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R.S.3_LxM 6

綺麗に結われた髪。
今宵の為に磨かれたのであろう肌。
その女性を、素直に美しいと思う。

女性が玉座の前で歩みを止めると、レオニードが立ち上がった。
ゆっくりと女性に近づき、何やら囁く。
女性の青ざめた頬に赤みが差し、足元の震えが止まる。
満足気にレオニードが頷くと、女性が微笑んだ。
やがて首筋に口を寄せ、ゆっくりと牙を立てる。
「・・・あ・・・っ!」
女性は嬌声をあげ、足元から崩れた。
レオニードがその身体を受け止めるように支えた時、女性は意識を失っていた。

見た。
思わず喉が鳴る。
これは、性行為だ。
伯爵が血を吸うのは食糧としてだけではない。
恐らく様々な欲求が、これで満たされるのだ。

気を失った女性が、ゆっくりと変わっていく。
姿が変わるわけではないが、それがもはや人外のものであることが感じとられる。
この城の随所にいる、妖精。
それらがこの女性と同じものであることに、今気づく。
ミカエルは察した。
レオニードに血を吸われると城から出られなくなるのではないと。
彼に魅了され、城から出たくなくなるのだ・・・と。

一人の妖精が現れ、新しい妖精を運び始めた。
その妖精がレオニードを見る目は、明らかに魅了されたそれである。
美しいが、普通ではない表情。

その夜は、眠ることができなかった。

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