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R.S.3_LxM 9

翌朝は目が覚めても部屋を出なかった。
昨夜のことを反芻してしまう。
こめかみに手を当て、軽く首を振った。
そして、また女を部屋に呼ぶ。
昨夜とは違う女が来た。
この女も美しいとは思うが、それ以上の感情は湧かない。
酒を軽く呷り、女を抱く。
今回は感情の昂ぶりさえ無い。
ただ黙々と、作業を済ませるようなものだ。

達する。
身体は事務的に、その動作を終えた。
心は、まだ何もしていない。
横たわる女を退かせ、一人、また酒を呷る。

次の日も、その次の日も、同じ事を繰り返す。
読書に充てる時間以外を、全てそれに費やすようになっていた。

悶々とした感情が、渦を巻く。
これでは女好きの父王と、変わらないのではないか。
何人もの女を囲っていた父と。
いやむしろ、それより悪い。
自分は毎回、別な女を抱いている。
これが妖精でなく、生身の女だったらどうなっているか。
溜息をつく。
自分は、そういう人間だったのか。
相手に感情を持てないことが、拍車をかける。

自分に、足りないものがある。

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