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蛙軍曹 緑黄緑

蛙軍曹の緑黄緑で擬人化です。
ヒゲとか煙草とかもう原型どこいったの上、微妙に新刊ネタバレなのでご注意を。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 殊更大きな満月が登る頃、日向家の屋根の上に影が一つ。くわえ煙草で片膝を立てて座り、月を見上げているのは日向家捕虜第一号、ケロロだった。
 黒目がちの大きな瞳は、何の感情も見えずただ深く凪いでいる。
 しばらく微動だにしなかったケロロが徐に振り向いた。背後で音も立てず超時空ゲートが開く。のそのそと出て来たのは、ケロロの上官にして部下であるクルル曹長だった。
 何も言わずふざけたような敬礼をする年下の上官を軽く一瞥してケロロは前を向く。横に座ったクルルを気にすることもなく月を見上げる。

「珍しいな隊長。煙草なんてずいぶん久々じゃねえか。……まさか、アンタも懐郷病かい?」

「んー、微妙なトコ」

 揶揄するような台詞に曖昧な笑いで返したケロロはがりがりと頭を掻く。

「思い出したり懐かしくなったりはすんだけどね。帰りたいとかはあんまり考えた事無いからさあ」

 鼻から紫煙を吐きながらあっけらかんと話すケロロにクルルは呆れたような視線を向ける。軍事国家の悪習に捕らわれているとはいえ、ケロロにはかの星に家族も友人もいるのだ。
 それをなんて事も無く言ってのける感性は、おそらくは生来の物だろう。

「クルルはなったことある? 懐郷病」

「……ねぇな」

 クルルにとってかの星は、産まれた所であっても還るべき場所ではない。気の置けない友も掛け替えのない家族も無く、ただ“それだけ”のものだった。
 クルルの返答にへぇ、と気の抜けた声を返したきり、ケロロはまた黙って月を見始めた。
 クルルは、ケロロの日に焼けているくせに血の気の無い横顔を見つめながら、案外鼻が低いな、などと下らない事を考える。
 徐に手を伸ばしケロロの頬に触れると、チリリと指に引っかかる感触がした。そういえば、昔会ったばかりの頃のケロロは顎髭を生やしていた。剃り落としたのはいつからだったか、とぼんやりと考えながら煙草を奪ったクルルはケロロの唇に自分のをそれ重ねた。
 互いに目を開けたまま、触れるだけのキスを数度繰り返す。離れようとしたクルルの後頭部を、いつの間にか回されていたケロロの手が固定した。
 一瞬で主導権がケロロに移る。素早く入り込んできた舌を押し返そうとするが、すぐに絡め取られてしまい、己を好き勝手に蹂躙する男をクルルは心底忌々しげに睨みつけた。

「んっ……は、あ」

 解放されたクルルがケロロの足を蹴ると、さも楽しげにけらけら笑いだす。舌打ちをして口を拭うクルルから煙草を取り戻したケロロは、すっかり短くなっていた煙草を深く吸い込んで灰皿に押し付ける。
 懐からひしゃげたソフトケースを取り出し一本くわえると、クルルにも差し出した。
 同じようにくわえたクルルの煙草と自分の煙草を寄せ、まとめてマッチで火をつける。
 深く吸い込んだ紫煙を吐き出すタイミングが揃って二人で少し、笑った。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

ナンバリング間違えましたすみませんorz
色々とどうかと思ったがヒゲ萌えが抑えられなかった。


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