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君と追いかけっこ

某国民的殺人ラブコメアニメのFBI×公安と探偵×怪盗
表記揺れはわざとです
ナニモハジマラナイママオワッテシマッタorz

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

安室透にとってタイミングは最悪だと言わざるを得ない。
半年ぶりに逢う元・恋人の前で安室が別の人間と抱き合っていたからだ。
しかも顎に手をかけ今にも口づけを交わすかのような姿勢で―――。

例の国際的犯罪組織が摘発されてから2年、
一つの大きな悪が潰えたところでそれで終わりなわけではなく、
逮捕を免れた末端の小物たち、取って代わらんとする別の悪党どもの台頭、
そんな物の対応に各国の捜査期間はあわただしく動き続けていた。
日本に集結していた各国のエージェントは解決後、
時期の差こそあれ皆自国に帰って行った。
一番長く残っていたのはFBIで、彼らは『あの方』と呼ばれた組織の首領が
逮捕されてから一年間日本の公安と共同捜査を行っていた。
その一年の間にFBI捜査官赤井秀一と日本の警察庁降谷零の関係は目まぐるしく変化した。
あの事件の真相は捜査中にとっくに知れていた。
降谷がそれを知った時、絶望し、怒り、後悔し、ぶつけようのない感情を持て余して一時期はボロボロだった。
赤井をただ憎めば良かった頃は憎しみが体を動かす糧だった。
しかし真相を知ってしまえばそれはただの八つ当たりだ。赤井が故意にそうさせていたともいう。
降谷の優れた頭脳は冷静に赤井は悪くないと告げていたし、同時に情報を隠匿し、
検討違いの感情を植え付けた男を許すなとも喚いていた。
整理できない感情に翻弄されて任務に支障をきたすなどあってはならない。
だから降谷はFBIを含む各国と協調しての捜査を余儀なくされる状況に直面した際、
『安室透』のパーソナリティを全面的に利用することに決めた。
安室透の設定は明るく、したたかで、切り替えが早く、恨みつらみを引きずらない。
安室の仮面は便利で、あんなにどんな顔をして会えばとさんざん悩んでいた男にも、
ニコニコとフレンドリーに話しかけることが出来た。
うぬぼれではなく、組織の検挙には赤井と安室との連携が大きく貢献したのだ。
そうして見事因縁の組織を潰し、満身創痍ながらも五体満足で生き残れたことに感謝しながら、
沸き立つ捜査員たちから少し離れて立っていいた安室の元に近寄ってきた赤井に、
安室は「お疲れ様」と笑って左手を差し出した。
その手には目もくれず、赤井は安室の目を見つめたまま告げた。
「降谷君、あの件について君の怒りは正当だ。その怒りを隠す必要はもうない」
その言葉を聞いた瞬間、降谷は目の前が真っ赤に染まり気づけば渾身の力を振り絞って赤井を殴りつけていた。
検挙作戦において主力を担った赤井はぎりぎりの状態だったのか殴られて意識を失った。
そして殴った安室もまた同様に限界だったところに全力を振り絞った為、なけなしの体力を失い意識を手放したのだった。

赤井秀一が次に目を覚ました時、目に入ったのは白い天井だった。
目を開けて一番に見るものがあの青い瞳だったらいいのにと思っていた心があからさまにがっかりした。
軽く体を起こし、周囲の様子を観察する。
予想通りそこは病院で、枕元に置かれた時計によると記憶にある日の翌日の午前4時。
約6時間寝ていたことになる。
身体の傷はすべて手当され(もともと軽傷だ)、痛むのは降谷に殴られた頬のみ。
(ああしかし―――、久しぶりに見た)
殴られる直前の男の顔を思い出す。
にこにこした好青年の顔の裏に隠されていた、強い意志を宿した瞳と決意に結ばれた口元。
そして自分だけに宿す怒りと憎悪。
例の件が降谷の知る所となって以来、隠されてしまった感情を引き出せたことに赤井は満足げに笑った。
赤井があの件をずっと黙っていたのは、降谷を苦しめたいわけでも、悲しませたいわけでもなかった。
己のミスで死なせた、ただそれだけのことだったからだ。
だがバーボンが死んだ男と同じ日本警察の降谷零だったことや男と幼馴染だったことを知った時も、
真実を告げようとは思わなかった。
降谷が何者であろうと、認識は変わらない。ただ己のミスで彼の知己を死なせたことは謝るべきだとは思った。
「あなたって、頭もいいし状況判断能力は高いのに、人の心の機微は読めないわね」とは、
かつて利用した女の妹ー灰原哀ーの談だ。姉にも似たようなことを言われた。
降谷があの件の真実に到達し、安室の仮面を外さなくなって相談した際そう断じられた。
「彼の気持ち、私は想像できるわよ。似たような立場だもの私たち」
現在の外見に似合わぬ大人びた哀愁を漂わせぽつりとつぶやく。
「悲しみを誰かのせいにして憎むことでやり過ごそうとしても、自分の非から目をそらすことだってやっぱり出来ないもの。
お姉ちゃんが死んだのはお姉ちゃんが愚かな選択をしたからだわ。
でもその選択をしたのは私の存在があったから。庇ってくれなくていいわ、単なる事実だもの」
この件についても赤井は何度も灰原に自分に原因があると言った。
スパイに利用されたから粛清されたのだと。
しかし灰原は頑として認めなかった。姉が死んだのは姉が組織の愚かな策略に乗ったため。
策略に乗ってしまったのは自分のためだと。
少しはあなたのせいもあるかもね、とクスリと笑った少女はすでに自分の中で整理がついたのだと伺えた。
「あなたは何度同じ間違いを繰り返すのかしら?自分が悪い、そういって自己犠牲に酔っていればあなたは気持ちいいかもしれないわね」
死んだ人間と、ミスをした男と、死んだ人間が守りたかった者(引き金を引かせた者)。
ああ確かに同じだと自分の愚かさを認識したときには、降谷は安室となっていた。

