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#title(幼生の公案)
オリジナル触手もの。幼生触手の育児話ですが8割方人間絡みです。長くなったので2分割します。 
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

抱卵から七日目。卵は順調に孵化し、ウィルの体内では三体の幼生がすくすくと成長していた。 
もっとも、ウィルにとっては順調と言いがたいものではあったが。 
一体目が孵化した際、医師によって丁重に殻が取り出された。ウィルが浅く椅子に座り、上体を 
倒して背もたれに預ける。信徒らが両脚を広げて抱え上げ、その前に医師が陣取る。ランタンの 
明かりを頼りに長い箸を差し入れ、割れた殻を一つずつ掴み出したのだ。 
箸には、ウィルの腸壁を―あるいは幼生を傷つけないように、丁寧に布が巻かれている。その 
箸先が粘膜に触れるたび、ウィルは思わず声を上げてしまう。 
「ぁあん…ひぃ…っ」 
歳若い信徒の中には目のやり場に困り、ひたすら壁を見つめている者もいる。が、医師も、立会いの 
司教も到って淡々と作業を進めている。箸が滑り、腸壁を強く擦る。ウィルは思わず腰を浮かせた。 
「申し訳ございません。何分慣れない施術なもので…」 
医師は心底恐縮した表情で謝罪すると、しっかりと殻を掴もうとさらに深く箸を入れた。 
「ひゃぁっ!…いやぁっあの、もう少し他の…はぁ…方法はないのでしょうか…自然に排出される 
のを待つ、とか…んんっ…」 
「それでは体内を傷つけてしまう恐れがあります。少しだけ、ご辛抱くださいませ」 
本心から気遣っているのであろう司教の言葉も、今のウィルには恨めしく感じられてしまう。 
やがて破片の一つがゆっくりと引き出されてきた。医師は箸で器用に孔を広げて固定すると 
あらかじめ濡らした指を差し入れ、破片を摘んで括約筋を傷つけないようそっと抜き取る。 
「…ぁあぁぁ…はぁ…」 
大きな破片が摘出された。司教はそれを受け取り、感慨深げに見つめている。 



「後は小さなものばかりですよ」 
励ますように医師は声をかけるが、ウィルはすでにそれを聞いていない。再び箸で腸内を探られ 
あまりのいたたまれなさに信徒と同じく壁を見つめながら、彼は願わずにはいられなかった。 
(お願いだから後の二つは同時に孵化してくれ…) 
結局、願いは叶わなかった。卵は一日置きに孵化し、動く幼生の為に摘出の施術はその度に 
困難になってしまったのだった。 

幼生は日々活発に動き回るようになっている。母性本能とは縁のないウィルにも、それ自体は 
嬉しいことだった。しかし、今度は別の問題に悩まされるようになってきた。 
とにかく動き回るのだ。小さいながらも力は強いのか、少し動くたびに細くしなやかな触手が 
手加減なしに腸壁を突付きまわす。四六時中煽られ、姿勢を変えても体内からの刺激から逃げる 
方法もなく、涙のように透明の雫を滴らせる男根を必死に夜着で隠しながらベッドに臥せって 
袖を噛み締め、ただ快楽に耐えるしかなかった。見かねた付き添いの信徒が一度、遠慮がちにいっそ 
自分で抜いてしまってはどうかと提案してきたが、彼は断った。神が彼に卵を託したという事は 
つまり、彼が幼生に精液を与えることを期待しているのだろう。それを無駄に放つのは気が引ける― 
帰依した訳でもないウィルの、妙に律儀なその言い分に信徒は呆気に取られつつ、司教に相談すると 
言い残しその場を離れた。 



