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あるガーディアン達の恋

オリジナル。勢いで書いた。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
 彼らは守護者、ガーディアンだった。
守っているのは彼らの主の領地であるが、それは同時に彼らの生まれ故郷の大地でもあった。

 彼らが隣同士の位置に並んで配属されたのは全くの偶然だったし、
配属された当初も、ただありきたりな挨拶をしただけだった。
しばらく経ってもそれは変わらず、どちらかが眠っていて目覚めた時に、
軽く目線を交わしてお互いの存在を確認する程度の仲がずっと続いていた。

 本当にそれだけの関係の筈だった彼らが、いつしか熱く睦みあうようになったのは何故だったろう。
どんなきっかけでそうなったのか、彼ら自身ももう忘れてしまっていた。

 当時、愛し合っているのかと問われれば、どちらも分からないと答えただろう。
けれど彼らは熱く結びついた。
夜ごと日ごと、お互いに求め、求められるままに返し、決してほどけないほどに絡みあった。
最初からそうなるのが運命であったかのように、彼らの身体の相性はあまりにも合いすぎていた。
時には守護者としての職務を忘れ、複雑に絡み合ったまま大地にその身を預けた。
我を忘れてお互いの身体を貪り食った。快楽から逃れることなどとうていできそうもなかった。

 ガーディアンの職務は厳しく、息もできぬほどの臭気に襲われることもあったし、
水攻めに合うこともしばしばだったが、彼らはお互いを支え合い、励ましあって任務を遂行した。
身体だけの関係であった筈が、いつしかお互いにかけがえの無い存在となっていた。
どんなに辛く厳しい状況でも、いつでもすぐ隣に彼がいた。それが心の支えとなった。
決して離れぬようにお互いの身体を縛りあった。
触れたところから感じる相手の体温から、熱い思いが、情熱が、そして肉欲が伝わってくる。
過酷な時が過ぎ去れば、彼らはまた今まで以上に熱く絡み合った。

 一年ほどの月日が過ぎた頃から、彼らのうちの一方が、己の身体の異変に気付いた。
しっかと大地に立っていた筈の足が、おぼつかない。
隣の彼の身体としっかり結ばれ支えられていたせいで、一息に倒れることはなかったが、
ふわふわとした感覚が身体を突き抜け、それは日増しに強くなっていった。

 ああ、俺は歳をとったのだ。
彼は自身の寿命が尽きようとしていることを悟った。
もう一方も、パートナーがもう自分で立つこともままならない状態なのだと気付いていた。
支える身体が酷く重かった。

二人とも何も言わなかった。言わないままに寄り添っていた。
もう以前のように愛し合うことはできなかったが、ただ傍にあるだけで、それだけで良かった。

 それでも彼らは守護者、ガーディアンであった。またすぐに戦いの時は訪れた。
彼らの陣地の前に大きく張られている布の弾幕がはぎとられた時、
その時起きたとてつもなく巨大な風の威力に、弱っていた彼も支えていた彼も二人とも耐えられなかった。

 軽々と吹き飛ばされた。大地から離れ、風に弄ばれるように舞い上がっていく。
小さくなっていく彼に向けて必死に手を伸ばす。声の限りに名を叫ぶ。
けれどそれは、ただ虚しく風の音にかき消された。なすすべも無かった。

 残された一人は、自身の隣にぽっかりとあいた空間を見た。
相棒が立っていたところに、痕跡だけがはっきりと残っていた。
それをじっと見つめながら、彼は泣いた。
愛していた、愛しているよと、虚空に向かって叫んだ。
もう届かないと分かっていても、叫ばずにはいられなかった。

風に翻弄されるまま遠く遠く飛ばされた彼は、いつしか知らない土地にたどり着き、そこで倒れていた。
薄れゆく意識の中に、暖かかった故郷の大地と思い人の姿が浮かび上がっていた。
頬に触れる地面は硬く冷たかったが、想い出が彼をそっと温めた。
愛する人の名を呟きながら、彼は静かに不帰の客となった。

数日後、冷たくなった骸を、通りすがりの一人の青年が見つけた。
青年は少し驚いたような顔をして言った。
「なんでこんなとこにチン毛落ちてるんだ?」

それから彼は、彼が長年抱えているらしき疑問を口にしながら、その骸に指を伸ばした。
「チン毛ってあり得ないとこに落ちてるよなー」
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

  • なんちゅうオチをもってきてくれたんだ!w -- 2012-01-28 (土) 06:52:11

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