赤井は降谷が負うべき荷物さえ奪い取って、起こったことを整理する機会さえ与えなかった。
結果がこれだ。
やり直さなければならないと思い続けたが安室のガードは固く、とうとう得られた瞬間がすべてが解決したときだったのだ。
しかし赤井は成功した。
隠れつづけていた降谷零を引きずりだしたのだ。
気を失ってしまったのは失態だが、彼が再び安室に戻ってしまう前に話を付けなければ。どうせ彼もここにいるだろう。
赤井はベッドから抜け出すと、降谷の病室を探してまずはナースステーションに向かった。
その後降谷が目を覚ますまで枕元にいた赤井が意識を取り戻した降谷と再度ひと悶着を起こし、
それでも赤井が諦めず話し合いを重ね、とうとう涙をこぼした降谷を抱き込んでそのまま二人で眠ってしまった姿が
見舞に来た部下たちに発見され、散々こじれた因縁はあっけなく解けてしまった。
以降職場復帰した降谷の元に夕食に誘う赤井何度もが警察庁で目撃されるようになり、
気の置けない友人となったのち、その場のノリと勢いで二人は恋人となった。
その半年後、赤井はアメリカへと帰り遠距離恋愛となる。

最初の1か月は週に2回あった連絡が月に3回となり、一回となり、二か月に1回となって、
半年前から音信不通となった。
ああ、遠距離なんてこんなもんだよなと痛む胸に蓋をして、
安室は訳知り顔で赤井の電話番号をプライベートの端末から消した。

さてそれが半年前のこと。
今、自然消滅したはずの降谷の元恋人赤井秀一が目の前におり、鬼の形相で安室を睨みつけている。
ここはかつて身分を隠して働いた喫茶店ポアロで、安室はとある事情の為に再びここで単発のバイトをしていた。
安室の腕の中には12歳年下の『ちょっとした知り合い』が顎を掬い上げられたまま、
安室と同じく赤井を見て顔をひきつらせて硬直している。
「め、めーたんてー……」
いや違う。彼は赤井を見ていたわけではなかった。
「よぉバ快斗。白昼堂々いちゃつくとは良いご身分だな?」
赤井の陰には日本警察の救世主、平成のシャーロックホームズと呼ばれる東の名探偵工藤新一が、
にこやかにほほ笑みながら怒りをあらわにするという器用な表情を浮かべ佇んでいた。

