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#title(弱気) hnnm注意!あの中年と青年。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 嫉妬。 あの、今まで感じたことのない、胸が締め付けられるような感情をそう呼ぶのだと知ってから1年後。 再び優勝トロフィーと副賞を手にして、鍵を閉めずにおいた玄関のドアが開くのを どきどきしながら待った夜から3か月。 この日初めて、一問もクイズが出題されずに日付が変わろうとしていた。 今朝ふとんから起きたとき、ベッド脇に正座したあの人は おはよう代わりの一問を、何時もの如く出題しようとしていたのだ。 それが。「第っ―」と口が動いた瞬間、激しく咳き込んだぼくが遮った。 熱っぽさ、喉の痛み、全身の倦怠感。 久しぶりに風邪を引いたなと実感するものの、我が家に風邪薬はおろか体温計すらない。 明日は休みだ、今日一日くらいなんとか乗り切れるだろうと、のそのそとスーツに着替える。 今の会社がそこまでして出勤したいほど良い所なのか、といったらそうでもないが 少なくとも以前よりは幾分前向きに仕事が出来るようになった。 そのきっかけをくれた人物はというと、相変わらず姿勢良く座ったまま 何かの言葉が回答になるような問題を探し、考えを巡らせているようだった。 けれど明らかに体調の悪そうなこちらに遠慮したのか、心配そうな視線をよこすだけで 結局あの高らかな声を聞くことなく「いってきます」と家を出た。 それからみるみる症状の悪化する体に鞭を打ってどうにか仕事を片付け、 帰宅して一直線にベッドへ倒れ込んだ所で意識が途切れた。 ふと、息苦しさで目が覚めた。 仰向けのまま重たい瞼を開けると、薄暗い天井が落ちてくるような感覚がする。 あれ、今何時だろう。 朦朧とする意識の中、時計を見ようと横を向いたら途端にがんがんと頭に鈍痛が走る。 「ぅ…」 と同時に額からずるりと何かが落ちる。それを拾い上げたのは― 「…―…?」 ひりひりと焼けそうな喉のせいで、呼び掛けた言葉は音にならなかった。 視線だけ動かして隣を窺うと、派手なジャケットを腕まくりして 氷水を張った洗面器でタオルを濯いでいる。 ぼんやりと時計を見れば、もうすぐ夜中の12時。 自分はいつから寝ていたんだったか。 夕飯は、一人でどうしたのだろう。 そういえば今日は、一問も答えていない... 朝よりもかなり熱が上がったらしく、思考が千切れては消えていく。 その時、額にひんやりとしたものが触れられた。 氷水に浸かって冷たくなった、その手。 節くれだった指が汗で張り付いた前髪をそっとかき分けて、熱を測るみたいに手の平が乗せられる。 「…」 目が合ったのは、いつもの無表情。 言葉は無い。 出会ってから、問題を読み上げる以外の言葉をくれたことは一度もないけれど 不満に思ったことはない。 時折、意味を込められた回答から、メッセージを受け取ることだってできる。 しばらくして無言のまま離れていってしまった手の感触に寂しいと感じるのも。 代わりに乗せられた良く冷えた濡れタオルよりも、あなたの手の方が心地よいと思うのも。 体調が悪い所為で心が弱っているからだ。 そこまで考えて、また意識が遠くなっていく。 この奇天烈なおっさんも、中身は普通の中年男性だ。 寒い日にはくしゃみをして、メンチカツを食べて、たまに寝過ごして。 だから早く治さないと、風邪なんて移してしまったら大変だ。 目を閉じる前、熱で滲んだ視界に映ったその顔が 優しく微笑んだ気がした。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 失礼致しました.. - この二人が見られるなんて!二人ともかわいい… -- &new{2016-11-14 (月) 15:37:35}; #comment
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#title(弱気) hnnm注意!あの中年と青年。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 嫉妬。 あの、今まで感じたことのない、胸が締め付けられるような感情をそう呼ぶのだと知ってから1年後。 再び優勝トロフィーと副賞を手にして、鍵を閉めずにおいた玄関のドアが開くのを どきどきしながら待った夜から3か月。 この日初めて、一問もクイズが出題されずに日付が変わろうとしていた。 今朝ふとんから起きたとき、ベッド脇に正座したあの人は おはよう代わりの一問を、何時もの如く出題しようとしていたのだ。 それが。「第っ―」と口が動いた瞬間、激しく咳き込んだぼくが遮った。 熱っぽさ、喉の痛み、全身の倦怠感。 久しぶりに風邪を引いたなと実感するものの、我が家に風邪薬はおろか体温計すらない。 明日は休みだ、今日一日くらいなんとか乗り切れるだろうと、のそのそとスーツに着替える。 今の会社がそこまでして出勤したいほど良い所なのか、といったらそうでもないが 少なくとも以前よりは幾分前向きに仕事が出来るようになった。 そのきっかけをくれた人物はというと、相変わらず姿勢良く座ったまま 何かの言葉が回答になるような問題を探し、考えを巡らせているようだった。 けれど明らかに体調の悪そうなこちらに遠慮したのか、心配そうな視線をよこすだけで 結局あの高らかな声を聞くことなく「いってきます」と家を出た。 それからみるみる症状の悪化する体に鞭を打ってどうにか仕事を片付け、 帰宅して一直線にベッドへ倒れ込んだ所で意識が途切れた。 ふと、息苦しさで目が覚めた。 仰向けのまま重たい瞼を開けると、薄暗い天井が落ちてくるような感覚がする。 あれ、今何時だろう。 朦朧とする意識の中、時計を見ようと横を向いたら途端にがんがんと頭に鈍痛が走る。 「ぅ…」 と同時に額からずるりと何かが落ちる。それを拾い上げたのは― 「…―…?」 ひりひりと焼けそうな喉のせいで、呼び掛けた言葉は音にならなかった。 視線だけ動かして隣を窺うと、派手なジャケットを腕まくりして 氷水を張った洗面器でタオルを濯いでいる。 ぼんやりと時計を見れば、もうすぐ夜中の12時。 自分はいつから寝ていたんだったか。 夕飯は、一人でどうしたのだろう。 そういえば今日は、一問も答えていない... 朝よりもかなり熱が上がったらしく、思考が千切れては消えていく。 その時、額にひんやりとしたものが触れられた。 氷水に浸かって冷たくなった、その手。 節くれだった指が汗で張り付いた前髪をそっとかき分けて、熱を測るみたいに手の平が乗せられる。 「…」 目が合ったのは、いつもの無表情。 言葉は無い。 出会ってから、問題を読み上げる以外の言葉をくれたことは一度もないけれど 不満に思ったことはない。 時折、意味を込められた回答から、メッセージを受け取ることだってできる。 しばらくして無言のまま離れていってしまった手の感触に寂しいと感じるのも。 代わりに乗せられた良く冷えた濡れタオルよりも、あなたの手の方が心地よいと思うのも。 体調が悪い所為で心が弱っているからだ。 そこまで考えて、また意識が遠くなっていく。 この奇天烈なおっさんも、中身は普通の中年男性だ。 寒い日にはくしゃみをして、メンチカツを食べて、たまに寝過ごして。 だから早く治さないと、風邪なんて移してしまったら大変だ。 目を閉じる前、熱で滲んだ視界に映ったその顔が 優しく微笑んだ気がした。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 失礼致しました.. - この二人が見られるなんて!二人ともかわいい… -- &new{2016-11-14 (月) 15:37:35}; #comment
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