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#title(歪みの国のアリス アリス(男体化)×チェシャ猫) [#w5f10a56] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 歪/み/の/国/の/ア/リ/スのアリス(男体化)×チェシャ猫です。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| やっちまったんだぜ…。ちなみに四章。 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アリスの本名は明夫だよ! | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 『ななな何すんだ、アリス!おまえ、俺を投げる気か!?』 『うるさい!邪魔するな!!俺はチェシャ猫を助けるんだ!!』 目の前に並んだ二本の土管を前に、俺はついさっきの出来事を頭の中で反芻していた。 溜め息を一つ吐き、黙って俺の後ろに立っていた猫に話し掛ける。 「なあ、本当にもう大丈夫なのか?」 「大丈夫だよ、アリス」 何度尋ねてもこの返事しか返ってこない。 確かに血はもう流れていないようだけれど、赤く染まったローブが目に入る度に胸の辺りがちくちくと痛む。 頭に待ち針を刺された絆創膏親父もこんな風な痛みを感じたんだろうか、って違う、そうじゃなくて。 ―あの時、俺を助けたせいで猫はバラの蔓に捕まってしまったのに自分には何も出来なかった。 ただヒステリーみたいに泣き喚いて。 ただ我武者羅に花瓶やケーキ皿や帽子屋を引っ掴んで蔓に投げつけるだけ。 まあ、結果的にはぶん投げた帽子屋が持っていたポットのお湯のお陰で助かったんだけど。 …でも、それは単純に運が良かっただけだ。 もしポットの中身が水だったら今頃どうなっていたんだろう、とか考えるとぞっとする。 この歪んだ世界で俺の味方はチェシャ猫だけだ。 だから、俺が守らなきゃ。 それにいつまでもこの細っこい猫に守られてばかりなのも、男としてどうかと思うし…。 「チェシャ猫」 「なんだい、アリス」 もう一度猫に話し掛けた。 今度はさっきみたいに不安そうな色を見せず、もっとこう、漢の威厳と余裕みたいなのをなるべく醸し出しながら。 「もし次に何かあったら、今度は俺がおまえを守るから」 「それはよくないよ、アリス」 「もう俺のせいで猫が傷つくのは見たくないし―」 「猫はアリスを守るものだよ。守られるのはおかしいよ」 …予想通りというか、やっぱり手強い。 精一杯の告白めいた言葉を遮られて俺は軽く落ち込んだ。 でも、ここで食い下がるわけにはいかない。 「でもほら、俺だって一応男だし」 「アリス。僕らのアリス」 ああ、駄目だ。 最高に嫌な予感がする。 「猫にも迷惑かけてばっかりだと悪いし…」 「シロウサギを追いかけよう」 ほら、やっぱり。 …人の話聞いてねえよ…。 「あっ、じゃあこうしよう!」 俺の発言を無視し始めたチェシャ猫に、咄嗟に思いついた解決策を話した。 「猫が俺を守って、俺を守ってる猫を俺が守ればいいんだ!」 …思いついた時は『この孔明に策がございますよ』って気分だったのに、 言葉に出した途端にその孔明の策は幼稚園児の屁理屈並に色褪せて感じた。 我ながら、いくらなんでもアホ過ぎる。 恐る恐る猫の顔を覗き込む。 相変わらずフードの奥の表情を読み取ることは出来なかった。 「……」 猫はまるで悩むように沈黙してしまった。 その長い沈黙に、むしろ待っているこちらが居た堪れなくなってくる。 「…あ、あのー」 俺はついに羞恥心と居心地の悪さに耐え切れなくなった。 「今のはなかったことに…」 「僕らのアリス。君が望むなら」 「え?」 一瞬、我が耳を疑った。 「それはどういう…」 確認を取ろうとしても、チェシャ猫はいつものようににんまりと笑うだけ。 でも、それだけで十分だった。 思わず小躍りしそうになる身体をなんとか押さえつけ、先に進むための土管に手を掛ける。 ネムリネズミに教えて貰った通り、まるで血のように赤い土管を。 土管の中を覗き込む。 中は暗く、出口の向こう側に何があるのかは分からない。 ただ一つ言えるのは、今まで以上に奇妙なモノたちがいるだろうということだけだ。 そう思うと途端に気が重くなってきた。 でも、たとえ何があっても、今度は俺が守るんだ。 赤い土管に手を掛けたまま、後ろを振り返る。 これで三度目だ。 いつものようににんまりと笑っている猫は、いつもの言葉を繰り返す。 「僕らのアリス。シロウサギを―」 さっきの仕返しと言わんばかりに、今度は俺の言葉が猫の言葉を遮った。 「シロウサギを追いかけよう?」 この追いかけっこが終わるまで、俺が君を守るから ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ まあ、結局守れないわけですが。 | | | | ピッ (・∀・ ) 正直すまんかった。 | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | - (^^)b -- &new{2012-08-14 (火) 03:03:59}; #comment
