真夜中シャチョ室
更新日: 2011-05-01 (日) 20:40:16
ダークなアイランド続いたんでついでに初投下。
AA入れるとずれるんで略します。
(・∀・)<チラシの裏自家発電なうえに、縞尾←紙屋
(・∀・)<得ろいシーン全然なくて、温くてスマヌ
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「・・・・・・お世話になります」
頭を下げた紙屋を、眉一つ動かすことなく縞尾は見ていた。
ゾクリ、と背中を駆け上がる、力のある目。
PCからの明かりに照らされた双眸は、
紙屋の心の中の動揺を正確に射抜いている。
ひどく居心地が悪くて、紙屋は思わず苦笑した。
「私が、信じられないですか?」
「・・・・・・今までの紙屋さんなら、僕の弱みでも握ろうとなさるのでは?」
本当ならそうだった。
このまま、高屋凪以外にこの社長のいすに座るとすれば、それは自分こそふさわしい。
その椅子を誰かが奪うなら、自分が奪い返す。
そう思っていたことは事実だった。
しかし、高屋凪の手腕を受け継ぎ、全てを得たのはこの男だった。
紙屋にとって、かれは取るに足らない存在だったのに。
気がつけば縞尾は紙屋をはるかに追い越していた。
「僕は、強い男が好きなんです」
その言葉に、初めて縞尾が感情をあらわにした。
それは、、、侮蔑だった。実際は口片をあげただけだったが。
「・・・・・・どこかで聞いた台詞ですね」
「事実ですから。お疑いでしたら、跪いて靴にキスでもしましょうか?」
机の反対へ回り込み、膝を折った。
紙屋より一回り小さな縞尾は、あの人が座っていた椅子には少し余裕があるようだった。
膝をつき、見上げた縞尾は静かに、右手を差し出す。
そのほっそりとした手に、紙屋は手を添えて口付けた。
「・・・・・・こういうのは、ビジネスには必要ないでしょう」
見下ろしたままの縞尾の声。
「ええ。でも、貴方への忠誠を示すということでは必要でした」
もう、この男は同列の存在ではないのだ。
それを証明するための、パフォーマンス。
ともに酒を飲み交わすような中ではなく、付き従う関係。
それはもう、紙屋にとっては高屋凪と同列だった。
静かに手を払うと、無言のまま、縞尾は部屋を出て行った。
PCからの明かりが、部屋にぼんやりと浮かんでいる。
ぱた、ぱた、と床に落ちる水滴の音で、
紙屋は自分が泣いていることに気づいた。
「なんだ、コレ・・・・・・」
嬉しいのか?
それとも、悲しいのか?
だとしたら何が悲しいのか?
心酔していた高屋凪社長の失脚が?
自分さえ変えたあの鱸縞尾の変貌振りが?
行きつけの店で正体なく飲める貴重な仲間だった鱸縞尾。
見る見るうちに実力を現していった鱸縞尾。
ついには取締役となり、自分と肩を並べた鱸縞尾。
なのに、紙屋にもう、鱸縞尾は笑いかけることはないのだ。
会社を去っていった、あの神のように父のように、
紙屋の上に君臨し続けた人はいまや社長でもなく上司でもなく、「ただの人」だった。
あの人の、今はないアグレッシブなオーラ。
何かを狙う、あの瞳。マネーゲームに勝利する冷静な頭脳。
その隣にたつのは誰でもない、そう、奈菜身でもあの人自身でもない。
紙屋の主は今日から名実ともに縞尾になった。
それをためらう必要などないのだ。
あの人は、体以外の全てを縞尾に渡してしまったのだから。
本当の鱸縞尾を、奪って言ったのは。
「―――――――っ!」
防音の社長室からは、何の音も漏れてこないのだった。
□ STOP
先週のラストみて萌え上がり自家発電してたものです。
モナーにアイランドたくさん投下されていたので
ついでに投下してみました。
長すぎで拙い上に萌えが足りないようです。
もうちょっと精進したいと思います。
ありがとうございました。
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