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グリーン・ホーネット ブリット×カトー 「Our world would continue eternally.」

半生注意。映画「緑蜂」より社長×助手。

101の後日の話。エロありです。
|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

久々にスリリングな夜だった。
目を付けていた新興の犯罪組織が、麻薬取引を行うという情報を仕入れた。そいつをブッ潰すために俺と相棒は、ブラシク・ビューティーを駆って真夜中の街へ繰り出した。
麻薬と金を横取りする振りをして取引の邪魔をし、居合わせたヤクザな連中を二人してことごとくぶちのめした。
秘書が通報していたおかげで、いい頃合いに警察が駆け付けた。倒れていた組織の奴らは逮捕され、麻薬も押収された。
だが案の定俺達も警察に追われ、ちょっとばかり派手なカーチェイスになっちまった。
何発か車に銃弾を喰らったが、相棒の巧みなハンドル捌きと、ベン・ハ_を始めとする搭載武器を駆使したことで、なんとか逃げおおせた。
俺達に怪我はなく、警察にも車の被害しか無かった筈だ。
屋敷に無事帰りついた俺達は、高ぶった気を落ち着けるため相棒のラボでビールを空け乾杯し、計画の成功をささやかに祝った。
しばらく飲んでから、相棒はブラシク・ビューティーの故障箇所の点検を始めた。俺は体に付いた埃とベタつく汗を落とすために、自室に連なる浴室へ向かった。

シャワーでさっぱりした俺は、パジャマの下だけを履いてガウンを羽織り、部屋のベッドに腰を落ち着けた。
興奮は治まったが、気分はまだ高揚していた。いつかの赤い服のマフィア達とのバトルに比べたらかわいいものだが、久しぶりの命のやり取りはやっぱり刺激的だった。
抑え切れず小さな雄叫びを上げて、ベッドに寝転がった。まだとても眠れそうにはないので、相棒を誘ってもう一杯やろうと考えた。

そしたら、何となく思い出しちまった。このベッドで、あいつと過ごした夜のことを。
何度もキスして抱き合い、お互いの体温をかつてないほど近くに感じた。
ちょっとしたハプニングのせいで深い情事には至らず、その夜は二人並んで床に着き穏やかに眠った。
その後、相棒の態度はいつも通りで何も変わらなかった。俺もあの夜のことには触れず、相変わらず軽口を叩いてはたまに奴にツッコまれたりして、ごく普通の日々を送っていた。

そして今夜だ。
俺は急に、相棒に触れたくてたまらなくなった。あいつのしっとりと濡れた唇や、みずみずしい弾力を持った肌の手触りを思い返すと、居ても立ってもいられなかった。
俺はまた酔ってるのか?いや構うもんか、いつだって俺は、自分がしたいようにするだけだ。
決心してベッドから起き上がり、相棒がいるラボに戻るために足を踏み出した。

ツナギに着替えて油まみれで修理に励んでいた相棒を、飲み直そうと掻き口説いて部屋に連れ込んだ。汗と油が臭うからと、俺は奴を浴室に追い立てた。
素直に従いシャワーを使ってるだろう相棒に、ソファで酒を飲みながら少しうしろめたさを感じた。
こんなのは卑怯だ、そりゃよくわかってる。だが小ズルい手を使ってでも、俺は相棒を逃がしたくなかった。果たしてあいつは怒るだろうか。これは言わば、一つの賭けだ。
腹を決めた俺は立ち上がり、浴室のドアに向かった。

「力ト-、いいか?話があるんだ」
「……ブリシト、ちょっと待って、もう出るから」
ノックをして風呂場のドアを薄めに開け、相棒に声を掛けた。返事の後に、シャワーの音が止まった。
待てと言われたが、俺は構わず中に踏み込んだ。湯気で煙る空間の中に、裸の相棒が立っていた。ずかずかと無遠慮に入って来た俺に、奴はちょっと慌てる様子を見せた。
「おいブリシト!今出るって言ったろ。そんなに急ぐ用事、なのか……」
諌める口調と共に振り返った相棒の濡れた体を、手に持っていたバスタオルを広げて包んだ。体の正面から背中に回したバスタオルごと、俺は相棒を抱きしめた。
抱いた瞬間にぴくりと震えたが、相棒は手向かいもせずおとなしかった。巻き付いたタオルに、腕を戒められてるからかもしれない。だが相棒が本気になればそのくらいものともせずに、俺の腕から逃げ出せる筈だ。
今こいつはどういう気持ちでいるんだろうか、と考えながら抱きしめたままでいると、相棒は静かに口を開いた。
「……ブリシト、何してる」
「何って力ト-、お前を抱いてる」
「それはわかってる。なんで僕を、抱いたりするのかって訊いてるんだ」
「嫌か?嫌なら殴れよ」
「殴る前に理由を聞きたい。もしあるなら、だけど」

