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*ファントム・ブレイブ・パー諮問×ウォルナット [#ca03e3e8]
#title(ファントム・ブレイブ・パー諮問×ウォルナット) [#ca03e3e8]
この流れの申し訳ないが…… 

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                    |  ファソトム・ブレイブ・パー諮問×ウォノレナット 
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  データ飛んでからノロノロ再プレイしたら萌え再燃。ネタバレ気味 
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ シカシEDハマダミテナインダガナ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) 
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マイナー作品なので軽く用語集と説明。 

クローム…請負人。依頼を受けて何でもやっちゃう文字通りの何でも屋。 
レイヴン…傭兵団。そのまま。それぞれのカラーにもよるが、血気盛んな奴が多いかもしれない。 
オクサイド…他のクローム・レイヴンが請け負った依頼を諸々の手段で妨害し、最終的に報酬を脇から掻っ攫っていく行為。クロームはともかく、荒くれ者の多いレイヴンを相手取って失敗すると集団リンチにあうかもしれない危険な手段。 
オウル族…二本足で歩くフクロウ。眼鏡・サングラスは必須。 

パー諮問…多分オウル族。28歳らしい。怪我をしたウォノレナットを拾ったのが縁で仕事を流している情報屋? 
ウォノレナット…諸事情あって守銭奴な20歳。オクサイドを専門にするクローム。特殊能力者がそこそこ多いこの世界で何故か一人、30年前の大異変に活躍した勇者と同じ『魂の炎=生命力を削って発動』ペナルティつきの能力(攻撃力特化)を持っている。 



 安ホテルのベッドはスプリングが悪く、ただ横たわっているだけでも 
ギシギシと耳障りな音を立てた。 
 パー諮問はそれが嫌で、もう少し格上のホテルにしようとこれから 
抱こうとしている男に提案したのだが、ウォノレナットはにべも無く却下した。 
ホテル代は割り勘で、元が高ければ当然双方の負担も増える。余裕のある 
パー諮問はともかく、無駄な出費どころか必要な出費まで切り詰める傾向の 
あるウォノレナットにとってそれは当然の事だった。 

 そのやりとりはいつもの事。パー諮問も、否定されるのを分かっていて 
口に出す。ウォノレナットも、『高いのは嫌だ』という文言を変える事はない。 
一度ホテル代を奢ろうと言ってみた所、凄まじく激怒されて危うくお気に入りの 
サングラスを粉砕されるところだった。 
 いつもと変わらぬ同じやり取り。それは、どことなく何かの儀式に似ている。 

「……酒は喜んで飲むくせにな…………」 

 隣で眠るウォノレナットを見下ろしながら、パー諮問は呟いた。 
 割りのいいヤマを片付けて羽振りがいい時、たまにパー諮問はウォノレナットに酒を奢る。 
いつもの酒場のいつもの席で、これまたいつもの安物ボトルばかりを延々 
傾けている様子が妙に物悲しく、思わずグラスの数を増やしてしまう。 
パー諮問に奢ってもらってもウォノレナットはそっけなく礼を言うだけで、 
いつもと変わらないペースで遠慮なく飲み干す。それでも極時たまに見せる 
歳相応の嬉しげな笑みが、あまり陽の光を感じない酒場の中ではやけに 
眩しく思えて、それを見たいがためにパー諮問はボトルを多めにキープしているのだった。 



 ウォノレナットはいつも仏頂面だ。 
 それは、眠っている時も変わらない。 
 ぎゅっと結んだ唇、閉じられた瞼。寝ている時まで何が気に食わないのか、 
眉間に寄せられた皺。一歩外を歩けば回りは皆敵だと心の底から信じているのだろう 
(事実、クロームを目の敵にする輩は多い。オクサイドを専門にするのなら、尚更) 
彼は、一体いつ安らいでいるのだろうとのんきな疑問を抱いた。 

「…………っ」 
「?」 
声にならない呻きのような音が聞こえた気がして、パー諮問は喉まで出掛かった 
名前を飲み込んだ。 
「――――、クソが……」 
寝言の皮を被った悪態が零れ出た。パー諮問は、柔らかな羽根に覆われた 
手をそっとウォノレナットの額に乗せた。そのまま、滑らかな手つきで前髪を 
巻き込み、後ろへと撫で付けるように動かす。只ひとくちに『金髪』というには 
惜しい、独特の色合いをした長髪が淡い月明かりにきらりと揺れた。 
「……酷くしたつもりはねぇんだが」 
悪態の矛先は自分だろう。肩を竦めて呟く。 
 ――いや、おそらく酷くしてしまっているのだろう。ここのところ、 
どうにも歯止めが聞かない自覚が出てきていた。 

 ウォノレナットの身体には常に生傷が絶えない。 
 オクサイドには悪知恵と、絶対的な戦闘能力が不可欠だ。報酬を横取りするには 
それ相応の準備が要る。危険なモンスターを退治してくれと言う依頼なら、件の島まで出向かなければならない。その過程で本来依頼を受けている 
レイヴンやクロームともぶつかる事だってある。 



 ……危険な商売だ。それを専門にしているウォノレナットは、常に命の綱渡り 
状態なのだ。加えてウォノレナットが戦闘の要としている能力は、自らの命を 
削って発動させなくてはならない。 

