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ジョーカー 許されざる捜査官 来栖×伊達 「~君に笑顔が戻るまで~Part.1」

すみません。SS初心者です。無駄に話が長いのにエロ少ないです。
最初、マス×盾だったのに、クル×盾になってしまいました。
書けないのに、ツンデレ好きでした。
ナツ×盾もちょびっと。ナツは、報われずにかわいそうなことになってます。
将来、盾×鑑識もありかというテイストで、カチョに悪魔のシッポがはえてます。
捏造てんこもりで、カチョに娘がいる設定です。
カチョもあすたんもいない四ハンに残された盾がかわいそうで、クルに支えて欲しくてこうなりました。
Part.1~4まであります。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

 見神との面会を終え、東京拘置所を出て電車に乗り込むと、次の駅から高校生が大勢乗り込んで来た。
ああ、もうそんな時刻か、と盾はぼんやり思った。
署に帰り着く頃には、すっかり暗くなっているだろう。
また久流須に怒られるな~と、小さいため息が出た。
見神に面会に行くと言っても言わなくても、久流須の眉間にしわが寄る。
いつからだろう、久流須に苦虫を噛み潰したような顔で見られるようになったのは。
美弥木の事件の前にコンビを組んだ時は、久しぶりだなと笑顔を向けられた。
所轄署から自分の配下に配属された時は、おまえが上司かよーと憎まれ口を叩いたが、
やっぱり笑っていた。それなのに・・・。
 警察学校時代、同じ班になった美弥木と佐衛子と盾の三人は、なぜか馬が合った。
お互いの長所短所がうまくかみ合い、得るところが多かったし楽しかった。
班長の盾の冷静な洞察力、副長の美弥木の大胆な行動力、班の紅一点の佐衛子の確実な調査力。
三人は、同期の中でも目立った存在だった。
そして久流須。隣の班の副長である久流須は久流須で、その長身と身体能力の高さで目立っていた。
爽やかな笑顔って、ああいうのを言うんだろうな、というのが盾の第一印象だった。
いつからだろう、ちょっとしたはずみに久流須に目が行くようになったのは。

久流須を見ていると、遠い記憶の彼方の霞んだ誰かが思い起こされるのだが、
どうしても思い出すことが出来ない。それがもどかしくて仕方なかった。
目の前で両親を殺害されたショックは、多岐にわたって長い間盾を苦しめた。
事件前の楽しかった頃の記憶にまで容赦なく亀裂が入り、いくつもいくつも零れ落ち、失われてしまったのだ。
忘れたい記憶が消えずに、失いたくない記憶が消えた。思い出せない思い出の存在が、盾をまた苦しめた。
だから、そういう自分を心配そうに見ている美弥木に気が付くことが出来なかったのだ。

 警察学校時代、久流須と美弥木は格闘技で競い合っていた。
二人より体格も持久力も劣る盾は、唯一射撃の腕がかろうじて上なくらいで、他はお話にならない。
二人は同期の中でよくトップ争いをしていた。
傍から見ても、いいライバルだった。
子供のようにああだこうだと言い合いながら道場で稽古する二人を見ているのが、
盾は好きだった。
佐衛子の時とはまた違った、男三人の気安い関係も、盾には心地よかった。
結局その時、両親の死後環境が激変した盾は、経験できなかった普通の少年時代をやり直していたのかもしれない。
そのせいで、少し子供じみていたのだろうか。
「おまえ、こんなものが好きなのかよ!」
と久流須が呆れたことがあった。
警察学校の寮で、こっそり酒宴を開いた時のことだ。
少人数でいくつかのグループになって、すこしずつ酒や肴を買い込んで来る作戦だったのだが、
ある買出し部隊に盾がいちごミルクを頼んだのだ。
「だって、酒弱いし・・・。」
「せめてウーロン茶とかにしろよ、宴会でいちごミルクなんか頼むんじゃねえ!」
「前、ウーロン茶頼んだら焼酎割りが来ちゃって、それ飲んでぶっ倒れたんだよな。」
と笑いながら、美弥木がフォローにならないフォローをする。
「いちごミルクなら、酒で割られることもないかと思って・・・。」
久流須はぱかっと開いた口が戻らない。
「俺が鍛えてやる!だいたい美弥木は盾を甘やかし過ぎなんだよ!」
美弥木に甘やかされ、久流須に怒られる。
でも最後は三人一緒になって笑い転げた。
 楽しかったな。

