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#title(オリジ ゲイニソ 後輩×先輩) [#x610cbc3] お借りします。 キャラのモデルは生で一応ありますが、設定改編激しいのであえてオリジナルで。 ゲイニソでコソビ外カプ、後輩×先輩。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「俺、あなたのツッコミが好きです、ていうかむしろ、あなたのことが好きです」 ある日のライブが終わって、相方が先に帰ってしまった後で。 それなりに可愛がっていた後輩が楽屋まで挨拶に来て、いきなりそんな告白をしてくれた。 「俺とつきおうてくれませんか?」 それに対して俺は何を思ったのか(九分九厘何も考えずに)「ん」と頷いてしまった。 こうして俺はアイツと恋人同士の間柄になった…らしい。 え?何で「らしい」なんかって? 恋人同士(?)になって変わったこととと言えば、アイツから頻繁にメールが届くようになったとか、あと2人だけでメシに行く回数が前よりちょっと増えたとか、そんぐらいで。 女の子と付き合う時のように、ちゅーやエッチをするでもなく。 (っていや、自分で言うといて何やけど、俺ら男同士やし、そんなんちょっと想像でけんねやけど) とにかく、傍から見れば俺たちの関係は先輩と後輩のまま、ほとんど変わりはなく。 なにより当事者である俺自身に、全くと言っていいほどつきあってるという実感がなかったからや。 そんな調子だから、俺は正直、これはもしかしたらアイツの一世一代のボケなんやないかと思っていた。 下手したら俺が盛大にツッコミ入れるまでこのままボケ続けていくつもりとちゃうか?なんて疑い始めてさえいた。 そうこうしているうちに、アイツはコソビゲイニソとして、とあるお笑い番組をきっかけに鮮烈な全国区デビューを果たした。 たちまち人気は急騰し仕事のオファーが殺到、テレビでアイツの姿を見ない日はなくなり。 東京での仕事が激増した結果、アイツは東京に部屋を借りて、活動のベースごと向こうへ移すことになった。 一方俺はといえば相も変わらず、地元以外では泣かず飛ばずのローカルゲイニソのままで。 栄光の階段を一気に駆け上がっていったアイツに対して、芸歴に頼っていた先輩風を吹かすことさえ躊躇われるようになってしまった。 これで終わった、ていうかそもそも始まっとったかもようわからんけど。 とにかくあいつの栄転で俺らの恋人関係(?)も自然消滅してしまうもんやと思っていた。 ところが――。 「遠距離恋愛になっちゃいますね」 引越し前日の夜、アイツからかかってきた電話。 あまりにあっけらかんと言われたもんで、俺は自分の現在の立ち位置というものを把握できず、しばらく言葉が出てこなかった。 「でも安心して下さい。別にこっちでの仕事がまるっきりなくなったわけじゃないし。多分週1のペースで戻ってこれますって」 え、と……果たしてここはお礼言うところなんやろか?俺の頭の中を無数のクエスチョンマークが奇妙な音をたてて飛び交う。 「おまえなぁ…せっかく東京進出果たしたんやから、今がイチバン大事な時やんか」 もう俺のことなんか気にせーへんで前だけ向いて進んでいけや――俺はあくまで先輩ゲイニソとして至極当然なアドバイスを与えた、少なくとも自分ではそのつもりだった。 なのに。 「それ、別れるってことですか?」 へ? 「もう俺のこと、嫌いになってもうたんですか?」 「え、いや…」 あかん、コイツが何を言っているのか、ほんまに理解でけんのやけど。 とにかくもう、どこまでがボケでどこまでが本気なんかもわからへんようになっとるわ。 「あんなぁ」 こんなこと言うていいもんかと、一瞬躊躇はした。 けど、多分聞かなずっと今のまま、始まりも終わりもせん状態のままなんやろうと思ったから。 だからこそ、俺は意を決して聞いてみた。 「別れるも嫌いも何も、だいたい俺ら、ほんまにつきおうとったん?」 「何でそんなこと聞くんです?」 ・・・間髪いれずに、しかも何を今更みたいな口調で、質問に質問で返されてもうた。おまえ、それは反則やろー。 「好きです、つきおうて下さいて俺が言うた時、ちゃんとOKしてくれたやないですか」 「いや、そりゃあOKっちゅーか、なんや俺もようわからんくて、ほんで…」 こうなるとまさか勢いだったとも、ましてや告白そのものがネタふりかと思っていたとも言えずに、俺はなんとなく続く言葉を濁してしまう。 