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#title(ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×弱気吸血鬼3) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )前回はLv1で辛かったけど今回は少し長めに! それを聞いてひとしきり皆に笑われたが、ヴァンパイアはあまり笑わなかった。 というより、困惑して笑えるどころではなかった。 「うん、男に可愛いは褒め言葉じゃないよ、バルド」 「そういう問題ではない…」 おかしいのはバルドだけではなく、類は友を呼ぶという日倭のことわざにある通り、 この二人もヴァンパイアを前に、怖がるということはしなかった。 全く殺気など見せず、常に困った顔をするヴァンパイアを見ているうちに、警戒も薄れたらしい。 話を聞けば、バルドがここ、悪属性の日倭の首都に家を構えているのは、日倭が好きという理由だけ。 ガルズヘイムはベッドやレンガのうちが多いが、日倭はその逆で、 木造に畳や落ち着いた部屋が多く、寝るときは布団を使う。 日差しが入りやすい作りをしているので、 ヴァンパイアにとってはつらいが、少し眠くなる程度で大して害はなかった。 「あ、お前また眠ってる」 バルドが、しっかりしろ、と彼の肩を揺さぶるが、彼はすっかり睡魔に支配されていて、うんうんと何度か頷いてから、ゆっくり立ち上がる。 「…眠い…。あの部屋で寝てていいか?」 あの部屋、というのは例の物置に使われていた部屋である。 バルドはそこを彼の部屋にと与えた。 しかしこの豪華な部屋に、バルド一人しか住んでいないかったらしい。 仲間もそれぞれ家を持っていて、さすがに三日たって、バルドが殺されていないか心配して見に来た程度。 そこにたまたま座って話していたのがヴァンパイアとバルドだった。 「んじゃ寝てれば?」 「…そうする…」 ごしごしと瞼をこする。 半分眠りそうな彼を支えて、バルドが部屋まで連れて行ってやる。 こういうところは意外に世話焼き。 さすが特徴が几帳面なだけある。 その割には物置兼ヴァンパイア部屋は汚いが。 目を覚ましたのは夜中だった。 なんとなく寂しくなって、隣にあるバルドの寝室まで足を運んだ。 もう仲間は去ったあとで、バルドは寝ているかと思ったが、彼は夜更かしが好きだった。 そのおかげでここ三日は夜に話し相手になってくれている。 くれている、という思い方に、モンスターとしての自覚はないのだろう。 「バルド」 「お、起きたか」 バルドはごろりと布団の上に転がって、のんきに煎餅を食っていた。 手元には日倭の文字で書かれた書物である。灯籠の明かりだけをつけて、今まで煎餅を食いながら書物を読んでいたようだった。 「…寂しい、何か話してくれ」 その枕元に彼が座ると、バルドは本を閉じる。 何の本かはわからない、なぜならガルズヘイムヴァンパイアである彼には、ガルズヘイム国以外の文字の読み書きができないからである。 「面白い話してやろうか」 うんうん、と小さくうなずく彼に、バルドは昔語りをしだした。 「あのな、お前知ってる?異世界の噂話。有名なんだけど」 「?」 「この本に書かれてあるんだよ。これは吟遊詩人が記したものでな、異世界から買ってきたんだ」 その本をのぞくが、いまいちよくわからない彼に、バルドは続ける。 「異世界カルアディアの悪の英雄、ロウッドとその仲間のレインの話。 あくまで噂話程度なんだけど、お前をつれてきた理由がこの本を読んだからってのもある。長くなるぞ、よく聞け」 その言葉に、すっかり頭のさえた彼は、何度も頷いた。 「昔々、まあ、もう二百年も前の話さ。とはいってもこの世界と時間の進み方が違うから、どれくらい違うのかわからない。 ロウッドはいつも一人だったんだと、ロマールの戦士だったそうだ。退治も討伐も暗殺も誘拐もすべて一人だった。 ところがある日突然仲間を連れて旅に出だした。その仲間とは、この世界の人間にあり得ない髪の色と眼をしていたってさ。 ローブを着こんで、精霊の槍をもった、男。それが、ヴァンパイア。と、いう噂。 その二人によって三段階目のあのくそ強いムシュフシュが倒されたのはすげぇ有名な話なんだ!」 興奮気味に話すバルドは子供にでも帰ったかのようだった。 ムシュフシュといえば地方最強モンスターで、三段階の強さがあることは知っている。 最初の段階はあまり強くないが、三段階目は鬼のように強い。 たった二人の人間が、いくらいい装備とはいえ、戦いに挑むのは無謀に近い。 それを倒したというのだから、名前が世界を超えて異世界にまでに知れ渡るのは当たり前だ。 「ヴァンパイアと旅だぜ?で、ムシュフシュとの戦いによって、ロウッドという悪の英雄は大怪我をして、 助からないといわれていた。ところが、たった六日で完治、傷跡さえなかった。 しかも、目の色が青だったはずなのに、赤に変わっていた。 赤の目の色といえばヴァンパイアの特徴だ。それ以降、その二人は二十年は旅をしていたのに、 年齢が全く変わらない。だけどある日突然いなくなった」 「ヴァンパイアと…旅」 彼にとっても信じられない話だった。 確かに周りのヴァンパイアはプライドがとても高く、人間とともに暮らすことや旅をするなんてありえない。 それゆえに、話に深く聞き入った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )続きます。懐かしいキャラの名前を出しました。インデックスにあるやつです。 #comment