肩に乗せていた顔を上げて、嫌だとは言わない相棒を見つめた。湿って貼り付いた前髪の間から覗く黒い目は、怒りも嫌悪も宿さずに俺をただ見返していた。
俺は少し腕の力を緩めて、黒い髪を指で梳いた。
「力ト-、今夜あらためて思ったんだが……俺達って、ボニーとクライドみたいだよな」
「その映画、見てない」
「そうか。まあ要するに、いつ蜂の巣にされてもおかしくないってことだ」
「うん。なるべく避けたいけどね」
「そうだな……だからつまり、そうなっちまう前に俺は、自分に正直になることにしたんだ。わかるか?」
相棒はよくわからない、という目をした。
「力ト-、お前は覚えてないと言うだろうけど……この前お前が酔い潰れた夜に、俺は」
「ブリシト、それは」
「まあ聞け。あの夜お前に触れてわかったんだが、どうやら俺は、お前にションディー以上の気持ちを持ってる。それで思った。
俺達に明日なんてもんは、あって無きが如しだろ。俺は死ぬ時に絶対後悔なんかしたくないから、自分のしたいことは、絶対……」
「ちょっと待て、ブリシト。君の話は回りくどくて、たまに訳がわからなくなる」
さらに説明しかけた俺の言葉を遮って、相棒は冷静に指摘した。
「……今俺、回りくどかった?」
奴は頷き、もっと簡単に、と告げた。深呼吸をした俺は、相棒を抱き直して真剣にその目を見つめた。

「よし、じゃあ簡単に。力ト-、俺はお前が欲しい」
「ブリシト、欲しいっていうのは……」
答える代わりに、顔を寄せてそっと口づけた。相棒はまた体を震わせ、手は俺のガウンの裾を握った。お互い目をつぶり、しばらく唇を合わせてから離した。俺は相棒の顎に手を添え、赤い唇を親指でなぞった。
「俺を殴らないんだな、力ト-」
「……そんなことしないよ。だって、僕も」
君が欲しいから、と消え入りそうな声で答えうつむいた相棒を、俺は笑って強く抱きしめた。

盛り上がった勢いで、タオルに包んだ相棒を横抱きに抱え上げた。恥ずかしいからやめろと抗議されたが、暴れると落としちまうぞ、と軽く脅かしたらおとなしくなった。
それでなくとも奴を運ぶ俺の足取りは、ヨタヨタと頼りないものだったから、しぶしぶ承知したんだろう。

浴室を出て短い距離をなんとか歩き、なるべくそっと相棒の体をベッドに下ろした。ベッドを横切るようにして、奴は仰向けに寝そべった。
「ブリシト、腕と足が震えてたぞ。たったあれだけの距離なのに、情けないな」
「そりゃ力ト-、お前の体が意外に重かったからだ」
「僕は普通だよ。それに僕なら、君くらい楽に抱えて歩ける。君は筋力が足りないんだ、鍛えてやろうか」
「ああ、またの機会にな。今はけっこうだ」
体から剥がしたタオルで髪を拭いてやりながら、相棒のからかいをいなした。今やこいつは、一糸纏わぬ素っ裸だ。布団に膝をついた俺は、眼下に晒された相棒の引き締まった体をチラッと見た。
にわかにバクついてきた心臓の音を感じ、ごまかすように相棒に覆い被さってキスをした。
頬を両手で覆ってついばみ、それから段々と濃厚なキスに変えた。唇を舐めていた舌を中に差し入れ絡めると、相棒はおずおずとそれに応えた。

