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19-181
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#title(ドクオクエスト 輝ける世界) [#mf878cc8]
[[決戦>19-140]]
お待たせしました。
ドクオクエスト最終話です。
____________
| __________ |
| | | |
| | |> PLAY. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
国王が派遣した竜王討伐隊は全滅した。
彼の城から生きて戻った者は、誰一人としていなかった。その...
王は恐怖のあまりにその場で卒倒したという。
この世を統べる存在に弓を引いたのだ。誰もが竜王の怒りを恐...
そうして今。
世界は恐怖に包まれている。
吹き抜ける風が、生い茂った草を揺らしている。
目の前に広がるのは草の波。10年の歳月は、私の村を跡形も...
「……」
私は、墓を作った。滅びてしまった村の墓だ。
素手で土を掘り返し、そうして積み上げた土の上に木切れで作...
その墓の周りを出来る限りの花で埋めて、私は死者の魂の安寧...
そうして取り出した、一本のナイフ。古びてあちこちに錆が浮...
私が辿った旅の証だった。
このナイフを握りしめ、私の旅は始まった。私とともに幾多の...
これは最後まで私の傍にあったもの。それを村の墓に供えるこ...
汚れた手を払い、立ち上がる。
祈りのために下ろしていたフードを再び被り直して、そうして...
「もういいのか」
墓から踵を返した私に、美しい声がかかる。
私が行う別れの儀式を、ただ黙って見守ってくれていた彼のそ...
それに満たされていく自分を感じながら、私は静かに頷いた。
「うん。もう…いいんだ」
うまく笑えずにうつむく私を、彼の手が優しく包む。温かな抱...
「ありがとう、竜王」
そんな私の頭を、フードの上から彼の手が撫でてくれる。かつ...
あの日、私達は誰にも見つからないようひっそりと、城を離れ...
残された玉座には竜王の魔力を込めた泥人形を置いて。
込めた魔力が続く限り彼はそこにいて、この世界に君臨し続け...
でもそれはきっと、あまり永い刻ではないだろう。
いずれそんなに遠くない未来に、身代わりの人形は泥へと還っ...
この世界に居場所を無くした魔物達も、闇の世界へと戻ってい...
そうしてやがて、世界は人の手へと還っていく。
竜王の指が、私のフードへと伸びた。
彼は私がこの顔を隠すことをあまり好まない。私の顔が見えな...
その言葉は嬉しかったけれど、私のこの顔はあまりにも特徴が...
生きている事を誰にも知られる訳にはいかないから、私はいつ...
…それに、彼に素顔を晒す事は、やはりほんの少し、恥ずかしい...
そんな私の気持ちが判るのか、そのことに関して竜王はあまり...
取るのでは無く、私の顔を覆う布の端の乱れを、優しい手つき...
今まで人に構われる事の無かった私は、そんな何気ない優しさ...
頬に触れる度に、どうしていいか判らずに私は身体を強張らせ...
竜王の優しさが嬉しくて私も何かを返したいと思うのに、人に...
降りかかったあらゆる暴力を私に思い出させてしまうからから...
10年の間に私に染み込んだ悲しい条件反射をけれど竜王は咎...
ように何度も優しくその手は動き、私の身体が彼の存在に慣れ...
「…」
震えながらもようやく指を伸ばし竜王の服の端に縋れば、彼は...
そうしてそのまま布越しに施されようとする口付けを、私は受...
私の顔には深く醜い疵がある。
左半分は焼け崩れ、額には呪いの証を頂くその姿は、とても、...
けれど。
水面に顔を映すたびに嘆いてきたこの疵を。硝子に姿が映りこ...
この疵も私の一部なのだから。
「行くぞ」
差し出される竜王の手。いつだって迷い無く伸ばされるその手...
力強いそのてのひらは、かつては全てを握っていた。それらを...
私という世界が。
「うん」
そうして私も手を伸ばす。温かな竜王のてのひらに。
「行こう」
その手の中に、世界を掴んで。
手を繋いで、私達は歩き出す。
二人でたずねて行く世界は私の目に、どのように映るのだろう。
そう、きっと。
見るもの全てが、光り輝いて見えるに、違いない。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
完結までの長い間、お付き合いいただき、ありがとうございま...
