Top/69-102

nameless

済みませんが、代行の方がいらっしゃるまで投下させてください。

・ナマ物注意:アメ/プロ、ドク蛇×シロ鮫 なりゆきお初
・自家発電用
・ニワカ・初心者です。キャラ崩壊上等
全12レス予定です。まず最初6レス投下します。残りは様子を見て。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

力が抜けた体は重い。
ただでさえ俺より重い体は眠り込んで脱力している。
持ち上げられない事はもちろんないが、手に負えないものがある。
行為の熱が去った彼の体はあいも変わらず死骸のように白く、さっきまでの熱情はどこへ行ったのかと思わせるほどだ。
熱情……何故あんなことになったのか?
彼は荒れていて、俺はそこへ興味を持って。なりゆきに過ぎない。ただそれだけのはずだ。
彼は満たされない想いに苛立っていた。

何があったのかはわからない。だがホテルの通路で出会った彼は荒れていた。
見るからにおかしい様子をからかって声をかけたが、その言葉のうちの何かがが気に入らなかったのか、怒りの色を表して絡んできたのだった。
口調ははっきりしていたし、足元がふらついていたという事もないが、漂うアルコールのにおいといい、明らかに酒が入っている様子だった。
彼は酒には強かったはずだ。取り乱すほど心を荒らす何かがあったということなのだろう。
俺たちのようなものが公共の場所で事を構えるわけにはいかない。
面倒を起こす前にととりあえず俺の部屋に招き入れると、彼は思ったより素直に従った。
しかしドアを閉めるなりまた大声で何やら怒鳴りつけ始めた。
いつもより異国のアクセントのきつくなっている荒い口調が注意を引く。
「俺があの人に体を売ってるとでも思ってんだろう?残念ながらそんなことはねぇんだよ」
「は?」
酔っ払いに耳を貸すつもりはなかったが、とっさに聞き返さずにはいられなかった。
だが察しはついていた。彼とその人物が親密なのは確かで、そのようなことがまことしやかにささやかれているのを、俺も知っていた。真偽には全く興味はなかったが。
数秒の後、彼は釣り上げていた眉を驚くほど下げて、傷ついた表情を作った。
その変わりようは、なんというか痛々しいほどだった。
「あの人は好意を持っていてくれてんだろう。でも意味はないんだ。俺がそれ以上を望んでしまったから」
頭を抱えて彼はソファへ倒れるように座り込んだ。
うわさ通り、と言うよりは、真剣に恋……をしているというのか。
手に入る立場でない男に、かなわない恋を。
こんな姿を見るのは初めて、というよりただ意外だった。
誰しも弱い姿を好んで晒すはずもない世界で、この男がこれほど赤裸々に語るとは。

赤いひげに囲まれた青白い頬が、グレーのシャツに包まれた肩が、震える。
筋肉付きの良いたくましい体が不思議に小さく見える。
「あの人は守るものが多い。踏み込む場所を間違えない。俺には触れない」
震える声ながらずいぶん口が滑るものだ。記憶が残っていれば明日後悔するだろう。
俺は半ばあきれたような気持ちで見下ろしながら、からかうように口を挟んだ。
「キスでさえか?」
彼は顔を上げた。
返った言葉はあくまでも大真面目で、俺は軽い気持ちで声をかけたのを後悔した。
「キスさえもだ。俺が望んでも……」
苦しげに、まるで思い描くかのように彼は目を閉じた。
カーブを描く淡い色のまつ毛が震えている。
激情に耐えかねた表情が、上向きの顔の角度と閉じた瞼のせいか、まるでキスを待つように見えた。
震える唇が軽く開いて吐息が漏れ……
ふと気づけば、何故だか俺が口づけていた。
ビールなのか、アルコールの匂いが鼻についた。
彼は一瞬びくりと震え、俺の舌先に無防備な舌が触れた。
そのまま舌を進めて絡めてしまってから、初めて俺は我に返った。
なんでこいつとキスなんて……
だが一瞬の戸惑いはそれ以上どんな思考にも変化しなかった。
するり、と彼の舌が動き、俺の舌に絡まりかえしてきたのだった。
誘われる思いで、俺は彼の口中を探り、唇を吸い、何度も舌を絡めていった。
口元に触れるひげの感触が、いったい誰とキスをしているのか確実に思い出させるというのに、やめる気にはなれなかった。
こいつ、上手い。
彼のほうもおそらく同じように思っていたのだろう。そうでなければ何故。
息苦しくなって唇を離した後……彼はぎゅっと閉じていた目を驚いたように開いた。
また傷ついた表情になると、ため息をついて下を向いた。
叶わぬ恋の話と唐突なキスと。
俺の胸には名前のない奇妙な感情が渦巻いていて、何をどう弁解したものか答えは出ない。
どうしてこんなことに?
この時になって、手に彼の肩の感触が不思議によみがえってきた。