 傷だらけの白い身体は、以前抱いた時よりまた少し痩せていた。 

 パー諮問はウォノレナットの事を何も知らない。年の頃は20代で、人間族。 
何らかの事情があって金を片っ端から掻き集めている。その程度だ。 
 何故彼は自分の命すらもつぎ込んで金を稼ぐのか? そんな問いをぶつける事は 
この先永久に無い。ぶつけるつもりが無いからだ。おそらくウォノレナット 
本人も、答えてやる気は微塵もないだろう。 
 幾重もの暗黙の了解の上に二人の関係は成り立っていた。すなわち、仕事を 
流す側と、受け取る側。……そしてたまに、抱く側と抱かれる側。いつから 
始まったのか、どちらが誘ったのかはもう忘れた。いや、多分ウォノレナット 
の方なのだろう。パー諮問は仕事柄記憶力に長け、そして酒には呑まれない性質だった。 

 ウォノレナットは常に下層にいた。下にいながらにして、出し抜く。出し抜いて 
裏切って騙して陥れて、上に行こうともがいている。 
 パー諮問も本来なら、いつ寝首を掻かれるか分かったものではないはずなのだ。 
それを懸念しないのは、パー諮問のウォノレナットへの信頼と、ウォノレナットの 
パー諮問に対する最低限の義理立てにあった。命の恩人であり、何より仕事を 
くれる相手を追いはぎの餌食にするほど、この男の性根は腐ってはいないようだった。 

 金のためなら、地べたを這いずっても、泥にまみれても構わないと断言する 
この男は、誇りとか尊厳とかそういった類のものを一体どこに置いて来てしまったのか。 



「――――ル」 
取りとめもない思考がウォノレナットの声で寸断された。起こしたのかととっさに 
手を離すが、零れたのは『あの』名前だった。 
「ん…………カ――ティ……」 
例え断片であっても、繰り返し聞いていれば嫌でも文字は形を成す。 

『カスティル』 

パー諮問は意識せずに舌打ちをした。夢うつつで呟く女の名。恋人か、家族か 
――そんな事はどうだっていい。思考の大半を金関係で支配されている 
ウォノレナットが他人の名を例えうわ言だろうと呟くのはとても珍しい事態だと 
パー諮問は勝手に定義付けていた。 
……ただ、ウォノレナットが自分以外の存在を夢に見ているのがどうにも 
苛ついてならないだけだ。 

 ウォノレナットだって人の子。家族の一人や二人、恋人だっているかもしれない。 
そんな当たり前の事を思い出せず、初めてそのうわ言を耳にした時のパー諮問は 
真夜中に一人でうろたえ、悶々と悩みに暮れた。せめて情事の後ぐらい、 
自分の名を呟いて欲しいものだと子供っぽい独占欲にまで駆られた。 
そして、未だに慣れる事が出来ずにこうして舌打ちで苛々を無理に相殺する夜が続いていた。 
「参ったな、俺らしくもねぇ」 
寝言が止まる事をほんの少し祈って再び髪を撫でてやると、ウォノレナットが 
珍しくもふうっと心地よさげに表情を緩めた。そのほんの僅かな変化に驚く 
間も無く、ウォノレナットはパー諮問の羽根に顔を摺り寄せた。 
「……おいおい」 
手を離すタイミングを見失い、パー諮問は所在無げにウォノレナットの頬に手を当てていた。 
普段のウォノレナットなら決して見せる事の無い、幼い子どものような仕草に 
パー諮問は胸の中に広がる優越感を確かに感じた。会った事もない『カスティル』 
への嫉妬が消え去ったわけではない。固いベッドに押し倒した時にウォノレナットが 
見せるどこか切なそうな表情も、その癖悦い所をいたぶられた時に上げる、 
抱かれ慣れた者だけが知っているはずの甘えた嬌声も、忘れられたわけではない。 



だが、ウォノレナットは今この瞬間、自分の隣で眠っている。そこには金も 
汚い仕事も何も無くて、只幸福そうな寝顔だけがある。 

「――ウォノレナット」 
名残惜しげに手を離す。抗議の呻きも何も無く、ウォノレナットは規則正しい 
寝息を立て続けている。 


自分の声は届かない。 
 命を削って戦うのを止めろと、危険な仕事に手を染めて汚い金を掴むのを 
止めろといくら諭しても、ウォノレナットには届かない。 

 自分の声よりも、自分の命よりも、ウォノレナットには護りたいものがあるのだ。 
 それには莫大な金が要るのだ。だから金を稼ぐ。他人にどれだけ後ろ指を 
指されても、薄汚いクロームと罵られようとも…………己がプライドを全て 
投げ打ってでも、護るべきもの。 

 その真の姿を知っているのは、おそらくこのイヴォワール中で自分だけ。 

 かつては上品な風格を醸し出していたはずの、仕立ての良さの片鱗を残す 
くたびれた黒いコート。 
 それを纏った後姿を、自分は只見守るだけだ。時折気まぐれを起こして 
舞い戻ってきたのなら、気が済むまで抱きしめて、離してやれば良いだけだ。 

 ……しかし。 

「頼むから、俺の前から消えてくれるなよ……?」 


 情けない事に、この焦燥感だけは消える事が無いのだ。 



 ____________ 
 | __________  | 
 | |                | | 
 | | □ STOP.       | | 
 | |                | |           ∧_∧ オヤクソクナジブンセッテイテンコモリ 
 | |                | |     ピッ   (・∀・ ) 
 | |                | |       ◇⊂    ) __ 
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  | 
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   | 
ほのぼの感溢れるゲーム中でこの二人だけはアダルト臭が強すぎます。 
鳥がどうやってエチーするかって? シラネーヨ(半擬人化とかでお願いします) 
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