- うわあああ感動したありがとう 二人がずっと幸せであります...
- ぐっときた…!よかったなぁ…! -- &new{2012-07-10 (火) 1...
#comment
終了行:
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お待たせしました。
ドクオクエスト最終話です。
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国王が派遣した竜王討伐隊は全滅した。
彼の城から生きて戻った者は、誰一人としていなかった。その...
王は恐怖のあまりにその場で卒倒したという。
この世を統べる存在に弓を引いたのだ。誰もが竜王の怒りを恐...
そうして今。
世界は恐怖に包まれている。
吹き抜ける風が、生い茂った草を揺らしている。
目の前に広がるのは草の波。10年の歳月は、私の村を跡形も...
「……」
私は、墓を作った。滅びてしまった村の墓だ。
素手で土を掘り返し、そうして積み上げた土の上に木切れで作...
その墓の周りを出来る限りの花で埋めて、私は死者の魂の安寧...
そうして取り出した、一本のナイフ。古びてあちこちに錆が浮...
私が辿った旅の証だった。
このナイフを握りしめ、私の旅は始まった。私とともに幾多の...
これは最後まで私の傍にあったもの。それを村の墓に供えるこ...
汚れた手を払い、立ち上がる。
祈りのために下ろしていたフードを再び被り直して、そうして...
「もういいのか」
墓から踵を返した私に、美しい声がかかる。
私が行う別れの儀式を、ただ黙って見守ってくれていた彼のそ...
それに満たされていく自分を感じながら、私は静かに頷いた。
「うん。もう…いいんだ」
うまく笑えずにうつむく私を、彼の手が優しく包む。温かな抱...
「ありがとう、竜王」
そんな私の頭を、フードの上から彼の手が撫でてくれる。かつ...
あの日、私達は誰にも見つからないようひっそりと、城を離れ...
残された玉座には竜王の魔力を込めた泥人形を置いて。
込めた魔力が続く限り彼はそこにいて、この世界に君臨し続け...
でもそれはきっと、あまり永い刻ではないだろう。
いずれそんなに遠くない未来に、身代わりの人形は泥へと還っ...
この世界に居場所を無くした魔物達も、闇の世界へと戻ってい...
そうしてやがて、世界は人の手へと還っていく。
竜王の指が、私のフードへと伸びた。
彼は私がこの顔を隠すことをあまり好まない。私の顔が見えな...
その言葉は嬉しかったけれど、私のこの顔はあまりにも特徴が...
生きている事を誰にも知られる訳にはいかないから、私はいつ...
…それに、彼に素顔を晒す事は、やはりほんの少し、恥ずかしい...
そんな私の気持ちが判るのか、そのことに関して竜王はあまり...
取るのでは無く、私の顔を覆う布の端の乱れを、優しい手つき...
今まで人に構われる事の無かった私は、そんな何気ない優しさ...
頬に触れる度に、どうしていいか判らずに私は身体を強張らせ...
竜王の優しさが嬉しくて私も何かを返したいと思うのに、人に...
降りかかったあらゆる暴力を私に思い出させてしまうからから...
10年の間に私に染み込んだ悲しい条件反射をけれど竜王は咎...
ように何度も優しくその手は動き、私の身体が彼の存在に慣れ...
「…」
震えながらもようやく指を伸ばし竜王の服の端に縋れば、彼は...
そうしてそのまま布越しに施されようとする口付けを、私は受...
私の顔には深く醜い疵がある。
左半分は焼け崩れ、額には呪いの証を頂くその姿は、とても、...
けれど。
水面に顔を映すたびに嘆いてきたこの疵を。硝子に姿が映りこ...
この疵も私の一部なのだから。
「行くぞ」
差し出される竜王の手。いつだって迷い無く伸ばされるその手...
力強いそのてのひらは、かつては全てを握っていた。それらを...
私という世界が。
「うん」
そうして私も手を伸ばす。温かな竜王のてのひらに。
「行こう」
その手の中に、世界を掴んで。
手を繋いで、私達は歩き出す。
二人でたずねて行く世界は私の目に、どのように映るのだろう。
そう、きっと。
見るもの全てが、光り輝いて見えるに、違いない。
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完結までの長い間、お付き合いいただき、ありがとうございま...
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