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無題

ついカッとなって
喜タタヨツオよりヘータ→←喜タタさんです
エロはなし

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「だいぶ薄くなってきたなー」
慎重な手つきでコリアンダーを秤にかける喜タタ善男にヘータが声を
かける。
「ええ、うっすらと跡にはなってしまいましたが……」と喜タタ
善男は手をぐーぱーとする。
「ちげーよ、喜タタさん。こっち!」
ヘータはヒッヒッと笑いながら喜タタ善男の頭をぽんぽんと叩く。
喜タタ善男は一瞬びっくりしたような表情になるが、
「ヘータさん、ひどいなー」とすぐにいつもの困ったような笑みになった。

ヘータは、すり鉢での作業にうつった喜タタ善男をなんとはなしに
見ていた。
以前の喜タタ善男は会話中に虚のなるというか、ふとスイッチが
変わったようになるときがあった。しかし、あの11日(南の
いう「ネガティブと向き合って」)以降、喜タタ善男は変わった。
初めて出会ったときの愚鈍で善良で他人の言葉を信じきって穏やかに
微笑むだけの男ではない。
上手く言葉にできないが喜タタさんは変わったとヘータは感じていた。

「ヘータさん……」
喜タタ善男は作業の手を止めふーと息を吐きヘータの方を見た。
ヘータは退屈だったのか椅子に座ったまま寝てしまっていた。
「風邪引きますよ、」
ふふっと笑い、ブランケットをかけてやる。

「……君は若いね」
喜タタ善男は黒くつやつやとしたヘータの髪を見る。
すーすーと寝息をたてる顔はあどけなく見えるほどだ。

「いつまでヘータさんにカレー作ってあげられるのかな」

「何。そんなにハゲ、気にしてんの?」
 ヘータはむくりと起き上がった。
「うわあ!びっくりしたなあ
ヘータさん起きてたの?」
「寝てたよ、喜タタさんのひとりごと大きいから起きた」
びっくりしたなあ、もうと繰り返し胸を押さえる仕草にヘータは思
わず微笑んでしまう。
「うちの親父も薄かったし、年相応じゃねーの」
「親父……
……いえ、そうでなく……
ヘータさんにいつまでカレーを作ってあげられるのかなって
明日でないにしても、いつかきっと……
そしたらヘータさんは……」
 一言ひとことを辛そうに考えながらそこまでいうと言い澱ん
でしまった。

「ヘータさんは……」
「ハッ、バッカじゃねーの
オレだってそれまでにはカレーの作り方くらいおぼえるよ」

「だからさ、ずっとカレー作ってくれよ……
オレが喜タタさんに作ってやれるまでさ」

ネガティブが出てこなくなったのはこの人のおかげかもしれ
ない。そう考えると固くなった心の芯が解れていく感じがした。

「ヘータさん……
……じゃあ玉ねぎをみじん切りにしてください」
「玉ねぎをみじん切りだな。わかった
……ところでみじん切りってなんだ?」

 おれの明日はあと何回あるのかわからないけれど、出来るだ
け美味しいカレーを彼に食べさせてあげたい。そんなふうに思
えただけで明日に繋がる今日を生きられる。

 

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

分割入れるのわすれた

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