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*R.S.3_LxM 6 [#v7043411] #title(R.S.3_LxM 6) [#v7043411] 綺麗に結われた髪。 今宵の為に磨かれたのであろう肌。 その女性を、素直に美しいと思う。 女性が玉座の前で歩みを止めると、レオニードが立ち上がった。 ゆっくりと女性に近づき、何やら囁く。 女性の青ざめた頬に赤みが差し、足元の震えが止まる。 満足気にレオニードが頷くと、女性が微笑んだ。 やがて首筋に口を寄せ、ゆっくりと牙を立てる。 「・・・あ・・・っ!」 女性は嬌声をあげ、足元から崩れた。 レオニードがその身体を受け止めるように支えた時、女性は意識を失っていた。 見た。 思わず喉が鳴る。 これは、性行為だ。 伯爵が血を吸うのは食糧としてだけではない。 恐らく様々な欲求が、これで満たされるのだ。 気を失った女性が、ゆっくりと変わっていく。 姿が変わるわけではないが、それがもはや人外のものであることが感じとられる。 この城の随所にいる、妖精。 それらがこの女性と同じものであることに、今気づく。 ミカエルは察した。 レオニードに血を吸われると城から出られなくなるのではないと。 彼に魅了され、城から出たくなくなるのだ・・・と。 一人の妖精が現れ、新しい妖精を運び始めた。 その妖精がレオニードを見る目は、明らかに魅了されたそれである。 美しいが、普通ではない表情。 その夜は、眠ることができなかった。 #comment