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#title(小寅×鈍太、今回は隆二と鈍太でお送りします。) [#hcd...
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄...
| 小さい虎と鈍...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でも今...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
無理矢理に連れ込まれた小寅の家からいきなり追い出された鈍...
然し何処をどう走ったか、いつまで経っても家が見えてこない。
鈍太の足取りはずるずると重くなる一方だ。
此処へ来て己の帰巣本能が使えない事実にぶち当たった。今こ...
「ここ何処だよ」
ポツリと放ったそれに答える者も無く、辺りはすっかり薄暗い。
どうにも薄ら寒いのは、其処が古く寂れた住宅街である所為か。
濃灰色の空に浮かび上がる黒々とした鉄筋。
日の有るうちはレトロな華やかさを醸し出しているのであろう...
『――帰れない』
声がした気がして、振り返る。誰も居ない。
「……あーもー分からねえ。分からねえから戻ろうっと」
暫くしゃがみ込んだかと思うと殊更に調子良く言って、鈍太は...
小寅に泣き付きゃ何とかなるだろう。だってアイツ、俺の事好...
自分の考えに一人で頷き賛成しながら、ある意味で最も危険な...
「あっれえ? どしたの兄貴ィ」
底抜けに明るい弟の、良く響く声が届いた。
「へ?」
呆気無く差し出された救いの手に、逆にどうしたら良いか微妙...
「もしかして迷子?」
「悪いか! 良い年した大人が迷子で泣きそうで悪いですかそ...
「否、そこまでは言ってねえよ!」
楽しそうに笑いながら、隆二は鈍太が飛び付く様な提案をした。
「あのさ、送ろっか?」
感謝したいのは山々なのだが余りにもけらけらと笑われて、鈍...
それがまた可笑しかったのか、更に笑われる。
「何だよ、家まで送らねえのかよ」
ゴメンゴメン、と謝って決まり悪そうに苦笑を浮かべる弟を見...
小寅isハンサム。コイツもハンサム。何故に俺は三枚目だ。
鈍太の思考が『ハンサムと鈍太』というタイトルで暴走しそう...
じゃあ行こうか――そう言って、隆二は軽い足取りで歩き出した。
二つの影が動き出す。
「……久し振りだな~」
「何が」
「兄貴と歩くの」
「…………」
横を見る。隆二が空を仰いでいる。空を仰いで、もう本当に爽...
その危なっかしい歩き方のまま、
「なあ兄貴ィ」
「ん~?」
「アイツの事、どう思う?」
隆二の何でも無い風な問い掛けの言葉に。するっと、小寅の顔...
「好き?」
好き?ってアンタ、それどういう事よってああもう完璧だ。完...
全身から力が抜けていくのかそれとも力み過ぎているのか分か...
「何だよ、泣く事無いじゃん」
「泣いてねーよ」
緊張し過ぎると涙が浮かぶのは、小さい頃からの鈍太の悪い癖...
その所為で、口座で緊張して泣いてしまい、今やすっかり口座...
「でさあ、好きなの?やっぱり」
知るか、と吐き捨てて、鈍太はさっさと小走りに進んだ――が、
「そっち違うって。こっち」
と、隆二に腕を掴まれてしまった。奇しくもつい先程、小寅に...
蘇る。
熱を帯びた硬い目が、やたらと握力の強い手が、……耳に残るざ...
鈍太にフラッシュバックが襲い掛かる。思考が小寅で埋め尽く...
小寅が触れた場所から伝染して、体中が熱い。
嫌悪感は無かった。けれど、安心感も無かった。
其処にあるのはただ、ともすれば堕ちて行く綱渡りの様な、危...
俺に真剣は似合わねえ。あのハンサム馬鹿に言い寄られて物凄...
「沙耶ちゃん?だっけ?兄貴の娘」
唐突に子供の話題を振られ、鈍太は自分の三枚目っぷりを自分...
「はい?」
「だーかーらーさあ、好きなの?って聞いてるじゃん、さっき...
「え……あッ!ひ、人の大事で大切な可愛らし~い愛娘をアイツ...
