ジャケット
更新日: 2011-11-18 (金) 01:51:33
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| 危険刑事 嵩山←十流
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| __________ |  ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| マイナー。同士いるといいな
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| | | | ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ ドキドキ
| | | | ピッ (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
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煙草と、彼の体臭の一部と化している硝煙の匂いが染み付いた、仕立てのいいジャケット。
それが、ソファで窮屈に縮こまって眠っていた十流に掛けられていた。窮屈な体勢で眠っていた
せいで痛む体の節々に顔を顰めつつ、十流は見慣れたフロアを見回す。
時刻は午前一時を少し過ぎたあたり。ジャケットの持ち主も、十流と一緒に当直を務めている
警ら課の警官も見当たらない。
誰もいないのを確認して、十流はジャケットをそっと抱く。ゆっくり息を吸い込むと、肺が彼の
匂いで満たされる。そのことが少し嬉しくて、嬉しいと思うことに、酷い罪悪感を感じた。
――十流は、先輩と慕う男が好きだった。親愛よりも恋愛に近い感情で。
勿論、最初は否定した。否定して否定して否定して、けれどどうしても否定し切れなくて、半ば
諦めるような形で、十流は自分の感情を認めた。
しかし、自らの感情を認めたら認めたで、苦しくて悲しい気持ちが胸の中に広がった。何せ彼
と、もう一人十流が先輩と慕う男の絆は強い。誰もが認める女好きの癖に、どうかすると女性より
何より互いを優先してしまうような彼らを見るにつけ、胸がもやもやと苦しくて、痛い。彼にとっ
て特別な、意味のある人間はたった一人なのだと、残酷な現実を突きつけられるからだ。
だから、ソファで眠っていた自らの上に掛かっていたジャケットが、少し嬉しかった。いつ彼が
ここにきたのかはわからないが、何も掛けずに眠っている自分にこうしてジャケットを貸してくれ
る程度には、彼にとって意味のある人間なのかもしれないと思えて。
「何だ、起きたのか」
「はぁ、今起きました」
二本のポカリスエット片手に、彼がこちらに歩いてくる。外の自販機へ行っていたらしい。昼間
ならばコーヒーメーカーの中は満たされているが、こんな遅い時間には当然ながらあるはずもない。
自分で淹れるか、自販機へ買いに行くかの二択で、彼は手っ取り早く自販機に行ってきたらしい。
「ほら、やるよ」
ひょい、と放り投げられたアルミ缶を受け取る。彼が自分の分まで買ってきてくれたということ
が嬉しくて、十流は小さく笑った。
「どうしたんですか? 今日は定時で帰ってましたよね」
「少し気になることがあってな」
そう言う彼の机の上には、調書がいくつか置かれている。どうやら資料室から引っ張り出してき
たようだ。
「気になること、ですか?」
ソファから立ち上がって、十流は彼の机へと歩み寄る。表紙に書かれた事件の名称に、十流は顔
を引きつらせた。どれも、吟製会絡みの事件である。それも、裏に同じ幹部が関わっていたのでは
ないかと目されているものばかり。
「先輩、これ不味いんじゃ……」
「だから夜中に戻ってきたんだろ」
昼間にやると狸が煩いと、平然と言う目の前の男に、十流は何とも言えない気持ちになる。
彼のこういった行動が、今に始まったことではないとはいえ。
「あんまり危ないことしないで下さいよ」
「向こうが危なくするんだよ、向こうが」
「先輩が挑発するからでしょ」
「俺は真面目に捜査してるだけ。挑発して歩いてるのはアイツだろ」
「先輩も人のこと言えないと思いますけど」
こと、吟製会絡みではどう考えてもこの男のほうがずっと相手を挑発して歩いている。
「ま、そういうわけだから。課長には黙ってろよ、十流。ジャケットも貸してやったし、それも
奢ってやったんだからな」
途中からなんとなく予想がついたとはいえ、はっきり言われると胸の奥がかすかに痛い。目の前
の彼が、無条件に男に対して優しくしてくれないことくらい、分かっているくせに。
「やっすい口止め料……」
小さく呟いて、十流は彼のジャケットを調書の上に置いた。
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| | □ STOP. | |
| | | | ∧_∧ カッとなってやった。
| | | | ピッ (・∀・ )
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- あぶデカ萌えました!ありがとうございます。 -- 2011-07-24 (日) 12:54:33
- 同志様!! -- 2011-07-31 (日) 16:52:59
- サンクス 姐さん またuPしとくれ。待ってる -- 2011-07-31 (日) 22:14:46
- 相変わらず可愛いな十流くんは!うpサンクスでした! -- 2011-11-18 (金) 01:51:32
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