昔から久流須は口が悪いけど、世話焼きだったな。
盾は見るともなしに車内を眺めていた。
ある駅に停車した時、背の高い小学生の男の子が走り込んできた。
少し遅れて、背の低い男の子も車内に飛び込んで来た。
二人とも笑いながら、じゃれあった。
それを見て、盾の脳裏にカチリと当てはまるものがあった。
 卒業まで1ヶ月くらいになった時、最初の経緯は忘れたが、柔道がからっきしダメな盾を
美弥木と久流須の二人が特訓する、というはめになった。
射撃は大丈夫だし、剣道もなんとかなっているが、柔道はお粗末だったのだ。
「えー、無理だよー、無理ー!」
「「現場に出た時どうするんだよ!!」」
と二人に怒られ、左右を挟まれ道場に引きずられて行った。
何日かさんざんしごかれ、かろうじて二人から許しを得るレベルまで行った日のことだ。
その日は週末だったので、元々それぞれの自分の家に帰るつもりで外泊許可は取ってあった。
三人で飲もうぜ、という話になり、一人暮らしの盾のアパートに行くことになった。
警察学校を卒業するまで、外で飲酒するのは厳禁なのだ。
「「盾、金出せよ!」」
「・・・ハイ、ハイ・・・」
なんで二人ともこんなに息ぴったりなんだ。
上機嫌な二人の間で、よれよれの盾はシャワーを浴びた。
立っているのがしんどくなって、早々に切り上げた。
「お先に~。」
「逃げんなよ。」
「わかってますって。」
声を掛けて来た久流須に、盾はヒラヒラと手を振って答えた。
その背中が消えると、久流須がポツンとつぶやいたのを美弥木は聞き逃さなかった。
「あいつ、白いな・・・。」
「・・・それに細いし。」
「え?」
「なんでもない。さっさとあがろうぜ、カズが逃げないうちにさ。」
「あ、ああ。」

その晩、うっかり酒を口にした盾はぶっ倒れ、二人に介抱されたあげく、
関係を持ってしまったのだった。

 「初めて男を抱いた夜に、3Pとはな。」
戻ってこない盾の机を眺めながら、久流須はそんなことを思い返していた。
美弥木の声が蘇る。
「指、入れて。」「そこが前立腺。」
「根元まで入れていいから。」
盾のすすり泣く声・・・。
馬鹿だなあ、何考えてんだよ、俺。職場で。それも警察だぞ。

 盾に欲情しているのを美弥木に見抜かれて、初めてそんな自分に気が付いた。そして、美弥木もそうだと。
動揺したまま、初めて盾の部屋に行った。
盾の部屋はこざっぱりと片付いていたが、ところどころに本が積み上げられていて、
うっかり崩してしまいそうになった。
「ごめん、脇にどけといて。」
「あ、ああ。」
なんだか、部屋のサイズと盾の体格にしては、ベッドが大きいような気がするのは、
今の俺が意識過剰なせいだろうか・・・。
「あー、やっぱり、美弥木の言ったとおり。氷買って来て正解。氷、すっからかんだわ。」
キッチンで酒の用意をしている盾が、冷蔵庫の中を見てそう二人に言ってきた。
「そうだろー。」
と美弥木はにやにやしている。
部屋の勝手を知っている美弥木に、ちょっとムカつく。
「美弥木、おまえ盾んち来た事あったの?」
「うん、4回目くらいかな。俺んちちょっと遠いから、帰るの億劫になってさ、泊めて貰った。」
「へー、そうなんだ。」
「何、久流須もお泊りしたかったの?」
「べ、別に!ガキじゃあるまいし!」
「何の話?」と、キッチンから戻った盾が話に加わろうとしたが、
「何でもない!!」と久流須は大きな声を出して阻んだ。

「???」
美弥木は声を押し殺して笑っている。
その後、盾はもっぱら美弥木と久流須の酒の肴にされていたのだが、
自分の部屋に二人が揃っているのが嬉しかったのか、酒も飲まずにはしゃいでいた。
それで間違ってしまったのかもしれない。
口を付けたのは久流須のグラスで、美弥木が濃い目に作ってやった水割りだった。
こてんと盾は気絶してしまった。
二人はあわてて、盾を介抱した。
酔いもすっ飛んでしまった。
美弥木が手馴れたふうに盾をベッドに寝かしつけるのを見て、久流須は腹が立った。
腹の立った自分に戸惑って、また動揺した。突っ立ったままの久流須に、美弥木が声を掛けた。
「水持ってくるから、見てて。」
「あ、ああ。」
キッチンに美弥木が行ってしまうと、どうしていいかわからなくなった久流須は、
とにかく落ち着こうと思って、ついベッドに腰を掛けた。
盾は、久流須のもやもやした気持ちも知らずに、すやすやと眠っている。
髪が短いせいか、実際の年齢より子供っぽく見えた。
最初盾を見た時、その華奢な体形に現場の刑事は無理だろ、と思った。
次にその学科の優秀さと射撃の腕に舌を巻いた。そして、柔道や逮捕術での危なっかしさについ手を貸したくなった。
要するに、どんどん惹かれていったわけだ。
「・・・睫毛、長げえな。」
思わず、手が伸びた。
そっと髪をなでると、盾が目を開けた。
「あ、大丈夫か?」
「・・・」
盾の反応はない。
「盾?」
「朝になるとさ、覚えていないんだよ。」
傍らに、水と氷を入れたコップを持った美弥木が戻って来ていた。