長く息をつく気配がした。
うつむいたまま、「あんたは本当に毒蛇みたいだ」ぼんやりとした声で彼が言った。
やはり酔っているのか、勢いなのか、自棄なのか?
ゆっくりと彼は顔を上げた。とろんとした目が見上げている。
「毒が回る」
ゆらりと彼の身体が前に崩れ、思わず抱きかかえていた。
[っ……」俺はぐい、と身体を押し返す。
「……悪い」彼は緩慢な動作で座り直そうとしている。
だが、俺の中に残された熱は消えそうになかった。
手に残った彼の体の感触が、キスの熱が。

こんなたわいないことで火がついてしまうものなのか?
俺は自分の行動を怪しんだ。まるで別人のように体は行動を続けていく。
俺も確かに酒が入ってはいた。かといって酔っているというほどではなかったはずだ。
量も、体調も。
だが、確かに理性を狂わせる何かが……
激しく唇を合わせながら、俺は彼の腕を掴んで引きずっていき、体をベッドへ押し付けていた。
貪るように舌を絡めると、柔らかな舌の感触が心地いい。
歯列をなぞり、舌先で口内を辿り、反応のあった部分を執拗に追い詰めていく。
息は激しくなる。
時折、切ないような彼の吐息が漏れるのを聞きながら、俺は引き返せない自分に少しの焦りを覚えている。
頭の上で押さえた彼の右腕は、抵抗の感触を残しながらもそれ以上の力は見せないように思えた。
そのまま強引に彼のシャツをたくし上げる。
「――!」
胸をあらわにする動きを止めようとしたのか、彼は自由の利く片腕で俺の肩を掴むが、やはり力は弱い。
毒だと言われた。
押し倒されたまま深いキスを受け、満足な抵抗もできない彼は、今も毒に侵されているというのだろうか。
では、俺は?何故止まろうとしないんだろう。
両の腕の抵抗を抑えながらシャツを頭上にまでずらし、拘束するように引っかけた。
一つにまとまった腕に用心しながら、あらわになった胸を、腹筋の起伏を撫でまわしていく。

