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イノクビ→シヅヤ

(・∀・)<Vシネ版、シズカなるドソの側近→総/長です。

(・∀・)<究明平等3の慰曲長中の人萌えが転じて、このザマなのさ。

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今夜は月が綺麗だ。
イノクビは洗い立ての髪をタオルで乾かしながら、窓の外を見上げる。
「綺麗だなー……あ」
思わず声が出て、はっとした。
「んー……」
誰もいないのは分かってるのに、恥ずかしさが込み上げタオルで顔をゴシゴシと拭く。
ひとしきり空を眺めた後で部屋の戸を開けたイノクビは、我が目を疑った。
「若……」
見慣れた布団の上……そこには、シヅヤが座っていた。
「なんで……」
「あ…イノクビごめん。眠れなくて」
「は?」
「一緒に寝ていいかなぁ」
突然の申し出に目をぱちくりさせているイノクビを尻目に、シヅヤはそそくさと布団に入っていく。
「ほら、イノクビも。寝ないの?」
「……はぁ…」
失礼します、とイノクビも遠慮がちにシヅヤの隣に身を横たえた。

「こうしてイノクビと寝るのって、いつぶりだろう」
「さぁ……若が小さかった頃以来じゃないですかねぇ」
「昔は、よくこうして添い寝してもらってたな。ほら、雷が鳴った夜とかさぁ…」
饒舌に話すシヅヤはとても楽しそうで、イノクビもつられて微笑んでしまう。
今夜は月明かりが眩しいから、ニコニコ笑っているシヅヤの表情がよく見えるのだ。
「…………どしたのイノクビ、ニヤニヤして」
「……あ、いえ。ただ…幸せだなーなんて……その……」
「幸せ?」
あぁ、自分は何を言ってるんだろう。
恥ずかしさに思わずシヅヤから目をそらし、天井を見つめるイノクビの頬は少し火照っていた。
「イノクビ」
「はい?」
ふいに、シヅヤの顔がイノクビの胸元に沈んだ。

「わ、若?!」
「オレの幸せって、何なんだろう」
ぽつりと呟いたシヅヤの顔からは、先程の楽しそうな表情は消えていた。
「ヤクザと、サラリーマン……どちらが本当の幸せに繋がるんだろうか」
「それは……」
胸元に感じる、シヅヤの温もり。
思わず抱きしめてしまいそうになるのを堪えて、イノクビはゆっくり口を開く。
「私はどちらの若も…」
好きです、と言いかけてイノクビは言葉を止めた。
その台詞は、いつかアキノさんが言うべき物だろう。
そう自分に言い聞かせ、もう一度言葉を選ぶ。
「どちらの若も、輝いて見えます」
「………」
シヅヤが、ゆっくり顔をあげた。
「優しいんだね、イノクビは」
月明かりに浮かんだシヅヤの瞳は、力強く澄んでいて。
眩しく見えたのは、月明かりのせいだけじゃないだろう。

「ありがとう、イノクビ。お前がいてくれて、本当に良かった」
「若……私は…」

貴方が好きなんです。
こんなにも貴方が愛しいんです。
思い切り抱きしめてあげたいんです。
でも、この想いは口に出してはいけないんです。

アキノさんを前にして、若はいつもこんな気持ちでいるのだろうな。
そう考えてイノクビは、ぎゅっと目を閉じた。
「……すみません………」「ん…何が?」

──許してください。

イノクビはシヅヤに気付かれぬ様、そっと髪に口付けをした。
ふわりと鼻先をくすぐる、自分と同じシャンプーの香り。
それは至極当然の事なのだが、今夜ばかりは気恥ずかしかった。

「んー…なんか眠くなってきちゃった」
「あ…」
シヅヤの言葉で我に帰り時計を見ると、既に時間は1時を回っていた。
もう、寝なくては。
シヅヤが風邪を引かない様、イノクビはきちんと肩まで布団をかけさせる。
昔と変わらないその優しさに、シヅヤは嬉しそうに目を閉じた。
「じゃあ、おやすみなさい」
「おやすみ、イノクビ…」

良い夢を。
どうか、良い夢を。
貴方の幸せは、必ず私が守りますから。

「……若」

大好きです。

□STOP
(・∀・)<ちなみに側近は、総/長さんより20才年上なんだって。
朝っぱらから、お目汚しスマソ!!


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