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This is NOT a nightmare.後編

170です。続きいきます。
エロ・流血描写・バッドエンド注意。今回は兄×弟描写もあります
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

まさかこんなやり方で屈服させられるなんて。海の上でヤツらの船を撃墜した時の
喜びと達成感は完全に掻き消され、ズタズタにされた誇りと自尊心だけが残った。
そうやって塞ぎ込んでいたせいで、ヤツがその隙に何をしていたかを見ていなかった。
それを目の当たりにした時の衝撃と絶望感は一生忘れられないだろう。
『その代わり――こいつと遊ぶといい――』
ヤツの言葉に頭を上げる。そして自分が見ているものが信じられなかった。いや、信じたくなかった。
「………っ、ス卜一ソ…?」
少し前にヤツに殺されたはずのス卜一ソが目の前に立っていた。胸に大きな傷を作り、口元からぼたぼたと血を吐きながらそこにいた。
「荒ックス……」
喋る度にごぼごぼと血で喉を鳴らしながらゆっくりと歩み寄ってくる。
生き返った?そんなバカな。どうやって?あり得ない。
そこで唐突にここが現実じゃないことを思い出す。そうだ、夢なんだからどうとでもなるじゃないか。
このス卜一ソも所詮まやかしだ。偽者だ。ヤツがオレを苦しませるために見せてるただの幻想だ。
「…兄、貴……」
それでも、本物でないとしても、またス卜一ソと話せることが嬉しいと感じている自分がいる。
もう二度と会えないと思っていた、救えないと思っていた兄と。
さっきまでとは違う温度の涙が浮かぶのをどうしても抑えられなかった。だがそんな甘い考えは一瞬で叩き潰される。
「え…」
ス卜一ソはオレのすぐ側まで来ると、突然覆い被さるようにして抱きついてきた。そして血塗れの唇でオレの首筋や頬に
愛おしげなキスをする。未だ貼り付けられたままのオレはそれを拒むことも止めさせることもできない。
「っ…ス卜一ソ?何して…っ」
「…荒ックス…」
「……!?」
オレの言葉は耳に入らないのかス卜一ソはあちこちを手で弄ってくる。そんなつもりなんてないのに、昂ぶった身体は正直に反応してまたオレを苛んだ。

「っは…ぁ、ス卜一ソ……止めてくれっ…!」
『何故だ――兄に会いたかったんだろう――?』
「それ、は……んっ!あ、やっ…」
反論しようとした言葉をス卜一ソが服の上から乳首に歯を立てて遮った。思わず甘ったるい声を出したことが恥ずかしくて顔を背ける。
こんなの絶対まともじゃない。自分の兄貴に抱かれようとしてるなんてあり得ないのに、何でこんな……まるで悦んでるみたいに…
『嬉しいんだろう――?心の奥底で、こんな風に兄と繋がりたいと思っていたんじゃないのか――?』
「っ違う、そんな…オレは、っぁ、思ってない…っ!」
『――認めろ荒ックス・帆ッ派ー――お前は自分の家族に欲情するような卑しい人間だと――』
「違う!違うっ、っく……ス卜一ソ!兄貴っ、頼む…!!」
必死に首を振って拒絶しながらオレは何度も兄貴の名前を呼ぶ。もし意思があるのならこんなことすぐに止めてほしかった。
「こんなの嫌だ…っ!ス卜一ソを元に戻せ!オレの兄貴に、こんな真似させるな…っ!!」
オレは悔し涙を流しながらヤツに向かって叫んだ。これ以上はス卜一ソとの思い出を全部汚されるような気がして耐えられない。
もうオレの負けでいい。ここで殺されても構わない。だからオレの大事な兄貴を返してくれ。
「…っ頼むからっ…!」
『―――お前の願いなど聞くか――!!』
だがヤツは今までで一番憎しみに満ちた表情でオレを見た。その恐ろしいほどの威圧感に
息ができなくなった瞬間、ス卜一ソがオレの脚の間に腰を割り込ませて一気に貫いた。
「あ゙ぅっ!!」
物凄く熱い塊を捻じ込まれて思わず硬直する。大きく見開いたオレの瞳に、虚ろな目で血塗れになったス卜一ソだけが映る。
何で。どうして。
やっぱりオレはス卜一ソを救えない。それどころか、こんな風に彼を傷付けて侮辱した。
オレのせいなのか。オレがもっと早く自立してれば、兄貴を何度も失望させてなければ、こんなことにはならなかったのか?
何もかもオレが――…
「っ、っ……ス卜一、ソ」
「……おまえの、せいだ…」
「!!」
やっと口を開いたス卜一ソは零れる血の滴と共にそう言って、ムチャクチャにオレを揺さ振りだした。
「――っぐはっ!!っあ゙…!」

