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*吸血鬼バルド2 [#a4ddff4f]
#title(吸血鬼バルド2) [#a4ddff4f]

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
                     |  エチシーンまでたどりついてないです 
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄|  バルドとクラウスが会うのはまだ遠いですorz 
 | |                | |             \ 
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)(_(__).      ||  | 
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縦穴洞窟の入り口に近い岩の出っ張りにバルドはいた。 
いつもの定位置。 
天井の丸く開いた入り口から注ぐ、幾つもの澄んだ筋が、 
ものやわらかに岩とバルドを蒼く染めている。 
背後の岩に背を預け、瞳を閉じて眠っているかのように見えたバルドは、 
金の双眸をゆっくりと動かし、前に降り立ったマーティスを見上げた。 
続いてその腕いっぱいに抱えられた薔薇に視線を移す。 
「‥‥‥その薔薇はなんだ」 
「愛の告白にみえるか?」 
「だとしたら怖いな‥‥‥私に?」 
「ホレ、受け取れ」 
美しく綻びた赤い華をバルドの胸元に押し付けて隣に座る。 
自分の頬にバルドの視線を感じた。 
「‥怒っているのか」 
「怒らずにいられるか!おまえな、頼むから、3日に一回ぐらいは何か食えっ」 
人間の血はだいたい半年に一度ぐらい、ワインは毎晩欠かせない。 
そんなマーティスの隣で、バルドはこの5ヶ月間、 
7日に一度くらいのペースでワインを一杯呷るだけだったのだ。 
ただ、腹が減っていないだけだとはわかるのだが、 
血色が悪い事もあり、見ているこっちが不安になる。 
それを言うと、「飲みたい時に飲む」ときた。 
では、薔薇ならどうだろうと思って日暮れと共にここを出た。 
この辺りの薔薇の生息地や人間が造る庭園なんて、血とワインを 
生存のよりどころとしている自分は知らない。だから‥‥‥ 




「チェスティアに行ってみた。おまえの城に‥」 
「‥‥‥そうか」 
「綺麗なところだな」 
「‥‥‥」 
自分がチェスティアに行った事をどう思っただろうと、 
そっとバルドの様子を窺うがいつもと変わった様子は見受けられなかった。 
バルドの城には小さな庭園があるとバルディンが語っていたのを覚えていたのだ。 
それに、もしかしたらその城に行けばわかるかもしれないと思った。 
バルドが血を飲めなくなった原因が。 
人間の血を飲めない事を、今すぐどうこうしようという気はない。 
もちろん、自分としては早く克服してもらいたいが‥‥‥。 
ただ、原因がわかれば、克服する為の手助けが 
自分にも出来るかもしれないと思ったのだ。 
結局、手がかりとなる痕跡もなく何もわからなかったのだが。 
「それ、城にあったやつだから」 
バルドが薔薇に視線をおとして、瞳を閉じる。 
骨張った手が薔薇の束から一本を引き抜き、その唇へと引き寄せた。 
真っ赤に艶めく唇が、それに負けないくらいに色づいた花弁にそっと触れる。 
淡く包む蒼に染まっていたバルドの輪郭が光を弾いた。 




暗闇を仄かに照らす蒼の中、バルドの姿が白く霞がかったように浮かび上がる。 
今なら少しだけ、バルディンの気持ちがわかるような気がした。 
茶色に変色した花弁がはらはらと地に落ちて、茎だけになったそれも砂と化す。 
一度息をついて閉じていた瞳をそっと開いたバルドがこちらを向き、視線が絡んだ。 
「‥何だよ?」 
「気を使わせてすまないな」 
「はぁ、おまえねえ‥‥わかってんなら自分にもっと気を使え。 
 それに、一々仕草がエロすぎる!!もっと、こう豪快にだな‥」  
バルドから薔薇を5本程ひったくり、両手で花を押しつぶして、 
一気に生気を吸収する。 
久しぶりに体を巡る薔薇の生気はやはり自分にはあわなかった。 
「‥‥なんというか、大人の味だな‥‥‥。まあ、これぐらい一気にいけっ」 
複雑な表情を向けていたバルドだが、やがてフっと笑んだ。 
「そうだな」 
洞窟に静寂が落ちる。 
差しこむ蒼い月光と薔薇の甘い芳香が二人を優しく包んでいた。 




