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#title(大航海時代4 ユキヒサ×イアン6) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )トリップはこれであってるかな?六番目です。 バルデスが、イアンが、大砲によって傾いた船で、一瞬でた隙を付いた。 ザク、と、音がして、イアンは思わずあとずさった。 レイピアが、イアンの胸に刺さっている。それでも、イアンは攻撃をやめない。よろけながらも必死に立って、レイピアを繰る。 そしてもう一度、今度は腹に、レイピアが刺さった。 そのまま更にレイピアが身体を突きさし、イアンは倒れた。 負けるか、と、皆が思った。 (このまま…負けるわけには行かない…) 朦朧とした意識の中、イアンは、目の前にあるバルデスの首めがけ、護身刀を抜いて切りつけた。 途端、目の前はバルデスの血で染まる。 「…!き、さま…」 首を深く、切りつけた。 イアンは口の端しから血をたらし、バルデスの返り血を浴びながら、バルデスが倒れていくのを見た。 そして動かなくなったのを確認する。 「…やった、バルデスを倒したぞ!」 わあっと歓声が上がった。 バルデスが死んだ今、敵船はおとなしく降伏し、名実ともにバルデスという勢力はなくなった。 「…イアン!カルロ、止血をして!」 マリアが、遠くで呼んでいるのが聞こえ、イアンはそっと目を開けた。 誰かに支えられる。 その感触さえどんどん遠くなっていく。 手には護身刀を持っていたが、それがカラコロと音を立てて転がった。 「いかん、これは…、血がとまらん!」 「しっかりしてよ、イアン!」 カルロが、懸命にその場で応急処置をするが、血は一向に止まらなかった。 サムウェルが、泣きながら覗き込んでくるが、もう助からないことは誰が見ても明らかだった。 「ユキヒサに…」 「イアン!」 ユキヒサがこちらにやってくる。船を近づけていたおかげで、すぐにこれたが、ユキヒサの顔が、もう、よくは見えない。 「ユキヒサ…護身刀…有難う…。おかげで…勝てた」 イアンは、くすっと笑った。 ごふっと血を吐く。 「提督…すみません…私は…これまでのようです…。ユキヒサ、リング、ありが、とう」 「やだよ、イアン!起きてよ!!」 「…!」 ユキヒサが、ゆすって起こそうとするが、イアンは目を閉じ、そして動かなくなった。 やがて大砲の音はやむ。 冷たくなっていく恋人を抱きながら、ユキヒサは初めて涙を流して絶叫した。 「…素直に、喜べないわ」 マリアは、ユキヒサと甲板にいた。 クリスティナが甲板の掃除をしながら、時折その二人をちらりと見る。 イアンの死体は水葬にしなかった。 なぜなら、たまたま、ドゥーコフ商会の船がセビリアに停泊していると聞いたからである。 イアンの父親がすぐ傍にいる。 ならば父の元に返そうと思ったからである。 セビリアへは、すぐ傍だった。 進む船はところどころ損傷していたが、マストは折れなかった。すぐにバルデスが一騎打ちを申し込んできたおかげだ。 ユキヒサは、マリアの声に反応して、そちらを向いた。 「皆、よくやってくれたわ。水夫も、航海士も。でも、イアンがこんな事になるなんて…。ごめんなさいね、貴方たちの事、知っていたんだけど…」 「…しばらく、イアンといたい。副官室へ、行って来ます」 「分かったわ、あ、そうそう、この刀。貴方のでしょ。行尚(ユキヒサ)って彫ってあったから、すぐにわかったわ。イアンがいつも持っていたわね」 そういって手渡されたのは、バルデスの首を切り裂いたあの刀だった。それを手に取ると、ユキヒサは見るからに気を落とした様子で、副官室へ向かった。 副官室はしんとしていた。 ベッドには、綺麗に血をふき取られた、イアンの死体があった。 そっと抱き上げる。 死体なのに、穏やかな笑みをたたえていた。 