Top/S-8

R.S.3_LxM 3

術書の間で、属性の項目を調べる。
知りたいと思ったことを存分に調べられる環境。
朝からこの部屋に篭りきりで、ミカエルは術書を開いていた。

朱鳥 火 腕力
玄武 水 器用さ
蒼龍 風 素早さ
白虎 土 体力
太陽   意志力
月    魔力

良く使う術でも現在契約している術でもなく、
最初に契約した術の属性が、その人の属性となる。
たとえ現在契約しているのが朱鳥と月だとしても、
最初に契約をしたのが蒼龍であるなら、その人は風の属性を持つ。
「不思議なものだな・・・。」
地の術の契約はまだ何もしていないが、自分がその属性を持つことはない。

「月は、魔力・・・か。」
細い月が、昨夜と同じ高さに昇る。
ミカエルは術書を閉じ、部屋の隅を見た。
その空間がうっすらとした灯りを帯びて、やがて人の形となる。
「そろそろだと、思っていました。」
足音も無く近寄るレオニードに、微笑みかける。
「私も、貴方がこの部屋にいると思っていたところです。」
隣の椅子に腰掛けると、彼も微笑んだ。
炎から現れても、火ではない。
生まれながらに魔力を持つ種族であっても、月ではない。
全ての能力に秀でてみえるこのヴァンパイアの、属性がわからない。
「伯爵。貴方の属性は、何なのですか?」
興味を持たれたことの嬉しさからか、彼は柔らかな声で応じた。
「私の属性は、“闇”」


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