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月の光 杉本先生×男主人公

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                    |  サウンドノベルゲーム「M/O/O/NのLight」(英訳)
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄|  杉/本先生×男主人公…
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 | | |> PLAY.       | |              ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧    古い作品のうえマイナーですまないね
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |  *ネタバレしてます
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急いだ
とにかく早く
もつれそうになる自身の足
何とか転ばずに前へと進ませる
一歩一歩がこんなにもどかしいとは思わなかった
よくやく目的地へとたどり着いた時は上がる息を抑えられなくなっていた
一息飲む
上下する肩をなんとか抑え、震える手で扉を開いた

中は時間が時間なだけあって暗い
心臓の音がやけにうるさく響く
暗さに慣れない目を凝らして室内を見回す
噂の人体模型、窓際の水槽、黒板
順を追って見ていくが姿は見えなかった
その事実を受け入れられず、いつもあの人が居る場所を呆然と見つめてしまっていた
その時、黒板の前に揺れる白いもやが見えた
僕はすぐに理解した
コーヒーだ…、それも入れたての
後ろを振り返り開いたままだった扉を閉める
そして視線を前へと戻した瞬間、心臓が一つ大きく鳴った
「杉/本先生…」
そこには笑顔の杉/本が座っていた
その笑顔にこわばっていた肩の力が抜けた

ゆっくりと彼の方へ足を進める
「どうしたんですか?そんなに慌てて」
腰掛けたまま横に立つ僕にコーヒーを渡してくれる
側に置かれたコーヒーから香ばしい香りが鼻に届く
「あ・あの…、皆が…」
「はい」
「皆が貴方を知らないと…言うんです。そんな先生居ないって…。
違いますよね?先生はそこに居るんですよね?皆で僕をからかって…」
「先生」
僕がまくしたてるのを遮ったのはいつもと変わらない自分を呼ぶ声だった
軋む椅子から立ち上がり教壇に立つ
教室を見渡すその横顔を凝視する
表情が見たかった、今の問いを笑い飛ばして欲しかった
だが、杉/本の次の言葉は僕の目の前を真っ暗にさせるものだった
「気付かれたんですね」
「え…」
「皆さんの言う通りですよ、私を知らなくても当たり前ですよ。15年前に死んだ人間ですから」
「そんな…でも」
「はい、ここに居ます。でもそれはこの学校の何らかの力のせいです。
あなたも感じているんでしょう?ここの他とは違う空気を」
「…はい」
「私は目的があってここに来ました、誰も私には気付きませんでした。ですが、あなただけが私に気付いた」

振り向いて僕の目の前に来た杉/本を見上げる
教壇より一段低い床に立つ僕は彼が少し遠く見えた
暗闇に慣れた僕の目が見た彼は優しく笑っていた
「僕だけ…?なんで…」
「何故でしょうか、科学的に理論づけてみますか?」
その言葉に思わず吹き出した
科学や理論で行き詰まるといつも彼に頼って来た
この学校に来て一年の間当たり前の様に

「嬉しかったですよ、普通の人間みたいに話ができて。それに楽しかった。
先生は私の目的も達してくれそうですし。現に今学校には克/二が居ませんしね」
「え、岡/江/克/二と杉/本先生に何か関係があったんですか?」
「それは、またお話ししますよ」
「あ、良かった…またがあるんですね。いきなり居なくなってしまうのかと思ってました。
…いきなり僕の前から居なったりしないでくださいよ」
思わず段を登り彼の両腕を掴んで頼み込む様に言っていた
事実を知っても彼の事は怖くない
当たり前だ、今の今まで普通に接していたんだ
彼自身は何も変わっていない
突然怖くなりようがないじゃないか
だからこそ、居なくなって欲しくない

なぜなら―…なぜなら僕は…

「杉/本先生…僕は…」
見上げた視線が合わさりあう
「僕は……あなたが…」
続きの言葉は遮られた
彼の杉/本の唇に
冷たいそれが生者と違うという事を実感させる
だが口内をなぞる舌のお陰で上気した僕の体には心地良かった
「…ん…、…ふ・ぅ…」
崩れそうになる体を支えようと杉/本の背に腕を回す
腕から伝わる彼の冷たさ、それでも僕は構わない
彼がここに居るだけで
この部屋の扉を開けると笑顔で迎えてくれる
ただ、それだけで良かったのに

「先生…明日鐘/楼に来てください」
唇を離すと杉/本は言った
明日居なくなってしまうのだと僕は直感した
僕は嫌な予感だけ当たるんだ

一つ頷いて見上げると再び口付けを受けとめる
鐘/楼の事、学校の事
全て意識の外においやって
何も考えずに
僕は彼の冷たい体に身を委ねていた

次の日
杉/本先生は居なくなった
そうしたのは自分だ
だけど「また、お会いしましょう」そう笑顔で言った言葉が僕の中には残った

「…また、会いましょう。杉本先生…」
鐘/楼の下池を渡る風が紅葉を揺らし
呟いた僕の言葉を運んで行った

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                    |  ゲーム設定盛りだくさん
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 | __________  |    ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ ムダニナガクテスマソ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )
 | |                | |       ◇⊂    ) __
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