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BECK 千葉→→→←平

バンド漫画BECKより、千葉→→→←平くん。
原作意識だけど半生でも楽しめなくはない?かな?

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )ジサクジエンガ オオクリシマース!

ピッ、と嫌な感触が唇の上を走った。
手の甲で拭うと、案の定鮮やかな赤い筋。
「ってェ――‥」
ん?と、俺の二歩先を歩いていた平くんが振り返る。
ニット帽から覗いた両の耳と、ネックウォーマーに半分埋もれた鼻が赤い。
目も心なしか潤んで見えて、痛みも忘れてやっぱ可愛いなぁ、とか考えた。
「どうした、千葉」
「いや、ちょっと唇切れちゃって」
「…」
? どうしたんだろ。
神妙な顔して突っ込んでいたポケットの中の手をごそごそし出す平くん。
「ほら」
なにやら差し出された手には、似つかわしくない小さなピンク色のスティック。
「それ塗っとけ。‥嫌じゃなければ」
言い捨ててまたすたすたと歩き出す。

ちょ、待ったこれリップクリームってやつだよな?
淡いピンクのそのボディには『恋するピーチ』の6文字。
キャップを開けた瞬間ふわっと漂う芳香。
・・・なんで平くんがこれをセレクトしたのかすごく気になるよ!
殆どむしゃぶりつくくらいの勢いで塗ったあと、はっと気付いた。間接キスじゃねえかこれ。
いやいつもポカリとかボルヴィックだとかでやってるけどさ、なんかそれとは違う。すっげえ特別な気がする。
やばい、テンションあがった。
「平くん、ありがと」
「あー。」
「いい匂いだね、コレ」
余韻に浸りたくてそう言ったら、平くんは思わぬ爆弾を投下してきた。
「気に入ったんならやるよ。」
・・・今なんて?
「やっすい時に買い溜めしたから家にめっちゃあんだよ。そろそろ俺、ピーチ飽きたし」
…飽きたから人にあげるなんて、あんまりだよ平くん。
けど嬉しい。メッチャ嬉しい。家宝になるなこれ。
「い、いいの?」
「いいっつってんだろ、」

あ、でも、

「最後にもう一回だけ付けさせろ」
平くんの小造りな唇に、さっきまで俺の唇が触れてたスティックが触れて、俺はもうワケわかんねぇくらいドキドキした。
凜とした冬の空気に、甘いピーチの香りがはじけた。

□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )イジョウ、ジサクジエンデシタ!

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