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#title(R.S.3_LxM 20) [#n49d2016] 蝙蝠が、ミカエルの戦果を伝えた。 満足気に頷きながら、客人を呼ぶ。 ロアーヌ奪還の知らせを伝えると、モニカ姫は安堵の息を漏らした。 「さあ、ロアーヌへお帰り下さい。ミカエル侯がお待ちかねですよ。」 また、城が静かになった。 しかしその夜、一羽の蝙蝠が情報だけでなく“声”を運んできた。 珍しいこともあるものだと思いつつ、掌に載せる。 “声”は、侯爵のものであった。 妹を保護してくれたことに心より感謝する、といった言葉。 飾り気の無い、ただそれだけの。 しかし城を出たときよりも成長した声を耳にして、嬉しくもある。 掌に載せて蝙蝠に語りかける彼の姿を想像すると、可笑しくもある。 「気づいていたのか・・・。」 蝙蝠が、彼の周りを飛んでいることに。 モニカ姫が訪れてから、侯爵の周囲には絶えず蝙蝠を張らせていた。 久しぶりに心動かされ、古い葡萄酒を呷る。 「美味、だ。」 目は窓を通り越して外を見る。 同じ頃、窓の外を眺めながらミカエルもグラスを傾けていた。 扉の外には兵士がいるが、部屋の侍女には下がらせる。 こういう夜は、一人でいるのが良いものだ。 「思い出すな。」 月を見ながら、二人で飲んだあの頃を。 窓の外には一羽の蝙蝠が舞っていた。昨日掌に載せた蝙蝠とは別の個体だろう。 「伯爵・・・。」 椅子にもたれ、吐息を漏らす。 上弦の月が、穏やかに輝いていた。 #comment
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#title(R.S.3_LxM 20) [#n49d2016] 蝙蝠が、ミカエルの戦果を伝えた。 満足気に頷きながら、客人を呼ぶ。 ロアーヌ奪還の知らせを伝えると、モニカ姫は安堵の息を漏らした。 「さあ、ロアーヌへお帰り下さい。ミカエル侯がお待ちかねですよ。」 また、城が静かになった。 しかしその夜、一羽の蝙蝠が情報だけでなく“声”を運んできた。 珍しいこともあるものだと思いつつ、掌に載せる。 “声”は、侯爵のものであった。 妹を保護してくれたことに心より感謝する、といった言葉。 飾り気の無い、ただそれだけの。 しかし城を出たときよりも成長した声を耳にして、嬉しくもある。 掌に載せて蝙蝠に語りかける彼の姿を想像すると、可笑しくもある。 「気づいていたのか・・・。」 蝙蝠が、彼の周りを飛んでいることに。 モニカ姫が訪れてから、侯爵の周囲には絶えず蝙蝠を張らせていた。 久しぶりに心動かされ、古い葡萄酒を呷る。 「美味、だ。」 目は窓を通り越して外を見る。 同じ頃、窓の外を眺めながらミカエルもグラスを傾けていた。 扉の外には兵士がいるが、部屋の侍女には下がらせる。 こういう夜は、一人でいるのが良いものだ。 「思い出すな。」 月を見ながら、二人で飲んだあの頃を。 窓の外には一羽の蝙蝠が舞っていた。昨日掌に載せた蝙蝠とは別の個体だろう。 「伯爵・・・。」 椅子にもたれ、吐息を漏らす。 上弦の月が、穏やかに輝いていた。 #comment
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