シルバー事件25区 ツキとオオサト 「地調課のかわいこちゃんたち」
更新日: 2011-04-23 (土) 12:58:28
シルバー事件25区で地調課の月と太陽コンビ。エロなしです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!
「せんぱぁい、僕ね、先輩の事、本気で尊敬してるんですからねぇえ」
「あーハイハイ分かったよ…」
「ちゃんと、好きですからね」
「そういうのは彼女に言えよ…」
「あれ?言いませんでしたっけ?ちょっと前に、別れちゃいましたあ!」
狭いアパートの一室で、オレとオオサトはだらだらと酒を飲み交わしている。
オオサトのヤツが酒飲みましょう、と唐突な誘いを掛けてきて、それに対して給料日前だから家飲みなら付き合ってやると答えたら、
じゃあビール買って先輩の家ですね!なんて勝手に決めた挙げ句俺の腕を引っ張って買い物カゴに大量に酒缶を突っ込み始め、今に至る。
というかオオサトよ、こんなむさくるしいアパートよりお前の新築間もないお綺麗なマンションへ案内しやがれってんだ。
そんな風に頭の片隅で愚痴りつつも、酒でぐでんぐでんになって背中にしなだれ掛かってくるこいつの体温に人恋しさを刺激されるのが我ながら情けなくてたまらない。
そして彼女と別れたと聞いて嬉しく感じてしまったのはオレの独り身故の僻みからだ、と自分に言い聞かせながら呷るビールはすでに気が抜けて温く、思考の転換にまるで役立たない。
「ね、先輩」
「何だよ…!?」
振り向いた瞬間口のすぐ横にキスをされた。
いや、頬だ。頬に決まっている。当たってない、当たってない!オレの混乱をよそにオオサトはけらけら笑いながら
「びっくりしましたあ?」
なんて言ってやがる。振り向きざまにするイタズラってのは頬を指で突付く程度が普通だろうが!
「だってそれじゃあただ不機嫌にしちゃうだけでしょ?先輩の驚く顔、僕好きだな」
「このバカ!悪趣味!」
コンビニの袋から新しいビールの缶を出し、プルタブを開けてかっ込むようにぐっと呷る。
オオサトはそんなオレをにやにやと眺めていたかと思うと、とんでもない事を言いだした。
「女の子の基準だと、キス出来たらその人とはセックス出来るって言うんですよぉ」
ビールが気管に入って盛大にむせた。咳き込んで苦しい。涙も出て来た。
お前はなぜこのタイミングでそんな事を言うんだ。オレはどうしてこんな目に遭わなければならないんだ。
「まあそんなワケなんで先輩、僕と寝てみます?」
「バカッ!お前なんか床で雑魚寝してろ!」
「もー、あんまりバカバカ言わないでくださいよー。からかい過ぎたのは謝りますけど、僕だって傷付きますよぅ…」
オオサトが体育座りでしゅんとし始めたのでハイハイ悪かったよーなどと言いながら肩を軽く叩いてやったらオオサトはぼそりと呟いた。
「…吐きそう」
「うわっ!トイレ貸してやるからここでは吐くな!吐くなよ!」
肩を貸す必要もない距離なのにオレはオオサトに肩を貸してトイレまで連れて行った。
気が付けば時計の針もすでに2時を指し、明日が休みとは言ってもオオサトの体調を考えればそろそろお開きだ。
「いやあ…先輩、すみませんでした」
「あのさオオサト、なんでこんな痛飲ってくらい飲んじゃったの?」
オレが何気なく放ったこの質問にオオサトはあー、だのうー、だの意味のない唸り声をあげながら柄にもなく逡巡している。
黒靴下の右足先がぶらぶらと揺れながら床を軽く叩き、俯けた視線も右に左に落ち着きなく床を滑っている。
まあ座れよ、何か愚痴でもあるなら聞いてやるから…と言い掛けた時にようやくオオサトは意味のある言葉を発した。
「いやあ…酔ってしまえば思い切れちゃうかなー…なんて、思ったり、した…んですけど、ね…?」
「え?何を?」
「っ、ははは!忘れてくださいよ!じゃあ僕、これで失礼しますね!今日はありがとうございました!」
まくし立てるように一息で言いながらオオサトは玄関から出て行こうとする。
オレは何故だか知らないがこのまま帰してはいけないような気がしてその腕を掴んだ。
でも、有り得ない。だって俺は普通に女の子が好きなのに。仕事であっても女の子の部屋とか入ると無性にはしゃいでしまうし、
街で女子高生とか華やかなOLの群れなんか見るとウキウキしてしまうし。
なんでだ。割り切れない感情なんてたくさん味わってきたと言うのにこんなの、本当に理不尽だ。
オオサトはオレに正面から抱き締められていた。
腕の中の身体は抵抗を見せないどころか、自らの腕もオレの背中に回してどこかうっとりした声で「ツキさん…」なんて呟いている。
思わず腕に力がこもってしまう。
「い、痛っ」
悲鳴が上がった。
「わ、悪い」
冷水を浴びせられたような心地で腕を解くとオオサトがなおもオレの背に手を回したまま問い掛けてきた。
「せんぱい、僕、喜んでしまっていいんでしょうか?」
大きめの、猫を思わせる鋭くも快活な瞳が潤み、いじらしく揺れている。
くそ、これも冗談だったらオレは失踪してやるぞ。そんな自棄っぱちな思いで、オレはオオサトに自分から唇付けた。
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
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