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ss

ホワタワss、場所をお借りします。
泣きのもうひと投下。

  1. ++++++++++++++++++++

外の空気を吸おうと病院内の庭を歩いている時だった。
いつものように材前が早足でまっすぐ前をみつめて
歩いているのがみえた。よほど急いでいたんだろう。
足下に注意がいかなかったらしく転びそうになる。
郷実は慌ててかけよって材前を支えた。
「大丈夫か」
その瞬間拍子に材前の耳たぶが郷実の唇に
ぶつかった。柔らかくて暖かい感触が妙にリアルで
郷実は困った事態になった。
突然股間が反応してしまったのである。
慌てて白衣をかき寄せた。
大丈夫かといったきり動かなくなってしまった
同期の内科医をみて“お前が大丈夫か”
とでも言いたげな顔をした材前だったが
「ありがとう」と素直に礼をいった。
「いや…」
郷実は目をあわせずもぞもぞとした感じで
「怪我がなくてよかった」と言い残すと
そそくさと逃げるようにその場を離れた。
「なんだ、あいつ?」
残された材前は首を傾げるばかりである。

郷実はカッカする頭を掻きむしりながら早足で庭を横切っていた。
そして歩を止める。
一体今のは何だったんだろう?
なぜいきなりあんな反応をしてしまったのか。
材前には気付かれなかっただろうか。
考えても考えてもまとまらない。
欲求不満か?
だとしても材前は男だ。自分はヘテロセクシュアルなわけで。
「ありえないだろう…」

確かに昔から自分よりも背が低く華奢な材前をさりげなくフォローしたり、女性のように接したところがあったかもしれない。
材前はいつもは明るく社交的なのだが時々ひどく寂し気な顔をする男でそんな部分が気に掛かりなんとなく目が離せない存在であったことは確かだ。

自身の唇を触ってみる。
材前の耳たぶは甘い香りがしたのだ。確かに。

唇はもっと柔らかく、甘い筈なのだ。

郷実は不埒な考えを散らすかのように頭を振るとまた早足で歩き出した。
「何を考えてるんだ、俺は…」苦笑いがこぼれる。

いやがる材前を背後から抱きすくめ無理矢理に唇を奪う。
きっと材前は暴れるだろう。そうしたらあの甘い香りをもっと嗅ぐことができるだろう。力で適わないわけがないのだから。
そんな妄想。

俺は材前を犯したいのだろうか?
そんな日がくるのか?
一体なんのために?

自分の中のもうひとりをみた気がして
郷実は腕に粟をたてた。

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