かすかに漂う粉っぽい甘い香りは日焼け止めのものだろうか。
今までになく間近の視界では、白い肌にかすかなそばかすや傷跡、打撲の跡が目につく。
それでも見なれた肌はやはり驚くほどに白く、筋肉の十分ついた胸板はそれでいて柔らかい。
喉の奥からくぐもった低い呻きが伝わり、俺は唇をようやく離した。
「……ふ、ぁ……っ」籠る快感の響き。
酔いのせいでもあろうが、ただこれだけでも、耐えきれずに甘い声を漏らすほど敏感な体を今まで持て余していたのか。
愛されて抱かれたいと、果たされない想いを抱えて?
止まるどころか、存分に可愛がってやりたいという思いが浮かんだ。
抜けるように白い肌同様に色素の薄いピンク色の乳首を指先で軽くいじってやる。
身体がびくりと震え、ぎゅ、と目を閉じ唇を噛んで耐えているのがわかる。
指を止めずにもう片方をゆっくりと吸うと、たわいなく鳴き声が上がる。
「……あぁ……」
良い声だった。
もっと鳴かせたくなった。
尖らせた舌で、つんと固くなった突起の先端を何度も弾くようになぞっていくと、彼は身を強張らせて息を弾ませた。
声を抑えようとしている。もっと追いつめたい。
もう一方を指で弾き、時折つまんで捏ねるように刺激を与える。
合わせるように、唇で挟み込んでねっとりと舌で包むようにしゃぶる。
「はぁあ……っ」
耐えきれずに上がった声を恥じるように眉間に皺を寄せて頭を振る彼の姿。
セットの崩れた赤い髪が乱れる。
構わずに愛撫をつづけた。
どんなに声を抑えても、激しくなった呼吸に快感の陰は消えない。
哀れな生贄をいたぶる様な気持ちが止められない。
俺はエスカレートしていく行動を自覚しながらも、彼の下肢へ手を伸ばす。
ウェアのウエストを引き下げようとするとさすがに抵抗が強くなる。腕を抑える力を強めて布の上から彼の熱を探った。
既に高まっていることは分かっていた。
上からさするようにすれば、びくんと体が跳ねて明らかな反応が返る。
「……っ……」
上がりそうになる声を耐えるのに比して抵抗は緩み、俺は素早く衣服を引き下げ、緩く震えるものを探って手の中に包んだ。
熱い。

「な……!」
さすがに驚きの声が上がったが、それは、みるみるうちに俺の手の中で熱と質量を増していった。
ほの白く、血の色を透かして薄赤い、明らかな快感の表れ。
彼は自らの腕に口元を押し付けて耐えているようだった。
確実に固くなっていくそれを、俺は手で柔らかくさすっていく。
抑えられた口元からの激しい息遣いの中に小さいうめき声が混じり、彼は体を震わせる。
面白くなくて俺は彼の腕の拘束を解いた。
直ぐに声を抑えようとするのを許さず両腕をベッドへ押し付けると、振り払う気配も見せず彼はただシーツに指を食いこませた。
「は…ぁ…あ…」
漏れた吐息は確かな快感の響きだった。

跡の残りやすい体だ。
白すぎる肌は誰よりもはっきりと肉体のダメージを露呈する。
誰もが傷つき打撲を負っているとわかり切っていても、彼だけが特に目を引くのはそのせいだ。
胸元へ吸い付いた跡が、思っていたよりも鮮やかな色に変わっていくのを見て俺は少しためらった。
明らかにキスマークとわかるものを残すわけにはいかない。
今、彼の白い裸身は行為の熱によって上気し、色を変えつつあった。
息を荒げ血を滾らせる試合で見られる姿とは似たようでいてまた違う。
頬は紅潮して表情は艶を帯びて。
俺の行為で変わっていく姿に……魅せられるような思いだった。
できるものなら、全身へ激しくキスして、噛みついて、感覚の上にもその体の上にもおびただしい俺の跡をつけてしまいたくなった。
何故か、そう思っていた。
だが。
思えばずっと、彼の目は閉じられていた。
気に入らなかった。
おかしいと、うっすらと気付いてはいた。
あれほどまでに荒れていた彼が、強く抗うことなく、愛撫に応えていった理由。
おそらくは、俺の愛撫に想う男を重ねて……

激しい息遣いも、どんどん甘くなっていく声も、震える体も、その閉じた目の中では違う男のためのものなのか。
気にするつもりはなかった。
叶わない相手に恋をして抱かれたいと思っている、それが彼だ。その相手はもちろん、俺じゃない。
最初からわかり切っていることじゃないかと理性が言う。
何もかもわかったうえで、それでいて行為を止められない自分ではないか?
だが、気に入らなかった。
すでに薄ピンク色に染まった白い体はどこまでも正直で、その色は俺が着けた色なのに。
誰を想っていようと、その色は俺のものだ。