山の斜面に広がる緑の草原に、放牧された羊が牧羊犬に追われて 
群れをなして移動していった。煉瓦造りの茶色の家が木々の間に 
点々と建っており、それらをつなぐ小道の右手には、村で立ち入りを 
禁制されている森が草原よりもさらに濃く色づき広がっている。 
蒼穹の下に波打つ草原と遠くの連なる山々が見事なコントラストを 
織り込んでいる、チェスティアの村。 
頼まれていた畑への水運びの仕事を終えて、家路を辿っていたクラウスは、 
名前を呼ばれて振り返った。 
小道を駈けてクラウスに追いついたヴィリーが横に並び背中をポンと叩く。 
「今、帰りか?」 
「うん、帰って勉強しなくちゃ」 
「そっか、来年だっけ。寂しくなるなあ」 
来年15歳になるクラウスは、親の意向で、 
村を出て街の職業学校に通う事になったのだ。 
この村をいずれは出る事になるだろうと考えてはいたが、 
その日がこんなに早く来るとは思わず、驚いたものの、 
反対する理由も見つからないので基礎勉強をやり直しているところである。 
貧しくはないが、決して裕福でもない。 
この村の者達は皆、同じような暮らしをしている。 
街の学校に行けるだけでも自分は幸せ者なのだ。 
けれども、素直に喜べない自分がいる。 
小道の右側、奥に広がっている森を横目で見て、前に視線を戻した。 
諦めきれない想いがまだ胸に、ある。 




「空を飛べたらなあ」 
ヴィリーの声で我に返る。 
「空を?」 
彼に倣って蒼天を仰ぐ。 
吸い込まれそうな青がどこまでも続いている。 
「街までひとっ飛び~。お前に会いに行って、その帰りには 
 可愛い街娘とお知り合い~っ」 
「はは、その後は?」 
「空中散歩へお誘いしたら、彼女はメロメロ。『ヴィリー君大好き』。これだな」 
「何だよそれ、はははっ」 
二人の笑い声がこだました。 
空を飛べたら‥‥‥。 
ふと、煌めく双眸が過った。 
吹っ切れない望みに胸がざわつく。 
俺は空も飛べないし、もう会う事もない。 
否定に否定を重ねて、無理矢理心を押さえつける。 
友達の冗談まじりの夢物語にさえつき合えない自分に嫌気が差した。 




「うちのチビどもがさ、おもしろい事を言ってたんだ」 
チビども。ヴィリーの双子の妹達だ。 
「空から花が降って来るって」 
「可愛らしいじゃないか」 
「そうだろ?うちの親もさ、想像力が豊かだって笑って聴いてたんだけど‥‥‥。 
 ‥‥‥見たって言うんだよ」 
「何を?」 
「だから、花が降ってくるのをさ」 
クラウスは青い空からピンクや赤や黄色の花々が降ってくるのを想像した。 
「綺麗じゃないか」 
笑顔で返すクラウスにヴィリーが口を尖らせる。 
「そりゃ綺麗だろうさ。けど、「見た」って言ってるんだぜ? 
 しかも、「真っ黒な服着た男の人が降らせてるんだ」って。 
 そんなのいるワケないじゃん。しかも夜だぜ?想像力が豊かすぎるよ」 
俺の妹とは思えない想像力だよ。可愛い娘が二階の窓をノックして手を振ってきたー 
とかだったら想像出来るんだけどなあ。 
ヴィリーが妹達よりも想像をたくましくして語るが、 
クラウスの耳にはもう入っていなかった。 




「夜」「真っ黒な服を着た男の人」 
思い浮かべるのは優しい黄金色。 
まさか、と思う。そんなのただ符号が合っただけの事。 
だって、俺達はあの晩、永遠の別れを確認したじゃないか。 
バルドは去ったのだ。 
けれども、もし‥‥‥。 
小道が二股にわかれた場所でヴィリーと別れる。 
あれからヴィリーと何を話し、どうやってここまで来たのかわからない。 
呆然と小道に立ち尽くすクラウスの髪を風がなぜて吹き抜けた。 
顔を上げて視線を右側へ向ける。 
ザザッと禁忌の森が大きく揺れた。 





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 | |                | | 
 | | □ STOP.       | | 
 | |                | |           ∧_∧ 続きます‥なかなか話が進まないorz 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
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