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#title(道士郎でごさるの桐生兄弟) [#vb23c70b]
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 週間日曜で打...
|
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| エロス...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
――幼い、というよりも、まだほんの赤ん坊。
少年だった頃の桐生玲一にとって、弟とはそういう存在で、そ...
無理もない、弟はわずか三歳にしてかれの目の前からいなくな...
ばかりの頃のことだった。
ついでに言えばそのとき父も一緒にいなくなってしまったのだ...
弟がいなくなったことが、幼い玲一にはたまらなく寂しかった。
そして、それから十二年。時が経つというのは速いものである。
母と二人で支えあいながら、平凡ではあるがそれなりに幸せに...
マザコンの気を持ってしまっても何の不思議もない。……ないよ...
まあ、祖霊輪友覚。いや、それはともかく、だ。
十二年間続いてきた平和は、ある日、一人の少年によってあっ...
桐生道士朗。
かれは正真正銘、玲一の弟である。
(……それがコレだ)
玲一はリビングのソファで眠りこける弟の姿を雑誌越しにちら...
かれの目線の先。そこには武士がいた。ザ・ラストサムライだ。
洋風の部屋にその姿はとてつもなくそぐわない。そぐわないを...
しかしそれは、それこそが道士朗である。
何をどこでどう間違えばこんな風に育つのか、玲一は遠いアメ...
問いただしてみたい欲求にかられた。
いや、分かっていたのだ始めから。アメリカの奥地で道士朗が...
ほとんど変人の父に道士朗が連れ去られたときから。
だがそれでも。
(チガーウ! 俺が欲しかった弟はこんなんじゃないんだ!)
チガウのである。納得がいかないのである。
弟。
おとうと。
brother。
玲一のなかの「弟」像は、なんと言うかこう、守ってあげたい...
存在なのである。
公園で遊びに行った帰りに転んで泣き出した弟をおぶってやっ...
自分の分を少し分けてやってみたり、いじめっ子のガキ大将に...
いや、そこまでベタでなくてもいい。とにかく玲一にとって、...
数少ない幼少時代の弟の記憶を、玲一は何となく思い起こす。
それはまだ道士朗が生まれたばかりの頃のことだ。
母の腕に抱かれて眠る道士朗の小さな手を、玲一はそうっとつ...
「道ちゃんが大きくなるまでは、僕がちゃんと守ってやるんだ」
もちろんママのこともね、と言って玲一はあどけないながらも...
母は乳飲み子の道士朗を胸に抱きながら、「アラアラ頼もしい...
かわいい弟。泣き出してもケンカしてもいじめられてても、守...
玲一だって、何も大学生にもなって、幼き日に描いたようなブ...
第一、十年以上も離れて暮らしてきたのだから、世間様の兄弟...
だけど。でも。
(もっと普通の弟がいいんだー!!)
普通。
その言葉のなんと魅力的なことか。表立った波風を立てること...
憧れたことはない。
十二年も別々に育ってきた時点で大分普通とはかけ離れている...
道士朗に罪はない。悪いのは全てバカ親父だ。
それでも――それでもせめて道士朗が普通の少年として育ってい...
玲一はこみ上げてくるやるせなさをかみ締めつつ、どうでもい...
それはこんな兄弟図だ。
再開してすぐ、一緒に暮らし始めたばかりの頃はやはり気まず...
母と兄弟の三人で食事を取ることに妙に緊張してみたり、そん...
打ち解けて、離れていた間のお互いのことを話し合ったり、高...
盛り上がってみたり、そしてそうこうしていくうちに「兄貴」...
が。現実は武士である。着物に袴に髷を結った、武士である。
まさか弟から兄者と呼ばれる日がこようとは思いもしなかった...
礼儀正しいのは認めよう。だがそれを時代が求めているかとい...
武士としていくら正しい姿だろうが、常識から見るとただの変...
おまけに武士だけあって強い。どれくらい強いかと言うと、般...
斧はぶん投げるし。
実は玲一のあずかり知らないところではもっとアレな感じなの...
感じなのだが、それはまあ玲一のあずかり知らないところの話...
玲一の脳裏に、幼かった自分の言葉がよみがえった。「僕が道...
言った。確かに言った。
――嗚呼、一体こいつの何を何から守れというのか。
守るどころか、文字通り向かうところ敵なしではないか。むし...
特に何も思い当たらないけど。
そして話を元に戻そう。
その問題の武士は、かれにしてはかなり珍しいことに、リビン...
思い悩む兄のことなど無視して、いい気なものである。
全くもう本当に、道士朗がやってきてからいらん悩みが絶賛急...
まともな高校は勝手に辞めるし不良高校に入るし、庭に露天風...
にしても、道士朗クンは本当によく眠っていた。
……あれ。こんな姿を見るのは一緒に暮らして数ヶ月、初めての...
そんな事実に気づいて、玲一はもうほとんど見てもいない雑誌...
爆睡である。
いつも一文字に引き締められた口元はだらしなく半開きになっ...
触ったら起きるかなと思いながらそっと髷を解いた髪を撫ぜて...
皆無だった。耳をすませてみれば、小さくいびきまで掻いてい...
その様子は何だか、どこにでもいる普通の弟のようだ。
こうして眠っていれば意外とかわいいかも――と思いかけて、玲...
(イヤない。絶対ない。それだけはない。マザコンの上にブラ...
とりあえず最後のは関係ない。
弟の観察を続けるうちに、玲一はふと、あちこちかさぶたので...
そう言えば、最近やけに生傷が絶えなくなった。
友人の健介殿クンの話では、道士朗は随分とやんちゃな学校生...
