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R.S.3_LxM 7

注意深く観察すると、妖精の行動が良く分かるようになってきた。
彼女達はレオニードの望むままに動く。
何故なら彼の望むことをすることで、大きな快感を得られるようであるからだ。
そして常に、少なからぬ悦びを得ているようでもある。
一人の妖精を無理矢理城の外へ連れ出そうとしてみると、それがよく分かった。
微かに上気した頬が、外に出ると同時に冷めたようになる。
そしてそれによる悲しみや不安、恐怖が同時に襲ってくるような表情。
城へ戻してやると、また目を虚ろにして快感に身を委ねる。
それは妖精達にとって、性的快感のようなものだと感じた。
レオニードにとっての性的行為である吸血は、彼女たちにとってもそうなのだ。
そしてその悦びの頂点が、吸血されるその瞬間であるらしい。

「素晴らしいと思いませんか?」
或る夜、レオニードが囁いた。
「子を成すだけが、関係ではない。」
ミカエルは手を顎に当て、しばらく椅子にもたれる。
伯爵の言うことは、理解できる。
「彼女達が、子を成すことはありませんよ。」
見透かされたように言われる。
「理想の関係だとは思いませんか?」
不敵な笑み。
それは自分の考えを見透かしたものであることが読み取れる。
悔しいが、それは事実だ。
唇を歪め、それでも笑う。
「確かに・・・。」
自分が女性と関係を持たない理由には、他にもあるからだ。
それは“何となく”である。
それは若さゆえの潔癖。
父のようになりたくないという、反抗。
彼にとっては、無意識のことであるが・・・。

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