甘く深く口づけながら、俺は手を奴の肌に這わせた。この間は触れなかった小ぶりな乳首を撫で上げると、横たわった体がちょっとだけ跳ねた。
舌を離して、俺は首筋に顔を埋めた。同じ物を使った筈なのに、相棒の体からは俺よりも強いボディソープの香りがした。こいつ自身の体臭が薄いせいだと納得し、首筋から顎下を唇と舌でなぞりくすぐった。
「力ト-、お前胸が感じるんだな」
「バカ、そんなこといちいち言うな……あっ」
指で強く摘んでやると、憎まれ口を叩いていた相棒は小さな高い声を出した。赤くなり押し黙った奴に俺はまたキスして、両手を使い胸をいじっては撫でた。
相棒は体をわななかせ、上げた腕を俺の背中に回して縋り付いた。

口づけの箇所を唇から喉、胸元へと移して行き、乳首に吸い付いて口に含むと、相棒はより力を込めて俺を抱きしめた。
キスしては甘く噛んでを両方に繰り返し、左手は開かせた脚を膝から撫で上げた。じわじわと内股をなぞり、そこには何もしていないのに半ば立ち上っている中心に触れようとした。
自分以外の男特有のモノに触るなんて初めてだが、それに関しての嫌悪感はなかった。むしろ優しく丁寧に扱ってやらなければ、とちょっと緊張していた。ふいに相棒が、俺のガウンを引っ張り待ったをかけた。
「……ブリシト、待って!ちょっと、待ってくれ」
「なんだよもう!今日は吐くほど酔ってないだろ、力ト-」

いいところまで来て水を差され、俺は苛々として叫び顔を上げた。相棒は乱した息を整えながら、また口を開いた。
「吐かないよ……でも、聞いてくれブリシト、君はズルい」
「何がズルいんだ。お前をひん剥く手間を省くために、シャワーを浴びさせたことがか?」
「……それもだけど、今は違う。ズルいのは、君が服を脱いでないことだ!僕だけ裸で、まるでバカみたいじゃないか」
真っ赤な顔で必死に訴える相棒は、眉を下げてちょっと涙目になっていた。嫌がらせじゃなく単に脱ぐのを忘れてただけの俺は、納得して一旦相棒から手を放した。

「わかったよ力ト-、そんなことでスネるな。今脱いでやるから」
「別にスネてない。なんでそう、上から目線なんだ……うわっ」
肩からガウンを滑り落とした俺の胸を見て、奴は小さく声を上げた。
「なんだよ、失礼だな。俺の裸なんて何度も見てるだろ」
「……ゴメン、間近で見ると凄かったから、つい」
「お前らがツルツル過ぎなんだ。欧米人なら、このくらい普通だぞ」
「わかってる、怒るなよ。君の髪の毛と同じで、クルクルしてるな」
「こら、くすぐったいだろ力ト-」
相棒は笑って手を伸ばし、とぐろを巻く俺の胸毛を指でなぞった。
俺は手を掴んで悪戯を止め、上から重なって相棒を抱きすくめた。裸の胸を合わせて擦り付けると、今度は奴の方がくすぐったがり悲鳴を上げた。
「毛がくすぐったいよ、ブリシト!」
「じきに慣れるさ。あったかいし、なかなかいいもんだろ」
「今は熱苦しいよ、風呂上がりだし……っ!」
際限のない軽口を遮るために、俺は相棒の中心をやんわりと握った。奴は刺激に少しのけ反り、息を飲んで目を閉じた。
手の中で優しくこね回してやると、緩やかに首を振って感じ入っているようだった。
俺は耳の裏側にキスして、耳元に唇を寄せ低い声で囁いた。
「力ト-、気持ちいいか?もっと良くしてやるからな」
「だから、訊くなって、バカ……」
乱れる呼吸の合間に小声で悪態をつく相棒が、やけにかわいらしく見えた。
もっと快楽を与えたいと心から思った俺は、相棒から体を離して起こし、サイドボードの引き出しを開けた。いつも使っている潤滑用のジェルを取り出すと、利き手の左手に素早く塗りたくった。

