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#title(夏目漱石×正岡子規) [#x239b59b] 夏/目/漱/石×正/岡/子/規 です。 ・東大時代からの親友なふたり ・子/規は既に俳句で名をあげてましたが、漱/石はまだただの教師 ・ともに27歳の頃、子/規の故郷松山に漱/石が中学の教師として赴任、子規と同居していた時の話 ・坊/ちゃんはこの時の体験がもとになってるとか 夏/目/漱/石→夏/目/金之助 正/岡/子/規→正/岡/常規/升 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 正岡がこの部屋に転がり込んできてからというもの、庵の一階は句会の拠り所となっている 毎日毎日、俳句をやる連中がガタガタと門をならしては「お頼みぃ」とやってくる 中学でも子規が松山に帰郷したことは有名で 「先生のところに子規サンいるんかな、もし」とかなんとか聞いてくる生徒もいる “先生のところに子規サンが”いるうちはまだいいのだが― 「先生も俳句をおやりかな、もし」 「じゃあ先生は子規サンの弟子かね?」 「先生は子規サンと同じ家に住んでるんぞな」 「先生は子規さんとこにいるんかな、もし!」 いつのまにか子規の家に自分が居候してるかのような始末になっている これは納得がいかない。居候は正岡の方なのだ。 これを正岡に話したところ、いつもの屈託無い笑顔で笑い飛ばされてしまった。 「あはは、あしが主で夏目が居候か!」 「お前が句会の連中に偉そうに語るものだから、このような誤解を受けるんだ」 門下の者が剥いていってくれたらしい柿を食べながらくつくつ笑っている。 まったくいい気なものだ。 「自分の生徒にまで勘違いされては困る」 「迷惑かな?」 「ああ、迷惑だ」 迷惑か…と呟くと正岡はまた柿を一口食べながらしばし思案した。 すると突然フッとあの皮肉な笑みを浮かべ 「朗君としては妾が主とは顔が立たんかな、もし?」 「…!」 などと曰うたのだ。 妾と朗君とは、互いがまだ学生の頃に交わした手紙に書いたお遊びの文句である。 「あしがいないと寂しいからなるべく早く御帰りとせかしたのは誰ぞね?」 「それはっ…」 「妾のためなら命の二つや三は進呈仕りと言っていた朗君はおみさんじゃなかったかな、もし」 「~~!」 「だいたい今回もおみさんが…」 「正岡…」 「夏めっ…?」 ああ――恥ずかしい。 何だって正岡はそんな昔の書簡まで事細かに覚えているのか。 若い時分に、冗談めかしながらも大真面目で書いたもの。 それをわかっているのか、いないのか、笑う正岡が憎たらしい。 恥ずかしさと憎さがが余ったところで、思わず正岡の口を塞いでしまった。 目を開ければ、呆気にとられた正岡の顔と、口に広がる柿の味 「若気の…至りだ」 「若気…」 「人をいじめるのも大概にしろ」 「…」 「それからあまり柿を食いすぎるな。甘くてかなわん」 ばつが悪く赤くなった顔を見せまいと、部屋を出ようと立ち上がると その裾を正岡が引っ張った 引っ張られた裾が熱いように感じるのは、多分ただの幻覚 「柿…お食べ?」 上目でのぞいてくる正岡の顔が、嬉しそうに微笑んでいる。 微かに頬を染めて。なんだそれは反則じゃないか。 「おみさんねそれは照れ隠しかな、もし」 「…」 「甘党のおみさんが甘くてかなわないわけないぞな」 「…」 「それも、これも、若気の至り…かな?」 「…」 先刻まで憎らしかったヒヨコ口も、頬の赤さと相まうと、なんだか可愛らしいものに見えてくるから重傷だ 「あしはな、金之助」 「…」 「嬉しかったことはよう覚えてるんぞな」 「…」 「おみさんの照れ隠しもこれで何度めかな?あしはまーると全部覚えとるんぞな」 ふくふくと嬉しそうに笑い、柿を頬張る。 ―ああこいつは、からかっている風をして ―からかってる風をして、自分も嬉しかったのだと わかった瞬間にもう一度だけ、近づいて確かめたい衝動に襲われた。 「升…」 「ん?」 その口を、今度はちゃんと正面から重ねてみる。 やっぱり柿は、いやこの唇は、甘くてかなわない。 「…」 「…」 「金之助…?」 「慣れん」 あはははっ!と正岡は本当に腹を抱えて笑い転げた ああ五月蝿い。五月蝿が心地の良い。 その笑い声ごとそのまままるっと抱きしめる。 「うるさいぞ、べらぼうめ!」 「もいっそ呼んでおみ、金之助」 「よべるか!」 「よんでおみ、のぼるって、よんでおみ」 目に涙を浮かべるくらい笑って笑って…嬉しそうに見つめてくれるな。 抱きしめた腕の中からピヨピヨないて欲張るその唇を、今日の三度目、口で塞いで黙らせた。 ―接吻なぞ慣れないから ―ほしいほしいと強請るそれを、ただ塞ぐだけ、それだけだ ―照れ隠しで結構!! そうして愚陀仏庵の夜は更けてゆく □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 衝動で打ちましたが該当スレすらない状況… 稚拙な文でも投下させてくれる棚ありがとう 尻切れトンボですいませんでした - このssがきっかけで子規と漱石にドハマリしました。 -- &new{2012-12-13 (木) 08:25:32}; #comment