高校なのだから仕方ない、と言うかそれが当たり前なのだろう...
玲一は改めて軽くいびきを立てる道士朗を覗き込んだ。
袂からのぞく腕には擦り傷やら青あざがあちこちについていた...
よく見れば顔にもあざがいくつか散らばっていて、結構ひどい...
――道ちゃんのことは、僕がちゃんと守ってやるんだ。
あーあ仕方ないなとため息混じりに呟いて、兄は救急箱を取り...
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| エロス...
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――幼い、というよりも、まだほんの赤ん坊。
少年だった頃の桐生玲一にとって、弟とはそういう存在で、そ...
無理もない、弟はわずか三歳にしてかれの目の前からいなくな...
ばかりの頃のことだった。
ついでに言えばそのとき父も一緒にいなくなってしまったのだ...
弟がいなくなったことが、幼い玲一にはたまらなく寂しかった。
そして、それから十二年。時が経つというのは速いものである。
母と二人で支えあいながら、平凡ではあるがそれなりに幸せに...
マザコンの気を持ってしまっても何の不思議もない。……ないよ...
まあ、祖霊輪友覚。いや、それはともかく、だ。
十二年間続いてきた平和は、ある日、一人の少年によってあっ...
桐生道士朗。
かれは正真正銘、玲一の弟である。
(……それがコレだ)
玲一はリビングのソファで眠りこける弟の姿を雑誌越しにちら...
かれの目線の先。そこには武士がいた。ザ・ラストサムライだ。
洋風の部屋にその姿はとてつもなくそぐわない。そぐわないを...
しかしそれは、それこそが道士朗である。
何をどこでどう間違えばこんな風に育つのか、玲一は遠いアメ...
問いただしてみたい欲求にかられた。
いや、分かっていたのだ始めから。アメリカの奥地で道士朗が...
ほとんど変人の父に道士朗が連れ去られたときから。
だがそれでも。
(チガーウ! 俺が欲しかった弟はこんなんじゃないんだ!)
チガウのである。納得がいかないのである。
弟。
おとうと。
brother。
玲一のなかの「弟」像は、なんと言うかこう、守ってあげたい...
存在なのである。
公園で遊びに行った帰りに転んで泣き出した弟をおぶってやっ...
自分の分を少し分けてやってみたり、いじめっ子のガキ大将に...
いや、そこまでベタでなくてもいい。とにかく玲一にとって、...
数少ない幼少時代の弟の記憶を、玲一は何となく思い起こす。
それはまだ道士朗が生まれたばかりの頃のことだ。
母の腕に抱かれて眠る道士朗の小さな手を、玲一はそうっとつ...
「道ちゃんが大きくなるまでは、僕がちゃんと守ってやるんだ」
もちろんママのこともね、と言って玲一はあどけないながらも...
母は乳飲み子の道士朗を胸に抱きながら、「アラアラ頼もしい...
かわいい弟。泣き出してもケンカしてもいじめられてても、守...
玲一だって、何も大学生にもなって、幼き日に描いたようなブ...
第一、十年以上も離れて暮らしてきたのだから、世間様の兄弟...
だけど。でも。
(もっと普通の弟がいいんだー!!)
普通。
その言葉のなんと魅力的なことか。表立った波風を立てること...
憧れたことはない。
十二年も別々に育ってきた時点で大分普通とはかけ離れている...
道士朗に罪はない。悪いのは全てバカ親父だ。
それでも――それでもせめて道士朗が普通の少年として育ってい...
玲一はこみ上げてくるやるせなさをかみ締めつつ、どうでもい...
それはこんな兄弟図だ。
再開してすぐ、一緒に暮らし始めたばかりの頃はやはり気まず...
母と兄弟の三人で食事を取ることに妙に緊張してみたり、そん...
打ち解けて、離れていた間のお互いのことを話し合ったり、高...
盛り上がってみたり、そしてそうこうしていくうちに「兄貴」...
が。現実は武士である。着物に袴に髷を結った、武士である。
まさか弟から兄者と呼ばれる日がこようとは思いもしなかった...
礼儀正しいのは認めよう。だがそれを時代が求めているかとい...
武士としていくら正しい姿だろうが、常識から見るとただの変...
おまけに武士だけあって強い。どれくらい強いかと言うと、般...
斧はぶん投げるし。
実は玲一のあずかり知らないところではもっとアレな感じなの...
感じなのだが、それはまあ玲一のあずかり知らないところの話...
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――嗚呼、一体こいつの何を何から守れというのか。
守るどころか、文字通り向かうところ敵なしではないか。むし...
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その問題の武士は、かれにしてはかなり珍しいことに、リビン...
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皆無だった。耳をすませてみれば、小さくいびきまで掻いてい...
その様子は何だか、どこにでもいる普通の弟のようだ。
こうして眠っていれば意外とかわいいかも――と思いかけて、玲...
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とりあえず最後のは関係ない。
弟の観察を続けるうちに、玲一はふと、あちこちかさぶたので...
そう言えば、最近やけに生傷が絶えなくなった。
友人の健介殿クンの話では、道士朗は随分とやんちゃな学校生...
高校なのだから仕方ない、と言うかそれが当たり前なのだろう...
玲一は改めて軽くいびきを立てる道士朗を覗き込んだ。
袂からのぞく腕には擦り傷やら青あざがあちこちについていた...
よく見れば顔にもあざがいくつか散らばっていて、結構ひどい...
――道ちゃんのことは、僕がちゃんと守ってやるんだ。
あーあ仕方ないなとため息混じりに呟いて、兄は救急箱を取り...
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