振動×剤然(530 -6)
更新日: 2011-05-03 (火) 12:40:05
質疑に入ると若い医師たちが活発に手を挙げる。限られた時間内に剤然は全員を
捌ききるつもりなのか、早口でポイントを押さえた回答を返してはペンで次々と
質問者を指していく。
彼がまた一人を選んだところで割当時間の終わりを示すベルが鳴らされた。では
君が最後、なるべく手短にと促された相手が論文集を振り回しながら
「サインして貰えますかぁ?」と訊いたので、周囲に笑いが広がった。知事の
件は大衆誌にも取り上げられていたほどだ。剤然は消化器外科の世界では
それこそスターなのだろう。
剤然が冊子を受け取ろうと手を差し出しながら信奉者の所に向かうのを合図に、
聴衆もばたばたと立ち始める。今日のプログラムはこれで終わりだ。
振動がもうひとつ、剤然の発表をきっかけに救急で提案してみようと思いついた
事を資料の裏に走り書きしていると、視野の端からコツコツと人影が近付いて来た。
「振動先生!」
呼ばれて上げた目の前に、もはや見慣れた笑顔が有った。
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「今夜はここまで」について、確かに「まだ続くよ(だから割り込みすんな)」
にも読めるとご指摘が有って初めて気付きました。しかし私の意図はそうではなく、
「2レス消費しましたが、今夜の私の書き込みはここまでで終わり。この場を
お返しします」という、むしろ逆の意味のつもりでした。それを他の方には
「どう見ても予告」にしかとれない文面にしてしまったのは字書き失格ですね。
ご迷惑をおかけしてしまいましたが、声をかけて頂いたのはとても嬉しかったです。
ありがとうございました。
では、この場を本来の用途にお返しいたします。
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