「っ…!」 涙が、ぽとりとイアンの顔に落ちる。 左手の薬指には、シルバーリングが輝いている。 ぎゅっと、イアンを抱きしめた。 「すまない…守ってやれなくて…お前を、絶対に幸せにすると…」 扉の向こうには、ジャムとフェルナンドとアルがいた。 三人とも、何も言わなかった。 扉の向こうで、ユキヒサが泣いているのを、静かに聞いていた。 死ぬ前、ずっと幸せそうなイアンを見て、三人は、良かったと心から思った。 そしてユキヒサも素直になってきた矢先、こんな事が起きた。 誰が手放しで喜べただろう。 サムウェルも、イアンと仲がよかった。ずっとサムウェルが泣いているのも知っている。 けれど、あんなに気丈に振舞っていたユキヒサが、ここまで落ち込むとは知らなかった。そこまで深い愛情があった事さえ、彼が死んではじめて知った。 一行はセビリアへ到着する。 毛布に巻かれた彼の死体を、副官室の寝台においてある。 イアンの父親は思ったよりイアンに似ていなかった。 だが、ブロンドの髪は間違いなく親子だと思わせるものがあった。 顔立ちはきっと母親に似たのだろう。 父親は、リー家の事を知っていた。もちろん息子がそこで働いていたことを。 マリアはすべてを話した。最後に何を言ったか、バルデスと戦い、倒れたが、それでも最後の力を振り絞って、バルデスを討ち取ったこと。 父親は、明らかにショックを受けていた。 案内された先に息子の死体。 眠っているように見えるが、触れてみると冷たかった。 「おお…イアン…」 ひざをついて、息子を抱きしめる。 「帰ろう、イアン。今度、生まれてくるときは私の息子にもう一度なりなさい」 と、左手の薬指に指輪がある事に気づいて、涙でぼやけた手で、彼の指輪をなでた。 「マリア殿。これは…?」 「ああ、それはですね…」 「拙者との対になる指輪です」 マリアがいいかけたとき、ずい、と、ユキヒサが姿を現した。 そして父親の前でひざをついて、土下座をした。 それが何を意味するのか、ジャムやマリアにはすぐに分かった。 「守ろうとしましたが、叶いませんでした。その指輪は拙者がイアンにあげたものです。この旅が終わったなら一緒に暮らそうと、約束しました」 「か、顔をあげてください。貴方は?」 「ユキヒサ=シラキです。イアンの恋人です。同性といえ、拙者はイアンのことを愛していました。また、彼もそうです」 ユキヒサは顔をあげると、その目から涙をこぼした。 父親は驚いたが、納得すると、頭を下げた。 「こんなに綺麗な死に顔です、息子はきっと幸せだったでしょう」 結局、遺体は故郷にはもって帰れないらしい。ならば、と、父親が自ら自分の船でこの近海に水葬するらしい。 その話を聞くと、ユキヒサは、はっと思いつき、自分の腰に刺してある護身刀を渡した。 「イアンに渡した守り刀です。水葬する際、一緒に…」 父親はそれを受け取ると、自分の荷物の中に入れる。 了解しましたと、一言添えると、息子の死体を抱きしめ、自分の船に戻った。 『ユキヒサ、ユキヒサ』 宿に戻った。泥のように眠るユキヒサは、夢を見た。 それはとても明るい世界だった。 イアンがそこにたって笑っていた。 『ユキヒサ、今まで有難う。父上が泣いているの、はじめてみたよ』 はっと、ユキヒサは顔を上げる。 いろんな人がいた。 イアンの後ろには、見た事のある死んだ水夫たちがいた。 ここは何処だ、と焦るユキヒサに、イアンはリングを見せる。 『このリングは貰っていくよ』 「待て、イアン、行くな!」 『ごめん、いかなきゃならないんだ。あ、でも。十年後に会いに行くよ。それまで、覚えていて欲しい』 「十年…?」 『きっとすぐに分かるから。それじゃあ、ユキヒサ、また、ね』 「イアン、待て、イアン!」 そこで目が覚めた。 光の世界に飲み込まれていく、イアンと仲間たちを見た直後だった。 夢。 それとも、現実と夢の境。 