほどにグッと顔を近付けてきた。横を向...
「『あー、ここで空沢さんと二人きりになれたらなー』って。」
「…馬鹿な事するんじゃない。ここは会社だぞ木村、早くどけよ...
「いい雰囲気でしょ、この階段。誰も居ない、二人だけの空間...
聞いてるのかこの男は。
「早くどけよ。」
近いんだよ。顔も、身体も。何もかも!
「俺、ずっと思ってたんです。ずーーっと。」
「…変態だろ。」
綺麗な顔して。卑怯だ、なんだその顔は。
「俺が変態なのは空沢さんに対してだけですよ。」
そういう事はな、本人には言わないんだよ。恐いだろうが。し...
必死にあごをひいてるから俺はぶさいくだろうが。どけよ、ど...
「あっおまっ」
頬にキスしてきやがった。…正直こんなのは慣れてきていたはず...
「ちょっと…やめてくださいよ…」
「それは俺のセリフだろうが!!」
本当にやめてくれ。いい加減恥ずかしいし、誰か来るんじゃな...
「スゲェいい反応してくれますね。」
「お前馬鹿だろう」
「ハイ。いつか空沢さんをこの階段でこういう風に壁に追いつ...
なんか思ったより空沢さんが可愛すぎるんで結構ヤバイっす。」
だからそういう事は本人には言わないんだよ!!他人にも言う...
「ほんっとうに変態だな?」
「だからそう言ってるでしょう。」
木村はそのまま何か考えあぐねているようだ。だからお前殺す...
「おい、本当にいい加減…」
途端、木村が視線をあげ、俺をジッと見つめてきた。まだ何か...
またお前そんな真剣な顔すんなよ状況わかってんのか。ものす...
しばらくチラチラ見たがずっと俺を見ている。もうやめてくれ...
いたたまれなくなり木村の背中を引っ張る。本当は胸を押して...
引っ張っても背広はボタンがとまっていないのであまり効力が...
「木む」
俺が何か言うのを待っていたかのように、木村がキスをしてき...
俺が口を開けていたのを利用して舌が入ってきた。こいつ、噛...
木村の舌が俺の口内をまさぐる。こいつ、いつも思うが息をす...
だけどキスすると思ってなかった俺の息はだんだん苦しくなっ...
俺をどんだけ羞恥に晒せば気が済むんだこの男は。冗談じゃな...
木村、許さん。
「…もっと抵抗して下さい。」
やっと口を離したと思ったらそんな冗談を言う。抵抗なんかさ...
俺は息が苦しくて肩で息をしていて何も言えなかったので、き...
木村の目はそんなものじゃ効かないとばかりにニヤニヤ見つめ...
「ハァ…ハァ…やめてくれ」
「はいダメーそれ逆効果。」
「…嫌いになるぞ」
木村は目を見開くとパチパチとまばたきをした。あ、効いた。
「嫌われたくねー…!」
渋い顔。ほんとに馬鹿だな。なんでここに拘ってるんだ。…家で...
だからといって家でならなんでもいいわけじゃないがな。ここ...
木村はまたしばらく唸りながら考えていた。俺はその間も誰か...
この男、どうでもいいのかそんな事はすっかり頭に無いのか。
男に壁に追いつめられ通せんぼされて密着状態で待たされる俺...
「わかりました。…でも一つだけお願い聞いてもらっていいです...
「嫌だね」
「嫌って言ってもやるつもりですけどね」
「なんだ!」
「…あの。背中なら触ってもいいですかね?」
はぁ????
通せんぼの手がズズズズと下に降りてきたと思ったら俺の背広...
良いとも言ってないのに。本当に答えを聞くつもりは無いらし...
背広を着ているのに、背広の中に手を入れられてシャツの上か...
「うわっ…お前、いい加減にしろ!」
自然と背中が浮き、のけぞってしまう。木村の手が背中を縦横...
されど背中なのか?これは結構厳しい。シャツ越しだから木村...
木村の肩に必死にしがみつく。まるで抱き締め合っているみた...
あーなんだか変な気分になるなぁ。俺が流されてどうする。気...
「…俺、新人の頃からあなたの事ずっと好きでした。」
耳元で木村の声がする。俺は目をギュッと瞑っていたからか、...
「…すっげぇ、好き。」
そう言って木村は俺の頭に自分の頭をぐりぐりと押しつけてき...
俺にはなんて言って良いのかわからず、だから何も言わなかっ...
ずるいか?木村。でも俺にはまだ木村に応える勇気は無いんだ。
木村はまた俺の頬にキスをしてきた。そのキスはそのままだん...
これやったらもう終わりだぞ、もう絶対離れさすぞ、と、思っ...
不思議に思って目を開けると目を丸くした木村が俺を見ていた。
「…なんだ」
「…指。」
「なんだ。」
「噛んでた」
「だからなんだ」
それでキスできなかったと。知るか。
「…まぁもういいだろ」
「普通噛むかぁ?!」
「な、」
「色っぽいでしょ?!そういう事したら。俺の事誘ってるとし...
「誘ってないっ!」
またこの男はおかしいことを言い始める…
「あと一回キスしたらやめようと思ってたのにさぁ!」
「俺もそう思ってたよ!!知るか!もう終わりだ終わりだどけ...
木村の顔が赤く染まる。なんだよ、色魔だろうが。…言い方が古...
「わーーーあーーーもう!!信じらんねえこの人!」
木村が勢いよく俺から離れた。あー終わったよよかった。色魔...
俺は安堵の溜息をついて、気を取り直しまた階段を降りようと...
のに、また木村に引き寄せられて、チュという音と共に素早く...
そして木村はそのまま俺の横をすり抜け、先に階段を駆け降り...
階下のドアの前で木村が振り向く。
「空沢さんもあと一回キスしようと思ってたって言うからしま...
木村は捨てゼリフのようにそう呟くと、すかさずドアを開けて...
俺は呆然とした。
自分の顔が熱くなっていくのを感じた。
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- 素晴らしい -- &new{2012-03-07 (水) 17:08:33};
- 素晴らしい -- &new{2012-03-07 (水) 17:08:39};
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作品一覧
シリーズものインデックス3
シリーズものインデックス2
シリーズものインデックス
第71巻
第70巻
第69巻
第68巻
第67巻
第66巻
第65巻
第64巻
第63巻
第62巻
第61巻
第60巻
第59巻
第58巻
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第28巻
第27巻
第26巻
第25巻
第24巻
第23巻
第22巻
第21巻
第20巻
第19巻
第18巻
第17巻
第16巻
第15巻
第14巻
第13巻
第12巻
第11巻
第10巻
第9巻
第8巻
第7巻
第6巻
第5巻
第4巻
第3.1巻
第3巻
第2巻
第1巻
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