Top/68-37

奴と俺の関係

オリジナル。頭脳系×肉体系。やってるだけの話。
特殊部隊っぽいイメージ。受けが酷いドM・流血・自傷・傷口攻め注意。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

『一触即発の犬猿の仲』――それが奴と俺に対する周囲のイメージだ。だが実際そんなことは全くない。
任務で接触がないのも会話をしないのも単に状況やタイミングの巡り合わせが悪いだけなんだが、
俺と奴のタイプが違いすぎるせいで噂だけが大分先行してしまっている。
しかし俺が奴を全く避けてなかったかと聞かれればそれは否定できない。
気に食わないとか苦手だとかそういうんじゃなくて、あの透き通った硝子玉みたいなブルーの瞳と
全く考えが読めない整い過ぎた顔を見ると、背中の辺りがゾワゾワして落ち着かなくなる時がある。
だが重要なことでもないので大して気に留めてはいなかった。あの日、思いがけない形でそれを突き付けられるまでは。

その日、数日間に渡る任務を終えて現場から戻って来た俺は酷く疲れていた。
血だらけ泥だらけで全身はボロボロ、寝不足やストレスで頭も上手く働かない。
すぐに治療を受けるよう医療主任に言われたが、俺としてはとにかくシャワーを浴びたくて仕方がなかった。
さっさと装備を放りやり、フラフラの足取りでシャワールームへと向かう。もう夜の12時を回っていたので人気はほとんどなかった。
簡単に仕切られたユニットがいくつも並ぶ中、俺はお気に入りの隅の個室を目指してタイルの上を歩く。
ドアと仕切りだけのシャワー室に入って蛇口を捻り、壁に凭れかかりながら全身を手で擦るとあっという間に足元が赤くなった。
まだ出血が止まっていない傷口に湯が染みる。痛みに顔を顰めている内に、ふと自分の異変に気が付いた。
無意識の内に腕の切り傷を自分で引っ掻き、肩の打撲痕を壁に押し当ててわざわざ痛みを与えるような仕草をしている。
当然痛い。でも止められない。しかも頭がぼーっとして、あの変なゾワゾワとした感覚に支配される。
疲れているからだろうか、身体が火照って力が抜けていく。膝がぐらついて座り込みそうになった瞬間、突然声をかけられた。
「ねぇ」
「っ!!」
驚いて振り向くと、あの硝子玉の目をした奴がドアの外に立っていた。

奴もシャワーを浴びていたらしく、ブラウンの短い髪から雫を滴らせている。
「大丈夫?それ手当てまだなんじゃないの」
「…あぁ、気持ち悪かったから、先に汗とか流したかったんだ」
「ふーん…痛そう」
奴は普段の『サイボーグ』面よりは若干柔らかい表情で俺を見ていたが、正直今はまずい。
ただでさえ何かおかしくなってるのに、奴のあの硝子玉で見つめられると余計ゾクゾクして訳がわからなくなってくる。
なのにその瞳から目を逸らすこともできなくて、俺の手が傷口を掻き毟るのも止まらない。
「……本当に大丈夫?」
「っ…え…?」
「それ自覚あるの?」
「なに、が…?」
すっかり呼吸が上がってしまっている俺を見る奴の目の色が変わった気がした。
奴は断りもなくドアを開けて入ってくる。タオルを腰に巻き付けただけの格好だった。
俺と比べても遜色ない程度に筋肉がついた身体とそこに刻まれた傷痕がやけにセクシーに見える。
ようやくはっきりと、自分が性的に興奮していることを理解した。急に恥ずかしくなって、咄嗟に奴に背を向ける。
「っヤベ……ちょっと、悪い…一人にして」
「手伝ってあげようか」
「…は?」
壁と向き合う俺の背後に奴が近寄ってくるのを感じる。そっと肩に置かれた手が左の肩甲骨の下辺りへと滑っていき、そこをゆっくりと掌で撫でられた。
「ゔぁ…!!」
「ここ凄い色してるよ。でも折れてはいないみたいだね」
「…ん゙ぐ……っ!」
「ほら、わかる?」
そう言って奴が手を伸ばしたのは俺の下半身で、そっと握られただけなのにもう爆発しそうな状態になっていた。
「っ!……マ…ジか、これ…」
「僕も驚いてるよ。話には聞いてたけど実際に見るのは初めてだ」
奴の言ってることがよくわからなくなってきた。腕の傷が酷く痛む。心臓の鼓動に合わせてそこがズキズキと疼く。
「…ぁ…っ、はぁっ…」
奴の手が滑る背中も痛い。銃弾が掠めた脇腹も、蹴りを入れられた左足も、とにかく全身が痛くて堪らない。
なのにその痛みと快感が同期してしまったように、痛ければ痛いほど背筋にゾクゾクと震えが走る。