どちらだろう、と、ユキヒサは汗をかいていたので、額をぬぐった。 「イアン…。十年…?」 十年が経過した。 その頃には、地中海を制覇し、北海をも制覇する寸前だった。 あとはクリフォード軍のみ。それも、第一艦隊のみときた。 ユキヒサは二十九歳になっていた。 立派な大人として、そして斬り込み隊長として、活躍していた。 クリフォード軍との一戦の後、ユキヒサは疲れてそのまま宿に行こうかと思ったときである。 『十年後に会いに行くよ』 いつか夢に出てきた言葉が、頭を掠めた。 何故この言葉が今更思い出したのか、と、思った。 そうだ、今日はイアンの命日だ。 あれから恋人も作らず、誰かに手を出す事もなかった。 ただ、リングだけはつけたままだった。 「すーみーまーせーんー!」 と、遠くから少年の声がした。 振り返る。 水兵服をきた、その少年を見て、ユキヒサはぎょっとした。 息を切らして走り寄ってくるその金髪の少年の面差しは、イアンにそっくりだったからである。 とはいえ、十歳いくかいかないか位の少年である。 似ているとはいっても、振る舞いは全く違っていた。 手を振って、近くまで来ると、その少年はユキヒサをじろじろ眺める。 「すみません、えっと、リー家の船ですよね。貴方は日本の方ですよね。もしかして、ユキヒサさんですか?」 「あ、ああ、そうだ。君は」 少年は満面に笑顔を浮かべて、ぺこりとお辞儀をした。 「やっぱり!僕、イアン=ドゥーコフっていいます!父上がリー家の船に乗れって言ったので、ずっと探してたんです!兄上が大変お世話になったと聞いてます!」 「イアン…?」 ユキヒサが驚いて硬直するころには、仲間たちがぞろぞろとやってきた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )次で完結します。トリップちょっと失敗しました。 #comment
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#title(大航海時代4 ユキヒサ×イアン6) |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )トリップはこれであってるかな?六番目です。 バルデスが、イアンが、大砲によって傾いた船で、一瞬でた隙を付いた。 ザク、と、音がして、イアンは思わずあとずさった。 レイピアが、イアンの胸に刺さっている。それでも、イアンは攻撃をやめない。よろけながらも必死に立って、レイピアを繰る。 そしてもう一度、今度は腹に、レイピアが刺さった。 そのまま更にレイピアが身体を突きさし、イアンは倒れた。 負けるか、と、皆が思った。 (このまま…負けるわけには行かない…) 朦朧とした意識の中、イアンは、目の前にあるバルデスの首めがけ、護身刀を抜いて切りつけた。 途端、目の前はバルデスの血で染まる。 「…!き、さま…」 首を深く、切りつけた。 イアンは口の端しから血をたらし、バルデスの返り血を浴びながら、バルデスが倒れていくのを見た。 そして動かなくなったのを確認する。 「…やった、バルデスを倒したぞ!」 わあっと歓声が上がった。 バルデスが死んだ今、敵船はおとなしく降伏し、名実ともにバルデスという勢力はなくなった。 「…イアン!カルロ、止血をして!」 マリアが、遠くで呼んでいるのが聞こえ、イアンはそっと目を開けた。 誰かに支えられる。 その感触さえどんどん遠くなっていく。 手には護身刀を持っていたが、それがカラコロと音を立てて転がった。 「いかん、これは…、血がとまらん!」 「しっかりしてよ、イアン!」 カルロが、懸命にその場で応急処置をするが、血は一向に止まらなかった。 サムウェルが、泣きながら覗き込んでくるが、もう助からないことは誰が見ても明らかだった。 「ユキヒサに…」 「イアン!」 ユキヒサがこちらにやってくる。