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62-108 の変更点


*僕らの話 [#h7400a46]
#title(スキマスイッチ 「僕らの話」)
生。☆と元アフロネタ。トリ指摘をありがとうございました。 

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 

いや、何て言うのかね。長年付き合ってるけど、やっぱり読めないところがあるというか。 
何かあったら悩むのは俺のパート、突き進むのはお前のパートって、確かに無意識に役割分担してた面はある。それは認める。 
でもあんまりそれが酷いと、要するに頭と体がバラバラみたいな……わかるか?噛みあわなくなるんだよな。 
それが仕事とか生活とかお互いの態度だとか、一緒にやってく中でどうしても外せないことの場合はちゃんと話し合うけど。 
けど今回のこれは何。ナニに当たるの。 
一瞬だったんだ、本当に。あって言う間に、いつものお前に戻ってしまって。 
帰りのタクシーの中でも新幹線でも、あくまでフツー。フツーすぎて俺が黙りこんでたくらいに、フツーで。 
俺にも冗談言うし、樋口さんとも話してたし。むしろ俺の方が心配されてたな、元気ないとか何とかで。 
元気ないかな。頭重いし。あ、それはフツーに体調不良か。 
コンポーザーに突っ伏してたら、思いっきり顔にデコボコ跡が付いてて、他のスタッフにも爆笑された。いや、マジ頭がね。 
頭が痛い。重いっていうか。 
毎日ちょっとずつ重くなってるつか、真っ直ぐになれない、みたいな。 
「シンタ君、風邪かぁ~?」 
とりあえず、一旦逃げよう。うん。 
結論はそれだったのに、逃げ場をその前に失ってた。スタジオのソファなんかで寝てるんじゃなかった。 
早っや!コンビニから帰ってくんの、いつもは小一時間かかってんじゃねーかよ。 
「ナニ、マジ風邪?だったら帰った方がいーよ」 
「……う、ん」 
「熱?」 
「わかんない」 
何この、かっこ悪い状況は。女子か。しかも子供か、俺は。 
頭だけは逃げてて、精一杯の逃げとして……、ソファのクッションの下に、逃げ込んでだな。音だけ聞いている。 
かしゃがしゃ、ばりばりとビニール袋の音と、がたがたテーブルが揺れる音がする。 



「ノド飴とか、要る?」 
「……あんの?」 
「買ってきた」 
「ん、置いといてくれ」 
そういうんじゃないんだろうなあ、と思ってる。それはわかるなあ。 
「他は?」 
「今、いいや」 
どうしたもんだろう。ああ早く逃げればよかった。 
背中を向けてたらぼすん、と腰のあたりが沈む込む気配と音がした。ああ、ますます逃げ場がなくなったのはわかった。 
「どしたのよー、テンション低すぎねえ?」 
こいつがそのあたりに座り込んでるんだろう。ぽすっと脇腹に、軽いパンチを喰らう。 
どうしたもこうしたも、どうしたもんだろうって。俺の方が変なの?俺が変なのか? 
「……何も俺、怒ってないのに」 
うだうだ考えてたら、またこいつが言った。 
気付いてないんだろうな。絶対に気づいてない、こいつ。 
声がワントーン下がってるってことに。 
「もしかして、この前俺が言ったこと?気にしてる?」 
「……おう」 
「えーとさあ、じゃあ……気にしないってことで、一つ」 
「え?」 
「何ぁんもさ、シンタ君が悪いわけじゃねーっしょ。だから怒る筋合も無いわけで」 
「タクヤ?」 
「昔みたいな気持ちが、もし冷めててもよ。ねえシンタ君が何か、俺に悪いことやらかしたわけじゃないしな」 
「ちょ、待って……って!」 
「いやマジでよ。マジで」 
思わず飛び起きたら、そこ。 
ぽろんと落ちたクッションの先にはまた、何でもなさそうなお前が座っていた。後ろ髪がちょっと跳ねている。 
何でもなさそう、っていうかむしろ顔は笑ってて、あー悪だくみしてる時みたいだって、俺の中の冷静な部分が感知する。 
ぽすぽすとタバコの箱を弄ってて、ライターを片手でくるくる回してて。いつもみたいだ。 
ロクなこと言わない時の、いつもみたいな。 



「そういうの超越して、俺ぁシンタ君信頼してんだってば」 
「何言って、んの?ナニ超越?」 
「好きとか嫌いとか」 
にや~って、うわ、絶対何か企んでるわこいつ。それが俺の本能の声です。 
うわ、うわ、ちょっと待て、待って。待ってって、本当に。 
自己完結してるのはどっちだ。それはお前の癖じゃないの? 
「俺ぁ、今、ちゃんと幸せです」 
で、笑いながらでも、はっきりと、俺の眼を見てそう言う。 
だから、お前が好きなんだよ。 
強いな。カッコいいよ、お前。 
んじゃ、って手を上げて腰を浮かしかける。待て、待て待て、待て。 
行かせるわけにいかない、のだけはわかる。 
それだけはわかった。 
「……か、ッテに、冷めたとか言うな!」 
それだけわかっても、結局何も上手く言えないけども。 
つか何て言えばいいんだ、こういう場合。 
「……年柄年中。ばっきばきに現役です」 
迷った挙句の直球勝負。 
迷う暇だって殆ど無かったからさ。 
なあ、お前が好きなんだよ。ずっと。 
「押し倒したいとか、正直ずっと思ってる」 
地雷踏むかもしれん、そうなったら死ぬな、色んな意味で俺。死ぬというか終わると言うか、まあ色んな意味で。 
お前がいなくなったらどうなんだろう。どうなるんだろう、俺。 
何を失くすのと同じことなのか、それもわからない。 
「……タクヤ……?」 
決死の覚悟のせいだったのか何なのか、奇跡的に俺は目をそらさずにいたので、見てしまった。 
余裕たっぷりのお前が、たっぷりだったはずのお前が、じっとしてるんじゃなく固まっているのを。 



「……。」 
丸めの目はまだ真っ直ぐだったけど。 
でも俺を睨むんじゃなく、瞬きも出来ずにいるのを。逸らせずにいる。 
目尻から髪に隠れたこめかみ、耳までがわかりやすく赤くなる。 
何言ってんのか、口は動いてる。 
でも声出てませんけど。全然。 
最後にこいつの手からタバコがぽろっと、落ちた。 
くらっとしたのは、きっと立ちくらみってやつだ。きっと。 

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 

途中まで自分が攻め気だった☆、うろたえるの図。 
☆のソロ詞は色々くるものがありますな。 
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