「滋養を求められているのですね。十日もすればご自身で摂取できるようになりますので、それまで 
ご辛抱ください」 
司教の返事は合いも変わらず素っ気無く、無慈悲だ。よほど大切に思っているのだろうか、卵の破片は 
金で繋ぎ合わされ、元の形に丁寧に復元されている。それをウィルの寝室の窓際にそっと並べた。 
「御幼生が一人立ちなされれば、これは聖堂に安置いたしましょう。それまではここに。ウィリウス様が 
神の御子を宿された証でございますよ」 
ウィル自身はできれば見たくないそれを嫌でも目に入る場所に並べられ、彼は頭を抱える。そういう 
問題じゃない、と言おうとした時、ふと司教が思い出したように言葉を続けた。 
「かつて神の贄を勤められた者の精であれば、御幼生も満足されるでしょう。しかしそれは…」 
そのまま言葉を濁す。 
つまりは、このまま我慢するか。それとも見知らぬ男に、体内に精液を出されるか。どちらかを選べと 
言う事なのだ。さしもの司教も強要するのはためらわれるらしく、珍しく口を閉ざしてしまった。 
ウィル自身も選べない。このまま十日も生殺しの愛撫に耐え続けられるのか?しかし― 
幼生が大きく動いた。ちょうど敏感な辺りでもぞりと身をくねらす。下腹部がわななき、情けない 
喘ぎ声があふれる。 
「…はぁん、んあぁああぁ…… どなたか、お願いします…」 
全ては神の為、乗りかかった船、毒を食らわば皿まで。半ば捨て鉢気味にウィルは頭を下げた。 
とにかく、この無邪気な孔虐者を静めたい。 
すぐにご用意しましょう、そう言って部屋を出る司教を見送りもせず、ウィルは夜着の前を寄せ合わせ 
ベッドに伏せた。また、幼生がごろんと動いた。 



部屋に訪れた男は、意外にも信徒の一人であった。三十歳半ば位だろうか、教団内では長身で目立ち 
夜伽後のウィルを世話してくれることも多いのでよく覚えている。たしかアーウィンと呼ばれていた 
はずだ。ウィルは多少の安心感を覚えた。全く見知らぬ男よりは、数回でも会話したことのある 
内部の人間の方がいくらか気まずさも和らぐ。 
アーウィンは部屋に入るなり、一通りの口上を述べるとフードの付いた法衣を脱いだ。薄い口元が 
一見冷酷そうに見えるが、表情は柔らかい。失礼します、と断るとためらいもせずウィルのベッドに 
上がりこみ、彼の夜着に手を伸ばした。その思い切りの良さに、ウィルの方が思わず後退る。 
「あの…、男同士でも、大丈夫なんでしょうか?」 
「ええ、司教様のご指示の元でのことですから」 
かみ合わない会話にウィルが面食らっていると、気付いたアーウィンは思わず吹き出た笑いをかみ殺し 
言葉を続けた。 
「まあ、なんとかなるでしょう。お気を楽になさってください」 
つられてウィルが笑う。少し気分が解れた。アーウィンに襟を開かれ、夜着を脱ぐ。反り返り、先走りの 
雫に濡れて艶めく男根や腹の辺りまで一度に露になり、ウィルは思わずそれを隠そうと体を横に向けた。 
その態度に気を悪くした様子もなく、アーウィンは立ち上がって窓のカーテンを閉め切る。ついで 
自分も法衣の下の肌衣を脱いで裸になり、それをカーテンの上から引っ掛けて外からの日差しを遮り 
できるだけ部屋を暗くすると、ウィルに寄り添った。 
「これなら地下室とそう変わりはないでしょう。さあ、こちらを向いてください」 
まるで恋人のように、耳に触れるギリギリで語りかける。ウィルが恐る恐る体を向けると、安心させる 
ように微笑みながら素早く片手をウィル自身に伸ばした。抵抗させる暇も与えずに先端を指で擦り 
ぬめりを付けて裏筋を一撫でした後、亀頭からくすぐるように揉みながら手を下ろすといきなり激しく 
全体を擦りあげる。 



「ぁあっあ、あぁ、はぁああ…っ!」 
長く昂ぶらせたまま放置されていたウィルは、あっけなく気をやった。腹に落ちる精液を呆然と眺めて 
いると、今度は、アーウィンはウィルの男根に唇を添えて舐め始めた。 
「いやっ、それは…ぁはあ…しなくて…いい、から…ひぁっ!」 
手で押しのけようとするウィルを相手にせず、根元に手を添えると一息に大きく咥え込む。恋人にも 
された事のない行為に驚きながらも、ウィル自身はすぐに硬さを取り戻してきた。その反応を確かめる 
ように横笛に咥えなおすと、唇で軽く挟みながら先端までべろりと舐め上げる。 
ふいに、二人の目が合った。アーウィンはどこか夢見るような目でいながら、ウィルを冷たく睨んでいる。 
ウィルは急に、彼が恐ろしくなった。 
気後れするウィルを見つめながら、アーウィンは指と口で巧みに愛撫を続ける。直接触れられる刺激に 
逆らえず、気持ちを置き去りにしてウィルは次第に上り詰めてゆく。下腹部がひくつき、体内の幼生が 
這う粘膜の疼きが一層強く感じられる。小さく呻いた瞬間、滑る指で激しくしごかれ、ウィルは再び 
自分の上に精液をぶちまけた。 

