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43-219 の変更点


*チーム・オナホ [#wf3ef43f]
#title(オリジナル 「チーム・オナホ」)
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース! 
オリジナル。現代モノ。きのうの続き。 


羽毛のつまったほこほこの寝袋から這い出してカーテンを開ける。 
朝日がまぶしかった。冬の空は夏の空より澄んでみえる。青く高く清々しい。 
このスカッと感はオナニーとよく似ている。 
志井が深呼吸をひとつした時、携帯が鳴った。メールが一通届いている。 
送信者は三鷹だった。 
「おはよう」 
その四文字に志井はどぎまぎした。「おはよう」と返信し、おもはゆさに目を伏せる。 
付き合っていた時、こんなメールのやり取りはしていなかった。 
きのうの夜、「きょうは会ってくれてありがとうな」というメールが三鷹から届いた。 
打っては消し打っては消しを繰り返し、最終的に、 
「こちらこそ。わざわざ会いに来てくれてありがとう」と送った。 
そのメールにまた返事が届いた。 
「また会おうな。おやすみ」 
「おやすみ」と返し寝た。そして6時間後。いま、またメールが届いた。 
なんだかとても不可思議な感覚だ。 
(付き合っていた時より仲いいかも……) 
「これから仕事。行ってきます」 
三鷹からまたメールが届いた。 



「行ってらっしゃい」と打ちながら、思いついて志井は付け加えた。 
「近いうちに三鷹と仕事がしたい」 
「俺の専門は繊維よ? オナホとどう絡めんの?」 
返ってきたメールに「オナホの内部にびっしり毛を生やしたい」と書き送ったら、 
電話がかかってきた。 
協力を惜しまないかわりに、三鷹の仕事に六六六の手を借りたいとのこと。 
「うちと志井商事で技術交換会か何かできたらベストなんだけどな」 
「わかった。そちらの社長にはこちらから連絡しよう」 
「頼むわ。じゃあな、行ってきます」 
「行ってらっしゃい」 
電話を切った時、ほどよく冷えていた過去ごと未来が変わりだした気がした。 



出社後、志井はオナホ開発チームのメンバーを集めミーティングをした。 
志井商事のオナホ開発チームは総勢6名。 
クリエティブディレクターを務める志井と、デザイナーの六六六。 
軟質合成樹脂素材の世界的権威・市川博士。 
元大手化粧品メーカーの主任研究員だったローションの専門家・仁科先生。 
金型設計・製作のエキスパート五代さん。 
株式会社志井商事・技術管理課長の七瀬川さま。以上6名。 
平均年齢は34歳。最年少は志井だ。 
通常業務は商品企画と技術研究。新型オナホの試作を幾度となく繰り返してきた。 
市川博士と七瀬川課長が、より人体に近い触り心地を目指し開発した特殊素材は 
厚生労働省第275号の規格をクリアしている。だが、リアルすぎたため、 
内部をうねらせたり内壁に突起を配置するのには適さなかった。 
そもそも子宮にはオナホによくみうけられるヒダヒダやイボイボはない。 
理想の素材を得るため他社と業務提携を目指したりもしたが、うまくはいかず、 
チーム・オナホは暗礁に乗り上げていた。だが、いまある最高の特殊素材に 
植毛加工を施せば、新たにヒダ加工やイボ加工を施すのに適した素材を開発しなくても、 
神の穴がつくれるかもしれない。 
志井はホワイトボードにイメージ画を描きながらビジョンを語った。 



1デイズの使い捨て。 
一晩寝かせたまろやかなカレーのようなソフト。 
出来立てのカレーのわさわさした味を思わせるハード。 
何十種類ものスパイスを調合して作ったカレーに通じるスピリチュアル。 
リアルを求めるお客さまにはソフトを。 
コアなオナホがお好みのお客さまにはハードを。 
異次元にいきたいオナニー上級者にはスピリチュアルを。 
ローションとオナホの形状に変化をつけることで、 
3種のオナホをシリーズ展開したいと志井は訴えかけた。 
「問題はねぇ、コストなのよぉ。開発費いくらかかってると思ってんのよ。 
こんなに耐久性いい素材を一日使い捨てなんて、もったいないわぁ」 
技術管理課長の七瀬川さまは基本タメ口だ。おかまはタメ口でいいらしい。 


□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウジサクジエンデシタ!
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