「お前は、惨めな…負け犬だ――自分でも…わかってるだろう?荒ックス――」
「やっ、あ、うあ゙っ!っ――ぐぅっ!」
「何もかも自分の手で…壊してしまう――どうしようもない、クズだ」
腰を突き上げながら、ス卜一ソと同じ顔、同じ声でオレを詰る。どこか聞き覚えのあるような、だが兄貴が言いそうにない台詞で。
それはオレの中にあるス卜一ソとの思い出を刺激して、オレの心をズタズタに引き裂いていく。
「っっ…!止め…それ以上、言う、なっ…!!」
「荒ックス――お前はどうしようもない人間だ」
「いやだ……やめてくれ…っ、やめ……っ」
「いつだって誰かを傷付ける――」
輝きを失った瞳がまっすぐにオレを射抜く。これがス卜一ソの本心?
確かにオレはそう見放されても仕方ない人間だった。彼が最期に見たのは
最終通牒を突き付けられたオレで、その後の成長を知ることなく死んでいった。
でも最期までオレを気にかけてくれていたじゃないか。何度も立ち直らせようとしてくれたのに、
それを無かったことにする気か?それこそ裏切りだ。
自分に対する諦めとス卜一ソへの信頼がせめぎ合う苦しさに、だんだん訳がわからなくなってきて涙がまた溢れてくる。
もう嫌だ。考えたくない。感じたくない。耳を塞げたらどんなに良いか。
「あ゙ぁっ!や、もぅいいっ、聞きたくなっ…ぅあ゙っ!!」
「だから俺は死んだんだ――お前のせいで――!』
「っ!!っも、止めてくれぇえ゙っっ!!」
激しく打ち付けられる兄貴のモノにオレはまたイかされた。同時に飛び出した絶叫がス卜一ソの声を掻き消す。
そのせいで途中から声が変わっていたことに気付けなかったが、もうどうでもよかった。
自分の兄貴に犯されたことのショックが大きすぎて嗚咽が止まらない。
心も身体もボロボロになるまで蹂躙された絶望は想像以上にオレを打ちのめした。
「…ゔっ…く、はぁっ、っもう………て、くれ…っ」
『何だ――何か言ったか』
乱れた呼吸で切れ切れになる言葉をヤツの声で聞き返してくる。結局はヤツがス卜一ソの身体を操っていたらしい。
だが今のオレにそんなことが理解できるはずもなく、ただ兄貴に頼むように同じ言葉を繰り返した。
「っ、許してくれ……ん、っ…苦し、よ……兄貴ぃ…」
『――――』

「……たすけて…ス卜一ソ…っ、も…オレやだ、ぁっ…!!」
ぐずる子供みたいに泣きながら兄貴に縋った。腕が自由なら本当に縋り付いてただろう。
それでもス卜一ソの表情は変わらなくて、気付けば傷口から溢れた血でオレの身体まで真っ赤に染まっていた。
あまりにも痛々しい姿を見ていられない。何で彼がこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
ヤツは――いや、オレはス卜一ソをどれだけ傷付ければいい?大好きだった兄貴に、オレはこんなことしかしてやれないのか…?
「ぅ…っス卜一ソ……ス卜一ソっ、ス卜―――」
うわ言のように兄貴を呼ぶ声が急に出なくなる。オレは重なっていたス卜一ソの身体ごと、
上からヤツのあの変形する右手のブレードで刺し貫かれていた。
「っあ゙……」
『――逃がさんぞ―――永遠にここに閉じ込めて、何度でも殺してやる――!』
まるで呪いの言葉のようなノイズ混じりの声が頭の中に刻み込まれる。本当に、オレはコイツに殺されるんだ。
きっと楽には死なせてくれないんだろう。それこそ死んだ方がマシだと思いたくなるくらいに。
ヤツのトカゲのような鋭い眼に飲み込まれる――と思った瞬間、モニターの電源を消したようにプツンと意識が途切れた。

その日から現実のオレの身体は目を覚まさなくなった。意識だけが暗闇の中に取り込まれて戻れない。
そこでヤツに悍ましいやり方で何度も痛めつけられ、殺される。殺されても終わらない。ヤツが終わらせない。
これは悪夢なんかじゃない。地獄だ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
弟くんがエイリアンの船に弾かれたりエイリアンに何か見せられたりと
結構接触してたので、それが何か悪影響をもたらしたら…という妄想でした。
楽しんでもらえれば幸いです。


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