「……ブリシト、どうしたんだ?」
「中断してすまん、力ト-。可愛がってやるから、力を抜いてろよ」
「え、何を……あ、バカ!何する、ブリシト」
ジェルにまみれた中指を相棒の後ろに宛てがった。驚きもがく体に体を重ねて押さえ、ゆっくりと指を差し入れた。
「……やだ!やだよブリシト、いきなりこんな……」
「力ト-、大丈夫だ。すぐ気持ち良くなるから、ちょっと我慢してくれ」
「嘘だ、こんなのおかしいよ、ブリシト……!」
「シーッ、静かに。俺を信じて任せろ、力ト-」
焦りうろたえる相棒にキスをしてなだめ、俺は指をうごめかせた。慎重に抜き差しを繰り返すと、強張っていた体から段々力が抜けて行き、俺の肩を掴んでいた両手は所在なげに背中を這い回った。

「ブリシト、ブリシト……」
「力ト-、そうだ。俺の指に集中しろ。何も怖くないぞ、お前に触ってるのは俺なんだからな」
「う、うん……ブリシト……はあっ」
切ない吐息の合間に慎ましやかに漏れる声はひたすら甘く、名前を呼ばれて俺は俄然興奮した。今まで伊達に色事を重ねて来た訳じゃない、ここで本領発揮しないでどうする、と妙に張り切った気分になった。
指を一本増やすと、相棒はまたのけ反ってかすかに悲鳴を上げた。震える中心に再び触れてやりつつ、そろそろと指を動かした。指はすっかり埋め込まれ、熱く狭い中を俺は念入りに擦った。

気付くと相棒の手は俺から離れ、側にあったタオルを掴んで顔に押し当てていた。顔が見えず、喘ぐ声もくぐもってよく聞こえないので、俺は手を伸ばしてタオルを奪おうとした。
「力ト-、しがみ付くならそんな物じゃなく俺にしろ。なんで隠れるんだ、恥ずかしがるな」
「ダメ、やめてくれブリシト!頼むからほっといて……」
「バカ言え、顔が見えなきゃお前が気持ちいいかどうか、わかんないだろ。ほら、タオル放せ」
「ダメだったら!見ないでくれよ……ブリシト!」
無理矢理タオルを引っぺがすと、現れた赤い顔は涙で濡れていた。俺はびっくりしてちょっと固まったが、すぐに気を取り直して相棒に確認した。

「力ト-、泣いてるのは俺が嫌だからか?それとも……」
「……じゃ、ない」
「うん?聞こえないぞ力ト-」
「嫌じゃない、ブリシト。その逆だから、余計に恥ずかしいんだ……察しろ」

素直に告げた後、いたたまれない様子で目を閉じ顔を背けた相棒に、俺はたまらない愛しさを覚えた。そして、ちょっと突っ走り過ぎたなと反省した。
俺は相棒からそっと指を抜き、ティッシュで拭った。相棒の涙も拭いてから、ぐったりした上半身を支えて起こした。頭を俺の肩にもたれかけさせて、火照る体を撫でてやった。
「力ト-、お前あんまり、こういうことに慣れてないんだな」
「……そんなことない、君よりは淡泊なだけだ」
意地を張る相棒の額にキスを何度か落とすと、奴はお返しとばかりに俺の首筋に口づけた。
二人でくっついたまま座り、しばらく沈黙していた。さすがに落ち着いて涙も引いた相棒が、ふいに口を開いた。

「ブリシト、訊くけど……今夜はその、最後まで……するのか?」
「最後までって、つまりこれか?そりゃまあ、出来れば……いってえな、バカ!何するんだ」
下品なジェスチャーをして見せると、眉をしかめて俺の胸毛を一本むしり取った。
痛む胸を摩りながら、俺はふと思いついた質問を相棒に向けた。
「そういや確かめてなかったけど、お前そっちでいいのか」
「何、そっちって」
「だからつまり、俺に愛されるというか、突っ込まれる側……だから痛いって!それやめろ力ト-、ぶっ殺すぞ!」
あまりの痛さにややキレて叫ぶと、相棒は抜いた毛を息で吹き飛ばし、上目使いに俺を睨んだ。
「今さらそれを訊くのか、君は。ここまでしといて」
「うっかり訊くのを忘れてたからな、一応確認だ」
「じゃあ僕が嫌だって言ったら、君は僕に抱かれてくれるのか?」
「うーん、あんまりぞっとしないが、お前がそうしたいならそれでもいい……いや、やっぱダメだな!お前を抱く方がいい!」
ちょっとカッコつけてはみたものの、あっという間に前言を撤回した。相棒の滑らかな肌に触れるのは心地良いし、与えられる限りの快楽を惜しみ無く与えてやりたいと思うからだ。
俺から施される愛撫に身悶えて、涙まで流したこいつの姿を見た後じゃ、ますますそう思っちまうのは仕方のないことだ。
相棒は黙って顔を見ていたが、体ごと俺の正面に向き直り、伏せた顔を肩に押し付けた。

