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佐武朗×部一

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                    |  癌画っていきまっ所為で佐武朗×部ー(佐部朗視点)
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  方言間違いかつ長文、中途半端スマソ
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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どうしてこの思いは届かないのか
どうしてこの思いは許されないのか
思いはすでに溢れてしまいそうで
今にも俺を飲み込んでしまいそう

「なぁ」
「ん?」
「何しとんのじゃ」
クラスメイトのいなくなった教室の中で、
俺は部活に行こうとする世ッキーを後ろから抱き締めた。
別に何をしようというのではない。
ただ一目惚れしたその顔を見ていると、自分の思いの報われなさが切なくて。
世ッキーは当然のように文句を言ってくる。
それに答えるわけにはいかず黙り込むと、
歯切れの悪い俺に世ッキーは振り向き不思議そうな顔をした。
「どないしたんじゃ、仲多佐武朗。お前おかしいぞ」
向けられる真っ直ぐな視線に俺は目を合わせる事が出来なくて逸らすと、
世ッキーは俺のそんな様子に一瞬眉間の皺を寄せたが、すぐに目を見開くと俺の顔に手を伸ばす。
その手を掴んで押さえ込むと、また世ッキーが眉を顰めて意外な言葉を発する。

「大丈夫か?」
意味が分からず首を傾げると、押さえられていないもう片方の手を額に添えられる。
熱い性格に似合わず冷たい手を心地よく思って、押さえている方の手を離すと、その手を掴まれる。
「お前、めっちゃ熱いで。熱あるみたいやし、帰った方がええんと」
世ッキーが言い終わらないうちに俺は世ッキーの体を引き寄せた。
もし熱のせいでこんなにネガティブなことを考えているのなら、
もし熱があると世ッキーに思われているのなら、
それに任せてどうかこのまま。
でも、世ッキーの「帰れ」という冷静な言葉と離れていった手に、ありもしないはずの希望が失望に変わる。
教室を出て行こうとする世ッキーに俯いていると、その足が止まった。
「…送ったるよ」
振り返らないまま呆れた口調に、俺は世ッキーの手を握り締めた。

市野村と幼馴染だという世ッキーの家からは随分遠いのだろう俺の家に、
世ッキーは自転車を押しながらついてきた。
普段なら家は大丈夫かとか、部活は良いのかとか、色々気を回す事も出来るのだが、
今日は頭の回転がどうも鈍くて難しい。
俺は世ッキーに荷物を預け、ゆっくり道を歩く。
まさかこんな日に世ッキーと二人で家路を歩くことになるとは思わなかった。
時折振り返ると会話が無いことが気まずいのか、世ッキーは視線を斜め下に向ける。
また歩き出すと後ろをゆっくりついてくる。
いつもは合わない歩調が、今日はぴったり揃っているのだけれど、
俺はそれに気付くことなく、自分の影を踏むよう歩いた。
やがて向こうに自分の家の門が見えてくる。
「ここでええから」
荷物を受け取ろうとすると、家の方向を指差される。
ふと見ると車が出て行くのが見えた。
どうやら家族が出かけたらしい。
それを知ると、世ッキーは部屋まで行くと言い出した。
変に責任なんて感じなくても良いのにと思いつつ、それを断る理由もないので、
俺は世ッキーを家に招きいれる。
部屋に着くとすぐにベッドに寝かされた。

