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*三角関係に萌えないか? [#m29cd899]
#title(オリジナル 三角関係に萌えないか?)
比較的平和な三角関係スレに萌えた住人です。 
攻×受×主人公を表したかったはずがテンプレ満載のBL学園になってしまいました。総ホモ注意 


|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 



「ぶはっ。今日はまた派手にやられたなあ」 

ぐしゃぐしゃの頭にボロッと崩れた制服姿。黒澤は呆れを通り越して思わず吹き出してしまった。 
クラスメイト兼、元部長の白石は、受験期間の真っ直中にも関わらず、四つも隣の教室に通っては見事足蹴にされて帰ってくる。 
今のところかれこれ0勝60敗といった散々な戦歴だ。部長の威厳はどこへいったのか。それでも諦めない根性は呆れつつも尊敬に値する。 
黒澤の座る席の前までくると、白石は飛び跳ねた髪をがしがしと乱暴に直して、黒澤の目の前にドカッと座り込んだ。 
普段サラサラと揺れる白石の黒髪は、艶やかで柔らかく指に馴染み、黒澤のお気に入りだった。 
ただ、そう何度も触れられるわけではないので、こうして遠慮なく白石の頭に手をかけたであろうE組の連中を、密かに羨ましく思い、また腹立たしくも感じる。 
しかし黒澤はそんな感情を微塵も外に出さない。まだ跳ねる耳元の髪を、直してやれる距離であっても、知らぬ振りで微笑んで、頬杖をついたまま彼の愚痴をきいてやる。 

「くっそ…あいつら、碧だって論文忙しいんだから邪魔すんじゃねーってあれ程言ってるのに…」 
「みどりちゃん、3Eのアイドルやからねえ」 
「そうなんだよ、まあ碧が可愛くて頭も良くて何もかも完璧なのになぜか守ってやりたくなる、側にいて癒されたくなる気持ちは分からないでもないけどな 
 というか碧の良さがわからない人間なんてこの世にいるわけないんだが…でもそんな碧だからこそ世話焼いても焼かしたくないってのが当然じゃねーのか!? 
 あいつら寄ってたかってここ教えてくれだのこの問題解いてくれだのいちいちいちいち碧に引っ付いて全くふざけんじゃねーっつう…」 
「ああ、わかった。わかったから一旦落ち着き、シロ」 
「シロってゆーな」 
「いや、それ今更すぎやん」 



はああ、と大きなため息をつくと、白石は机に突っ伏した。 
無防備に晒されている黒髪と、そこにチラつく長い睫が、黒澤の胸をドクンと高鳴らせる。 
それでも黒澤は頬杖を崩さぬまま、右手を握りしめてただ視線だけを白石に落とした。 

「…あいつお人好しなんだよ、ほんと。中学受験の時、風邪引いたおばさんに気遣って一人で出かけてさ 
 途中で座り込んでるお婆さん助けて病院まで付き添って本命の試験逃しちまったんだ」 

マンガみたいな話だろ?眉を寄せて苦笑しながら目を合わせてきた白石に、黒澤は視線だけで相槌を打った。 

「ここの試験の時もさ、消しゴム忘れた越境のやつに、半分ちぎって貸したせいで、 
 しかも不器用だからすげー割合で割けたやつの大きい方相手に渡して、最後の教科ほとんど修正なしで解いてたんだ」 
ほんとバカがつくくらいお人好しなんだよ、だから心配してんのになんでE組の奴らは~! 
そう思い出したように白石は頭を上げると、その髪を苛立たしげにかき回した。 

「知らんかったわあ。みどりちゃん、そない危ない橋渡ってきてんねや」 
「そーなんだよ!いくら指定校だからってどんな間違いがあるともわかんねーのに」 
「そらシロ兄さんも心配しはりますわ」 
「だろ?なのに当の碧は推薦でみんなに申し訳ないからとかなんとか、奴らの手伝いやめねーし」 

ほんといい加減にしろよ…白石の愚痴がピークに達した瞬間、ガラッと教室のドアを開ける音がした。 
「白ちゃん、いる?」 
「おーみどりちゃん」 
「碧!?」 
がたんと音を立てて立ち上がったかと思うと、白石はものすごい早さで声の主に駆け寄っていた。 
「おまっ、セーターだけじゃ寒いだろ?ちゃんと学ラン羽織れよ」 
「はは、大丈夫だよ~うちのクラス結構暑くてさ」 
「密度高なってるもんなあE組は」 
「それにしたって廊下は寒いだろ、風邪引いたらどうすんだってあれほど…」 
「もーシロ兄さんホンマ落ち着こや」 

まあまあとたしなめながら、で、みどりちゃんはどうしたん?と黒澤は碧に話をふった 



「谷本先生が職員室こいって、前の人の面談、早めに終わったらしいよ」 
「ほんとか?じゃあ行かないとな…サンキュー碧」 
「ううん。谷本先生熱心だから話長いんでしょう?がんばってね」 
「お前も、もう外暗いんだからなるべく早く帰れよ」 
「せや、やもっちゃんに負けんなシロ。みどりちゃんは俺が責任もって送ってくさかいに」 
「よし任せたぞ、図々しいE組の連中からちゃんと碧を守って風邪なんか引かせないように車にも気をつけて車道側には黒澤お前が…」 
「もーわかったから!」 