「お前の体は正直だな」
身を離し、考えるよりも先に声が出ていた。
下で彼の体がびくりと震えた。
とろけていた表情が眉を寄せ、辛そうな姿を作る。
やはり……俺の存在をその意識の下から閉め出していたのか?
もっと聞かせてやる。思い描きたい男の声ではないものを。
「全身赤くなって、気持ちいいんだな?そこらじゅう触られて、感じて、お前はずいぶん敏感だ」
「っ……」息を詰め、より苦しげに目を閉じている。
俺は厚い胸板に手を滑らせる。
「随分もったいない。こんないい体に触れないまま、知らずにいるのは」
「やめろ……」身じろぎして、胸に置いた俺の手を弱弱しくつかむ。
まだ目は閉じたままだ。
夢を壊された今、俺は望まない行為を押し付ける邪魔者というわけか?
それとも、ただ黙って代替物になれと?
だめだ。解放してやれない。

俺は最も敏感な部分へもう一度触れる。
「んっ」油断していたのか一瞬高く声が上がった。
上気した色に染まった肌はそれでも白く、汗で艶を帯びて発光するようだ。
「ダメ、だ、なんで…」苦しげな息遣いから、精一杯に出す途切れ途切れの言葉が聞こえる。
「何だ?」
ゆっくりと彼の熱を高めていく。
彼は一瞬呼吸を引いて大きく震えた。
「これはダメじゃないよな。いい反応だ」
勢いを失い始めていたものがまた強く脈打ち始める。面白いほどだ。
ああ……ダメだ。
彼が快感に逆らえなくなり始めていることは明らかだ。
それと一緒にわかったことがある。
さっきまでは、彼が逆上し拒絶してこの場を去ってしまっても、嘲笑って済ませる余裕があると心のどこかで思っていた気がする。
だが、俺が、ダメだ。
もう止まれない。
欲しい。
「俺は……お前を抱く」無意識に出た言葉は、さっきまでとまるで違ったあけすけなものだった。
俺と彼、どっちがより驚いただろう。
だがもう戸惑う間もなかった。俺は素早く彼を抱きすくめて飢えたように唇を奪った。
今までのように彼の反応を楽しむ余裕もなく、一方的に舌をねじ込んで、貪る。
抵抗させたくない。溺れさせたい。
このまま続けられるならもう、身代わりでも構わない。
短い間なのにすっかり変わってしまった自分の思考に苦笑いが出る。どうしたんだ俺は。
汗ばんだ体は仕事の上で何度も見ているのに、やはりまるで違う。
これほどまでに扇情的だと感じたことはなかった。
乱れて額に張り付いた赤毛も、死骸のようだとさえ思っていた白すぎる肌の色も、残像を残すかのようにやけに意識を奪う。
唇を離すころには、再び彼の身体は激しい口づけと柔らかな愛撫に溶けていた。
「抱くぞ」
俺は彼の濡れた口ひげを指でなぞりながら、そのどこか恍惚とした表情へ静かに囁いた。