「体温計どこ?」
「下の部屋入ってすぐの棚の上…」
世ッキーが出て行くと俺はこっそり起き上がった。
そんなに熱があるんだろうか。
首を傾げていると、階段を上がってくる音がする。
大急ぎで横になり布団をかけたところで、世ッキーが戻ってきた。
「ちゃんと寝とったか?」
「ああ」
咄嗟に嘘をつき「ホンマか?」という視線をかわすと、世ッキーから体温計を受け取り脇に挟み込む。
世ッキーはそれを確認すると床に座り、部屋を眺めている。
ふと本棚に目が止まったのか、そっちを凝視している。
「気になるなら見てもええけど」
そういうと遠慮がちに本を取り出してパラパラと捲る。
だが性に合わなかったのかすぐに戻して、また別の本を取り出す。
5冊ほど繰り返したころ、体温計のピピッという電子音が聞こえた。
取り出してみると38.1度の表示。
それを見た世ッキーも思わず溜め息をつく。
「こんな熱出して…」
夏なのにと言わんばかりの口調に肩を竦める。
世ッキーは立ち上がるともう一度下に降りていき、上がってきたときには手に氷嚢が握られていた。
「勝手したで」
首を振ると無表情のまま近付いてそれを俺の額の上に乗せる。
その冷たさが気持ちよくて自分の熱をようやく自覚する。
目を閉じると、世ッキーが床に座る気配がした。

そのまま眠ってしまったのだろうか。
窓から刺すはずの光はなく、氷嚢の氷は額から落ちてすでに溶け切っている。
それを手にゆっくり体を起こすと、ベッドに凭れかかって眠っている世ッキーが目に入った。
ベッドから降りてそっと近付き、顔を寄せる。
一瞬の躊躇いのあと、俺は瞼に口付けた。
唇を離すと世ッキーは少し呻いて、起こしてしまったかと冷や冷やするが、また寝息を立て始める。
俺は安堵すると、肩を叩いた。
「世ッキー」
「んん…起きたんか」
世ッキーは目を擦るもまだ眠いようで少しウトウトしている。
その無防備な様子に手を伸ばしかけて引っ込める。
もう一度目を擦りようやく目が覚めたのか、背を伸ばすと俺の額に手を当てる。
「まだ熱いな。もう少し寝とき」
そう言って俺をベッドにもう一度寝かせ、壁にかかった時計を見ると、大声を上げた。
「どないした?」
「もう8時まわっとうやん!!」
驚き戸惑う俺を他所に、
世ッキーは勢いよく立ち上がると鞄を掴んで扉を開ける。
「悪い。親心配するし、俺帰るわ。お大事にっ」
取り急ぎそれだけを伝えると、世ッキーは大急ぎで階段を下りていった。
しばらく呆然としていたが、ふと我に返って、俺は部屋を出て階段を2段飛ばしで駆け下りる。

家の戸を開けると大慌てで世ッキーが自転車の鍵を開けていた。
それに駆け寄って手を掴むと振り返った世ッキーはそれでも慌てた様子で「何?」と言う。
「今日は、ありがとう。めっちゃ嬉しかった」
「ああ、そら良かったな」
今出来る精一杯の笑顔をしてみせたが、全く俺を気にするそぶりも見せず、
世ッキーは籠に荷物を載せサドルに跨った。
相手の自覚がないにしても、ようやく持てた二人だけの時間なのに、
このまま終わってしまうなんて。
その焦りが生んだ行動にしては、あまりにも軽率だったとしか言いようがない。
俺は掴んだ世ッキーの手を引き寄せて唇に口付けた。
触れ合った瞬間頭の中が真っ白になって、手から力が抜ける。
世ッキーは唇が離れ手が開放されると、戸惑いながらも「じゃあ」と言って走り去っていった。
その後姿を見送った後、だんだん意識がはっきりしてきて、自分がやったことを自覚する。
俺はショックのあまり、そこに膝をつくと頭を抱える。
嫌いだと思われた。
気持ち悪いと思われた。
そうに違いない。
「何であんなこと…」
俺は落ち込むほか無かった。

仲多佐武朗の家からしばらく走ってきて、坂に差し掛かった頃。
席乃は自転車を止めた。
部屋の時計が8時をまわっているのと見て、大急ぎで外に出たけれど。
仲多佐武朗に手を掴まれて、それから─
思わず口元に手を当てた。
「え、ええっ」
一体何のつもりだというんだろう。
せっかく親切にしてやったのに。
女の子と付き合ったことが無いから、からかわれたのか?
その場で頭を抱え込む。
「何考えとんのじゃ、仲多佐武朗…」
三日月が空で笑っていた。

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