「まさか女の子が友達に言う『トイレついてきてー』みたいなニュアンスで、つきおうて下さいて言うたとでも思てたんですか?」 そ、それは言いえて妙やけど、あん時はそこまで頭回ってへんかってん、とも言えず。 「………」 「………」 そのまま黙りこくった俺に業を煮やしたのか、やがてアイツはふうっと大きな溜め息をついた。 「わかりましたよ」 あ、ようやくわかってくれたんか。って何を?自分が勝手な思い込みしとったってことか? 「俺が何も手出してこんかったから、つきあってるって自覚がなかったんですね」 ……は?何でそないな結論になんねん。 「いや、俺もね、悩んでたんですよ。こんなにあっさりOKもらっても、やっぱ男同士だし、最初は抵抗あるやろうなって」 ん?んんんんん?待てや、待て待て! コイツ、今までのわけわからん話と違うて、明らかに(俺にとって)ヤバい類のこと言うてるんとちゃうか? 「俺も無理やりとか嫌やったし、あなたの方から求めてくれるまではとガマンしてたんですよねー」 俺の方から求めるって何やねん!って、もしかしなくても俺が女役!? とそこまで考えて、このまま話を進めたらえらいことになるんやないかとハタと気づき、俺は慌ててアイツを止めにかかる。 「いやいやいや、待てって!おまえそれどういう意…」 ピンポーン 格安ハイツの2DKの部屋に、電池を入れ替えたばかりのインターホン(カメラ無し)の音が鳴り響く。 「あ、誰か来たわ。ちょお待っとってくれや」 俺はケータイを保留状態にして、慌てて玄関に向かった。 タイミングがいいんだか悪いんだかようわからんけど、ヤバめな話の流れを遮ってくれた来客の登場に、俺はほっと胸を撫で下ろした。 にしてもこんな時間に誰やろ?隣のおっちゃんか?いや、あのおっちゃんはいつもインターホン押さへんでドアドンドンやし。 かといって後輩でもないよな。今日は誰とも約束してへんし、あいつらには来るときは事前連絡するよう言うてるはずやから。 「はいはーい、今開けますー」 ガチャ 「!」 ドアを開けた俺は固まった。ちゅーか、固まらざるをえんかった。 目の前に立ってたのは、今まさにケータイを保留にしているアイツやったんや…。 アイツは俺の顔を見るやにかっと笑って、耳に当てていたケータイのボタンをピッと押した。 通話が切れたそれを、そそくさとジーンズのポケットにしまいこむ。 「おっおまえ、来るなら事前に連絡しろって言うてたやろ!」 「あー、駅ついて、コンビニで買い物済ませてからかけたんでー。今から行きますけどいいですかって聞こうと一応思たんですよ?」 いや、それ事前連絡ちゃう、限りなく事後報告に近いから。いいですかも何も、最初から来る気満々やん。 「いやー、うっかり布団まで梱包してもうて、一晩起きとかなあかんくなってしまったんです。ほんならせっかくやし、今夜は2人でゆっくり飲みたいな~とか思って。酒とかつまみとか、いろいろ買うてきたんですけどー」 左手に大きなコンビニ袋を持ったアイツは、固まったままの俺を押すようにして部屋の中に入ってきた。 奴の後ろでぼろい扉がバタンという音と共に閉まる。 「まぁ初めての夜に、酒の力に頼るっちゅーのもカッコ悪いですよね。わかりました。俺今夜は酒抜きで、頑張りますんで」 「なっ、何を頑張るんや、何を!ちゅーか初めての夜て何やねん!!」 ケータイでの会話から終始調子を狂わされっぱなしだった俺の、本日一番のツッコミが決まる。 するとアイツは満足そうに笑って、俺をぎゅっと抱きしめた。 「ちょ…!」 「あー、やっぱ俺、あなたのツッコミが大好きです。ていうかそれ以上に、あなたのことが大好きです」 ――次の日、アイツが東京に飛んでから、正式に遠距離恋愛が始まった。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ラストは「へー、センパイって意外と流されやすいんですね」ってことでw - ロザンシリーズの人ですか?文体や雰囲気が似てるなあと。違ってもGJっす。後半、ストーリーテリングが巧いなと思った。 -- &new{2009-08-26 (水) 09:49:55}; #comment