「盾、夜うなされるんだ。」
「・・・なんで?」
「10歳の時、目の前で両親を殺された。そのせいだろう。」
「え!」
「抱いてやると、うなされない。」
「お、おまえ!!」
「久流須、男の抱き方教えてやろうか?」
「な、なに言ってるんだよ!!」
「・・・その気にならないなら、帰るか?終電過ぎちゃってるけどな。」
「・・・おまえは、・・・もう抱いたのか、盾のこと。」
「ああ、カズは覚えちゃいないがな。」
さらりと美弥木は言ってのけた。
久流須は美弥木をにらみつけたが、立ち上げることが出来なかった。
久流須の手に、盾の手が重ねられたからだ。
久流須は、その手を引っこめることが出来なかった。
その夜、盾は久流須と美弥木の腕の中で、信じられないくらい鮮やかな花を咲かせた。

 久流須と盾の関係は、それっきりだった。
盾は覚えていなかったし、腰のだるさは柔道の特訓のせいだと思ったようだった。
喉まで嗄れている理由はわからなかったようだが。
二人して、さんざん泣かせたからな。
三人とも今までどおりだった。
警察学校を卒業して、三人と佐衛子は皆ばらばらの署に配属された。
配属先に行く前、美弥木と少し話した。
久流須はずっと気になっていたことがあった。
盾は男を受け入れるのに慣れているようだった。
久流須をしきりに欲しがったが、同じくらい久流須を気持ちよくしようとした。
深く愛し合ってセックスしていたのでなければ、ああはならないだろう。
美弥木が盾を好きなのは明らかだった。
二人は好き合っているのじゃないのか?だったら何故、その盾を他の男に抱かせた?
「おまえが、その、盾の最初の・・・か?」
美弥木には久流須の聞きたいことが伝わったようだった。

「違うよ。俺とそうなる前から、ああだった。
長いこと関係を持っている人がいるみたいだ。その人には、素面で抱かれてるんだろう。
俺が遊びに行った時、電話が来たことがあって、その相手がそうかなと思った。」
久流須は言葉が出なかった。
「盾さ、久流須のことよく見ていたんだよ。」
「え?」
「気が付いてなかったろ?盾もさ、意識してないみたいだったけどな。」
「おまえは盾を見ていたから気が付いたってのか?」
「うん。」
美弥木は、盾の“情人”から盾を奪い取りたかったのだろうか?
その一方で、盾の思いを叶えてやりたかったのか?
去っていく美弥木の背に、久流須は怒鳴った。
「おまえはやっぱり盾に甘過ぎるんだよ!」
美弥木はただ笑い声を上げた。

 その後は、警察の公報で互いの消息を知るくらいだった。
盾は成績優秀で何度も表彰されたので、久流須も様子を知りやすかった。
盾が捜査一課に抜擢された後、見神の名前を聞いた。
県警本部のお偉いさんが、盾の後見人だと。
久流須がキャリア嫌いになったのは、それが発端だったかもしれない。
盾と美弥木が同じ所属になったのを知ったのも、公報からだった。
盾・美弥木コンビが成績優秀だという噂が、その後聞こえて来た。
美弥木は盾の恋人になれたのだろうか?
盾のことを忘れて、その時付き合っていた彼女と結婚しようかと思った。
プロポーズはどうしようかなんて考えている時、美弥木と久しぶりに会った。
お互い事件を追っている身だったので、慌しい再会だった。
「俺がいない時、盾が酒呑まされそうになっていたら、久流須、頼むな。」
「はあ?なんだよそれ?相変わらず甘やかしてんだな!」
久流須は、去っていく美弥木の背に怒鳴った。
美弥木は、笑いながらヒラヒラと手を振って行ってしまった。
それが最後だった。