話は少し遡る。
工藤新一は羽田の国際線到着ロビーにいた。
「あっ赤井さん、こっちです!」
「やぁボウヤ、久しぶりだな」
声を上げた工藤の元に黒尽くめの男が近づいいてくる。
すらりと高い背に、がっしりとした肩幅、長い足を持て余すことなく無駄のない所作で歩く男の名は、
周囲(特に女性)の目線を集めながら全く気にすることなく軽く手を上げた。
「お変わりなさそうですね」
ちらりとトレードマークのニット帽に目をやりながら工藤は言う。
「ボウヤは……でかくなったな」
「あー、それ、もうやめてくださいよ」
ボウヤっていうのも。工藤と顔を合わせる度お決まりになったやり取りに赤井は日本に帰ってきたことを実感する。
「荷物それだけですか?随分と身軽ですね。せっかく車で来たのに」
「免許を取ったのか。では今日はあれで来たのか?」
「スバルの方ですよ。初心者にマスタング運転しろとか無茶言わないでください」
赤井が日本にいた頃乗り回していたフォードとスバルは日本を撤退する際、世話になった手間賃替わりにと工藤に譲った。
現場に行くには足があった方が良いので工藤は素直に受け取ったが、後で価格を知って卒倒しかけた。
人に簡単に譲る車ではない。
「でかい車の方が女受けはいいがな……。ああ、ボウヤにはそういう意味でもむようだったか」
軽口を叩き合いながら駐車場に停車していた車に乗り込む。自分が乗り回していた頃は煙草の匂いが染みついていたが、
今は取り付けられたディフューザーから発散されるかすかな花の香りで満ちている。
大方、誰か気の利く人物からの免許取得祝いといったところか。
「からかわないでくださいよ。……赤井さん、今回はお仕事での来日ですよね」
「ああ、怪盗キッド……奴の狙っている宝石にちょっと野暮用があってな」
「俺も今回捜査協力の依頼来てるんで、お手伝いできますよ」
「それは心強いな。だがまずは一息つきたい。降谷君の家まで頼めるか?」
当然のように恋人の名を出せば、ぴたりと工藤の動きが止まる。
ギギギ……と油の切れた機械人形のようにぎこちなくこちらを向き直った
「あ、赤井さん。今回の来日、安室さんに知らせてません、よね?」
おや、と赤井は工藤の言葉に引っかかる。
赤井の恋人の降谷はことは、工藤ももちろん知っている。
もろもろ終わった後は安室ではなく降谷と呼んでいたはずだ。
と、いうことは……。
「降谷君は今また潜入中か。通りで連絡がつかないはずだ」
「あ、一応連絡はしたんですね」
「ああ、だが番号が変更されていた。ボウヤは彼の新しい番号を知っているか?」
「俺も教えてもらってないですよ。でも、その態度は赤井さん、知らないんですね」
「うん?彼の新しい番号は知らないぞ」
「じゃなくって、あむ……降谷さん、赤井さんと別れたと思ってますよ」
A bolt from the bule。晴天の霹靂。寝耳に水。藪から棒。
工藤の言葉は赤井の灰色の脳細胞を停止させるに充分だった。
工藤は何といった?降谷が俺と別れたと思ってるって?なぜそんな結論になる?
初めて見る赤井の様子に工藤もまた驚いていた。
「えーと、とりあえず、なんか認識の相違があるみたいなんで、安室さんに会います?」
「居場所を知っているのか!」
がばりと工藤に詰め寄った赤井の必死の形相と言ったら!!
今日はびっくりすることばっかだななんてノンビリと考えてながら工藤は車を走らせ米花町に向かう。
まさかそこで自分の意中の人が尊敬する大人に迫られている様子を目にするなんて思いもしないまま。

赤井の恋人(安室の認識によると元恋人)安室と、名探偵工藤新一の目下の標的、想い人黒羽快斗のラブシーンは、
かつてシルバーブレットと呼ばれた二人にまともな思考をする能力を奪うに十分だった。
抜身のナイフのような視線が二組。
安室と黒羽は一瞬目を交わすと言葉もなく示し合せ、脱兎のごとく裏口に駈け出した。
「「まて!!」」
シルバーブレッツの声が重なる。
だが二人は決して振り向かない。
一瞬でも気を抜けばすぐに捕まる、そういう油断のならない相手であることは、二人は身をもってよく知っているからだ。
安室が走りながら目線を黒羽にやる。
黒羽はすぐ、安室の手が動いていることに気づいた。
人差し指、中指、薬指を立て、ぐっと握る。次に小指以外を全て立て、親指と人差し指を立て、……。
数字の羅列を示していると理解した黒羽は、一つうなずきすぐに安室とは別の方向に駈け出した。
「ちっ逃げられたか」
ガラも悪く赤井が吐き捨てる。
工藤はとっさに黒羽につけた発信機を追っていたが移動スピードから途中で気づけれ車にでも付け替えられたことを悟りやはり舌打ちする。
「赤井さん」「ボウヤ」
同じタイミングで声を掛け、再び二人の声が重なった。
「「絶対に捕まえるぞ」」
かくして、シルバーブレット対白い夜の住人の追いかけっこの火ぶたは切って落とされた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

数字gdgdですみません8/8で最後です
スレ汚し失礼致しました

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