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#title(夏目漱石×正岡子規) [#x239b59b] 夏/目/漱/石×正/岡/子/規 です。 ・東大時代からの親友なふたり ・子/規は既に俳句で名をあげてましたが、漱/石はまだただの教師 ・ともに27歳の頃、子/規の故郷松山に漱/石が中学の教師として赴任、子規と同居していた時の話 ・坊/ちゃんはこの時の体験がもとになってるとか 夏/目/漱/石→夏/目/金之助 正/岡/子/規→正/岡/常規/升 |>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 正岡がこの部屋に転がり込んできてからというもの、庵の一階は句会の拠り所となっている 毎日毎日、俳句をやる連中がガタガタと門をならしては「お頼みぃ」とやってくる 中学でも子規が松山に帰郷したことは有名で 「先生のところに子規サンいるんかな、もし」とかなんとか聞いてくる生徒もいる “先生のところに子規サンが”いるうちはまだいいのだが― 「先生も俳句をおやりかな、もし」 「じゃあ先生は子規サンの弟子かね?」 「先生は子規サンと同じ家に住んでるんぞな」 「先生は子規さんとこにいるんかな、もし!」 いつのまにか子規の家に自分が居候してるかのような始末になっている これは納得がいかない。居候は正岡の方なのだ。 これを正岡に話したところ、いつもの屈託無い笑顔で笑い飛ばされてしまった。 「あはは、あしが主で夏目が居候か!」 「お前が句会の連中に偉そうに語るものだから、このような誤解を受けるんだ」 門下の者が剥いていってくれたらしい柿を食べながらくつくつ笑っている。 まったくいい気なものだ。 「自分の生徒にまで勘違いされては困る」 「迷惑かな?」 「ああ、迷惑だ」 迷惑か…と呟くと正岡はまた柿を一口食べながらしばし思案した。 すると突然フッとあの皮肉な笑みを浮かべ 「朗君としては妾が主とは顔が立たんかな、もし?」 「…!」 などと曰うたのだ。 妾と朗君とは、互いがまだ学生の頃に交わした手紙に書いたお遊びの文句である。 「あしがいないと寂しいからなるべく早く御帰りとせかしたのは誰ぞね?」 「それはっ…」 「妾のためなら命の二つや三は進呈仕りと言っていた朗君はおみさんじゃなかったかな、もし」 「~~!」 「だいたい今回もおみさんが…」 「正岡…」 「夏めっ…?」 ああ――恥ずかしい。 何だって正岡はそんな昔の書簡まで事細かに覚えているのか。 若い時分に、冗談めかしながらも大真面目で書いたもの。 それをわかっているのか、いないのか、笑う正岡が憎たらしい。 恥ずかしさと憎さがが余ったところで、思わず正岡の口を塞いでしまった。 目を開ければ、呆気にとられた正岡の顔と、口に広がる柿の味 「若気の…至りだ」 「若気…」 「人をいじめるのも大概にしろ」 「…」 「それからあまり柿を食いすぎるな。甘くてかなわん」 ばつが悪く赤くなった顔を見せまいと、部屋を出ようと立ち上がると その裾を正岡が引っ張った 引っ張られた裾が熱いように感じるのは、多分ただの幻覚 「柿…お食べ?」 上目でのぞいてくる正岡の顔が、嬉しそうに微笑んでいる。 微かに頬を染めて。なんだそれは反則じゃないか。 「おみさんねそれは照れ隠しかな、もし」 「…」 「甘党のおみさんが甘くてかなわないわけないぞな」 「…」 「それも、これも、若気の至り…かな?」 「…」 先刻まで憎らしかったヒヨコ口も、頬の赤さと相まうと、なんだか可愛らしいものに見えてくるから重傷だ 「あしはな、金之助」 「…」 「嬉しかったことはよう覚えてるんぞな」 「…」 「おみさんの照れ隠しもこれで何度めかな?あしはまーると全部覚えとるんぞな」 ふくふくと嬉しそうに笑い、柿を頬張る。 ―ああこいつは、からかっている風をして ―からかってる風をして、自分も嬉しかったのだと わかった瞬間にもう一度だけ、近づいて確かめたい衝動に襲われた。 「升…」 「ん?」 その口を、今度はちゃんと正面から重ねてみる。 やっぱり柿は、いやこの唇は、甘くてかなわない。 「…」 「…」 「金之助…?」 「慣れん」 あはははっ!と正岡は本当に腹を抱えて笑い転げた ああ五月蝿い。五月蝿が心地の良い。 その笑い声ごとそのまままるっと抱きしめる。 「うるさいぞ、べらぼうめ!」 「もいっそ呼んでおみ、金之助」 「よべるか!」 「よんでおみ、のぼるって、よんでおみ」 目に涙を浮かべるくらい笑って笑って…嬉しそうに見つめてくれるな。 抱きしめた腕の中からピヨピヨないて欲張るその唇を、今日の三度目、口で塞いで黙らせた。 ―接吻なぞ慣れないから ―ほしいほしいと強請るそれを、ただ塞ぐだけ、それだけだ ―照れ隠しで結構!! そうして愚陀仏庵の夜は更けてゆく □ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 衝動で打ちましたが該当スレすらない状況… 稚拙な文でも投下させてくれる棚ありがとう 尻切れトンボですいませんでした - このssがきっかけで子規と漱石にドハマリしました。 -- &new{2012-12-13 (木) 08:25:32}; #comment
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