船を近づけていたおかげで、すぐにこれたが、ユキヒサの顔が、もう、よくは見えない。 「ユキヒサ…護身刀…有難う…。おかげで…勝てた」 イアンは、くすっと笑った。 ごふっと血を吐く。 「提督…すみません…私は…これまでのようです…。ユキヒサ、リング、ありが、とう」 「やだよ、イアン!起きてよ!!」 「…!」 ユキヒサが、ゆすって起こそうとするが、イアンは目を閉じ、そして動かなくなった。 やがて大砲の音はやむ。 冷たくなっていく恋人を抱きながら、ユキヒサは初めて涙を流して絶叫した。 「…素直に、喜べないわ」 マリアは、ユキヒサと甲板にいた。 クリスティナが甲板の掃除をしながら、時折その二人をちらりと見る。 イアンの死体は水葬にしなかった。 なぜなら、たまたま、ドゥーコフ商会の船がセビリアに停泊していると聞いたからである。 イアンの父親がすぐ傍にいる。 ならば父の元に返そうと思ったからである。 セビリアへは、すぐ傍だった。 進む船はところどころ損傷していたが、マストは折れなかった。すぐにバルデスが一騎打ちを申し込んできたおかげだ。 ユキヒサは、マリアの声に反応して、そちらを向いた。 「皆、よくやってくれたわ。水夫も、航海士も。でも、イアンがこんな事になるなんて…。ごめんなさいね、貴方たちの事、知っていたんだけど…」 「…しばらく、イアンといたい。副官室へ、行って来ます」 「分かったわ、あ、そうそう、この刀。貴方のでしょ。行尚(ユキヒサ)って彫ってあったから、すぐにわかったわ。イアンがいつも持っていたわね」 そういって手渡されたのは、バルデスの首を切り裂いたあの刀だった。それを手に取ると、ユキヒサは見るからに気を落とした様子で、副官室へ向かった。 副官室はしんとしていた。 ベッドには、綺麗に血をふき取られた、イアンの死体があった。 そっと抱き上げる。 死体なのに、穏やかな笑みをたたえていた。 「っ…!」 涙が、ぽとりとイアンの顔に落ちる。 左手の薬指には、シルバーリングが輝いている。 ぎゅっと、イアンを抱きしめた。 「すまない…守ってやれなくて…お前を、絶対に幸せにすると…」 扉の向こうには、ジャムとフェルナンドとアルがいた。 三人とも、何も言わなかった。 扉の向こうで、ユキヒサが泣いているのを、静かに聞いていた。 死ぬ前、ずっと幸せそうなイアンを見て、三人は、良かったと心から思った。 そしてユキヒサも素直になってきた矢先、こんな事が起きた。 誰が手放しで喜べただろう。 サムウェルも、イアンと仲がよかった。ずっとサムウェルが泣いているのも知っている。 けれど、あんなに気丈に振舞っていたユキヒサが、ここまで落ち込むとは知らなかった。そこまで深い愛情があった事さえ、彼が死んではじめて知った。 一行はセビリアへ到着する。 毛布に巻かれた彼の死体を、副官室の寝台においてある。 イアンの父親は思ったよりイアンに似ていなかった。 だが、ブロンドの髪は間違いなく親子だと思わせるものがあった。 顔立ちはきっと母親に似たのだろう。 父親は、リー家の事を知っていた。もちろん息子がそこで働いていたことを。 マリアはすべてを話した。最後に何を言ったか、バルデスと戦い、倒れたが、それでも最後の力を振り絞って、バルデスを討ち取ったこと。 父親は、明らかにショックを受けていた。 案内された先に息子の死体。 眠っているように見えるが、触れてみると冷たかった。 「おお…イアン…」 ひざをついて、息子を抱きしめる。 「帰ろう、イアン。今度、生まれてくるときは私の息子にもう一度なりなさい」 と、左手の薬指に指輪がある事に気づいて、涙でぼやけた手で、彼の指輪をなでた。 「マリア殿。これは…?」 「ああ、それはですね…」 「拙者との対になる指輪です」 マリアがいいかけたとき、ずい、と、ユキヒサが姿を現した。 そして父親の前でひざをついて、土下座をした。 