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#title(オリジ ゲイニソ 後輩×先輩) [#x610cbc3] お借りします。 キャラのモデルは生で一応ありますが、設定改編激しいのであえてオリジナルで。 ゲイニソでコソビ外カプ、後輩×先輩。 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 「俺、あなたのツッコミが好きです、ていうかむしろ、あなたのことが好きです」 ある日のライブが終わって、相方が先に帰ってしまった後で。 それなりに可愛がっていた後輩が楽屋まで挨拶に来て、いきなりそんな告白をしてくれた。 「俺とつきおうてくれませんか?」 それに対して俺は何を思ったのか(九分九厘何も考えずに)「ん」と頷いてしまった。 こうして俺はアイツと恋人同士の間柄になった…らしい。 え?何で「らしい」なんかって? 恋人同士(?)になって変わったこととと言えば、アイツから頻繁にメールが届くようになったとか、あと2人だけでメシに行く回数が前よりちょっと増えたとか、そんぐらいで。 女の子と付き合う時のように、ちゅーやエッチをするでもなく。 (っていや、自分で言うといて何やけど、俺ら男同士やし、そんなんちょっと想像でけんねやけど) とにかく、傍から見れば俺たちの関係は先輩と後輩のまま、ほとんど変わりはなく。 なにより当事者である俺自身に、全くと言っていいほどつきあってるという実感がなかったからや。 そんな調子だから、俺は正直、これはもしかしたらアイツの一世一代のボケなんやないかと思っていた。 下手したら俺が盛大にツッコミ入れるまでこのままボケ続けていくつもりとちゃうか?なんて疑い始めてさえいた。 そうこうしているうちに、アイツはコソビゲイニソとして、とあるお笑い番組をきっかけに鮮烈な全国区デビューを果たした。 たちまち人気は急騰し仕事のオファーが殺到、テレビでアイツの姿を見ない日はなくなり。 東京での仕事が激増した結果、アイツは東京に部屋を借りて、活動のベースごと向こうへ移すことになった。 一方俺はといえば相も変わらず、地元以外では泣かず飛ばずのローカルゲイニソのままで。 栄光の階段を一気に駆け上がっていったアイツに対して、芸歴に頼っていた先輩風を吹かすことさえ躊躇われるようになってしまった。 これで終わった、ていうかそもそも始まっとったかもようわからんけど。 とにかくあいつの栄転で俺らの恋人関係(?)も自然消滅してしまうもんやと思っていた。 ところが――。 「遠距離恋愛になっちゃいますね」 引越し前日の夜、アイツからかかってきた電話。 あまりにあっけらかんと言われたもんで、俺は自分の現在の立ち位置というものを把握できず、しばらく言葉が出てこなかった。 「でも安心して下さい。別にこっちでの仕事がまるっきりなくなったわけじゃないし。多分週1のペースで戻ってこれますって」 え、と……果たしてここはお礼言うところなんやろか?俺の頭の中を無数のクエスチョンマークが奇妙な音をたてて飛び交う。 「おまえなぁ…せっかく東京進出果たしたんやから、今がイチバン大事な時やんか」 もう俺のことなんか気にせーへんで前だけ向いて進んでいけや――俺はあくまで先輩ゲイニソとして至極当然なアドバイスを与えた、少なくとも自分ではそのつもりだった。 なのに。 「それ、別れるってことですか?」 へ? 「もう俺のこと、嫌いになってもうたんですか?」 「え、いや…」 あかん、コイツが何を言っているのか、ほんまに理解でけんのやけど。 とにかくもう、どこまでがボケでどこまでが本気なんかもわからへんようになっとるわ。 「あんなぁ」 こんなこと言うていいもんかと、一瞬躊躇はした。 けど、多分聞かなずっと今のまま、始まりも終わりもせん状態のままなんやろうと思ったから。 だからこそ、俺は意を決して聞いてみた。 「別れるも嫌いも何も、だいたい俺ら、ほんまにつきおうとったん?」 「何でそんなこと聞くんです?」 ・・・間髪いれずに、しかも何を今更みたいな口調で、質問に質問で返されてもうた。おまえ、それは反則やろー。 「好きです、つきおうて下さいて俺が言うた時、ちゃんとOKしてくれたやないですか」 「いや、そりゃあOKっちゅーか、なんや俺もようわからんくて、ほんで…」 こうなるとまさか勢いだったとも、ましてや告白そのものがネタふりかと思っていたとも言えずに、俺はなんとなく続く言葉を濁してしまう。 