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LADY~最後の犯罪プロファイル~ 寺田×新堀 「Cute Pretty Sweet(is you).」

半生。邦ドラ淑女より、法医学者×地理プロ。エロなし。
#6~#7の間のおはなし。既婚と未婚の不倫になりますのでご注意を。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

「寺/田、戻りました」
午後1時。外部での用事を終えた寺/田がC/P/Sに帰ってくると、コンソールについていた奥/居が「おっかえりぃ」と陽気に迎えた。
寺/田は収拾したデータの入力を頼み、ブースに荷物を置くとコーヒーを淹れに休憩スペースに向かった。

「だから!アレは捜査の為に言っただけだって言ってるだろ!なんでまた蒸し返すかなーもー!!」
「それは新/堀さんが私にちょっかいかけるからですよ。ホントは本気だったんでしょ、あの時の声の揺れは真実を語る時のものと…」
「だぁーかぁーらそれは居場所を伝えてたからで!僕の居場所は真実なんだからそれは当たり前…」

休憩スペースには先客が居た。香/月と新/堀だ。どうやら、過日の無差別通り魔事件から発展した騒ぎの際に、人質にとられた新/堀が香/月へ告白めいた発言をしたことをまたやり玉に挙げているらしい。
たしかに、あの告白は真に迫っていた。「仲間を失うかもしれない」という動揺も手伝い、あの場に居た誰もが、新/堀は本当に香/月に想いを寄せていたと錯覚してしまう程に。
…寺/田の心は、さらに複雑な気持ちで揺れていたが。

壁をコンコンと叩き、騒ぎに割って入った。
「かづきー。結/城さんが探してたぞ。」
「あっ寺/田さん、おはようございます…結/城さん、なんて?」
「報・告・書」
「げっ」
結/城が香/月を探していたなんて、全くの嘘だ。報告書もでたらめ。だが、思い当たるフシがあったらしい。彼女は心底まずそうな顔をすると、そそくさと自分のブースに戻っていった。
「結/城さんが探してたって、ウソでしょ」
「ああ」
新/堀には見破られた。

新/堀は、件の事案で左鎖骨の辺りを負傷した。今日は病院で検査を受けてからの出勤だったと、寺/田は記憶している。
「検査はどうだった。もう、いいのか?」
「ハイ。この通り包帯も取れましたし、あとは激しく動かさなければ良いって」
そう言うと新/堀は左肩を少し動かし、イテッと顔をしかめた。おいおい調子に乗るなよ、と寺/田は苦笑いでたしなめた。

新/堀が無事で、本当に良かったと思う。
彼は天才的頭脳を持った科学者であり、優秀なプロファイラ―であり、C/P/Sの大切な仲間であり………自分の、恋人だからだ。
いや、恋人なんて美しい関係ではない。自分には妻と子供が居るし、彼と同僚以上の付き合いをするのは本当にわずかな頻度だ。言うなれば愛人、セックスフレンド。
コーヒーを淹れながらそんな事を考えて、寺/田はフッと笑みをこぼした。それを新/堀が見とがめる。
「なに笑ってるんですか、寺/田さん」
まさか寺/田さんまでさっきのこと蒸し返すんですか、と、眼鏡の奥から不満げな目で睨まれる。かわいい。自分と4つしか違わないこの男が、寺/田は最近かわいくて仕方がなくなっていた。元来が軟派なのだ。男にも情欲が湧くとはまさか思いもしなかったが。

寺/田は、それとなく壁際に移動するよう新/堀を促した。
2人が居る休憩スペースはC/P/Sの一角を占めており、三方が壁、入口は開放されておりすぐ前は香/月のブースである。その部屋も、報告書に集中するためか今はブラインドが閉じられていた。壁に身を寄せてしまえば、奥/居からも死角になる。
「そういうことか」と勘づいた新/堀は、照れているようなニヤついているような顔で、コップに口をつけた。
周囲に聞こえないように、寺/田がささやいた。
「嘘でもな…恋人以外を『好き』って言われるの…複雑」
予想外の言葉に驚いたらしく、コーヒーを口に含んでいた新/堀はゲホゲホと盛大にむせた。寺/田はその反応にムッとしながらも、背中をさすってやった。
「お前、そんな驚くなよ」
「ッませ…だって…寺/田さんが、ゲホッ、そんなこと言うなんて…!肩痛った…!」
「…俺が恥ずかしくなるじゃねえか」
しばらくすると咳はおさまり、今度は新/堀が口を開いた。
「でも、寺/田さんもけっこーズルいですよねぇ」
「あ?」
「だって、奥さんにもお子さんにも『愛してる』って言ってるでしょ?」
「うっ」
そこを突かれると、反論できない。
「まぁ、僕は別にいーんですけどね?子供じゃないんだし?体だけでも?」
あー心広いよなぁ僕って~、と、新/堀は寺/田の心にグサグサと刺さる言葉を吐く。
墓穴を掘る形になってしまった。「してやったり」と笑う顔が、かわいらしくも憎らしい。

どうしたものかと言い淀んでいると、新/堀が上半身をひねるように下から覗きこんできた。
「僕、今月はまだ1日もお酒飲んでないんですよね」
「…は?」
「だぁから、まだ1日もお酒飲んでないんですってば!」
一度では理解できなかったが、繰り返されて合点がいった。
新/堀は几帳面な性格で、自らのカフェイン・アルコール摂取量を日割り月割りで決めている。故に結/城や奥/居からの飲みの誘いを断ることもしばしばで、顰蹙を買っているのだが。
そんな新/堀が、こんなことを言う、ということは……
「じゃ、その…こんや、どこか、飲み…行くか?」
寺/田はおずおずと尋ねた。

「寺/田さんが行きたいんなら?ま、付き合ってあげてもいいですけどね」
予想は間違っていなかったらしい。新/堀は「しょうがないな」という顔をしながらも、にこにこと笑っていた。
かわいい。寺/田はくしゃくしゃと新/堀の頭を撫でると「残業すんなよ」と言い残して自らのブースに戻っていった。新/堀も、緩む口角を片手で隠し、本日分の書類を仕上げるために自分のブースに戻っていった。

「うっっっっぜぇ…」
「途中から丸聞こえなんだよホモが…」

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

良いタイトルが思い浮かばずこっぱずかいしいモノに…寺/田は新/堀の「かわいいところ」を知っているのです。
先々週・先週と公式に禿げ散らかしていたら今週の「指輪探して」でまた禿げました。もう髪が無い。


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