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おとなげないおとな

久しぶりに投下したいと思います。
毛探偵でヤクザ×白い人です。
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 例によって。本当は例によってなどとは言いたくないが、毎度のことなので仕方がない。
 例によって、送られてきたメールに添付されていた画像は、鉄謙だった。
 送り主は蔵見虎泰だ。
 子どもが学習していないのか、大人が大人気ないのか。その両方だろうと思いながら、大矢太郎は深い深い溜息をついた。

「あ? あんた一人なのか」
 蔵見に指定されたマンションの一室に着いたとき、そこには蔵見しかいなかった。この大人が悪戯を仕掛けるとき大抵赤毛の探偵が一緒にいるものだから、今回もそうだとばかり思っていたのだ。
「うん、俺だけ。安心しなよ、約束どおり鉄謙はちゃんと返してあげるからさ」
「鉄謙はどこへやった」
 大矢の眼光が鋭く光る。蔵見は、おお怖い怖い、と肩を竦めた。
「無事だよ」
 送られてきた写真の鉄謙は、二人の探偵助手と一緒に街でクレープを食べていた。いつ撮られたものかはわからないが、その時点では確かに無事だっただろう。
「……それで?」
「そろそろね、俺も腹に据えかねてるんだ。あいつ本当に学習しないから」
 ぐっと蔵見の顔が近づく。眉間に皺を寄せた大矢の顔に怯えの色が走った。
「いい顔、するよねぇ。ちゃんと躾とかなきゃ駄目だよ」
「……とばっちりか」
「そうとも言う」
 悪いけど付き合ってもらうよ、と、まるで悪びれない顔で蔵見は言った。

「どうしても駄目だったら駄目って言いな」
 連れ込まれた寝室で、大きなベッドに押し倒され、大矢は蔵見を見上げていた。ご丁寧に両手が頭上でベッドの柵につながれている。さすがこういう設備も整っているのか、と半ば現実逃避のような思考が頭をよぎる。
「なにも殺したいわけじゃないからさ。リラックスリラックス」
 できるか! と叫びたい気持ちでいっぱいだった。ヤのつく職業の人間にベッドに括られて、リラックスできる人間がいたらお目にかかりたい。
「……なんで鎖なんて」
「だって腕力じゃ俺かなわないだろ。もう全盛期は過ぎたし」
「……はあ」
「大丈夫、武器は今持ってないから」
 蔵見が両手を振ってみせる。今着ているものは飾り気のない半袖のシャツで、確かに何か隠し持っていたりはしそうにはなかった。とはいえ、この部屋のどこかに隠されていない保障はないが。
「相変わらずいい体だ。うらやましいよ」
 蔵見の手が大矢のTシャツの裾から入り込み、腹筋の形を確かめるように撫で回す。緊張を隠せず、腹筋が引きつった。
「そう怯えるなって、いじめたくなっちゃうだろ」
 既にいじめなのではないだろうか。そうは言いつつも蔵見は大矢のベルトを外し、ジーンズの金具を開き、片足ずつ抜かせた。
「脚も長いね。嫌になっちゃう」
 くるぶしに唇を落とされ、半ば反射的に自分の足を取り返そうと力がこもる。それを予想していたのか、蔵見は大矢の足を両腕でがっちりと抱え込んで放さなかった。
「暴れるなよ」
 足を脇に抱えられたまま、下着に手がかかる。大矢は強く奥歯を噛み締めた。