「はぁ…あぁ…… なんで、そんなことまで…」 
続けざまに達せられた開放感にわなきながらウィルは呟いた。幼生に精をやるのが目的のはずなのに 
これでは自分一人が痴態を晒しているようなものだ。 
しかしアーウィンは気にした様子もなかった。ウィルの肌に滴る精液を指に充分に塗すと、無造作に 
二本の指を後孔に差し込む。 
「うあぁ…ひっはぁっぁああ…ぁあん…」 
指は浅く差し込まれただけだった。しかし、その指を幼生が取り巻き、群れになって孔の浅瀬で力一杯 
触手を動かし餌を貪っている。孔から背骨にかけてしびれるような快感が走った。 



「…なんで、こんなことをするのですか?」 
快感の波が去り、やっと息が整った頃。ウィルは同じ質問を繰り返した。アーウィンはむしろ 
退屈そうにウィルの精液を指に絡め、孔に差し込むことを繰り返している。時折、指を奥まで 
差し込むと一緒に幼生もずり上がり、ウィルの敏感な部分を叩く。そのよがり声を無感情に聞き流し 
ながら彼は答えた。 
「こうすれば、ご自分でも滋養を与えることができるでしょう」 
確かに。自慰で射精し、自分の指で孔内に塗りつける。考えるだけでも惨めだが、毎回誰かに抱かれる 
よりはマシかもしれない。ふとアーウィンが微笑んだ。どこか棘のある笑い。 
「何なら、付き添いの者に手伝ってもらってもいい」 
今は席を外している、若い信徒の生真面目そうな顔を思い出し、ウィルは慌ててかぶりを振る。 
その反応を冷ややかに楽しみながら、アーウィンはウィルの精液をすっかり後孔に塗りこめてしまった。 
「…ありがとう、後は自分でなんとか…」 

「ウィリウス様。これは私と神との、数年ぶりの逢瀬なのですよ」 
アーウィンの態度が一変した。半ば身を起こしかけたウィルをベッドに押したおし、真直ぐに瞳を 
見つめてくる。その顔から微笑みは消えていた。思いつめた人間の、どこか狂おしげな影が表情に 
浮かんでいる。 
ふいに、ウィルは理解した。彼は信者なのだ。自分のような部外者ではない。触手を神として崇め 
文字通り、身も心をも捧げて生きてきた男。かつては贄として神の側に降り、その愛撫を受けいれた者。) 

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン! 
続きは明日投稿します。 

ウィルの動揺に気付いたのだろうか。アーウィンはわずかに表情を和らげる。しかし今はその 
穏やかさも、ウィルを安心させることはできない。 
「別に無茶なまねはさせません。…これは、神に愛された体だ」 
大きな手がゆっくりと頬を撫でる。そのまま胸を伝い、両手でウィルの男根を包み込むと愛しそうに 
キスをする。一つのことがウィルの脳裡に浮かんだ。 
「あなたも、その…排卵管を見たのですか」 
「ええ」 
「座らされました…?」 
答えずに手を離し、一本の指を孔に差し入れる。餌があると思ったのだろう、幼生が一斉に集まった。 
指は動かされない、が幼生たちは触手を振り回し、粘膜を撫で回す。彼は触手の感触を楽しんでいた。 
「抱卵は信仰とも徳とも関係はない、ただ体が適しているかどうかだけ。司教様からは何度となく 
そう慰められました」 
独り言のように呟く。という事は、卵は生まれなかったのだ―もどかしい刺激に身もだえしそうに 
なるのを我慢し、ウィルは言葉の意味を考える。 
指が抜かれた。幼生たちはもぞもぞと体内に散らばってゆく。弱く、確実に触れられる刺激にウィルが 
喘いだ。それがアーウィンに火をつけたのだろうか。 
抜かれた指がすっと会陰を撫上げた。羽のように軽い愛撫。その指にいきなり力が入り、敏感な部分を 
強く捻りあげる。 
「ぎぃあぁっ!」 
「それで選ばれたのがこの体だ」 
ウィルはとっさにアーウィンを蹴りつけた。しかし孔の内外から責められた体には力が入らず、簡単に 
脚を捕らえられてしまう。その脚を肩に担ぎ上げると、露になった孔にアーウィンは半ば立ち上がった 
己自身を深云と突き立てた。 