快楽に負けたのか、脳裏で好きな男との幻想を見続けようとしているのか。
激しいキスの後の彼は至って従順だった。
その見事な太腿を広げて俺がその間に割り込んでも、彼は目を閉じ弾む息を漏らしながらされるがままになっていた。
俺はオイルを指に垂らした。
今までに経験がないわけじゃないが、こんな成り行きは初めてだった。
どこまでも白い肌の奥へ俺は濡れた指を進め、彼の入口を探る。
触れるとさすがに体中が動揺する気配があったが、構わずに指先を押し入れた。
「……!」息を詰める声が響いた。
反射的に逃げる腰を強引に引き寄せ、俺はオイルの滑りを借りてゆっくりと指を進めて行った。
予想通りに相当狭く、きつい感触で内壁が俺の指を圧迫する。
あくまでも慎重に中を探るようにすると、徐々に震える肉が緩む様子を伝えてきた、
内部はぎこちなくきついままながら、思った以上にすんなり二本目の指を受け入れ、びくびくと身体が震えはじめた。
明らかに男との経験はない、少なくとも内部を貫かれたことはないだろうと感じられる反応と状態なのに、不思議になじんでいく様子だ。
これはやはり、おそらくは、誰かを想いながら、自ら……
「自分でヤるのはイイのか?」
俺は自分の発した冷たい声を聞いた。
「ちが……!」
反射的な驚きの声が、事実を俺に感じさせた。
一度は引っ込めた嗜虐心が再燃するように、俺は続けた。
「違わないな。それとも……今まで何人と?」
立ち上がって先端を濡らし始めたものを指で弾いてやる。
彼は慌てた様に緩く首を左右に振り、切れ切れに言葉を作った。
「いな、い、あんたが、変なんだ……」
眉を寄せて困惑した表情が、耳まで赤くなって羞恥心を示す。
変か。そうだな、今の俺はおかしい。
苦笑いせずにはいられなかった。苛立ちに似た感情は去っていた。
「お前も変だ、正直な奴」

時間をかけて3本の指でゆっくりと押し広げるように反応を見る。
時折胸や腰や背に愛撫を与えると、彼のものは自らの腹に付きそうなほどにまで高まっていった。
指を引き抜くと彼の体はひくりと跳ねた。やはり良い反応だ。
肉付きのよい腿を抱えて狙いを定める。
俺のものを押し付けるとふたりの身体へ震えが走った。
体温が伝わる。
俺は痛いほど立ち上がった己のものへオイルを塗りつけ、大きく一息つくと、ゆっくりと侵入を開始していった。
「く…、いっ…あぁ…!!」
明らかに上がる苦痛の響き。彼は眉を寄せて顔をくしゃくしゃにしかめている。
やはりこうして受け入れるのは初めてなんだろう。
「欲しかったんだろう?悪いな、期待してた奴じゃなくて」
俺は聞こえないように低くつぶやいた。低くうめく彼はおそらくそれどころじゃないだろうが。
ただ、さっきまでの彼の反応から、馴染んでいく期待はできていた。
実際、全身へ優しく愛撫をつづけながらゆっくりと腰を進めて行くうちに、内部はどこまでもきついながら着実に侵入を許し、緩く震えつつあった。
想う男を受け入れることを望んでいた身体。
気に入らないが、俺には好都合だったのだろう。
日ごろ相手を痛めつけるのは好物だが、こんな行為となると話は違う。
苦痛に悶える荒くれ者の抵抗を宥めるのは想像するのも面倒だ。
気に入らないが、誰かに慣らされた体を分けてもらうよりは気分はいい。
どんなに恋しい男を想って自らその体に愛撫を与えてきていても、今それを味わうのは俺だ。
感じるところを探ろうと体勢を変える。
ぎり、と力を入れて二の腕を掴み体を支えると軽い悲鳴が上がった。
強すぎたか。跡が残るかもしれない。
おそらく、日ごろのケガにまぎれるくらいの跡でしかないだろうが…

いつしか彼の中は俺のリズムを受け入れるまでになっていた。
それでもまだきつい内部はぎこちなく、違和感は消えないように見える。
反して俺のほうは、内壁に責め立てられて限界まで膨れ上がっているのがわかる。
俺は彼のものを探った。苦痛のためか少し勢いを無くしている。
突くスピードに合わせて掴んだものをリズミカルに扱くと、切れ切れだった息遣いに甘い声が上がった。
「…っ、ぁ…、あぁ…」苦しげな表情に変化がうかがえる。
「もう…良くなってきたな」
彼の腰は反応して緩やかに蠢きそうになっている。
今も、名前のつかない感情が胸で暴れている。
できるものなら、全身へ激しくキスして、噛みついて、感覚の上にもその体の上にもおびただしい俺の跡をつけてしまいたい。
そうすることはできなくても……
お前が初めてその身に受け入れているのは、俺だ。
残れ。