「で、お前はどうなんだ?力ト-」
「……君が好きなようにすればいい。君なら僕は、なんでもいい」
ごく小さく漏らされた囁きを耳にして、俺の心臓はたちまちときめいて高鳴った。

なんていう殺し文句を吐きやがる。一体こいつは、どんな表情でそれを言ったんだ。
肩を掴んで顔を上げさせようとしたが相棒は抵抗し、けっこうな強さで俺の肩に噛み付いて来た。ぶっ殺すぞこの野郎!とまた叫んだ俺の声を聞いて、やっと顔を上げた相棒は実に楽しそうに笑っていた。

好きにしろと言ったものの、ことを成し遂げる覚悟が相棒にまだ出来てないようなので、今夜は無理をせず最後まで行かないことに決めた。
その代わりにお互いのモノを触って一緒に気持ち良くなろうと提案すると、やや固い顔付きで頷いた。緊張を解してやるために、俺は肩を抱いてキスをした。
執拗に舌を絡めて唾液を交わすと、相棒はぼうっとなって顔を上気させた。
腰を撫でていた左手を前に回して、相棒の中心に触れた。口づけながら、俺はそこを優しく擦り上げた。その度に相棒は、喉の奥から甘い呻き声を零した。

「なあ力ト-、俺のも……してくれ」
唇を解いて相棒の右手を握り、股間に導いた。誘われるままにパジャマのズボンの上から、はち切れんばかりに猛った俺の中心に触れると、奴は驚いたような声を出した。
「ロ矣呀!稍等、大……」
「……今『大きい』って言ったんだろ、力ト-」
「……知らない」
相棒はそらとぼけたが、叫び声のニュアンスから俺は間違いないと感じた。自慢じゃないが、俺のは相当デカいんだ。

「そうか、まあいい。力ト-、触ってくれよ。お前の手で感じたいんだ」
微笑んでねだると相棒は俺の頬にキスして、同時にズボンを引き下ろし、飛び出した中心にためらいなく直接触れた。
俺より細い指が俺のモノに絡まり刺激を与えてくれることに、大いに興奮し悦びを感じた。
空いた右手を相棒の後頭部に回して引き寄せ、噛み付くように唇を奪った。俺達は舌を吸い合いむさぼって、手はそそり立つお互いのモノをしっかりと握り扱いていじった。

「ブリシト……ブリシト、もう……」
「力ト-、いいぞ。俺も限界だ……」
近付いて来た絶頂を感じ、手の動きはさらに激しくなった。
小さな高い声で俺の名前を呼び、まず相棒がイッた。すぐ後に俺も唸り声を上げて果てた。息を整えながら、お互いの手の中に放った物をティッシュで拭き取り、俺達は抱き合った。

なんだかやたら照れ臭くて、何を言っていいのかわからないので、とりあえず俺は相棒の顔にキスの雨を降らせまくった。相棒は静かに笑って、俺の背中を撫でていた。

……誰かが俺の頭を優しく撫でている。ああ、これはあいつの手だ。
シャワーを浴びに行った相棒をベッドで待つ間に、俺はうたた寝しちまったようだ。
ぼんやりと意識はあるものの体が動かないので、目を開けず触られるままにしていると、相棒の穏やかな声が聞こえて来た。
「ブリシト……眠った?」
起きてるよ、と心の中で返事すると、髪を梳いていた手を俺の頬に当てて、相棒はまた囁いた。