「まさか女の子が友達に言う『トイレついてきてー』みたいなニュアンスで、つきおうて下さいて言うたとでも思てたんですか?」 そ、それは言いえて妙やけど、あん時はそこまで頭回ってへんかってん、とも言えず。 「………」 「………」 そのまま黙りこくった俺に業を煮やしたのか、やがてアイツはふうっと大きな溜め息をついた。 「わかりましたよ」 あ、ようやくわかってくれたんか。って何を?自分が勝手な思い込みしとったってことか? 「俺が何も手出してこんかったから、つきあってるって自覚がなかったんですね」 ……は?何でそないな結論になんねん。 「いや、俺もね、悩んでたんですよ。こんなにあっさりOKもらっても、やっぱ男同士だし、最初は抵抗あるやろうなって」 ん?んんんんん?待てや、待て待て! コイツ、今までのわけわからん話と違うて、明らかに(俺にとって)ヤバい類のこと言うてるんとちゃうか? 「俺も無理やりとか嫌やったし、あなたの方から求めてくれるまではとガマンしてたんですよねー」 俺の方から求めるって何やねん!って、もしかしなくても俺が女役!? とそこまで考えて、このまま話を進めたらえらいことになるんやないかとハタと気づき、俺は慌ててアイツを止めにかかる。 「いやいやいや、待てって!おまえそれどういう意…」 ピンポーン 格安ハイツの2DKの部屋に、電池を入れ替えたばかりのインターホン(カメラ無し)の音が鳴り響く。 「あ、誰か来たわ。ちょお待っとってくれや」 俺はケータイを保留状態にして、慌てて玄関に向かった。 タイミングがいいんだか悪いんだかようわからんけど、ヤバめな話の流れを遮ってくれた来客の登場に、俺はほっと胸を撫で下ろした。 にしてもこんな時間に誰やろ?隣のおっちゃんか?いや、あのおっちゃんはいつもインターホン押さへんでドアドンドンやし。 かといって後輩でもないよな。今日は誰とも約束してへんし、あいつらには来るときは事前連絡するよう言うてるはずやから。 「はいはーい、今開けますー」 ガチャ 「!」 ドアを開けた俺は固まった。ちゅーか、固まらざるをえんかった。 目の前に立ってたのは、今まさにケータイを保留にしているアイツやったんや…。 アイツは俺の顔を見るやにかっと笑って、耳に当てていたケータイのボタンをピッと押した。 通話が切れたそれを、そそくさとジーンズのポケットにしまいこむ。 「おっおまえ、来るなら事前に連絡しろって言うてたやろ!」 「あー、駅ついて、コンビニで買い物済ませてからかけたんでー。今から行きますけどいいですかって聞こうと一応思たんですよ?」 いや、それ事前連絡ちゃう、限りなく事後報告に近いから。いいですかも何も、最初から来る気満々やん。 「いやー、うっかり布団まで梱包してもうて、一晩起きとかなあかんくなってしまったんです。ほんならせっかくやし、今夜は2人でゆっくり飲みたいな~とか思って。酒とかつまみとか、いろいろ買うてきたんですけどー」 左手に大きなコンビニ袋を持ったアイツは、固まったままの俺を押すようにして部屋の中に入ってきた。 奴の後ろでぼろい扉がバタンという音と共に閉まる。 「まぁ初めての夜に、酒の力に頼るっちゅーのもカッコ悪いですよね。わかりました。俺今夜は酒抜きで、頑張りますんで」 「なっ、何を頑張るんや、何を!ちゅーか初めての夜て何やねん!!」 ケータイでの会話から終始調子を狂わされっぱなしだった俺の、本日一番のツッコミが決まる。 するとアイツは満足そうに笑って、俺をぎゅっと抱きしめた。 「ちょ…!」 「あー、やっぱ俺、あなたのツッコミが大好きです。ていうかそれ以上に、あなたのことが大好きです」 ――次の日、アイツが東京に飛んでから、正式に遠距離恋愛が始まった。 □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! ラストは「へー、センパイって意外と流されやすいんですね」ってことでw - ロザンシリーズの人ですか?文体や雰囲気が似てるなあと。違ってもGJっす。後半、ストーリーテリングが巧いなと思った。 -- &new{2009-08-26 (水) 09:49:55}; #comment
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