からかわれた、そう思ったが、釣られておく事にする。
「好きだよ!好きに決まってんだろ!俺にとっては愛娘で、親...
お前にとっては初姪だあと更に喚く鈍太に、誰の事だと思った...
何だとこの野郎と鈍太が腕を振り回して追い掛けるとげらげら...
ふと、隆二の動きが止まった。
いきなり停止した隆二に、鈍太は反応しきれずにぶつかった。
ぶつかって潰れた鼻を痛そうに摩る鈍太に、隆二はさらりと告...
「あのさ、オレ、兄貴の事好きだよ」
「何だよ藪から棒に」
振り向いた隆二は、顔を顰めて如何にも二枚目らしい笑顔をし...
そうして笑うその顔は小寅にそっくりだった。ぼんやりと立ち...
「どうかした?」
と隆二の声が飛んだ。
「へ?あ、否、何でも無い」
脳内でポンと出た言葉が何か漏れてしまったらしい。
ふ~ん……まあいいや、と何か納得した様子でまた歩き出しなが...
「兄貴がスッゲー頑張ってんのとか、兄貴なりに家族支えてた...
「何だよ気持ち悪りいなあ」
普段の相性最悪な弟からの台詞に、何だか腹の辺りがもぞもぞ...
けどまあ、気分は悪く無えな。相手から認められた気がして、...
然しそれも次の言葉を聞くまでの事。
隆二は突然くるりと鈍太の方へ体を回転させたかと思うと、両...
「だからさ、金貸して?」
と宣った。もう完全にふざけているのかこの男は。本当いい加...
「うんうん、お兄ちゃん幾らでもー……っておいコラー!先刻の...
にひっと悪戯が成功した子供の様な笑顔を浮かべる隆二に、鈍...
「やっぱ無理か~」
「決まってんだろ!つうか返せよ早く!」
「金無いから借りるんじゃん」
「あ、そっか。って馬鹿ー!」
「じゃあアレだ、迷子の兄貴を家まで連れて来たって事で送り...
「それを言われちゃあ何も言い返せませんよ隆二さん」
「え?じゃあくれんの?」
「それとこれとじゃ話が別だッ!」
「ケチー!」
「ケチで結構ああ結構。我が家の家計は火の車」
並んで歩いては追いかけっこ、追いかけっこをしては並んで歩...
家を出た筈の隆二は当然とばかりに木木谷邸へ上がり込む。
帰らないのか、と聞くと、悪びれもせずにつうか金無いし~と...
この調子だと多分、いつもの様に母か嫁が小遣いを渡す事にな...
仕方無しに連れ立って家に入る。
入った途端に内弟子の三人がどやどやと迎えに来た。
「お帰りなさい。って、あれ?隆二さんも一緒でしたか」
「ご飯の支度出来てますよ」
「ちゃんとうがいして下さいね~」
三人は計った様なタイミングでテンポ良く喋る。
それを適当にあしらって、勝手で口を濯ぐついでに顔も洗う。...
後ろで隆二が順番待ちをしているのを確認して、鈍太はひょい...
何だよそれ、と、隆二が笑った。
廊下を歩きながら、昼飯も碌に食ってなかったなあと思った途...
嫁の声が聞こえる。鈍太はそっと、父の顔になった。とはいえ...
胸に少し、痛みが走る。
何で俺なんか好きになったんだよ小寅。俺には家族ってモンが...
でも、アイツには家族が居ないんだよなあ。
俺がなれれば良いのに。頼りにならないヘタレ兄貴なんだろう...
兄弟かあ、良いかもなあ。怖いけど。毎日小寅に小突かれて暮...
思わず、含み笑いが洩れる。隣に居る嫁に、何があったの?と...
明日になればまた、小寅はやって来るだろう。
隆二の問いには答えられなかったが、それはきっと明日、小寅...
「お前との交際なんてお断りだ~~!」と高らかに。
……無理か。
____________
| __________ |
| | | |
| | □ STOP. | |
| | | | ∧...
| | | | ピッ (...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| ...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) ...
口座まで伏せる意味があるのかどうか分からないがとりあえず...