 体内を探られる違和感に、大矢は自分を縛る鎖を掴んで耐えていた。物理的な気持ち悪さのせいか、子どもの時分に植えつけられたトラウマのせいか、額には脂汗が浮いている。それを勘案するでもなく、蔵見は自分のペースで大矢を暴いていく。
「ギブアップしないんだ?」
「……するか」
 浅い呼吸の合間からつとめて低い声で返され、蔵見が楽しそうに笑みを浮かべる。ローションを瓶から手に取り、さらにそこへ塗りこんだ。
「じゃあ、遠慮しないよ?」
 スラックスの前立てから現れたそれに、大矢は呆れと怯えがない交ぜになった視線を向けた。
「……マジか」
「マジさ」
 本当に遠慮せず、蔵見は大矢にそれを押し当てた。暴れられないよう太腿をがっちり押さえ込んでいるあたり、手馴れていて始末が悪い。そのままゆっくりと押し込まれる。
「……っぅ……」
 荒くなる呼吸の合間から、声になる前の音がほんの少しこぼれる。楽しそうな蔵見の様子が腹立たしい。これ以上見ていられなくなり、大矢は目を伏せた。
「……痛くない?」
 気持ち悪い。が、痛くはない。浅く頷いたのに満足したらしい蔵見は少しずつ腰を進めた。ひどい圧迫感にさいなまれ、大矢の奥歯がぎりりと鳴る。
「ほら、息して」
 気づかないうちに呼吸を詰めていたらしい。大矢が意識して息を吐き出すと、体の緊張が少しゆるんだところを見計らって蔵見がさらに深く入り込んできた。
「っ……!」
 目を閉じたのは失敗だったかもしれない。蔵見の動きが逐一意識に上ってくる。握った鎖がぎしぎしと軋んだ音をたてる。蔵見は少し身を引き、また奥へ進むことを何度か繰り返している。
 突然、大矢は背筋に電流が走ったような感覚を覚え、驚いてとっさに蔵見を見上げた。蔵見が少しの驚きをもって見返してくる。次いで、にやりと口元を歪ませた。
「ここか。いいね、素質あるよ」
「……っ、ま、待て!」
 もう一度同じ箇所を刺激され、慌てて制止する。駄目なら言えと言っていたとおり、蔵見は制止に応えて動きを止めた。
 ほっとしたのもつかの間、体内の蔵見は神経の束の真上に居座っている。動きが止まった分その存在を明瞭に感じてしまい、大矢はうろたえた。このままというわけにはいかない。自分も。
「……もう、いいかい?」
 じわじわと体内の熱に蝕まれる大矢の変化を見て取り、蔵見は声をかけた。言うまで待ってもいいが、さすがにそこまではいじめすぎだろう。案の定、眉間に深く皺を寄せて、ひどく不本意そうな表情で、大矢はかすかに頷いた。

 終わるやいなや鎖を解かれ、広い風呂場に放り込まれた大矢が遠慮なく湯を使って上がると、脱いだはずの服はそこになく、代わりに新品の服が置かれていた。
 何故かサイズぴったりの服を着込んで部屋に戻った大矢に、蔵見は未開封のペットボトルを投げてよこした。危なげなくキャッチし、念のため注意深く点検してから開封する。
「悪かったな、お前さんが強情だからってちょっとやりすぎた」
「……鉄謙は」
 低く唸った大矢の声は枯れていた。大声を出したわけではなかったが、声というものは殺し続けても枯れるものらしい。ペットボトルの中身の匂いを嗅いでから慎重に口をつける。どうやらただのスポーツドリンクのようだ。
「大丈夫、無事だよ」
 蔵見が自分の携帯を開いて大矢に見せる。画面には、金髪の探偵助手が自撮りしたらしい写真が映っていた。鉄謙と黒髪の助手も一緒に写っている。三人ともクレープを食べていた写真と同じ服装だ。
 大矢が携帯を操作して写真のタイムスタンプを確認すると、つい30分ほど前の時刻が記録されていた。
「助手くんにお小遣いをあげて、一緒に遊んでおいでって言っただけさ。写真の送信は頼んだけどね」
 この上なく複雑そうな顔で、大矢は写真を見つめていた。やがて、深い溜息とともに肩を落とす。
「……まぁ、半分は俺の落ち度だ」
 ギブアップは促されていた。部屋を見回すと、大矢が来たときに着ていた服が紙袋に入れられているのを見つけた。
「これはもらっていいんだな」
 律儀に新しい服について確認を取る大矢に、蔵見はどうぞ、と頷いた。詫びのつもりでもないが、やりすぎた自覚はあった。
「送ろうか?」
「願い下げだ」
 荒々しい音を立てて玄関のドアが閉まる。一人部屋に残った蔵見は楽しそうに笑った。
「さーて、次は直接お願いしようかな」
 寝室の引き出しにはカメラが仕込んであった。

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以上です。蔵タロ書きたくてしょうがなくなってたけど、出すところなくて困ってました。
ここが残っていて本当によかったです。

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