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#title(ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×弱気吸血鬼3) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )前回はLv1で辛かったけど今回は少し長めに! それを聞いてひとしきり皆に笑われたが、ヴァンパイアはあまり笑わなかった。 というより、困惑して笑えるどころではなかった。 「うん、男に可愛いは褒め言葉じゃないよ、バルド」 「そういう問題ではない…」 おかしいのはバルドだけではなく、類は友を呼ぶという日倭のことわざにある通り、 この二人もヴァンパイアを前に、怖がるということはしなかった。 全く殺気など見せず、常に困った顔をするヴァンパイアを見ているうちに、警戒も薄れたらしい。 話を聞けば、バルドがここ、悪属性の日倭の首都に家を構えているのは、日倭が好きという理由だけ。 ガルズヘイムはベッドやレンガのうちが多いが、日倭はその逆で、 木造に畳や落ち着いた部屋が多く、寝るときは布団を使う。 日差しが入りやすい作りをしているので、 ヴァンパイアにとってはつらいが、少し眠くなる程度で大して害はなかった。 「あ、お前また眠ってる」 バルドが、しっかりしろ、と彼の肩を揺さぶるが、彼はすっかり睡魔に支配されていて、うんうんと何度か頷いてから、ゆっくり立ち上がる。 「…眠い…。あの部屋で寝てていいか?」 あの部屋、というのは例の物置に使われていた部屋である。 バルドはそこを彼の部屋にと与えた。 しかしこの豪華な部屋に、バルド一人しか住んでいないかったらしい。 仲間もそれぞれ家を持っていて、さすがに三日たって、バルドが殺されていないか心配して見に来た程度。 そこにたまたま座って話していたのがヴァンパイアとバルドだった。 「んじゃ寝てれば?」 「…そうする…」 ごしごしと瞼をこする。 半分眠りそうな彼を支えて、バルドが部屋まで連れて行ってやる。 こういうところは意外に世話焼き。 さすが特徴が几帳面なだけある。 その割には物置兼ヴァンパイア部屋は汚いが。 目を覚ましたのは夜中だった。 なんとなく寂しくなって、隣にあるバルドの寝室まで足を運んだ。 もう仲間は去ったあとで、バルドは寝ているかと思ったが、彼は夜更かしが好きだった。 そのおかげでここ三日は夜に話し相手になってくれている。 くれている、という思い方に、モンスターとしての自覚はないのだろう。 「バルド」 「お、起きたか」 バルドはごろりと布団の上に転がって、のんきに煎餅を食っていた。 手元には日倭の文字で書かれた書物である。灯籠の明かりだけをつけて、今まで煎餅を食いながら書物を読んでいたようだった。 「…寂しい、何か話してくれ」 その枕元に彼が座ると、バルドは本を閉じる。 何の本かはわからない、なぜならガルズヘイムヴァンパイアである彼には、ガルズヘイム国以外の文字の読み書きができないからである。 「面白い話してやろうか」 うんうん、と小さくうなずく彼に、バルドは昔語りをしだした。 「あのな、お前知ってる?異世界の噂話。有名なんだけど」 「?」 「この本に書かれてあるんだよ。これは吟遊詩人が記したものでな、異世界から買ってきたんだ」 その本をのぞくが、いまいちよくわからない彼に、バルドは続ける。 「異世界カルアディアの悪の英雄、ロウッドとその仲間のレインの話。 あくまで噂話程度なんだけど、お前をつれてきた理由がこの本を読んだからってのもある。長くなるぞ、よく聞け」 その言葉に、すっかり頭のさえた彼は、何度も頷いた。 「昔々、まあ、もう二百年も前の話さ。とはいってもこの世界と時間の進み方が違うから、どれくらい違うのかわからない。 ロウッドはいつも一人だったんだと、ロマールの戦士だったそうだ。退治も討伐も暗殺も誘拐もすべて一人だった。 ところがある日突然仲間を連れて旅に出だした。その仲間とは、この世界の人間にあり得ない髪の色と眼をしていたってさ。 ローブを着こんで、精霊の槍をもった、男。それが、ヴァンパイア。と、いう噂。 その二人によって三段階目のあのくそ強いムシュフシュが倒されたのはすげぇ有名な話なんだ!」 興奮気味に話すバルドは子供にでも帰ったかのようだった。 ムシュフシュといえば地方最強モンスターで、三段階の強さがあることは知っている。 最初の段階はあまり強くないが、三段階目は鬼のように強い。 たった二人の人間が、いくらいい装備とはいえ、戦いに挑むのは無謀に近い。 それを倒したというのだから、名前が世界を超えて異世界にまでに知れ渡るのは当たり前だ。 「ヴァンパイアと旅だぜ?で、ムシュフシュとの戦いによって、ロウッドという悪の英雄は大怪我をして、 助からないといわれていた。ところが、たった六日で完治、傷跡さえなかった。 しかも、目の色が青だったはずなのに、赤に変わっていた。 赤の目の色といえばヴァンパイアの特徴だ。それ以降、その二人は二十年は旅をしていたのに、 年齢が全く変わらない。だけどある日突然いなくなった」 「ヴァンパイアと…旅」 彼にとっても信じられない話だった。 確かに周りのヴァンパイアはプライドがとても高く、人間とともに暮らすことや旅をするなんてありえない。 それゆえに、話に深く聞き入った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )続きます。懐かしいキャラの名前を出しました。インデックスにあるやつです。 #comment
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