それと前スレの698様、有難う。本当に有難う。永久脱毛させて...
r5V/Zhrlさ~ん、終わりましたー。有難う御座いましたー!
投下を今からwktkして待ちます!
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| 小さい虎と鈍...
____________ \ / ̄ ̄ ̄...
| __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| でも今...
| | | | ...
| | |> PLAY. | | ...
| | | | ∧...
| | | | ピッ (´...
| | | | ◇⊂ ...
|  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _...
| °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(...
無理矢理に連れ込まれた小寅の家からいきなり追い出された鈍...
然し何処をどう走ったか、いつまで経っても家が見えてこない。
鈍太の足取りはずるずると重くなる一方だ。
此処へ来て己の帰巣本能が使えない事実にぶち当たった。今こ...
「ここ何処だよ」
ポツリと放ったそれに答える者も無く、辺りはすっかり薄暗い。
どうにも薄ら寒いのは、其処が古く寂れた住宅街である所為か。
濃灰色の空に浮かび上がる黒々とした鉄筋。
日の有るうちはレトロな華やかさを醸し出しているのであろう...
『――帰れない』
声がした気がして、振り返る。誰も居ない。
「……あーもー分からねえ。分からねえから戻ろうっと」
暫くしゃがみ込んだかと思うと殊更に調子良く言って、鈍太は...
小寅に泣き付きゃ何とかなるだろう。だってアイツ、俺の事好...
自分の考えに一人で頷き賛成しながら、ある意味で最も危険な...
「あっれえ? どしたの兄貴ィ」
底抜けに明るい弟の、良く響く声が届いた。
「へ?」
呆気無く差し出された救いの手に、逆にどうしたら良いか微妙...
「もしかして迷子?」
「悪いか! 良い年した大人が迷子で泣きそうで悪いですかそ...
「否、そこまでは言ってねえよ!」
楽しそうに笑いながら、隆二は鈍太が飛び付く様な提案をした。
「あのさ、送ろっか?」
感謝したいのは山々なのだが余りにもけらけらと笑われて、鈍...
それがまた可笑しかったのか、更に笑われる。
「何だよ、家まで送らねえのかよ」
ゴメンゴメン、と謝って決まり悪そうに苦笑を浮かべる弟を見...
小寅isハンサム。コイツもハンサム。何故に俺は三枚目だ。
鈍太の思考が『ハンサムと鈍太』というタイトルで暴走しそう...
じゃあ行こうか――そう言って、隆二は軽い足取りで歩き出した。
二つの影が動き出す。
「……久し振りだな~」
「何が」
「兄貴と歩くの」
「…………」
横を見る。隆二が空を仰いでいる。空を仰いで、もう本当に爽...
その危なっかしい歩き方のまま、
「なあ兄貴ィ」
「ん~?」
「アイツの事、どう思う?」
隆二の何でも無い風な問い掛けの言葉に。するっと、小寅の顔...
「好き?」
好き?ってアンタ、それどういう事よってああもう完璧だ。完...
全身から力が抜けていくのかそれとも力み過ぎているのか分か...
「何だよ、泣く事無いじゃん」
「泣いてねーよ」
緊張し過ぎると涙が浮かぶのは、小さい頃からの鈍太の悪い癖...
その所為で、口座で緊張して泣いてしまい、今やすっかり口座...
「でさあ、好きなの?やっぱり」
知るか、と吐き捨てて、鈍太はさっさと小走りに進んだ――が、
「そっち違うって。こっち」
と、隆二に腕を掴まれてしまった。奇しくもつい先程、小寅に...
蘇る。
熱を帯びた硬い目が、やたらと握力の強い手が、……耳に残るざ...
鈍太にフラッシュバックが襲い掛かる。思考が小寅で埋め尽く...
小寅が触れた場所から伝染して、体中が熱い。
嫌悪感は無かった。けれど、安心感も無かった。
其処にあるのはただ、ともすれば堕ちて行く綱渡りの様な、危...
俺に真剣は似合わねえ。あのハンサム馬鹿に言い寄られて物凄...
「沙耶ちゃん?だっけ?兄貴の娘」
唐突に子供の話題を振られ、鈍太は自分の三枚目っぷりを自分...