「なあ、ブリシト。僕達はいつ殺されても不思議じゃないって、君は言ったね」
そんなこと言ったか?……ああ、お前を風呂場で抱きしめた時か。ボニーとクライドの話だ。
「確かに、僕達の夜の世界は危険に満ちてる。何があってもおかしくない……でも、僕は」
相棒は言葉を止め、ちょっと考えてからまた口を開いた。
「僕が、そうはさせない。居場所が無かった僕の手を引いて、新しい世界に連れ出してくれたのは君だ、ブリシト。万一の時二人一緒に死ぬなら、それはそれで構わない。でももし、もしも君だけが消えたら……」
いつになく真剣な口調に驚いたが、俺は心を落ち着けて相棒の言葉を待った。

「君を失えば、同時に僕の世界も終わる。だから、絶対にそうはさせない」
僕が君を守るよ、ブリシト。
口には出さないが、そう言っているのだと俺にはわかった。
なんてこった。お前の世界は、俺が死んだらそれで終わるって言うのか。これまたなんて殺し文句だ。
俺はかつて、誰かにここまで必要とされたことがあっただろうか。いつも俺を気にかけてくれていた親父とは、分かり合えないままで終わってしまった。
相棒と出会ったことで、新世界へ歩き出せたのは俺だって同じだ。
そうだ、俺もだ。もしもこいつを失えば、俺の足はきっともう動かない。

相棒は俺の髪にそっと口づけると、ベッドに入って俺の後ろに横たわった。背中に額を付けて眠りに入ろうとする相棒を、抱きしめてやりたい衝動に駆られた。だがひそやかに告白をした奴の気持ちを思うと、それは出来なかった。
相棒の寝息を背中に感じ、溢れ出す様々な感情に心を乱されて、ちょっと泣きたくなっていた。それから俺は、なかなか寝付けなかった。

コーヒーの香り。ぼんやりと覚醒した意識の中で、まずそれを感じた。寝ぼけまなこで匂いの方向に目をやると、サイドボードの上に置かれたカプチーノと、花瓶に活けた一輪の赤いバラが視界に入った。
上体を起こしてカップを手に取り、香りを楽しんでから一口啜った。あいつの入れたコーヒーは、やっぱり格別だ。
顔を上げて姿を探すと、すでに身なりを整えた相棒はカップを片手に窓辺に立ち、カーテンの隙間から外を眺めていた。
俺はカップを置いて立ち上がり、相棒が佇む窓辺に近付いた。
「おはよう、ブリシト」
「ああ、おはよう力ト-」
振り返らず挨拶をした奴の後ろに俺は体を寄せ、襟足が綺麗に揃えられたうなじに軽くキスをした。相棒は少し肩をすくめ、肩越しに俺を見て苦笑した。
「もう朝だよ、ブリシト」
「ああ、わかってる。だが朝が始まる前に、言っときたいことがあるんだ」
首を傾げた相棒の肩と腰に背後から腕を回し、力を込めて抱きしめた。髪に顔を埋めて、俺は相棒に語りかけた。

「力ト-……もしお前だけが死んだとしたら、俺の世界はそこで終わり、ジ・エンドだ」
「……ブリシト、君、夕べ」
聞いていたのか、と続くだろう相棒の言葉を遮って俺はさらに言った。
「だから、お前を俺が守ってやる。いつでも誰からも必ず守る。だから安心しろ力ト-、俺達の世界は終わらない。絶対、永遠に」
耳元に口を寄せて小さく、だが力強く囁いた。腕の中の体が、少し奮えているのがわかった。相棒は空いた方の手で、肩を包んだ俺の腕に触れた。

「……そりゃどうも。君の気持ちだけは、受け取っておくよ」
「おい、それどういう意味だ、力ト-」
さあね、とクスクス笑う相棒の首を、羽交い締めにして俺も笑った。

何かが変わったようで、実は何も変わらない。俺達の夜の秘密が一つ増えた、それだけのことだ。

朝が来て、そして夜がまたやって来る。俺達の二つの世界は、これからも続いて行く。
きっとずっと、続いて行くんだ。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!
あの映画見てないので、ぼんやりしたイメージで引用してます。世界よ続け、いつまでも。


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