それが何を意味するのか、ジャムやマリアにはすぐに分かった。 「守ろうとしましたが、叶いませんでした。その指輪は拙者がイアンにあげたものです。この旅が終わったなら一緒に暮らそうと、約束しました」 「か、顔をあげてください。貴方は?」 「ユキヒサ=シラキです。イアンの恋人です。同性といえ、拙者はイアンのことを愛していました。また、彼もそうです」 ユキヒサは顔をあげると、その目から涙をこぼした。 父親は驚いたが、納得すると、頭を下げた。 「こんなに綺麗な死に顔です、息子はきっと幸せだったでしょう」 結局、遺体は故郷にはもって帰れないらしい。ならば、と、父親が自ら自分の船でこの近海に水葬するらしい。 その話を聞くと、ユキヒサは、はっと思いつき、自分の腰に刺してある護身刀を渡した。 「イアンに渡した守り刀です。水葬する際、一緒に…」 父親はそれを受け取ると、自分の荷物の中に入れる。 了解しましたと、一言添えると、息子の死体を抱きしめ、自分の船に戻った。 『ユキヒサ、ユキヒサ』 宿に戻った。泥のように眠るユキヒサは、夢を見た。 それはとても明るい世界だった。 イアンがそこにたって笑っていた。 『ユキヒサ、今まで有難う。父上が泣いているの、はじめてみたよ』 はっと、ユキヒサは顔を上げる。 いろんな人がいた。 イアンの後ろには、見た事のある死んだ水夫たちがいた。 ここは何処だ、と焦るユキヒサに、イアンはリングを見せる。 『このリングは貰っていくよ』 「待て、イアン、行くな!」 『ごめん、いかなきゃならないんだ。あ、でも。十年後に会いに行くよ。それまで、覚えていて欲しい』 「十年…?」 『きっとすぐに分かるから。それじゃあ、ユキヒサ、また、ね』 「イアン、待て、イアン!」 そこで目が覚めた。 光の世界に飲み込まれていく、イアンと仲間たちを見た直後だった。 夢。 それとも、現実と夢の境。 どちらだろう、と、ユキヒサは汗をかいていたので、額をぬぐった。 「イアン…。十年…?」 十年が経過した。 その頃には、地中海を制覇し、北海をも制覇する寸前だった。 あとはクリフォード軍のみ。それも、第一艦隊のみときた。 ユキヒサは二十九歳になっていた。 立派な大人として、そして斬り込み隊長として、活躍していた。 クリフォード軍との一戦の後、ユキヒサは疲れてそのまま宿に行こうかと思ったときである。 『十年後に会いに行くよ』 いつか夢に出てきた言葉が、頭を掠めた。 何故この言葉が今更思い出したのか、と、思った。 そうだ、今日はイアンの命日だ。 あれから恋人も作らず、誰かに手を出す事もなかった。 ただ、リングだけはつけたままだった。 「すーみーまーせーんー!」 と、遠くから少年の声がした。 振り返る。 水兵服をきた、その少年を見て、ユキヒサはぎょっとした。 息を切らして走り寄ってくるその金髪の少年の面差しは、イアンにそっくりだったからである。 とはいえ、十歳いくかいかないか位の少年である。 似ているとはいっても、振る舞いは全く違っていた。 手を振って、近くまで来ると、その少年はユキヒサをじろじろ眺める。 「すみません、えっと、リー家の船ですよね。貴方は日本の方ですよね。もしかして、ユキヒサさんですか?」 「あ、ああ、そうだ。君は」 少年は満面に笑顔を浮かべて、ぺこりとお辞儀をした。 「やっぱり!僕、イアン=ドゥーコフっていいます!父上がリー家の船に乗れって言ったので、ずっと探してたんです!兄上が大変お世話になったと聞いてます!」 「イアン…?」 ユキヒサが驚いて硬直するころには、仲間たちがぞろぞろとやってきた。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )次で完結します。トリップちょっと失敗しました。 #comment
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