激しく息をついて、きつく閉じた目は涙をにじませ、快楽に身を任せたその姿はもう正気を失ったように見える。
漏れる嬌声に劣情はどこまでも掻き立てられて、俺は限界が近づいてきているのを感じた。
「も、出、ぁ…、ぁ…もう、…あぁぅ…っ!」
苦痛と快楽とがない交ぜになった彼の声が聞こえる。
全身を上気させ激しく息を乱した彼も、限界が近いのは見るからに明らかだった。
びくびくと震える肉の感触が俺を追い詰めていく。
本当に…驚くほど素直で正直な身体だ。少しも快楽を隠せない。
さっき、彼は俺の言葉に答えた。
酔いに任せてのことだとしても、俺に抱かれていることは認識している。
今も彼は想い人の幻影を思い浮かべているのだろうか。
それとも、欲望のはけ口のように、俺に身を任せたのか……

「俺を見ろ。イくところ、見せろよ……」
何か馬鹿なことを口走っていると我ながら思っていた。
絶頂の近い恍惚とした彼に、もう自分を見ることなど期待はしていない。
ただ彼のイくところを見たいだけだ。
だが快楽に白くなっていく意識の内で、俺はまた自分の声を聞いた。
「聞いていろ、お前を抱いてるのは、俺だ」
言葉が、我ながら空しかった。
こんなにも、俺は……
ゆっくりと深く強く、俺はぎりぎりまで抜いた自身を彼の中へと埋め込んでいった。
身体を支えて、感じるところをえぐるように。
同時に、太く限界まで反り返ったものを裏筋から先端へと激しく扱いてやる。
その効果はやはり明らかだった。
「あぁ、あっ、ぁあ――…!!」
温かい感触が脈打ちながら俺の手を濡らし、二人の腹へ飛沫を散らしていった。
紅潮した頬が、ピンク色に染まった白い肌が、汗に濡れて額に張り付いたその赤い髪が、
眉間に皺を寄せて、苦しさの中にも艶を帯びたその表情が、
何より快感の響きを確かに持ったその悲鳴が。
全てが俺の中に焼き付くようで……
一瞬、彼のくすんだ青い瞳が意識をよぎった。
「くぁ……っ!」
まるで爆発するような衝動の中で、俺は彼の中に欲望を解放した。
それはひどく長く感じられた。

力が抜けた体は重い。
ただでさえ俺より重い体は眠り込んで脱力している。
俺は彼を起こすのを断念して、傍らに横たわった。
行為の熱が去った彼の体はあいも変わらず死骸のようで現実味のない色だ。
その、白すぎる肌。
試合でできただろう二の腕の擦り傷の横にはっきりと残った新しいキズは、俺の爪が残した跡だと分かった。
彼は気づくだろうか?
おそらく気にも留めないだろう。
けれど、今日のことを忘れたとは言わせない。決して。
今も名前のない感情が溢れている。
この執着はなんだろう。
恋と言うには戯れが過ぎる、欲望と言うには感傷が過ぎる、独占欲にしては唐突で?
俺には分からない。
これはどういう事なんだろう?
無意識に彼の肌をなぞっていることに気づいて、俺は指を止めた。
わき腹に、爪先で何度もなぞった跡がうすくついていた。
俺は茫然とそれをしばらく眺めていた。

俺の名の一文字を示す跡が彼の肌から消えても、胸に渦巻く感情の波は消えなかった。
その名前はまだ、見つからない。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

本当に長々とすみませんでした。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ありがとうございました!


このページのURL:

ページ新規作成

新しいページはこちらから投稿できます。

TOP