「君は…痛いのがイイの?」
「っわ、かんね……こんな…っ初め、て…で…っ」
「…じゃあもっと痛くしたら、君はどうなるのかな」
シャワーの音でよく聞こえなくて、どうにか顔だけを振り向かせる。思ってたより近くに奴の顔があった。
整い過ぎた顔立ちと、硝子玉のようなブルーの瞳。
いつもと違って色の深いブルーが、俺の中の更に奥深くにある本質を見抜くように容赦なく突き刺さる。
まるでナイフのような冷たさと鋭さで俺をじわじわと貫いていく眼差しに全身が粟立った。
「―――っあ゙っは…!!!」
その瞬間、俺の中に奴が押し入ってきた。引き裂かれるような痛みと信じられない熱さに脳がショートする。
「……ひっ、ぐ、あ゙…っ、っ!!」
「っ、凄いな…どっちでイッたの?痛み?快楽?」
奴の問い掛けによると、どうやら挿入された瞬間に達したらしい。だが俺は質問に答えるどころか息をするのもやっとだった。
どっちかなんてわかる訳がない。今の俺にはその二つが同じなんだから。
イッたばかりなのにまだガチガチのまま涎を垂らしてる俺のモノが良い証拠だ。
「…ここまでしておいて言うのも何だけど」
「……?」
どうにかして身体を落ち着かせていると、奴がぽつりと口を開いた。
「僕は別に君をレイプしたい訳じゃない。手伝うと言ったのは性欲処理で、それはもう済んだよね」
奴は表情のないあの顔で極めて事務的に話す。
「この先を続ける理由が僕にはないんだけど、君はどうする?辛いなら医務室まで連れていくよ」
ブルーの硝子玉が俺を射抜く。それだけで心臓が暴れ出し、頭の中がどろどろに溶かされて奴以外何も見えなくなる。
どうしよう。コイツにめちゃくちゃにされたい。自由を奪われて、強引に抉じ開けられて、
心も身体もズタズタになるまで痛め付けられたい。
整えたつもりの呼吸がまた乱れる。行きすぎた興奮のあまり涙を滲ませながら俺は奴に縋っていた。
「はっ……続き…した、い…っ」
「…いいの?君自分が今傷だらけなのわかってる?そもそもこんなことしてる場合じゃ――」
「痛くして、い…からっ……もっと、っ…!」
俺の言葉に奴の瞳が輝きを増したのは気のせいじゃないはずだ。
奴がその目を細め歯を見せて笑った瞬間、一気に身体中が熱くなった。

「…っぁ…!!」
「参ったな…サドの気なんてないと思ってたのに」
困ったように呟き、奴は一旦モノを引き抜いた。そして体勢を変え、狭いシャワー室の床に俺を座らせる。
「どうなっても知らないよ」
向かい合いに奴も座り、脇腹の傷の上から腰を掴む。思わず身体を揺らしたのと同時にまた奴が根元まで中に捩じ込んだ。
あまりの痛さと衝撃にもう声も出ない。奴はわざと激しく俺を揺さぶって壁に何度も身体をぶつけさせた。
興奮したせいで出血が酷くなり、腕の傷が壁を汚すし痣は広がるし床に流れる水は真っ赤になりそうなくらいだ。
それでも俺には快感しかわからなくて、奴しか見えていなかった。
奴のブルーの瞳はこんなにも俺をおかしくさせる。だから奴を無意識に避けてたんだと、その時気付いた。
それにしても、あんな風に痛みを快楽に変えてしまったのは後にも先にもあの時だけだった。
だがあの時生まれた『奴に虐げられたい』という衝動だけは忘れられず、それが奴と関係を重ねる要因となった。

結局あの後は気が済むまでイキまくった後、体力を使い果たして気絶した俺を奴が医務室まで運んでくれた。
俺と奴の噂しか知らない医療主任は、奴が俺を抱えてやってきたのを見てたいそう驚いてたらしい。
ちなみに俺はすぐに治療を受けなかったばかりか傷を増やしてきたことをこっぴどく叱られた。
治療がてら俺と奴の関係は主任の知るところとなった訳だが、『一触即発の犬猿の仲』というイメージを
皆に訂正して回る気はないらしく、たまに俺を見かけてはニヤニヤと笑いかけてくる。
まぁ俺も、そういうことにしておくのが案外楽しいので気にしていない。奴も同意見だそうだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
書き忘れてましたが前スレ616の続きです。
感想をくださった方々どうもありがとうございました。

  • Mな肉体派萌えました!続きはベッドでの逢瀬になるわけですね。ありがとうございました! -- 2012-09-30 (日) 16:00:42

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