盾は知らない。
「頼むな。」
その一言のために、久流須ががむしゃらに頑張って捜査一課に来たことを。
彼女は構ってくれなくなった久流須に愛想を尽かして、去って行った。
それなのに、久流須が捜査一課に配属されて久しぶりに会った盾は、すっかり心を閉ざしていた。
慈愛に満ちた優しい微笑みで拒絶されるのは、堪えた。
そして、追い討ちを掛けられた。
盾と見神がそういう関係だと、はっきり知ることになったのだ。
二年前、盾の部下になって間もない頃、事件が起きて朝早く盾を迎えに行った。
その時、マンションの入り口で長身の初老の男とすれ違った。
なんとなく気になった。
マンションの住人が、朝の散歩に行くという態ではない気がした。
事件がひと段落した頃、もしかしたらと思って名鑑を捲って見た。
それで、見神だとわかった。
そうか、あの男が見神か。
久流須が県警本部に配属されて来た頃には、既に見神は退職していたので、直接の面識はなかった。
見神が盾のところから“朝帰り”したのだと思った。
実は、“制裁”の際に怪我を負った盾を心配して、引渡しの後に様子を見に来ただけだったのだが、
盾が警察学校に入る前から今まで、二人はずっと続いていると思った。
俺たちと寝たのだって、覚えてない。
俺の出る幕なんかないだろ、美弥木。
久流須は、盾に笑顔を見せなくなった。

 「おにいちゃん」
そう呼んでいた。
なのに、顔と名前が思い出せない。
その子は、本当の兄ではない。
父親同士が親友で、長いこと家族ぐるみの付き合いのあった家の子だ。
お互いひとりっ子だったので、1つ上のその子は盾を弟のように可愛がり、盾もまたその子を兄と慕った。
同じ学年の子と比べると小柄だった盾と、自分の学年では一番背の高かった
その子とでは、実年齢以上の差があるように見えた。
盾は、よくその子に世話を焼いてもらっていた。
二つの家族で行った、海水浴にキャンプ。花火もドライブもスキーも。
はじけるような笑顔があった日々・・・。
ああ、そうか。
俺は久流須に「おにいちゃん」の面影を重ねていたのか。
十何年も経って、ようやく腑に落ちた。
盾が10歳の時、突然別れが来た。
「おにいちゃん」の一家が失踪してしまったのだ。
借金の連帯保証人である盾の父親に何の相談もなく、一家は夜逃げしてしまった。
そして、盾家の地獄が始まった。

 事件後、最初見神は盾を引き取ろうとしたが、家庭を失っていた見神は養い親には不適格だった。
陰惨な経験をし、心に深い傷を負った盾は周囲と壁を作り、「むずかしい子」になっていた。
養子縁組の話も何回か出たが、結局一つも実を結ばなかった。
自分の罪に押しつぶされそうになっていた時、
通っていた中学の教師に性的関係を強要される事件が起きた。

 他人をいたぶるのが好きなやつは、傷を負った人間を嗅ぎ分ける。
盾は十分成績優秀だったが、周囲と打ち解けられないところがあった。
その教師は、内申書の心証と引き換えに盾に関係を迫ってきた。
養護施設の生徒が、高校進学するために奨学金を必要とするのを利用しようとした。
かろうじて逃げ出したのに、養護施設近くまで追いかけてきて、盾を自分の車に押し込もうとした。
止めてくれたのが、見神だった。
養護施設の子にはかばってくれるやつはいない、と思っていた教師は、
警察手帳を突きつけられてあわを食って逃げて行った。
盾は、自分が震えているのが、怒りのためなのか怖れのためなのか、わからなかった。
見神が現れるのがもう少し遅かったら、自分はあの男を殴っていたかもしれない。
握り締めたままの両手の拳を、見神の大きな掌が包み込む。
「よく我慢したな。」
見神には、盾が暴力の衝動と戦っていたのがわかっていたのだ。
名駄偽の血のにおいと、肉を裂き骨に当たる包丁の感覚が蘇って、吐きそうだ。
見神が、盾の肩を引き寄せた。
盾は見神の胸に顔を埋めて、少し泣いた。
守ってくれる親のいない寂しさと惨めさ、理不尽な世間に太刀打ちできない自分の弱さが、
どうしようもなく涙となってこぼれた。

[][] PAUSE ピッ ◇⊂(・∀・;)チョット チュウダーン!
次回に続きます。
すみません、浄化ー話でございました。あ~、どきどきします・・・。

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