「はい?」
「だーかーらーさあ、好きなの?って聞いてるじゃん、さっき...
「え……あッ!ひ、人の大事で大切な可愛らし~い愛娘をアイツ...
からかわれた、そう思ったが、釣られておく事にする。
「好きだよ!好きに決まってんだろ!俺にとっては愛娘で、親...
お前にとっては初姪だあと更に喚く鈍太に、誰の事だと思った...
何だとこの野郎と鈍太が腕を振り回して追い掛けるとげらげら...
ふと、隆二の動きが止まった。
いきなり停止した隆二に、鈍太は反応しきれずにぶつかった。
ぶつかって潰れた鼻を痛そうに摩る鈍太に、隆二はさらりと告...
「あのさ、オレ、兄貴の事好きだよ」
「何だよ藪から棒に」
振り向いた隆二は、顔を顰めて如何にも二枚目らしい笑顔をし...
そうして笑うその顔は小寅にそっくりだった。ぼんやりと立ち...
「どうかした?」
と隆二の声が飛んだ。
「へ?あ、否、何でも無い」
脳内でポンと出た言葉が何か漏れてしまったらしい。
ふ~ん……まあいいや、と何か納得した様子でまた歩き出しなが...
「兄貴がスッゲー頑張ってんのとか、兄貴なりに家族支えてた...
「何だよ気持ち悪りいなあ」
普段の相性最悪な弟からの台詞に、何だか腹の辺りがもぞもぞ...
けどまあ、気分は悪く無えな。相手から認められた気がして、...
然しそれも次の言葉を聞くまでの事。
隆二は突然くるりと鈍太の方へ体を回転させたかと思うと、両...
「だからさ、金貸して?」
と宣った。もう完全にふざけているのかこの男は。本当いい加...
「うんうん、お兄ちゃん幾らでもー……っておいコラー!先刻の...
にひっと悪戯が成功した子供の様な笑顔を浮かべる隆二に、鈍...
「やっぱ無理か~」
「決まってんだろ!つうか返せよ早く!」
「金無いから借りるんじゃん」
「あ、そっか。って馬鹿ー!」
「じゃあアレだ、迷子の兄貴を家まで連れて来たって事で送り...
「それを言われちゃあ何も言い返せませんよ隆二さん」
「え?じゃあくれんの?」
「それとこれとじゃ話が別だッ!」
「ケチー!」
「ケチで結構ああ結構。我が家の家計は火の車」
並んで歩いては追いかけっこ、追いかけっこをしては並んで歩...
家を出た筈の隆二は当然とばかりに木木谷邸へ上がり込む。
帰らないのか、と聞くと、悪びれもせずにつうか金無いし~と...
この調子だと多分、いつもの様に母か嫁が小遣いを渡す事にな...
仕方無しに連れ立って家に入る。
入った途端に内弟子の三人がどやどやと迎えに来た。
「お帰りなさい。って、あれ?隆二さんも一緒でしたか」
「ご飯の支度出来てますよ」
「ちゃんとうがいして下さいね~」
三人は計った様なタイミングでテンポ良く喋る。
それを適当にあしらって、勝手で口を濯ぐついでに顔も洗う。...
後ろで隆二が順番待ちをしているのを確認して、鈍太はひょい...
何だよそれ、と、隆二が笑った。
廊下を歩きながら、昼飯も碌に食ってなかったなあと思った途...
嫁の声が聞こえる。鈍太はそっと、父の顔になった。とはいえ...
胸に少し、痛みが走る。
何で俺なんか好きになったんだよ小寅。俺には家族ってモンが...
でも、アイツには家族が居ないんだよなあ。
俺がなれれば良いのに。頼りにならないヘタレ兄貴なんだろう...
兄弟かあ、良いかもなあ。怖いけど。毎日小寅に小突かれて暮...
思わず、含み笑いが洩れる。隣に居る嫁に、何があったの?と...
明日になればまた、小寅はやって来るだろう。
隆二の問いには答えられなかったが、それはきっと明日、小寅...
「お前との交際なんてお断りだ~~!」と高らかに。
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