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*家守綺譚 孝道×綿貫 [#t67c66b9] #title(家守綺譚 孝道×綿貫) [#t67c66b9] / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ナシキカホのイエモリキタソ、孝道×綿貫だよ。 ____________ \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | __________ |  ̄ ̄ ̄V ̄ ̄| 季節とか色々ごめんね。 | | | | \ | | |> PLAY. | |  ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ | | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ ) | | | | ◇⊂ )( ) | ヽノ___ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _) ┌ ┌ _)⊂UUO__|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__)(_(__). || |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「今宵は風流な格好をしているな」 よ、と掛軸を跨ぎ床の間に下りた孝道が、浴衣姿の綿貫を見て言った。 ぼんやりと高い月を眺めていた所に背後から声を掛けられ、 少々驚きはしたが、同時に安堵した。 「一度ぐらい袖を通さないと、浴衣に悪いかと思ったのだ」 「少し変わったな、渡貫」 「おまえの所為だろう」 それも悪くないさ、と孝道は目を細めた。 夏も終りを迎え、池に浮かぶ月も丸みを帯び、星も高い。 鳴く虫の声は風鈴の音よりも空気を涼しくさせる。 流れ込んだ温い夜風に床の間の掛軸が揺れ、カタン、と音を立てた。 手前には孝道のボートが繋がれている。 「今日は随分遅くに来たな」 「おまえが望むから来たのだが」 「偶におまえと、夜を明かしてみたいと思っていたのだ」 「珍しいことを言うものだ。ならば今日は満足だろう」 「…居るだけでは満たされないと思う事もあるのだがな」 柱に凭れだらしなく足を伸ばしている渡貫が、藤の椅子に腰掛けている孝道を見上げ、 生きているのだから仕方ないのだ、と欲情を滲ませた瞳で言う。 おまえが教えたから、身体がもうすっかり覚えてしまった、と。 孝道は何も言わずに、椅子の上に足を上げ、そこで緩く胡座をかいた。 渡貫が浴衣の裾を大きくはだけさせ、自らのそれに触れ始める。 既に欲情の様ははっきりと見てとれた。 「―…っ、…ん」 「…独り遊びも楽しそうだな」 「楽しくなど、無い。お前が、…生きて居た頃の方が、ずっと」 「だが随分と良さそうに見える」 「……おまえが、居るからだろう」 熱を孕んだ吐息に混ぜ、刺激に途切れがちの言葉を告いだ。 それを言い終えると、左手を浴衣の中へ少し引き、 摘んだ袖で、乱れる吐息を隠すように口元を押さえた。 黙って自分の方を見る孝道の視線が何とも言えず、下を向く。 目を瞑ると否が応でも意識はそこに集中してしまう。 孝道の居る前で、その欲を如何にかしようと思った事など無かったが、 稀に話している時、生前の戯れを思い出す事もあった。 体温を持たない孝道に触れる事などもう叶わない。逆もまた。 こうして逢っている事が、不可思議な事なのだ。 その事を理解はしているが、何故か今日に限って如何する事も出来ず。 「…孝道」 「何だ」 「…っ、おまえに触れたい…」 「無理な話だ」 「私が、逢いたいと思えば、来ると言うのならば、触れたい、と思う時そうしてくれても良い筈だろう…?」 「…すまんな」 と、と孝道が椅子を降り、渡貫の傍に腰を下ろした。 目が潤んでいる所為だろうか、少しぼやけて見える手が頬に伸ばされてくる。 顔を傾け渡貫もその手に触れようとしたが、それが出来るかどうかを確かめる前に、止めた。 触れられない事を実感などしたくない。 そう目で言ってやると、悲しそうに笑って孝道は手を戻した。 「おまえは先を弄られるのが好きだったな」 傍に聞こえる、前と変わらない孝道の声に、ぞくりとする。 そんな事は自分で良く分かっている、と言いたかったが、言葉を発するのも億劫だった。 右手はもう、滲み出る物で随分と滑らかで。 孝道の見ている前でするのは、全くの独りの時とは比べものにならないものだな、と苦々しく思った。 「もっと先を扱け。それを掬って指先で撫でる様に」 「――っ、孝道、やめてくれ、おかしくなりそうだ」 「触れているのはおまえ自身だぞ」 「…分かっている、分かっている、が…」 話す合間も刺激を止められず、絞り出すように声を発しながらも、 言われた通りに指を動かしてしまう。 目を瞑れば、孝道の手の感覚を思い出す。 オールを持つ手には固い箇所があり、決して綺麗な手では無かったが、 触れられると唇すら噛み締められず、甘ったるい声がいつも漏れていた。 当然そんな声など出したくない綿貫とは逆に、孝道はそれを聞きたがり、 意地の悪い触れ方をよくしていた。 そのような、互いに熱に浮かされた日々があった。 以前、飽きる程耳元で聞いた声の所為で、独りでしているのに、 その手にされているかの様な錯覚に陥る。 弄る指の立てる、粘性のある水音が耳についた。 「…ん、ん、っ、」 「声を堪えるな、出した方が楽になる」 「…もう、持たない、」 「…堪らない色気だな。触れられないのが少し、悔しい」 「っ、…孝道っ、もう」 「…渡貫」 「――…っ…」 手で受け止め切れなかった欲の証は、浴衣に落ちた。 孝道が眉を顰め、後、柔らかな笑みを浮かべた。 行為後と明らかに分かる姿で、だらしなく脚を開いたままの渡貫の額に汗が浮かんでいる。 乱れる呼吸を整えようとしながら、白濁に濡れた手と浴衣を眺めた。 「…汚してしまった」 「良いものを見せて貰った」 「…人の見ている前でする事では無かった、…すまぬ」 「謝る事ではないだろう。生きているのだからな」 「おまえは…」 「何だ」 あの頃の様に身体が火照る事も無いのだな、と聞きたかったが、 当り前過ぎて余りに愚かな問いは飲み下した。 秋の風の様な思いに駆られる。 自分と孝道を隔てる壁は、見えないが確かに存在している。 何も言わず、其方へ行ってしまった孝道の奔放さを恨めしく思った。 呼吸も元の様に静まり、力の入らない身体を何とか少し立て直し、庭を見た。 先ほど眺めていたものと然程変わりは無い。 サルスベリも其処に在り、ゴローも丸くなって眠っている。 一息吐いて視線を家の中へ戻すと、孝道が掛軸を跨ぐところだった。 「…もう帰るのか」 「ああ、帰る」 「長く居るのでは無かったか」 「今日は駄目だ。…熱くて落ち着かない」 「…おまえにも体温があるのか」 「いや、そうでは無く、芯に在る感覚と言うのだろうか」 また来る、と言い残し、音も立てずに孝道の乗ったボートは向こう側へと消えた。 その姿を眺め、そうか、死してなお変わらない事も在るものか、と考え当たる。 ならば自分にも変わらない部分が在っても良いのだ。 もう交われないおまえを昔と変わらず思うのも、そう悪い事では無いだろう。 そんな小さな呟きを、晩夏の色付く風へと静かにのせた。 ____________ | __________ | | | | | | | □ STOP. | | | | | | ∧_∧ ごめんなさい。 | | | | ピッ (・∀・ ) 萌えすぎたんだよ、この2人には。 | | | | ◇⊂ ) __ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ||―┌ ┌ _)_|| | | °° ∞ ≡ ≡ | || (_(__) || | #comment