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#title(生 「希望」) タイトルがぱっとしないけど前スレ>>311-314のその後。 『彼』と『俺』が入れ替わってます。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 彼の柔らかい髪が、秋風に揺れている。 足音に気付いて振り返った彼の細い目が、大きく見開かれたのを見て、思わず笑ってしまった。 「そんなに驚かなくてもいいだろ」 「…こんなところに来るなんて、思ってなかったから」 口を尖らせて、ぷいっとそっぽを向くそのしぐさは、若い頃と変わらない。 俺の前では、いくつになっても子供のような人だ。 「ただいま」 「おかえりなさい」 傍に寄ると、手を差し出された。 出発前にも繋いだ、左手。 その手を取っていいのか迷っていると、彼が小首を傾げた。 「もう痛くないから大丈夫だぞ?」 「いや、そういうことじゃなくて…」 「そういうことじゃなくて?」 きょとんとした表情。 分かっていないはずはない。 俺が試されているんだ。 と、次の瞬間。 「じゃあ、こういうことか」 あの時のような、満面の笑みを浮かべて、彼は抱きついてきた。 「……」 「なんだよ、まだ不満?」 「不満はないけど…約束が…」 出発前に交わした約束。 『絶対に勝つ』 その約束は、数年前と同じように、あと一歩というところで俺の手をすり抜けていった。 「約束守れなくて、ごめん」 あんなに期待させるようなことを言っておいたのに、守れなかった自分の不甲斐なさに悔しさが募る。 「……お前さ、俺が何て言ったか覚えてないだろ」 「覚えてるよ。『期待していいんだろうな』『絶対勝てるから』って」 「違う。その後だ」 射抜かれるような彼の視線。 記憶をたぐるが、どうしてもその後の言葉が出てこない。 「『無事に帰ってこい』って、言っただろ?」 噛みしめるような、重みのある言葉。 その言葉に、はっと気付いた。 この世界にいる限り、勝つことは常に求められる。 しかし、それ以上に大切なこと。 「負けたら悔しいよ。負けた時の慰めなんて要らない。でもな、お前も相棒も無事に帰ってこられたんだ、これからの可能性はゼロじゃない」 「それは…」 「あの時のこと……俺は一生忘れられない。忘れようがないんだ」 遠くの空を見つめる彼の目が、少し潤んでいるように見える。 それはこの世界にいる者の宿命ではあるが、あの時の彼の場合、宿命と呼ぶには有り余るほどの残酷な現実が待っていた。 「…気休め言うつもりはないけどさ、お前はお前の全力で戦ったんだろ?」 「も、勿論!」 「じゃあいいだろ」 再び差し出される左手。 彼の顔も、優しい表情に戻っていた。 「お疲れ様でした」 「ありがとう」 いつものような笑顔の彼と、がっちり握手を交わす。 その力強い手に、俺は更なる飛躍を誓った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 前作への感想、ありがとうございました。 『彼』の『あの時』の話は実はよく知らなかったり、 こんな甘い世界でもないのは百も承知ですが、 かわいらしくて仕方ないこのコンビが早く復活するよう希望を込めて書いてみました。 #comment
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#title(生 「希望」) タイトルがぱっとしないけど前スレ>>311-314のその後。 『彼』と『俺』が入れ替わってます。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 彼の柔らかい髪が、秋風に揺れている。 足音に気付いて振り返った彼の細い目が、大きく見開かれたのを見て、思わず笑ってしまった。 「そんなに驚かなくてもいいだろ」 「…こんなところに来るなんて、思ってなかったから」 口を尖らせて、ぷいっとそっぽを向くそのしぐさは、若い頃と変わらない。 俺の前では、いくつになっても子供のような人だ。 「ただいま」 「おかえりなさい」 傍に寄ると、手を差し出された。 出発前にも繋いだ、左手。 その手を取っていいのか迷っていると、彼が小首を傾げた。 「もう痛くないから大丈夫だぞ?」 「いや、そういうことじゃなくて…」 「そういうことじゃなくて?」 きょとんとした表情。 分かっていないはずはない。 俺が試されているんだ。 と、次の瞬間。 「じゃあ、こういうことか」 あの時のような、満面の笑みを浮かべて、彼は抱きついてきた。 「……」 「なんだよ、まだ不満?」 「不満はないけど…約束が…」 出発前に交わした約束。 『絶対に勝つ』 その約束は、数年前と同じように、あと一歩というところで俺の手をすり抜けていった。 「約束守れなくて、ごめん」 あんなに期待させるようなことを言っておいたのに、守れなかった自分の不甲斐なさに悔しさが募る。 「……お前さ、俺が何て言ったか覚えてないだろ」 「覚えてるよ。『期待していいんだろうな』『絶対勝てるから』って」 「違う。その後だ」 射抜かれるような彼の視線。 記憶をたぐるが、どうしてもその後の言葉が出てこない。 「『無事に帰ってこい』って、言っただろ?」 噛みしめるような、重みのある言葉。 その言葉に、はっと気付いた。 この世界にいる限り、勝つことは常に求められる。 しかし、それ以上に大切なこと。 「負けたら悔しいよ。負けた時の慰めなんて要らない。でもな、お前も相棒も無事に帰ってこられたんだ、これからの可能性はゼロじゃない」 「それは…」 「あの時のこと……俺は一生忘れられない。忘れようがないんだ」 遠くの空を見つめる彼の目が、少し潤んでいるように見える。 それはこの世界にいる者の宿命ではあるが、あの時の彼の場合、宿命と呼ぶには有り余るほどの残酷な現実が待っていた。 「…気休め言うつもりはないけどさ、お前はお前の全力で戦ったんだろ?」 「も、勿論!」 「じゃあいいだろ」 再び差し出される左手。 彼の顔も、優しい表情に戻っていた。 「お疲れ様でした」 「ありがとう」 いつものような笑顔の彼と、がっちり握手を交わす。 その力強い手に、俺は更なる飛躍を誓った。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 前作への感想、ありがとうございました。 『彼』の『あの時』の話は実はよく知らなかったり、 こんな甘い世界でもないのは百も承知ですが、 かわいらしくて仕方ないこのコンビが早く復活するよう希望を込めて書いてみました。 #comment
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