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恋は既に狂気

                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                    |  自分を精神病を疑う攻×論理の得意な受
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  スレで萌えが瞬間発火した。今は反省している
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ カガヤキイガイデモエチマッタ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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窓枠をついと人差し指でなぞる。外は梅雨の体だ。
青年は指の腹にこびり付いた苔と埃をぼんやりと見下ろした。
親指と擦り合わせて、ぱらぱらと汚れを落とし去る。さしたる面白さもない。
ただ、己を取り巻いている沈黙を有耶無耶にする為の、時間つぶしでしかない。

「………なあ」

しとしと。しとしと。
窓の向こうから、雨音が代わりに返事をする。
部屋の隅で大きな体が膝を抱えている。青年の、友人であった。否、表現するならば、友人だろうと思う。
始まりこそ些細で記憶すらも曖昧なのだけれど、振り返る記憶には彼がどこかしらに顔を覗かせる。
頭のいい男だった。青年と彼の話題には頻繁に哲学的な単語が並んだ。

彼は特に対人関係に問題があるというわけではなかったが、
時折酷く消極的な思考を見せることがあった。
これは青年も最近知ったことだ。
それ以外は問題もなく、寧ろ人好きのする人物ではないかと青年は感じていた。
そんな彼に比べれば、青年はよく言えば物事を理論立てする色を持ち合わせ、
悪く言えば理由付けの得意な屁理屈な人間だった。
勿論意見は噛み合った試しはなく、そんな二人が隣に居る不思議は周囲ばかりでなくお互いが感じていた。
要するに二人の間に限っては、うまく歯車が回っていたのだ。
だのに、今現在青年は、友人を一人失わんとしている。
青年に拒絶を示したのは彼の方からだ。

「…………仲違いの原因が俺にあるなら、話を聞かせてほしい。」

再び青年は乾いた唇を開いた。
喉から溢れた科白には焦燥が滲んでいて、青年は驚いたように目を見開いた。
可笑しな科白だ。
自分は、失い難いと感じている。彼を。
ハハ、と笑った青年に漸く片隅の影が動いた。
持ち上げた面は口を真一文字に結び、思いつめたように引き締まっている。

「原因?」
「そう、原因。改善なら、するさ。」

既に自棄のように言い放った青年を見つめている瞳が揺らめいた。
見る見るうちに表情が強張り、違うんだ、と怯えた目で首を振る。
いたいんだ。彼は、そう、呟いた。

「俺とじゃ、頭でも痛くなるって?」
「………そうだ、いや、頭だけじゃない、全部だ、全部、心臓もだ…」
「……それは、どうしようもないな。今、俺も同じだ。」
「…違う、違うんだ………。近くに居ると狂ってしまう、離れてみても、俺は狂いだしている。」

おまえをどこかにとじこめてしまいたい。
おまえをどうにかしてしまいたい。
おまえにふれるすべてがねたましい。

搾り出した声が、悲鳴じみていた。
青年が近寄ると、彼は怯えて頭を抱えた。
おかしい、おかしい、とうわ言のように繰り返して。

「病気だ、」
「何を、言ってるんだ。」
「俺は病気だ、病気だ、きっと頭の病気に違いない」
「……そもそも、病と言う捉え方は他との比較によって成り立つだろう。
それを病とするなら、全てのものは病だ。」
「さわるな、俺は、きっと病気だ。」
「そうだ、君は確かに病んでいる。熱病だ。そして俺も」

言ってから青年は自覚した。
もう既に遅い。
伸びてきた彼の腕を受け入れる準備は出来ている。
乱暴に引き倒されたときも、青年は抵抗しなかった。

知らず知らずにこの身は病に冒されていたのか?
しとしとと、雨に覆い隠されていく患者たちを誰が知るだろう。

ああ。
言ったのは八イネだ。
恋は既に狂気だと。

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