「くぅ…ううんっはぁああ…ぁあああっひぃっやぁ…っ!」 
アーウィンは体を動かそうとしない。だが幼生たちは容赦なく腸壁を擦り、アーウィンの男根を 
取り巻こうと動き回る。弱弱しかった刺激は一気に強烈になり、何百もの細い触手で粘膜を捏ね回し 
ウィルとアーウィンの間に潜り込もうと身をくねらす。その動きに刺激を受け、アーウィン自身も 
また大きさ、硬さを増してゆく。太い男根に孔を広げられ、その隙間を蠢く触手に埋め尽くされる 
重く、蕩けるような快楽がウィルを追い込んでいく。 
「あぁああっ!いやぁ…ぁあ!はぁああぁぁ…も、う…やめっ…!」 
「ウィリウス様、どうなされましたか?」 
突然、扉の外から声をかけられた。付き添いがいたのだ。ウィルの尋常でない悲鳴を聞きつけて 
身を案じたのだろう。だが何よりもまず、全て聞かれていたという事にウィルは狼狽した。 
「呼び入れますか?」 
アーウィンの声も微かに震えている。しかしそれは驚きではない。今、再び神と交わっているという 
高揚感に声が上ずり、挑発的な目でウィルを見つめている。 
「私は別に構いませんよ。やましいことは何もしていない」 
落ち着いてウィルを見下ろす。ウィルは絶句して自分の姿を見た。 
片足を担ぎ上げられ、大きく陰部をさらけ出した姿勢でアーウィンの男根を咥え込んでいる。幼生の 
粘液なのか、自分の精液なのか。結合部は濡れて糸を引き、シーツに小さな染みを作っている。 
さらには自分自身も。粘膜に与えられる絶え間ない刺激に硬さを取り戻し、透明な体液が流れている。 
見られたくない、こんな姿は。思った瞬間、アーウィンが強く腰を揺さぶった。 
「やっ!いやああぁあ…ぁあぁぁ…」 
「大丈夫ですか!?」 
扉がわずかに開いた。 



「来るな!なんでもないっ!」 
ウィルは咄嗟に叫んだ。いや、叫んだつもりだが声は涙に詰り、不安定に揺れている。それでも 
制止するだけの強さがあったのか、一瞬ためらわれた後、扉は閉められた。 
今にも崩れ落ちそうにしゃくりあげるウィルを見て、アーウィンは冷たく微笑んでいる。 
だが泣き出す代わりに、ウィルは行動に出た。渾身の力でアーウィンの腕を振り払い、脚を下ろす。 
そのままうつ伏せになり、ベッドから這い出そうとしたのだ。動くたびに幼生が動き回り、熟しきった 
快楽に新しい刺激が生まれる。唇を噛んで嬌声を殺し必死にもがいたが、簡単に腰を捕まれ引きずり 
戻されてしまった。 
「無駄ですよ」 
うつ伏せに押し倒し、ゆっくりと自身を根元まで押し込む。すぐに幼生たちが男根に絡みついた。 
少しでも餌を得ようと細い触手を伸ばし、尿道まで入り込んでくる。鋭い痛みに貫かれ、冷たい汗を 
かきながらもアーウィンは身を引こうとはしない。これが最後になるだろう、そう覚悟を決めて触手の 
感触を存分に味わう。 
ウィルの嬌声が奇妙にくぐもっているのに気付いた。見ると、自分の手の甲を噛み締めている。一瞬 
考え、あえてそのままにさせるとアーウィンは勢いよく腰を打ちつけ始めた。 
「んんーーーっ!くぅっふぅううっ!んふぅぅううーーーっ!」 
跳ね上がるウィルの体を押さえつけ、欲望のままに触手の中に己をつき立てる。今のアーウィンには 
ウィルのことなど頭にはなかった。見えているのはただ、地下で燐光を放つ神の姿だけ。交わった者 
だけが覚えている、暖かな粘液と触手の力強さだけだ。 
昂ぶる気持ちを抑え、一旦、動きを止める。ウィルの背中に体を重ねると、彼の小刻みに震える 
下腹部をそっと撫でながら耳元で呟いた。 
「…ここに、その神がおられる」 
陶酔した、恋人のような甘い囁き。ウィルは何も答えることができなかった。 




