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*R.S.3_LxM 26 [#x609dddd] #title(R.S.3_LxM 26) [#x609dddd] 「こっちだ。」 洞窟に着くと、老人が案内を始めた。 「そんなことして貰ったのは初めてだよ。サービスいいねぇ。」 ノーラが感心したように言いながらついて行く。 実は「財宝の洞窟」とやらの情報に金を出すのはこれで3回目だ。 グレートアーチに着いてすぐ、ノーラは若者の情報を買っている。 拾い物もしたので全くの無駄という訳でもないのだろうが、そこに財宝は無かった。 魔物が出ることも考慮すると、割に合わないというべきだろう。 「随分と広い洞窟だな。」 ミカエルの声が反響し、その感想を裏付ける。 先ほどの2つとは明らかに違う。ノーラの頬が期待で染まる。 工房のシンボル、聖王の槍。彼女はこれを探すために旅しているのだ。 探しに出た父は惨殺され、「赤サンゴのピアス」という情報を残した。 それが海賊を意味することを知り、今はその洞窟にいる。 見つかるかも知れない、その思いが彼女を先に進ませていた。 隠し部屋や仕掛け扉を通り抜ける度、期待が高まっていく。 激しい水音。滝が、洞窟の中でその音を響かせる。 「ここは・・・。」 どこからともなく差し込む光が、財宝の入っているであろう箱を照らす。 「これですね!」 詩人が我先に駆け寄り箱を開けるその時、巨大な魔物が現れた。 「チッ、ここも魔物に乗っ取られたか。」 老人が忌々しげに舌打ちすると、斧を振りかざした。 ノーラの棍棒と、老人の斧が唸る。 ミカエルの小剣が舞う。 詩人は・・・渡された剣を不器用に振るった。 魔物の牙が、彼らを狙う。 #comment