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*R.S.3_LxM 2 [#a3750d69] #title(R.S.3_LxM 2) [#a3750d69] 史書の間。 広大な城には様々な書物が存在し、分類ごとに部屋があてがわれている。 伊達に長寿を誇るわけではないことの解る充実ぶり。 勉学の為にここへ送られる事の意味を、改めて知らされる。 月明かりと柔らかな蝋燭の炎で本を読むのにも、ようやく慣れてきた。 この城にはランプがない。 城主が光を嫌うのが原因ではないかと思う。 「貴方は太陽の属性を持つのですね。」 月の光に透けながら輝く髪を、眩しげに見る。 急な出現に顔を上げ、分厚い史書を閉じた。 「・・・?」 小首を傾げ、髪が揺れる。 「貴方は術を使えますか?」 合点がいったように、ミカエルが答えた。 「確かに、私は太陽の術を使います。」 人には得手不得手がある。 それを司るのが、その人の持つ宿星である。 ミカエルの宿星は鎮星、別名「王者の星」。 一般にはこれといって特技のない星と言われるが、彼の場合は別である。 彼は戦闘や商売を行う訳ではない。 やがて侯爵として、ロアーヌを率いていく身なのだから。 そしてもう一つ、個性を決めるものがある。 それが属性。 先天的な性格を宿星が、後天的な性格を属性が司る。 ミカエルは天の術のうち、太陽の契約を終えていた。 「良い選択だと思いますよ。」 最初に契約した術の属性が、その人の属性となる。 太陽は“意思”を司るといわれている。 「貴方は君主に相応しい。」 髪に触れ、その声が満足気にささやいた。 #comment