ウィルはただじっと、片手の甲を噛み締めていた。突き上げられるたびにウィル自身がシーツに 
擦り付けられ、快感が衝撃のように下腹部に響く。男根に責められ、触手に嬲られて彼は体の芯から 
沸き起こる快楽に包まれていた。せめてここが地下室なら、嬌態を見られることのない閉ざされた 
空間なら―息苦しさに途切れそうになる意識の中に、あの触手の姿がぼんやりと浮かぶ。 
体の奥で何かが弾けた。快感そのものが形となってウィルの全身を貫く。自然と弓形に反ろうとする 
背中を無理矢理に押さえつけられ、出口を狭められた精液は勢いをなくし、とろとろとシーツに 
塗りつけられる。長引く射精の間、繰り返す波のような絶頂感に襲われ、ウィルは次第に自我を 
失いはじめていた。自分でもそれと気付かないまま、アーウィンの動きにあわせて腰を揺らす。 
達したばかりの敏感な亀頭をシーツに擦りつけ、より深くまで突き入れられようと脚を大きく開く。 
押さえきれない嬌声が、咽び泣くように響いた。蕩けるような快楽が粘膜から溢れだし、肌を覆い爪先まで染み渡る。もう出るものもないほどに精を吐き出し、それでも訪れる絶頂感に翻弄され、ウィルは 
無我夢中で空いた片手を振り回し触れたものにしがみついた。その温もりに触手を思い出しながら 
深い陶酔感に飲み込まれてゆく。 
アーウィンの動きが性急になった。幼生は場所を譲るように奥へと移動する。熟れた粘膜を直接 
男根に擦られる感触は、触手とも排卵管とも違う、感じた事のない刺激をウィルの心に刻む。 
一層深く突き上げられ、熱い体液が迸るのが体の奥に感じられた。やがてゆっくりと、アーウィンが 
引きずり出される。餌を得た喜びに幼生たちが身をくねらせ始めた。 
終わったんだ、彼と神との長い逢瀬は。弛緩した体をベッドに投げ出し、ウィルはアーウィンが 
離れるのを待った。 
しかし彼は動こうとしない。体を重ねたまま、ウィルと同じように息を乱し、片手でウィルの口から 
手を外させようとしている。されるがままに顔をあげた途端、ウィルは自分が握り締めている物が 
何なのかに気付いた。それは、自重を支える為に付かれた、アーウィンの腕だった。 




「その傷は、私がつけたと報告しておいてください。そうすれば、私はあなたのお世話から外される」 
ウィルの手に包帯を巻き終えたアーウィンが、顔を背けながら言い放った。カーテン越しに差し込む 
日の光は弱くなり、窓際の卵を影のように浮かび上がらせている。アーウィンはその卵に手を伸ばし 
さわろうとして―触れずに手を下ろした。 
ウィルは迷った。確かに、今までと同じ気持ちで彼の世話を受けるのは難しくなるだろう。 
しかし自分の感情だけで教団を動かすようなまねはしたくはなかった。自分はやはり部外者であり 
どれだけ触手を受け入れたつもりでも、本当に信仰している者とは覚悟の程が違う。 
アーウィンの存在に、その事実を痛感させられる。 
「…私は人のせいにしたくはありません」 
精一杯考えた挙句、それだけしか言葉にはならない。 
二人は卵を見つめている。同じ物を見ていても、考えている事は違うのだろう。それ以上のことを 
想像するのは彼の心に土足で上がりこむように思え、ためらわれる。 
やがて、アーウィンが振り返った。先程までの影は消え、いつもの世話係の表情を取り戻している。 
「口元に血が滲んでいますね。拭いておいたほうがいいでしょう」 
清潔な布を探し出すと、そっと口元に押し当てる。一瞬、ウィルは緊張したが、それ以上なにをする 
でもなくアーウィンは離れ、一礼して部屋を出ようとする。 
ウィルは咄嗟に呼び止めた。 
「あの…これからも、よろしくお願いします。…色々と」 
可笑しそうに微笑むと、彼はそのまま部屋を出ていった。 
これで良かったんだろうか?自分には重過ぎる課題を残されたような気がする。 
今は満たされて落ち着いている、小さな幼生たちが引き起こした大きな葛藤に心を乱されつつ 
ウィルはそっと下腹部を撫でた。 

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 
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