白石が廊下を曲がった姿を見届けると、黒澤と碧ははあっ、と息をついた後、顔を見合わせて笑い出した。 
「ほんっっっまに何やねんなあいつ」 
「もう本当心配性なんだから…」 
「自分こそ国立受験控えてるっちゅーのに、推薦のみどりちゃんアホみたいに心配してんねやから世話ないわ」 
まあ僕が抜けてるから心配かけちゃうんだけどね。そう呟くと、碧は申し訳なさそうに黒澤を見上げた。 
「ごめんね、黒澤。なんか…」 
「ええよ。白石のアレはいつものことやからなあ」 
「黒澤は専門だっけ」 
「あー…そのはずやってんけど…」 
ちょう考えとんねん。大型犬のような人懐っこい柔らかな笑顔をつくると黒澤は後ろ手で首のあたりを掴んで話し始めた。 
転校で入ってきた黒澤の成績は、この高校の平均偏差値よりずいぶんと高かった。 
その黒澤が家業を継ぐので専門に通うと早々に宣言したため、学校側の落胆ぶりは大きかったというのがもっぱらの噂だ。 

「世話してもろてる身で、大学なんて考えられへんねやったんけど、おじさんらが絶対将来のためなるって後押ししてくれはってん」 
「ほんとに!?じゃあ受けるとしたら…」 
「ああ、白石とおんなしとこ」 

準備なんもしとらんし、落っこちたら恥ずかしいから白石には言わんといてな。 
照れながら語る黒澤に、碧は目を細めて極上の笑顔を向けた。 
好きな人が好きな人と同じ進路を選んでくれた。こんな嬉しいことはないのだから。 



「黒澤なら大丈夫だよ!」 
「わからんて。まあ頑張ってみるけどな」 
「受かったら、もちろん白ちゃんに告白するんだよね?」 
「なっ…」 
「ちゃんと、伝えてくれるんだよね?」 

直球すぎる問いかけに黒澤は思わず言葉を失った。 
にこにこと天使の笑顔でほほえむ目の前の男に、一瞬たじろいて後ずさりそうになる。 

「もー…みどりちゃんにはかなわんわあ」 
「白ちゃんの事、大事にしてくれるって約束したよね」 
「ああ、覚えとるよ」 
「白ちゃんは気付いてないけど、絶対黒澤が必要なんだよ、黒澤しか白ちゃんを幸せにできないんだよ?」 
「だから、それは大袈裟やて…」 
「大袈裟じゃない」 

真剣な碧の眼差しにほとほと困りかけた黒澤は、しばらく赤くなる顔を押さえていたが 
それでも数秒無言で考え込んだ後、わかった、と決心した顔にいつもの笑顔を作ってくれた。 
同級生の誰よりも大人びていて、頼りになる優しい笑顔。 
無理を承知でぶつけた想いにも、はっきりと向かい合ってくれたこの笑顔が、碧は大好きで、思わず胸が痛んだ。 

「みどりちゃんとの約束は、ちゃんと守る」 
「絶対だよ」 
「ああ。だからそんな泣きそうな顔せんといて」 
な? 
よしよしと触れられた頭に黒澤の熱が伝わって、本当に涙がこぼれそうになるのを碧はぐっとこらえた。 
この手がいつも、白石の髪を愛でたくていながら握りしめられていることを知っていたから。 
優しすぎる手が、早く大好きな大好きな白石を包んでくれればいいのに。 
その日を願って、碧は顔を上げると、えへへ、と微笑んだ。 



「さて、帰るかあ」 
「でも黒澤、今日は白ちゃんのこと…」 
「コラアアア黒澤ァァァ!」 
「何うちの碧に触ってんだテメエエエ!」 
「うわ、私立組」 
「なんだコラ、私立バカにしてんのかコラ」 
「天下のK大決まってる碧に向かって何様だコラ」 
「いやみどりちゃんのことやのうて…」 

勢いよく駆けてきたE組の赤川と青木に、黒澤は呆れ顔を浮かべた。 
白石がE組に突撃しては返り討ちにあって帰ってくるのはこの連中だ。 
むさ苦しく熱いお祭り男たちは、元部活仲間で気心が知れているにも関わらず、E組で集まってしまうと始終このおかしなテンションのため、黒澤も毎度軽くあしらっては首を突っ込まないようにしている。 
「碧に何かしたらただじゃおかねーぞコラ」 
「おめー白石が鈍すぎるからって碧に鞍替えしたらぬっ殺すかんな」 
「は!?なに言って…」 
「オメーが白石に惚れてることなんて気付いてないのは鈍い白石とアホの黄村くらいなんだよ!」 
フンッ!と偉そうにふんぞり返る赤川と青木に呆れながら、黒澤はため息をついた。 

「その黄村にみどりちゃんもっていかれてんで?」 
黒澤が指さした方向には、いつの間にか黄村が碧の首に腕を巻き付けてキャイキャイとはしゃいでいた。いつのまにー!と赤川青木が騒ぎだす。 
「碧~勉強ないなら一緒に帰ろ~」 
「んーいいけど」 
運動神経抜群の黄村は部内でも飛び抜けた活躍をするエースであり、もちろん早々にスポーツ推薦を決めていた。 
碧の肩に手をまわすと、レッツゴー!とものすごい早さでE組へと消えていった。 
「黒澤ー!今日はいいから、ありがとうねー!」 
つれて行かれざま振り返って残してくれた碧の言葉に相槌を打つと、騒ぐE組連中を見送って、黒澤は自分の机へ腰を落ち着けた。 
窓の外を見上げれば、すでに星が煌めいて、寒そうな外気を想像させる。 
暖房を切られた教室はひんやりと静かに夜の空気が浸食し始めている。 
こんな空間に、白石が一人帰ってるのは寂しすぎるだろう。 
せめておかえりの一言で迎えたくて。未だコートも着てこない白石に、せめてマフラーくらいは貸してやりたいと。 
そんな事を考えながら黒澤は静かに白石の帰りを待つことにした。 



□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ! 


途中アク禁で涙目になったり 
PCから見たらみたで下手すぐる文章で涙目になったりしましたが 

とりあえず平和な三角関係は萌えます。ということで 
スペースありがとうございました。
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