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#title(歪みの国のアリス アリス(男体化)×チェシャ猫) [#w5f10a56] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | 歪/み/の/国/の/ア/リ/スのアリス(男体化)×チェシャ猫です。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| やっちまったんだぜ…。ちなみに四章。 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ アリスの本名は明夫だよ! | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 『ななな何すんだ、アリス!おまえ、俺を投げる気か!?』 『うるさい!邪魔するな!!俺はチェシャ猫を助けるんだ!!』 目の前に並んだ二本の土管を前に、俺はついさっきの出来事を頭の中で反芻していた。 溜め息を一つ吐き、黙って俺の後ろに立っていた猫に話し掛ける。 「なあ、本当にもう大丈夫なのか?」 「大丈夫だよ、アリス」 何度尋ねてもこの返事しか返ってこない。 確かに血はもう流れていないようだけれど、赤く染まったローブが目に入る度に胸の辺りがちくちくと痛む。 頭に待ち針を刺された絆創膏親父もこんな風な痛みを感じたんだろうか、って違う、そうじゃなくて。 ―あの時、俺を助けたせいで猫はバラの蔓に捕まってしまったのに自分には何も出来なかった。 ただヒステリーみたいに泣き喚いて。 ただ我武者羅に花瓶やケーキ皿や帽子屋を引っ掴んで蔓に投げつけるだけ。 まあ、結果的にはぶん投げた帽子屋が持っていたポットのお湯のお陰で助かったんだけど。 …でも、それは単純に運が良かっただけだ。 もしポットの中身が水だったら今頃どうなっていたんだろう、とか考えるとぞっとする。 この歪んだ世界で俺の味方はチェシャ猫だけだ。 だから、俺が守らなきゃ。 それにいつまでもこの細っこい猫に守られてばかりなのも、男としてどうかと思うし…。 「チェシャ猫」 「なんだい、アリス」 もう一度猫に話し掛けた。 今度はさっきみたいに不安そうな色を見せず、もっとこう、漢の威厳と余裕みたいなのをなるべく醸し出しながら。 「もし次に何かあったら、今度は俺がおまえを守るから」 「それはよくないよ、アリス」 「もう俺のせいで猫が傷つくのは見たくないし―」 「猫はアリスを守るものだよ。守られるのはおかしいよ」 …予想通りというか、やっぱり手強い。 精一杯の告白めいた言葉を遮られて俺は軽く落ち込んだ。 でも、ここで食い下がるわけにはいかない。 「でもほら、俺だって一応男だし」 「アリス。僕らのアリス」 ああ、駄目だ。 最高に嫌な予感がする。 「猫にも迷惑かけてばっかりだと悪いし…」 「シロウサギを追いかけよう」 ほら、やっぱり。 …人の話聞いてねえよ…。 「あっ、じゃあこうしよう!」 俺の発言を無視し始めたチェシャ猫に、咄嗟に思いついた解決策を話した。 「猫が俺を守って、俺を守ってる猫を俺が守ればいいんだ!」 …思いついた時は『この孔明に策がございますよ』って気分だったのに、 言葉に出した途端にその孔明の策は幼稚園児の屁理屈並に色褪せて感じた。 我ながら、いくらなんでもアホ過ぎる。 恐る恐る猫の顔を覗き込む。 相変わらずフードの奥の表情を読み取ることは出来なかった。 「……」 猫はまるで悩むように沈黙してしまった。 その長い沈黙に、むしろ待っているこちらが居た堪れなくなってくる。 「…あ、あのー」 俺はついに羞恥心と居心地の悪さに耐え切れなくなった。 「今のはなかったことに…」 「僕らのアリス。君が望むなら」 「え?」 一瞬、我が耳を疑った。 「それはどういう…」 確認を取ろうとしても、チェシャ猫はいつものようににんまりと笑うだけ。 でも、それだけで十分だった。 思わず小躍りしそうになる身体をなんとか押さえつけ、先に進むための土管に手を掛ける。 ネムリネズミに教えて貰った通り、まるで血のように赤い土管を。 土管の中を覗き込む。 中は暗く、出口の向こう側に何があるのかは分からない。 ただ一つ言えるのは、今まで以上に奇妙なモノたちがいるだろうということだけだ。 そう思うと途端に気が重くなってきた。 でも、たとえ何があっても、今度は俺が守るんだ。 赤い土管に手を掛けたまま、後ろを振り返る。 これで三度目だ。 いつものようににんまりと笑っている猫は、いつもの言葉を繰り返す。 「僕らのアリス。シロウサギを―」 さっきの仕返しと言わんばかりに、今度は俺の言葉が猫の言葉を遮った。 「シロウサギを追いかけよう?」 この追いかけっこが終わるまで、俺が君を守るから ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ まあ、結局守れないわけですが。 | | | | ピッ (・∀・ ) 正直すまんかった。 | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | - (^^)b -- &new{2012-08-14 (火) 03:03:59}; #comment
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